ドライヤーで髪が抜ける・抜け毛がやばい状態の改善方法 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

ドライヤーで髪が抜ける・抜け毛がやばい状態の改善方法

更新日
ドライヤーで髪が抜ける・抜け毛がやばい状態の改善方法
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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髪を乾かすためのドライヤーが、抜け毛の原因になっているのではないかと悩む方は珍しくありません。

ドライヤーを使うタイミングや方法に不安を抱え、「ドライヤーで髪が抜けるように感じる」「抜け毛がやばい状態かもしれない」と考える方も多いようです。

髪が細くなったりボリュームが減ったと感じたときは、AGA(男性型脱毛症)や女性の薄毛も含めて、原因や対策をしっかりと把握することが大切です。

ドライヤーで髪が抜ける背景と抜け毛が気になる方の特徴

髪を乾かす行為は毎日の身だしなみの一部ですが、「ドライヤーで髪が抜ける気がする」と感じる方が少なくありません。

そもそも髪はどのように抜けていくのか、またドライヤーによるダメージと関係があるのかなど、背景を知ることが第一歩です。

ここでは、ドライヤーと頭皮環境、髪の構造や遺伝的要因を中心に確認し、抜け毛が増える原因を考えていきます。

ドライヤーと頭皮環境

ドライヤーで髪を乾かすとき、熱風が頭皮に当たって乾燥を引き起こす可能性があります。頭皮が乾燥すると皮脂分泌のバランスが乱れ、毛穴づまりなどにつながりやすくなります。

毛穴づまりが起きると髪の成長に影響が及び、抜け毛が目立つケースがあります。さらに、乾燥した頭皮はかゆみやフケを伴いやすく、ひっかくことでダメージが深刻化する恐れがあります。

ただし、ドライヤーは髪を完全に自然乾燥させるよりも、頭皮環境を清潔に保ちやすいともいえます。正しい使い方をすれば、頭皮に不要な水分が残るリスクを下げてトラブルを予防できます。

髪の乾燥状態と頭皮トラブルの関係

状態主な原因影響
過度な乾燥熱風の当てすぎかゆみやフケが増え、毛穴づまりが起きやすい
過度な湿潤自然乾燥・放置雑菌が繁殖しやすく、においや炎症が起こりやすい
適度に乾いた頭皮バランスの良い乾燥清潔で健康的な状態を保ち、抜け毛予防につながる

髪の構造と抜け毛の発生メカニズム

髪はキューティクル、コルテックス、メデュラの3層構造になっています。

キューティクルは外部刺激から髪を守る役割をもち、ダメージが蓄積すると髪内部の水分や栄養が失われやすくなります。ドライヤーによる過度な熱やブラッシングの摩擦が蓄積すると、キューティクルが損傷して枝毛や切れ毛を起こします。

抜け毛の発生自体はヘアサイクルの一環であり、一定数の髪は自然に抜け落ちます。しかし、ドライヤーの熱や摩擦を繰り返すとダメージが蓄積し、本来まだ成長段階の髪まで抜ける量が増加しているように感じる場合があります。

ドライヤーで抜け毛がやばいと感じる理由

ドライヤーを使った後に床を見ると、普段より多くの髪が落ちているように見えるケースがあります。シャンプー後の髪はキューティクルが開いた状態なので、ドライヤーの風が強く当たると抜けていた髪が目立つ場合があります。

また、疲労やストレスなどで髪の成長が弱っているとき、外部刺激によって抜けやすい髪が増えたと感じやすくなります。

髪の生え替わりサイクルは個人差が大きく、抜け毛の量が増えたように見えても、実際には一時的な抜け毛の増量の可能性もあります。しかし、それを見分けにくい点が悩みのタネとなっているようです。

  • ドライヤー使用後は抜け毛を発見しやすい
  • 短期間の抜け毛増加と慢性的な薄毛の区別がつきにくい
  • 疲労やストレスで髪の成長力が低下しやすい

遺伝的要因やAGAとの関連性

抜け毛には遺伝的要因も大きく関与し、男性ならAGA、女性ならびまん性の薄毛などが代表例としてあげられます。ドライヤーが直接の原因になることは少ないですが、髪や頭皮が弱っている状態では熱や摩擦による影響を受けやすくなります。

