20代からはじまる薄毛対策 - 予防と改善のための生活改善方法 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

20代からはじまる薄毛対策 – 予防と改善のための生活改善方法

更新日
20代からはじまる薄毛対策 – 予防と改善のための生活改善方法
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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20代は仕事や勉強、プライベートなど新しいことに挑戦し、心身ともに活気にあふれる時期です。ところが、この年代から薄毛の兆候を感じる人が増えていることをご存じでしょうか。

髪に関する悩みは自信や人間関係にも影響を及ぼすため、できるだけ早めの対策が大切です。

ここでは、20代で生じやすい薄毛の特徴や原因、髪や頭皮をいたわる生活習慣、そして予防と改善のために役立つ具体的な方法をまとめます。

20代の薄毛の特徴と基礎知識

20代は社会に出て新しい環境に身を置いたり、大学や専門学校での学業を進めたりと生活が大きく変化しやすい時期です。このような変化の中で薄毛に直面すると、大きな不安を抱きやすくなります。

しかし早めに状況を把握すれば、対処法や専門機関での治療を検討しやすくなります。まずは20代で見られる薄毛の特徴と、その背景となる基礎知識を確認しましょう。

薄毛を早期に意識することが大切

髪のボリュームが減ってきたと感じたり、生え際が後退してきたように見えたりする場合は、いち早く原因を探ることが重要です。

20代という若さのうちから髪の将来に不安があると、精神的なストレスを強く抱えるケースがあります。ストレスはさらに抜け毛を増やす要因につながる可能性があるため、いち早く対策に乗り出す意識が大切です。

20代の薄毛リスクとは

遺伝的要因やホルモンバランスの影響に加えて、生活習慣の乱れや食事の偏りなどが薄毛リスクを高めます。

10代まで感じなかった髪の悩みが、20代に入った途端に顕在化する人は少なくありません。特に男性ホルモンの感受性が高い人や、AGA(男性型脱毛症)の素因を持つ人は、20代前半から顕著に髪が後退し始めるケースもあります。

AGAの基礎知識

AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモン(テストステロンなど)と5αリダクターゼという酵素が結びついて発生するDHT(ジヒドロテストステロン)が主な要因と考えられています。

DHTが毛乳頭に影響を及ぼし、ヘアサイクルが短縮されて細く弱い毛しか生えなくなってしまうことが特徴です。

初期段階では気づきにくい反面、適切な治療やケアを行うと改善が期待できる場合もあるため、早めの知識と行動が鍵となります。

男性ホルモンとのかかわり

男性ホルモンは男らしい体つきをつくる上で重要ですが、髪の成長サイクルにも大きくかかわります。

男性ホルモンが多い=髪が抜けるという単純な図式ではありませんが、遺伝的に5αリダクターゼの活性が高い場合は、DHTの生成が活発になります。

DHTが毛根周辺に作用すると、髪が成長する期間が短くなるため、思った以上に抜け毛が増えたり細くなったりします。

男性ホルモンと髪の関係

項目説明
テストステロン男性らしさを形づくる主要な男性ホルモン。筋肉量や骨格の発達にも影響する
5αリダクターゼテストステロンをDHTに変換する酵素
DHT(ジヒドロテストステロン)AGA発症の主要因と考えられるホルモン。毛根を萎縮させる働きがある場合が多い
AGA発症メカニズムDHTが毛乳頭を刺激→ヘアサイクル短縮→細く短い毛しか生えない状態が長期化
予防策のポイント早めのケアや医療機関への相談を検討し、頭皮への負担を軽くする生活習慣を意識する

AGAの仕組みを踏まえると、男性ホルモンと髪のかかわりを無視することはできません。

しかし、あくまでも遺伝や生活習慣など複合的な要素によって進行度合いが変わるため、まずは自分の身体と向き合い、原因を正しく把握することが大切です。

20代に見られる薄毛のサイン

髪が全体的に減ってきたと感じる人もいれば、前髪や頭頂部が急激に薄くなる人もいます。20代のうちにこうした変化を見落としてしまうと、気づいたときには対策に時間と費用がかかる場合があります。

