円形脱毛症の種類と特徴|多発型と単発型の違い | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

円形脱毛症の種類と特徴|多発型と単発型の違い

更新日
円形脱毛症の種類と特徴|多発型と単発型の違い
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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円形脱毛症には、頭髪の一部が丸く抜ける単発型や、複数箇所に脱毛斑ができる多発型など、いくつもの種類があります。

見た目の悩みを引き起こすだけでなく、発症の背景には自己免疫の異常やストレスなど多面的な要因が関係している点も特徴です。

この記事では、円形脱毛症の主な種類とその特徴、治療方法や日常生活で心がけたいケアなどを解説します。

円形脱毛症とは

円形脱毛症は、急に頭髪の一部が抜け落ちてしまう脱毛症の総称です。初期段階で気づかず放置すると、脱毛範囲が広がる場合もあります。

自己免疫の関与やストレスなど、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると指摘されています。

円形脱毛症の概要

円形脱毛症は日本人の頭髪トラブルの中でも比較的認知度が高く、年齢や性別を問わず発症しうる病気です。

脱毛部分は、はっきりとした丸い形で抜けるケースが多く、見た目に気づきやすい反面、原因や治療法が多岐にわたるため、戸惑う方も少なくありません。

自己免疫の異常が原因とされる説が一般的ですが、発症に至る引き金は人により異なります。アレルギー体質やストレスフルな生活環境、ホルモンバランスの乱れなど、複数の要因が複合的に作用して引き起こされると考えられています。

症状の進行と特徴

円形脱毛症は、ある日突然、コイン大ほどの脱毛斑が見つかるのが典型的な始まりです。

単発型の場合は1か所だけに脱毛斑が見られるため「気づきにくいのでは」と思われがちですが、髪をといたときや洗髪時などに抜け毛が増えたのをきっかけに発見されるケースもあります。

一方、多発型では脱毛斑が複数箇所に生じるので、より深刻な見た目の変化を伴う場合があります。

円形脱毛症の特徴として、脱毛部の毛穴は閉じずに残っている例が多く、頭皮に大きな炎症が起きにくい点が挙げられます。皮膚疾患と合併する場合もあるため、症状の進行具合や頭皮の状態をこまめなチェックが大切です。

円形脱毛症が疑われる主な兆候

兆候説明
円形状の脱毛斑の出現直径1~2cmほどの円形または楕円形の脱毛部が見つかる
抜け毛が急に増える洗髪やブラッシング時に抜け毛が普段より増加
頭皮の部分的なかゆみや違和感強い炎症は伴わないことも多いが、軽度のかゆみを覚える人もいる
毛穴がふさがっていない脱毛斑でも毛穴は比較的健康な状態を保ち、産毛が再生しやすい特徴をもつ

円形脱毛症と薄毛治療の関連性

円形脱毛症は急性の脱毛トラブルとして認知されていますが、慢性的な経過をたどるケースもあります。とくに多発型は再発を繰り返しやすく、持続的な抜け毛や薄毛につながる可能性があります。

円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)や女性の薄毛治療がまったく別の疾患と思われがちですが、実際には頭髪ケアの観点で共通点が多く、双方を並行してケアする方もいます。

AGA治療では男性ホルモンの働きに注目する一方、円形脱毛症では自己免疫異常やストレス対策などが重要視されます。

ただし、頭皮環境の改善や血行促進などの対策はどちらにも共通する面があり、抜け毛予防としてクリニックでの指導も役立ちます。

  • 生活習慣の改善による抜け毛対策
  • 頭皮環境を整える外用薬の使用
  • 医療機関での定期的な検査やカウンセリング

こういった取り組みは、円形脱毛症・AGAのどちらの薄毛治療にも役立つ可能性があります。

年齢や性別による発症傾向

円形脱毛症は子どもから高齢者まで、幅広い年代で起こりうる脱毛症です。若い年齢で発症した場合は、自己免疫の暴走が強く関与している場合やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を併発しているケースもあります。

思春期や20代前半など、ホルモン変動が大きいタイミングでも発症しやすいといわれています。

男性と女性のどちらがかかりやすいかについては、大きな差は見られないと報告されていますが、女性の場合はホルモンバランスの影響を受けやすく、再発リスクが高くなるケースもあります。