遺伝的に毛根が弱い方は普段のケアが一層重要であり、ドライヤーの使い方やヘアケア方法を見直すだけでなく、クリニックでの相談も視野に入れると安心できます。

正しいドライヤーの使い方と髪への影響

ドライヤーが抜け毛の一因になるのを心配する方もいますが、適切な使い方をすれば、頭皮環境を整えるうえでも役立ちます。

ここでは、ドライヤーの熱が髪に与えるダメージや、頭皮を守る具体的なテクニック、温度設定のポイント、仕上げの冷風の必要性について触れます。正しく使うと髪や頭皮を健康に保ち、過度な抜け毛を予防できます。

熱による髪へのダメージ

ドライヤーは高温の風を用いるため、長時間同じ場所に風を当て続けると髪や頭皮が乾燥しすぎます。

髪のタンパク質は約130℃以上の熱で変性するといわれ、これを繰り返すと髪の内部構造が壊れ、切れ毛や枝毛、さらには抜け毛が目立ちやすくなります。

特にキューティクルがはがれやすい状態では、外からの刺激を受けやすくなり、ヘアダメージが深刻化する恐れがあります。

ドライヤーの熱によって引き起こしやすいダメージ

ダメージの種類原因特徴
キューティクルの損傷高温や摩擦髪がパサつき、外部刺激を受けやすくなる
タンパク質変性熱の当てすぎ枝毛や切れ毛、乾燥などの症状が出やすくなる
頭皮の乾燥高温風の長時間照射かゆみやフケが増え、毛穴づまりが起こりやすい

頭皮を保護する乾かし方

髪を乾かす際は、まずタオルドライを丁寧に行い、できるだけ余分な水分をタオルで取るようにすると乾かす時間を短縮できます。

髪を根元からある程度乾かす必要がありますが、頭皮に直接熱風を当てないようにドライヤーを適度に動かします。

頭皮から10~20cmほど離し、風を頭皮に集中させるのではなく、髪全体に満遍なく当たるように工夫すると乾燥を防ぎやすいです。

ドライヤーの距離と温度設定

ドライヤーを頭皮から近づけすぎると、必要以上に熱が集中し、ダメージが強まります。温度調整機能があるドライヤーなら、中温~やや低めの温度を選び、長時間の高温照射を避けることが重要です。

熱風を当てる時間を短縮しつつ、仕上げの段階で冷風を使うと髪のツヤやキューティクルを引き締める効果が期待できます。

温度と距離の組み合わせによって髪への負担は大きく変わりますので、できるだけ適度な距離と温度を保つと良いです。

  • ドライヤーは髪から10~20cm離す
  • 1か所に集中して熱を当てすぎない
  • 温度を中程度に設定し、長時間の高温は避ける
  • 仕上げに冷風を取り入れ、キューティクルを整える

仕上げの冷風の重要性

冷風は髪や頭皮の温度を一気に下げる効果があり、キューティクルを締めて髪の表面を滑らかに整えます。温風だけで乾かすよりも、冷風を最後に当てるとスタイリングも長持ちしやすく、髪のまとまりがよくなります。

また、頭皮が温風で必要以上に乾燥しすぎるのを防ぐ意味でも、仕上げの冷風を活用するとよいでしょう。

冷風で頭皮の体温を調整し、髪表面を保護する工程を意識すると髪や頭皮にかかる負担を和らげます。

抜け毛を軽減するための生活習慣とケア

ドライヤーの適切な使い方に加えて、普段の生活習慣や頭皮ケアにも注目すると、抜け毛を抑える効果が期待できます。

頭皮マッサージ、シャンプーの方法、食生活、さらにストレスのケアなどを総合的に見直し、髪や頭皮の健康を底上げしましょう。

頭皮マッサージと血行促進

頭皮マッサージは、指の腹を使って優しく頭皮を押しほぐして血行を促進する方法です。血液が頭皮に行き渡ると毛根に必要な栄養が届きやすくなり、抜け毛の予防や髪の成長を手助けすることが期待できます。

特にシャンプー後の頭皮は柔らかくなっており、マッサージを行うと効果が感じやすいでしょう。ただし、爪を立てると頭皮を傷つける危険があるため、指の腹でやさしく行いましょう。