ここでは、20代に見られる代表的な薄毛のサインを挙げながら、それぞれが持つ特徴や見極め方を紹介します。

抜け毛の本数増加

シャンプー後や起床時の枕に付いている髪の毛が増えたと感じる場合は、抜け毛が増えている可能性が高いです。

髪は1日あたり50~100本程度抜けるのが一般的ですが、明らかにそれ以上の抜け毛が続くようであれば要注意です。

排水口の詰まりの度合いなど、日常の中でチェックするとわかりやすいでしょう。

抜け毛本数目安

タイミング抜け毛本数の目安注意が必要な状況
朝起きたとき枕元に数本~10本程度20本以上が連日続く場合
シャンプー時1回の洗髪で50本前後100本以上が毎回のように出る場合
ブラッシング時数本~10本程度ブラシがすぐに髪で埋まる場合
部屋の床を掃除した時床に落ちている髪が点在大量の髪の毛を頻繁に見つける場合

抜け毛の本数は季節や体調によっても増減しますが、あまりにも急激に増えたと感じるときは頭皮や髪の状態を改めてチェックすると同時に、生活習慣を見直すきっかけにしてみましょう。

生え際の後退

生え際が少しずつ後退し、おでこが広くなってきたと感じる状態はAGAの初期症状のひとつといわれています。

おでこ部分の毛が細くなってきた、かたい髪質だったのにやわらかい髪が増えたという場合は、進行のサインかもしれません。鏡を見たときにM字型に後退しているかどうかを確かめてみるとよいでしょう。

頭頂部のボリューム低下

髪のボリュームが気になるという声は、意外にも20代で多く聞かれます。特に頭頂部は自分では見えにくいため、周囲から「頭のてっぺん、薄くなってない?」と言われて初めて気づくケースがあります。

定期的に写真を撮ったり、美容室でのカット時に相談したりして、頭頂部の変化を把握すると安心です。

髪のコシやハリの減少

髪質が変わって、以前はしっかり立ち上がっていた髪がペタッとしやすくなった場合も要注意です。コシやハリの低下は、髪の成長に必要な栄養が不足していたり、頭皮の血行が悪くなったりしている合図と考えられます。

ヘアワックスやスプレーを使っても思うようにスタイリングできないと感じ始めたら、薄毛予防の第一歩として髪や頭皮のケアに目を向けることが望ましいです。

  • 髪のコシやハリが失われる原因
    • 栄養不足(タンパク質や亜鉛の不足)
    • 頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌によるトラブル
    • カラーリングやパーマなどによる髪への負担
    • 睡眠不足やストレスの蓄積

気になる項目が当てはまる場合は、自分の生活習慣のどこに改善の余地があるかを探ってみましょう。

薄毛対策における生活習慣の重要性

髪の健康を支えるのは、食事、睡眠、運動などの生活習慣です。忙しい20代ほど不規則な生活を送りがちですが、見逃せないのが薄毛と生活習慣の関連です。

ここでは、薄毛予防のために意識したい生活習慣のポイントを挙げます。

栄養バランスの見直し

髪をつくり出す材料となるタンパク質や亜鉛、鉄分などをバランスよく摂取する心がけが欠かせません。

髪はケラチンというタンパク質で構成されているため、肉や魚、大豆製品をまんべんなく取り入れた食事が望ましいです。

栄養素と食材

栄養素主な食材髪への役割
タンパク質鶏肉、豚肉、魚、大豆食品髪を構成するケラチンの主成分
亜鉛牡蠣、牛肉、納豆、卵細胞の生成や髪の成長をサポート
鉄分レバー、ほうれん草、ひじき頭皮への酸素供給を補助
ビタミンB群豚肉、緑黄色野菜、卵、大豆製品タンパク質の代謝や血行促進に関与

偏りのある食事を続けると薄毛のリスクが高まるだけでなく、体調不良の原因にもなります。外食やコンビニ弁当に頼る場面でも、バランスを意識して選ぶようにしましょう。

睡眠習慣の確立

睡眠不足はホルモンバランスの乱れや頭皮の血行不良を招き、髪の成長を妨げます。髪が成長しやすい深夜帯に十分な睡眠をとると、薄毛予防になります。

就寝前にスマートフォンを眺めてしまう、長時間ゲームをしてしまうといった習慣がある場合は、意識して早めの就寝を試みると良いでしょう。

  • 良質な睡眠を得るコツ
    • 就寝1時間前からスマートフォンやPCの使用を控える
    • カフェイン摂取は午後~夕方までで切り上げる
    • 就寝前に軽いストレッチを行い、体をリラックスさせる
    • 部屋を暗くし、寝具や室温にも配慮する