円形脱毛症の種類

円形脱毛症には単発型、複数個所に発症する多発型、頭皮全体に広がる全頭型、体毛まで含めて脱毛が拡大する汎発型など、いくつかの種類があります。

円形脱毛症の種類を把握すると、自身の状態に合った治療や対策を検討しやすくなります。

単発型

単発型は、名前の通り1か所だけに円形状の脱毛斑が生じるタイプです。大きさは数センチ程度のことが多いですが、症状に気づかず放置すると脱毛斑が徐々に拡大する場合があります。

軽度のストレスや季節的な体調変化で発症する場合もあれば、自己免疫異常によって起こる人もいて、その背景はさまざまです。

単発型円形脱毛症の特徴と一般的な経過

特徴内容
発症範囲頭部の1か所に限局
痛みやかゆみの有無重度の炎症は少なく、軽度のかゆみを感じる場合もある
進行スピード比較的ゆっくり進行し、気づけば数週間で脱毛範囲が広がるケースも
自然回復の可能性比較的高いが、ストレスや生活習慣によって再発する場合がある
治療の選択肢ステロイド外用、生活改善などを中心に症状に合わせて検討

多発型

多発型は、頭皮の複数箇所に円形脱毛斑が発生するタイプです。単発型が進行して多発型になるケースや、最初から一気に複数の脱毛斑が出現するケースなど、パターンはさまざまです。

脱毛箇所が増える分、精神的な負担が大きくなる傾向があり、適切な治療とメンタルケアの両面が求められます。

こうした多発型は、自己免疫の異常が強く働いていると推測されることも多く、治療に時間がかかる場合があります。

ストレスや不規則な生活習慣を放置していると、再発を繰り返しやすいため、根本的な原因を探り、生活面でも対策を講じるようにしましょう。

  • 多数の脱毛斑が急増する
  • 脱毛範囲が隣り合うように拡大する
  • 頭頂部や側頭部など、部位を問わず発症しうる

このように多発型は見た目にも大きな変化をもたらすため、早期発見・早期対策が重要です。

全頭型・汎発型

脱毛範囲が頭皮全体に及ぶものを全頭型と呼び、頭髪だけでなく眉毛やまつ毛、体毛などの広範囲に脱毛が進むものを汎発型といいます。

全頭型や汎発型はまれなタイプとされていますが、自己免疫異常の程度が強いときに起こりやすい傾向があります。外見上の変化が大きく、精神的なストレスも多大になります。

全頭型や汎発型では、積極的な治療が必要な場合もあります。日常生活の改善だけでは不十分なケースもあり、ステロイド注射や光線療法など、複合的な治療を検討することが多いです。

母斑状円形脱毛症などその他のタイプ

まれに、母斑状(ぼはんじょう)と呼ばれるタイプの円形脱毛症もみられます。これは、生まれつき脱毛部位があるような状態や、先天的な要因が絡むケースが含まれます。

脱毛斑の形状が一般的な円形とは異なる場合もあり、自己判断が難しい場合は皮膚科や脱毛治療を扱うクリニックで診察を受けると安心です。

単発型円形脱毛症の特徴

単発型円形脱毛症は、頭皮の1か所だけに脱毛斑が見られるタイプで、最もよく知られている円形脱毛症の種類です。

脱毛範囲が小さい場合、外見上はあまり目立たないこともありますが、放置していると他の部位に新たな脱毛斑が生じる可能性もあります。

発症のきっかけ

単発型円形脱毛症のきっかけには、ストレスや免疫機能の乱れが関わるケースが多いです。仕事や家庭環境の変化、睡眠不足、過度のダイエットなど、日常生活に潜むさまざまな負荷が引き金になると考えられています。

また、季節の変わり目に発症する例もあり、寒暖差や気候の変化によって体調バランスが崩れやすい時期に注意が必要です。

抜け毛が起こりやすい範囲

単発型の場合、脱毛斑が生じる範囲は、頭頂部、後頭部、側頭部などどの部位でも起こりえます。

とくに頭頂部や後頭部は、髪の流れを整えたときに見つけやすいため、早めに気づきやすいです。一方、サイドや耳上など、髪で隠れている部位だと発見が遅れる人もいます。

単発型が発生しやすい部位と特徴

部位特徴
頭頂部他人からも見つけられやすく、早期発見につながる
側頭部髪の長さによっては隠れやすく、見つけにくい
後頭部ブラッシング時に触れて気づくことが多い
生え際付近鏡で確認しづらく、自分で発見しにくいことがある