頭皮マッサージの方法と注意点

方法手順注意点
指の腹で円を描くようにマッサージする全体をまんべんなく、前頭部や側頭部、後頭部も忘れずに爪を立てずに優しく行う
頭頂部をゆっくり押し込む頭頂部から耳上へ向けて少しずつ移動しながら押す強く押しすぎると頭皮を傷める可能性がある
シャンプー時にマッサージを組み合わせる泡が頭皮を保護するため滑りやすいシャンプーが残らないようにしっかり洗い流す

シャンプー選びと洗髪方法

頭皮と髪の状態に合ったシャンプー選びも重要です。洗浄力が強すぎるものを使うと頭皮が乾燥しやすくなり、逆に洗浄力が弱すぎると汚れが残って毛穴づまりを起こすかもしれません。

シャンプーを使うときは、まず髪全体をしっかりとぬるま湯ですすぎ、ホコリや余分な皮脂を落とします。

その後、シャンプーを手のひらでよく泡立ててから頭皮に付け、指の腹を使って優しくマッサージするように洗うと効果的です。最後にしっかりとすすぐと、残留物のリスクを軽減できます。

食生活と栄養バランス

髪の主成分はケラチンというタンパク質であり、これを合成するためにはアミノ酸やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素をバランスよく摂る必要があります。

偏った食生活や過度なダイエットは、髪や頭皮に悪影響を与える可能性があります。日々の食事で以下のような栄養素を意識して取り入れるとよいでしょう。

栄養素食材
タンパク質鶏肉、魚、大豆製品など
ビタミンB群レバー、卵、緑黄色野菜など
ミネラル(亜鉛など)牡蠣、ナッツ類など
良質な脂質青魚やアボカド、オリーブオイルなど

バランスの良い摂取を意識し、必要に応じてサプリメントを活用すると、髪の育成環境を整えやすくなります。

ストレスとの向き合い方

ストレスはホルモンバランスを崩し、血行を悪化させて抜け毛の増加を招く要因にもなりえます。特に仕事や家庭の状況でストレスが長引くと、頭皮環境だけでなく睡眠や食事にも悪影響が及びやすくなります。

ストレッチや適度な運動、趣味の時間を確保するなど、自分に合った方法でストレスを発散する習慣をつくると心身ともに安定しやすくなります。

ドライヤー以外の熱ダメージや外的要因の対策

髪にダメージを与える要因はドライヤーだけではありません。ヘアアイロンやパーマ、紫外線、ブラッシングなど、日々のさまざまな場面で髪や頭皮に負担がかかる場合があります。

ヘアアイロンやパーマが与える影響

ヘアアイロンは高温で髪を挟んでスタイリングするため、ドライヤーよりも高い熱ダメージを受けやすい点に注意が必要です。パーマも薬剤と熱を組み合わせる施術であり、髪が受ける負担は少なくありません。

これらの施術やスタイリングを頻繁に行う場合は、ヘアトリートメントや洗い流さないタイプの保湿剤を使ってケアし、ダメージを最小限に抑えるよう工夫するとよいでしょう。

ヘアアイロンとパーマの熱と薬剤ダメージ

項目ヘアアイロンパーマダメージを軽減する方法
熱の強さ180~200℃程度施術内容によって変動使用温度を控えめにし、保護剤やトリートメントを使う
薬剤の影響基本的に薬剤は使わない薬剤で髪の結合を一時的に変化信頼できる美容師に相談し、髪質に合った薬剤を選ぶ
頻度と髪への負担毎日の使用で蓄積しやすい施術回数が多いとリスク増大適度な間隔を空け、ホームケアをしっかり行う

紫外線や乾燥から髪を守る工夫

紫外線は肌だけでなく、髪や頭皮にも負担を与えます。長時間の屋外活動では帽子や日傘などを活用し、頭皮が直射日光を受け続けないようにしましょう。

さらに、エアコンが効きすぎた室内や寒暖差のある環境では頭皮が乾燥しやすいため、適度な温度・湿度を保つのを意識するとよいです。

髪専用の日焼け止めスプレーなどの商品を上手く使って、ダメージを軽減させる工夫も有効です。

ブラッシングのタイミングと方法

髪が濡れたままの状態はキューティクルが開いているため、ブラッシングすると摩擦でダメージを受けやすくなります。

基本的には、タオルドライした髪に洗い流さないトリートメントをなじませ、ある程度水分を飛ばしてからブラッシングすると比較的ダメージを軽減できます。

また、目の粗いコームや髪質に合ったブラシを使うと、絡まりをほどきやすくなり、抜け毛を増やさずに済みます。

  • 濡れた髪に強い力を加えない
  • 目の粗いブラシやコームを選ぶ
  • 洗い流さないトリートメントやオイルで保護する
  • ブラッシング前に髪をざっくりほぐす

誤ったヘアケア製品のリスク

「ダメージケア用」「ボリュームアップ用」など、さまざまなヘアケア製品が市場にあります。しかし、髪質や頭皮の状態に合っていない製品を使うと、うまく効果が得られず、逆にダメージを進行させる場合があります。

自分の髪質が硬いのか柔らかいのか、頭皮が脂性なのか乾燥気味なのかを確認し、必要に応じて美容師や専門家と相談しながら製品を選択するとよいでしょう。

ヘアケア製品の特徴と選択の目安

製品タイプ主な特徴選択の目安
ダメージケア用補修成分が多く配合されているカラーやパーマなどで傷みが目立つ方に向いている
ボリュームアップ用髪を立ち上げる成分が含まれる根元がぺたんとしやすい髪質の方に合いやすい
スカルプケア用頭皮環境を整える成分がメインフケやかゆみ、頭皮のベタつきが気になる方に適する
オーガニック系自然由来の成分中心刺激を最小限に抑えたい方、アレルギーが気になる方

抜け毛が増えるタイミングとヘアサイクル

髪の抜け毛はヘアサイクルと深く関わりがあり、一定期間で生え替わるのが自然な流れです。

ここでは、ヘアサイクルの基礎や季節による変化、産後やホルモンバランスの影響など、抜け毛が増えやすいタイミングを理解するための情報をまとめます。

ストレス性の脱毛との違いについても確認し、日常的に注意したいポイントを押さえましょう。

ヘアサイクルの基礎知識

髪には成長期、退行期、休止期の3段階があり、通常は成長期に毛根が活発に髪を伸ばし、退行期に成長が止まり、休止期になると自然に髪が抜ける仕組みです。

抜け毛が増えたと感じるときは、休止期に入る髪が一時的に増えた可能性が考えられます。

健康な頭皮と髪を維持している場合、休止期に入っても再び成長期が来て新しい髪が生えてきます。しかし、AGAや女性の薄毛などの要因があると、ヘアサイクルが乱れたり、成長期が短くなる場合があります。

ヘアサイクルの段階と期間

段階期間の目安特徴
成長期2~6年程度毛根が活発に活動し、髪が伸び続ける
退行期2~3週間程度毛根の活動が弱まって成長が止まる
休止期3~4か月程度髪が抜け落ち、新しい髪が生えてくる準備

季節による抜け毛の変動

一般的に春や秋は抜け毛が増えやすい時期といわれます。気温や湿度の変化が大きく、頭皮がストレスを受けるのが原因のひとつです。

さらに、紫外線量の増減や夏場の汗、乾燥した冬の空気なども髪や頭皮に負担をかける場合があります。

季節の変わり目には頭皮ケアに力を入れ、栄養バランスにも注意すると抜け毛の増加を抑えやすくなります。

産後やホルモンバランスの変化

出産後に抜け毛が増えるのはホルモンバランスの急激な変化が背景にあります。

妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増え、髪が抜けにくい状態になりますが、出産後にホルモンが急激に減少すると、押しとどめられていた抜け毛が一気に出やすくなります。

多くの場合は時間とともに髪が再び生えてきますが、体質や育児疲れなども絡んで抜け毛が長引くケースもあるため、気になるときは早めに専門医に相談するとよいでしょう。

ストレス性の脱毛との違い

急激なストレスによって一時的に大量の髪が抜ける場合、休止期脱毛や円形脱毛症などの形で現れることがあります。ストレス性の脱毛は原因に心身の負荷が強く関与している点が特徴です。

ストレスを解消したり、適切な治療を行うと比較的回復が早いケースもありますが、慢性的なストレスが続くと髪だけでなく全身の健康にも悪影響が及ぶため、早めのケアを心がけることが重要です。

自宅でできるセルフチェックと注意点

抜け毛がやばい状態かどうかを客観的に把握するには、自宅でのセルフチェックが参考になります。日常的に自分の髪や頭皮を観察しておくと、異変を感じたときに早めの対処がしやすいです。