病院での受診タイミング

単発型の円形脱毛症は、自然治癒するケースも決して少なくありません。しかし、初期段階で適切な対策を講じると再発リスクや脱毛範囲の拡大を抑えられる場合があります。

脱毛斑を発見し、数週間たっても改善が見られない、または脱毛斑が大きくなったと感じるようなら、早めに医療機関を受診したほうが安心です。

  • 抜け毛が増えた気がする
  • 頭皮に違和感やうずくような感覚がある
  • 脱毛斑が広がっているように見える

こうした変化を自覚した場合は、放置せず専門家の診察を受けるとよいでしょう。

再発リスクと注意点

単発型は一度治ったように見えても、ストレスや生活習慣の乱れが続くと、同じ部位または別の部位で再発する可能性があります。

特に短期間に何度も再発を繰り返す場合は、自己免疫の異常やホルモンバランスに深いかかわりがあるかもしれません。

根本的な原因に働きかけて必要に応じて薄毛治療を組み合わせると、長期的な抜け毛予防につながります。

  • 定期的な頭皮のチェック
  • 生活リズムを整える努力
  • ストレスを軽減するリラクゼーションの導入

再発を防ぐためには、これらの日常的な取り組みが重要です。

多発型円形脱毛症の特徴

多発型の円形脱毛症は、複数の脱毛斑が同時に、あるいは時期をずらしながら次々と出現するタイプです。精神的な負担が大きく、治療も長期化するケースが少なくありません。

発症しやすい年代

多発型は、思春期以降の若い世代から中高年まで幅広い年代でみられますが、20~30代が仕事や家事育児などでストレスを抱えやすく、発症率が高い傾向も指摘されています。

また、アトピー性皮膚炎など別の自己免疫疾患を持つ方に多発型円形脱毛症がみられる場合もあり、身体的・精神的な負荷との関連性が注目されています。

症状の進行度合い

多発型は、頭皮のあちこちに脱毛斑が増えていくため、短期間で見た目が大きく変化します。斑同士が合体して広範囲の脱毛として見える場合や、頭皮全体に点在するように小さな脱毛斑が多数生じる場合もあります。

症状が進行するにつれ、クリニックでの治療とセルフケアを並行する必要が高くなります。

多発型円形脱毛症の進行過程と注意点

進行過程注意点
複数の脱毛斑の出現部位によって大きさや形状が異なる
脱毛斑が拡大・合体広範囲の脱毛につながる可能性がある
他の自己免疫疾患の疑いアトピーや甲状腺疾患などと合併している場合は早期対策が必要
再発と寛解を繰り返すケースが多いストレス管理と医師の継続的なフォローアップが大切

ストレスとの関係

円形脱毛症全般にいえることですが、とりわけ多発型はストレスとの関連が深いと考えられています。過剰なストレスが、自己免疫機能を乱し、毛髪を攻撃してしまうというメカニズムが有力視されています。

精神的な負担が増すとさらに脱毛が進行し、外見的な変化にショックを受けてストレスが増大するという負のサイクルに陥りやすい点も要注意です。

  • 過密なスケジュールによる疲労
  • 対人関係のトラブル
  • 慢性的な睡眠不足

これらの要因が重なると、円形脱毛症の発症や悪化に拍車をかけるおそれがあります。

  • ストレッチや呼吸法などのリラックス習慣
  • 趣味や運動で気分転換
  • 誰かに相談できる環境づくり

ストレス管理のためのこうした対策が、症状の緩和・再発予防に有効です。

他の疾患との併発リスク

多発型円形脱毛症の方は、アレルギー疾患や甲状腺機能の異常を併発する可能性があるともいわれています。自己免疫が関連する疾患であるため、一つの疾患が別の疾患を誘発または悪化させる例も報告されています。

定期的な健康診断や医療機関での血液検査などを受け、体全体の状態を把握することが大切です。

円形脱毛症の原因とメカニズム

円形脱毛症の発症には自己免疫の問題が深く関与していると考えられていますが、実際には遺伝やホルモン、生活習慣など、多彩な要因が絡み合っています。

単発型と多発型の違いも、こうした要素の組み合わせや強さの違いによるといわれています。

自己免疫機能との関係

多くの研究で、円形脱毛症が自己免疫疾患の一つとして位置づけられてきました。免疫システムが誤って自分の毛包を攻撃し、髪の成長を妨げてしまうのです。

通常、外敵(細菌やウイルスなど)から身体を守るはずの免疫が、何らかのきっかけで暴走し、自分自身の細胞を破壊してしまうメカニズムが円形脱毛症の根底にあると考えられています。