抜け毛の本数と状態の見極め

健康な人でも1日に50~100本程度の髪が抜けるといわれますが、それを大きく超える抜け毛が続いたり、抜け毛の形状が細く弱々しい場合は注意が必要です。

例えば根元に毛根鞘(もうこんしょう)がついた抜け毛が多いときは、成長期の髪が抜けている可能性があります。髪に明らかな細さや短さが多い場合は、成長期が短くなっている恐れを疑ってもよいでしょう。

抜け毛の本数と特徴を判断する目安

観察ポイント判断の目安対応策
1日の抜け毛本数50~100本程度なら許容範囲過剰に心配せず、ケアを継続する
根元の状態(毛根鞘の有無)多くの髪に毛根鞘があると要注意AGAや女性の薄毛を視野に入れた相談も検討
髪の太さ・長さ極端に細い、短い髪が多い成長段階で抜けている可能性がある

髪のボリュームと分け目の変化

朝のスタイリング時に髪の根元の立ち上がりが弱くなったり、分け目がくっきりと目立つようになった場合はボリュームダウンが進行しているかもしれません。

また、ポニーテールやヘアアレンジをしたときに髪の毛束の太さが以前より細く感じるようであれば、抜け毛や細毛化が進んでいる可能性があります。

定期的に鏡を見ながら分け目付近の髪の密度をチェックしておくと、変化を早期に捉えやすくなります。

フケやかゆみなど頭皮トラブルの有無

フケやかゆみが頻繁に出るようになった、頭皮が赤みを帯びて炎症を起こしている、といった変化にも注意が必要です。

こうした頭皮トラブルは抜け毛の原因になりやすく、思わぬ形で髪の成長を妨げることがあります。

ヘアケア製品が合わない、ストレスや食生活の乱れなどが影響している可能性があるため、症状が続くときは専門家に相談すると安心です。

  • フケやかゆみが増えたらシャンプーや生活習慣を見直す
  • 頭皮の赤みや吹き出物は早めに対処する
  • ヘアケア製品の見直しや薬用シャンプーの検討も行う

気になる症状がある場合の早めの対応

抜け毛の増加や頭皮トラブルを放置していると、気づかぬうちに症状が進行し、後から大がかりな対策が必要になる場合があります。

気になる症状がある場合は、まずセルフケアや改善策を試し、それでも良くならない場合には医療機関や専門のクリニックに相談するとよいでしょう。早期対応が功を奏し、髪の回復を期待できるケースも多くみられます。

AGAや女性の薄毛治療との関連

「ドライヤーで髪が抜ける気がする」と感じていても、実際にはAGAや女性の薄毛が背景にあるケースも珍しくありません。放置すると進行してしまうことがあるため、早めに情報収集して必要に応じた対策を検討しましょう。

一般的なAGAの症状と進行

AGA(男性型脱毛症)は思春期以降の男性に多くみられ、前頭部や頭頂部の髪が徐々に細くなり、薄毛が進行していきます。ヘアサイクルのうち成長期が短縮し、抜け毛が増えて新生毛も弱々しい状態が続くのが特徴です。

進行度合いは個人差がありますが、放置すると広範囲にわたって薄毛が進む可能性が高く、早期の対応が大切になります。

女性特有の薄毛の種類

女性にも加齢やホルモンバランスの崩れ、ストレスなどによってびまん性脱毛やFAGA(女性男性型脱毛症)などが起こる場合があります。

男性のように局所的に髪が後退するのではなく、頭頂部を中心に全体的にボリュームが減っていく傾向が強い点が特徴です。ホルモン治療や生活習慣の見直しによって改善が望めるケースも多いため、原因の正しい見極めが重要です。

男性のAGAと女性のびまん性脱毛

症状の特徴男性(AGA)女性(びまん性脱毛)
主な進行パターン前頭部からM字型、頭頂部のO字型頭頂部を中心に全体的に薄くなる
ホルモンの影響ジヒドロテストステロン(DHT)の増加エストロゲン低下、男性ホルモンの相対的な増加
改善方法内服薬(フィナステリドなど)、外用薬などホルモンバランス調整、栄養管理、外用薬、育毛剤など

早期治療が大切

AGAや女性の薄毛は、時間が経つほど毛根が委縮して髪が生えにくくなる可能性があります。抜け毛が気になる段階でクリニックを受診し、検査を受けることで進行度合いを把握しやすくなります。