このため、免疫力を高めることが必ずしも円形脱毛症の改善に直結しないケースがあります。むしろ、過剰に働いている免疫のバランスを整えるのがポイントです。

遺伝的要因

円形脱毛症には、ある程度の遺伝的素因も関わっていると推測されています。家系内に円形脱毛症を発症している人が多い場合や、自己免疫疾患が集中的にみられる家系などでは、発症リスクが高まる可能性があるようです。

しかし、遺伝的要因だけですべてが決定づけられるわけではありません。環境要因(ストレス・生活習慣)が強い影響を及ぼすことも多いので、遺伝的素因があっても必ず発症するわけではない点が重要です。

円形脱毛症と遺伝に関する知見

項目内容
家族内発症の報告親や祖父母が円形脱毛症を経験しているケースが一定数確認されている
多くの遺伝子が関与1つの遺伝子だけでなく、複数の因子が絡み合って発症に影響する
生活環境の影響遺伝的にリスクを抱えていても、環境要因が少なければ発症しにくい
改善の可能性遺伝要因があっても、適切なケアと治療で寛解を目指せる

ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、妊娠・出産や更年期などによるホルモンバランスの変化が、円形脱毛症の発症や悪化と関係している例があります。

男性でも、急激な体重減少や極端な疲労などでホルモンのバランスが崩れると、脱毛症状が出やすくなる可能性があるようです。

ホルモン変動は免疫や自律神経にも影響を与えるため、生活リズムを整えるのが重要といえます。

  • 生理不順や更年期障害
  • 極端なダイエットによる栄養不足
  • 過度な運動負荷によるホルモン分泌の乱れ

こうした要素が重なると、円形脱毛症が誘発されやすくなる場合があります。

生活習慣と精神的ストレス

睡眠不足や偏った食事、運動不足などが習慣化すると、免疫機能の調整が乱れやすくなります。また、日常の中で抱える精神的ストレスは、自律神経を介して免疫バランスに大きく影響します。

とくに多発型は、強いストレスやトラウマ体験が発症や悪化のきっかけになる場合が少なくありません。

  • 不規則な就寝・起床時間
  • 脂質や糖質に偏った食事
  • コミュニケーション不足や孤立感

こういった要因が絡み合うと、円形脱毛症の発症リスクを高めると考えられます。

円形脱毛症の治療の選択肢

円形脱毛症の治療には、ステロイド剤の外用や内服、光線療法、免疫調整療法などさまざまな方法があります。

症状の重症度や進行速度、患者さんの生活スタイルによって選択肢が異なるため、医師と相談しながら決定していくことが望ましいです。

ステロイド外用薬や内服薬

単発型・多発型を問わず、比較的広く用いられる治療がステロイド外用薬です。免疫反応を抑制する作用が期待され、炎症や免疫暴走による毛包の破壊を抑える効果が見込まれます。

場合によっては、ステロイド内服や局所注射が検討されます。ただし、ステロイド薬には副作用のリスクもあるため、医師の指導のもとで用いる必要があります。

ステロイド治療の種類と特徴

方法特徴
外用薬薬を頭皮に直接塗布する。副作用は少なめだが、浸透には時間がかかる
内服薬服用によって全身に作用。強力だが副作用のリスクも高まる
局所注射患部に直接注射。即効性が期待できるが痛みや技術的な負担がある

PUVA療法・エキシマライト療法

光線療法の一種であるPUVA療法やエキシマライト療法は、紫外線を用いて免疫反応をコントロールする手法です。ステロイド外用と併用して効果を高める場合があります。

多発型や再発を繰り返す方によく用いられ、定期的に通院しながら複数回の照射を行うのが一般的です。

  • 照射時間や強度を調整できる
  • 局所的に治療でき、周囲の健康な組織への影響が比較的少ない
  • 数週間から数か月の間隔で通院が必要になることが多い

生活改善やカウンセリング

治療薬だけでなく、日常生活の見直しやストレスケアも大切です。

多くの患者さんで、睡眠時間をしっかり確保し、栄養バランスの良い食事を心がけ、定期的に運動するなど基本的な生活習慣を整えることで症状が改善したり、再発を防いだりするケースがあります。