早期に対応を始めると、抜け毛を抑制し、髪の成長を促す選択肢も拡がるため、症状が軽度なうちに行動することが大切です。

通院を検討する目安

ドライヤーや普段のヘアケアを工夫しても抜け毛が改善しない、分け目が明らかに目立つようになった、短い抜け毛が増えているなどの兆候がある場合は、病院やクリニックで相談するのがおすすめです。

特に家族にAGAや薄毛の傾向がある方、抜け毛に加えて頭皮トラブルや肌荒れがみられる方は専門家の診断を受けると原因を絞り込みやすくなります。

クリニックで相談するメリットと治療方法

ドライヤーの使い方やセルフケアを見直しても抜け毛が進行する場合、専門クリニックで相談することを検討してみるとよいでしょう。

クリニックで受けられる検査

抜け毛や薄毛の原因を特定するために、血液検査や頭皮の状態チェックなどを行います。場合によっては遺伝子検査でAGAのリスクを評価することも可能です。

検査名主な内容期待できる情報
血液検査ホルモン値や栄養状態、肝機能などをチェック薄毛の原因となる内科的な問題や栄養欠乏の有無を把握
頭皮マイクロスコープ頭皮や毛根の状態を拡大して観察毛穴づまり、毛根の萎縮、炎症の有無を確認
遺伝子検査AGAに関わる遺伝的素因を調べる将来的にAGAが進行しやすいかどうかを把握する目安

こうした検査によって、ホルモンバランスや生活習慣、栄養状態など多角的な視点で原因を探れ、より的確な治療方針を立てやすくなります。

内服薬や外用薬の選択肢

AGA治療の代表的な内服薬としては、フィナステリドやデュタステリドなどがあり、男性ホルモン(DHT)の産生を抑制して抜け毛を減らす効果が期待できます。

外用薬としてはミノキシジル配合の育毛剤が有名で、血行促進と毛母細胞の活性化を促す働きがあります。

女性にはホルモンバランスを整える方法や、女性向けの外用薬が処方される場合もあります。

成長因子注入などの施術

頭皮に成長因子(グロースファクター)を注入する方法は、毛根周辺の細胞を活性化させるのを狙いとしています。麻酔を使って頭皮に直接注入するため、クリニックならではの専門的な施術といえるでしょう。

こうした施術は内服薬や外用薬と併用するケースも多く、総合的なケアで相乗効果を狙います。施術の頻度や回数は個人差がありますが、一定期間継続すると改善が期待できます。

  • 内服薬と外用薬の併用
  • 成長因子注入やメソセラピー
  • 生活習慣や食事指導のサポート
  • 定期検査で経過をチェック

継続的な受診の重要性

抜け毛の治療は一時的に行えば終わるものではなく、一定の期間をかけて継続することが鍵になります。

特にAGAは治療を中断すると再び進行する可能性が高いため、定期的にクリニックで頭皮の状態や髪の成長を確認し、適宜治療内容を調整するとよいでしょう。

医師やスタッフとコミュニケーションを取りながら、長期的な視点で髪と頭皮の健康を守ることが大切です。

参考文献

TOSTI, Antonella; SCHWARTZ, James R. Role of scalp health in achieving optimal hair growth and retention. International journal of cosmetic science, 2021, 43: S1-S8.

LANJEWAR, Ameya, et al. Review on hair problem and its solution. Journal of Drug Delivery and Therapeutics, 2020, 10.4066: 4066.

DETWILER, Susan P., et al. Bubble hair: case caused by an overheating hair dryer and reproducibility in normal hair with heat. Journal of the American Academy of Dermatology, 1994, 30.1: 54-60.

RASSMAN, William R.; BERNSTEIN, Robert M. Hair loss and replacement for dummies. John Wiley & Sons, 2008.

KINGSLEY, Philip. The Hair Bible: A Complete Guide to Health and Care. Aurum, 2014.

HAHN, Jaesik. How Heat Affects Human Hair: Thermal Characterization and Predictive Modeling of Flat Ironing Results. 2018. PhD Thesis. Purdue University.

BOSLEY, Rawn E.; CLAIRE, Chelsea Rain St; CLAIRE, Kayla St. Developing a Healthy Hair Regimen II: Transitioning to Chemical-Free Styling (To Natural Hair) and Prevention of Hair Trauma. In: Fundamentals of Ethnic Hair: The Dermatologist’s Perspective. Cham: Springer International Publishing, 2016. p. 91-101.

前田 祐助

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AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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