必要に応じてカウンセリングや精神科との連携でストレス要因を軽減する取り組みも重要です。

  • 定期的な血液検査で栄養状態をチェック
  • 睡眠の質を高めるための生活リズムづくり
  • 心理的なサポートを受けられる体制を整える

こうした取り組みは、治療効果を高めるうえでも意義があります。

  • 早寝早起きなどの規則正しい生活
  • スマホやPCの使用時間のコントロール
  • 趣味やリラックス方法の確立

生活面での工夫は、長期的な薄毛治療にも応用しやすいでしょう。

AGA治療との違い・併用の可能性

AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンの作用が深く関わっており、円形脱毛症とは原因が大きく異なります。

しかし、頭皮の血行促進や毛髪ケアの基本的な部分に共通点があるため、AGA治療薬を使いながら円形脱毛症の外用薬を併用するケースもあります。ただし、自己判断での併用は避け、必ず専門医の指導を仰ぐことが重要です。

円形脱毛症で受診すべきか悩む場合

円形脱毛症は自然治癒するケースもあるため、受診を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。しかし、放置して症状が進行すると治療に時間がかかる場合が多く、精神的な負担も増大します。

早めに医療機関を受診すると、的確な診断と適切な治療方針が得られる利点があります。

受診のメリット

医療機関を受診すると、円形脱毛症なのか、ほかの脱毛症状や皮膚疾患なのかを正確に診断してもらえます。正確な診断があれば、必要に応じた治療薬や治療法を迅速に開始でき、悪化を防ぐチャンスが高まります。

さらに、自己流のケアによる悪影響を回避することにもつながります。

利点内容
正確な診断他の脱毛症との鑑別や合併症の有無を確認
適切な治療プランの提案症状や生活環境に合わせた個別の治療方針
副作用リスクの管理ステロイドなどの副作用を医師が監視
メンタル面でのサポート必要に応じてカウンセリングや精神科の紹介が受けられる

受診する診療科の選び方

円形脱毛症の疑いがある場合は、皮膚科や脱毛治療を扱う専門クリニックを受診するのが一般的です。ただし、自己免疫の疾患が疑われる場合や甲状腺の異常が疑われる場合には、内科や内分泌科などと連携して検査を受けるケースもあります。

脱毛症専門のクリニックでは、より詳細な毛髪チェックや治療オプションを提供している場合が多いです。

受診先特徴
一般皮膚科気軽に受診できるが、脱毛治療に特化していない場合は紹介状が必要となることも
脱毛治療専門クリニック頭皮や毛髪に関する検査機器が充実しており、治療の選択肢も豊富
大学病院など重症例や希少疾患の疑いがある場合に専門的な検査が期待できる

クリニックの治療実績とサポート

脱毛症の治療は長期にわたる人も少なくないため、医療機関の選び方が重要です。治療実績やサポートの充実度、通院のしやすさなどを総合的に考慮すると良いでしょう。

初回カウンセリングやオンライン相談に対応しているクリニックも増えていますので、不安や疑問点をしっかり解消できるところを選びたいものです。

  • 予約の取りやすさや通院の継続性
  • 医師やスタッフが丁寧に説明をしてくれるか
  • 治療費の見通しや保険適用の範囲

こういった実務的なポイントも、スムーズに治療を続けるために考慮しておきましょう。

  • クリニック公式サイトでの症例紹介
  • 医師の専門分野と経験年数
  • 検査体制や設備状況

適切な治療を受けるためには、患者さん自身が情報収集して比較検討することが望ましいです。

早期に治療を始める意義

円形脱毛症は放置しても治る可能性がありますが、それがいつになるかは人によってまちまちです。また、無自覚のうちに多発型へ進行することもあり、再発や慢性化を防ぐには早期治療が有効な場合があります。

髪の毛は見た目だけでなく、心理面でも大きな影響を与える要素です。早期治療に踏み切ることで、抜け毛の範囲拡大を抑えられるだけでなく、精神的ストレスを軽減する効果も期待できます。

再発予防と日常生活でのケア

円形脱毛症を一度経験した方や、慢性的に再発を繰り返している方にとって、再発予防のための日常生活での工夫は非常に重要なポイントです。

生活リズムの整え方

生活リズムの乱れは、自律神経やホルモンバランスに悪影響を及ぼし、免疫機能が不安定になる原因の一つです。

特に、睡眠と食事は身体と精神の健康を支える基本的な要素なので、意識して整える必要があります。

  • 毎日同じ時間に起床・就寝する
  • 適度な運動を取り入れる(ウォーキングやストレッチなど)
  • 就寝前のスマホやPC作業を避けて睡眠の質を上げる

食事と栄養バランス

髪の毛や頭皮の健康にはタンパク質やビタミン、ミネラルなど多様な栄養素が必要です。極端なダイエットや偏った食事は、毛髪だけでなく免疫機能にも影響を与えます。

バランスの良い食事を意識し、足りない分はサプリメントなども活用しながら補うとよいでしょう。

髪の健康を支える栄養素と食品

栄養素主な役割食品例
タンパク質毛髪の主成分であるケラチンの原料魚、肉、卵、大豆製品、乳製品
ビタミンB群代謝促進や髪・頭皮の健康維持に貢献レバー、豚肉、緑黄色野菜、納豆
ビタミンCコラーゲン生成や血行促進に寄与柑橘類、イチゴ、ブロッコリー、パプリカ
亜鉛毛髪の成長をサポート、酵素の働きを促進カキ、牛肉、玄米、ナッツ類
鉄分酸素運搬で毛根への栄養供給をサポートレバー、赤身肉、ほうれん草、大豆製品

ストレスケア

ストレスは円形脱毛症の発症や悪化と深い関係があるため、自分なりの解消法を見つけておくことが大切です。

カウンセリングや趣味の時間の確保、リラクゼーション法の実践など、できる範囲で取り組むようにしましょう。

  • 趣味を楽しむ時間を意識的に作る
  • 家族や友人とのコミュニケーションを増やす
  • 心療内科やカウンセラーと連携して悩みを整理する

これらは一度に実行するのではなく、無理のないペースで続けることが重要です。

自宅で実践しやすいケア方法

日常的にできる頭皮ケアとして、正しいシャンプーやマッサージが挙げられます。頭皮の汚れや皮脂をしっかり洗浄しつつ、刺激を与えすぎないように丁寧に扱うことがポイントです。

市販のヘアケア用品を選ぶ際は、低刺激タイプや頭皮ケアを目的としたものを選ぶと安心です。

  • シャンプー前にブラッシングして汚れを浮かせる
  • シャワーの温度は38度前後に設定する
  • 頭皮を指の腹でやさしくマッサージする
  • ドライヤーは頭皮から20cm以上離して使用する

頭皮環境を整えると、円形脱毛症だけでなく他の薄毛治療にも好影響をもたらします。常に清潔で血行の良い頭皮を維持するよう心がけることが再発予防につながります。

自宅での頭皮ケアのポイント

ケア内容方法・注意点
シャンプーの選択低刺激で頭皮を保護する成分が含まれたタイプを選ぶ
シャンプーの仕方指の腹を使ってやさしく洗浄し、髪ではなく頭皮をメインに洗う
洗い流しシャンプー剤が頭皮に残らないように十分にすすぐ
ドライヤーのかけ方タオルドライのあと、頭皮から20~30cm離し、熱風を一か所に集中させない
ヘアオイルや育毛剤の使用タオルドライ後の頭皮にやさしく塗布し、全体に伸ばしてからマッサージを取り入れる

健康な髪を維持するうえでは、小さな毎日の習慣を続けることが大切な要素となります。

参考文献

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DARWIN, Evan, et al. Alopecia areata: review of epidemiology, clinical features, pathogenesis, and new treatment options. International journal of trichology, 2018, 10.2: 51-60.

LEE, Hemin, et al. Racial characteristics of alopecia areata in the United States. Journal of the American Academy of Dermatology, 2020, 83.4: 1064-1070.

PRATT, C. Herbert, et al. Alopecia areata. Nature reviews Disease primers, 2017, 3.1: 1-17.

ALZOLIBANI, A. A. Epidemiologic and genetic characteristics of alopecia areata (part 1). Acta Dermatoven APA, 2011, 20.4: 191-8.

ABI THOMAS, Emy; KADYAN, R. S. Alopecia areata and autoimmunity: a clinical study. Indian journal of dermatology, 2008, 53.2: 70-74.

STERKENS, A.; LAMBERT, Jo; BERVOETS, A. Alopecia areata: a review on diagnosis, immunological etiopathogenesis and treatment options. Clinical and experimental medicine, 2021, 21: 215-230.

WHITING, David A. Histopathologic features of alopecia areata: a new look. Archives of dermatology, 2003, 139.12: 1555-1559.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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