十分な睡眠を確保することで自律神経が整いやすくなり、頭皮環境の改善につながります。

適度な運動

運動不足は代謝の低下や血行の悪化を招き、頭皮に栄養が届きにくくなる可能性があります。ウォーキングや軽いジョギング、水泳など有酸素運動を週に数回行うと、血行が促され、頭皮への栄養供給が円滑になります。

筋トレも適度に取り入れると基礎代謝が上がり、髪に必要な栄養が巡りやすくなります。

運動強度と効果

運動の種類強度主な効果
ウォーキング低~中血行促進、ストレス解消に役立つ
ジョギング有酸素運動として体全体の代謝が上がる
水泳中~高全身運動により筋肉をバランスよく使用
軽い筋トレ筋力アップによる基礎代謝向上

運動の習慣を身につけると、血管拡張作用による頭皮環境の改善が期待できます。また運動によりストレス発散にもつながるので、日々のメンタルケアにも好影響があります。

ストレス管理

仕事のプレッシャーや人間関係など、20代はストレスが多い時期です。ストレスが高まると交感神経が優位になり、頭皮の血管が収縮しやすくなります。血行が滞ると栄養が十分に行き渡らなくなるため、薄毛のリスクが高まります。

自身がリラックスできる趣味や適切な休息時間を取り入れて、ストレスをため込みすぎない工夫をしましょう。

  • 音楽を聴いたり楽器演奏に挑戦したりする
  • 映画や読書で日常を忘れて没頭する時間をつくる
  • 自然の多い場所を散歩し、深呼吸する
  • 専門家や信頼できる人に話を聞いてもらう

ストレスを完全になくすのは難しいですが、自分なりの対処法を持っておくと、髪の健康にも良い影響が出るでしょう。

髪と頭皮を健康に保つ方法

髪や頭皮を直接ケアする方法も忘れてはいけません。どれだけ良い栄養を摂っていても、頭皮の状態が悪ければ髪は思うように育ちません。

ここでは、日常のヘアケアや頭皮ケアにおいて、意識してほしいポイントを紹介します。

正しい洗髪方法

洗髪は頭皮の余分な皮脂や汚れを落とし、清潔な環境を保つために重要です。しかし力任せにゴシゴシと洗ったり、熱いお湯で頭皮を刺激したりすると、皮脂を過度に洗い流し、頭皮トラブルを招くケースがあります。

適度な温度(38℃前後)で、指の腹を使い優しくマッサージするように洗髪しましょう。

適切な洗髪の手順

手順内容
予洗いシャンプー前にぬるま湯で頭皮と髪をしっかりすすぎ、汚れを落としやすくする
シャンプー泡立てネットや手のひらで泡立ててから髪につけ、指の腹で頭皮を優しく洗う
すすぎシャンプーやトリートメント剤が残らないよう、時間をかけて念入りにすすぐ
タオルドライタオルで押さえるように水分を取り、髪同士の摩擦を最小限に抑える
ドライヤー地肌から乾かすようにして、頭皮をしっかり乾かす

洗いすぎやすすぎ残しはどちらも頭皮トラブルの原因になるため、洗髪するときは適度な力加減としっかりしたすすぎを両立するとよいでしょう。

ヘアケア製品の選び方

シャンプーやコンディショナー、トリートメントなどは、自分の髪質や頭皮状態に合ったものを選びましょう。

洗浄力が強すぎる製品を使うと必要な皮脂まで取り去ってしまい、頭皮が乾燥または皮脂分泌が過剰になる場合もあります。逆に洗浄力が弱すぎると汚れが落ちにくくなり、頭皮環境の悪化を招くことがあります。

ノンシリコン製品やアミノ酸系シャンプーなど、頭皮にやさしい製品を試してみるのもひとつの選択肢です。

ヘアケア製品選びのポイント

  • 成分表示を確認し、自分の頭皮や髪に合った洗浄成分や保湿成分を含むものを選ぶ
  • 洗い上がりの感触を重視しすぎず、頭皮に刺激を感じないかをチェックする
  • 香りやテクスチャだけで判断せず、数週間使い続けて効果を見極める

頭皮マッサージの効果

頭皮マッサージには血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくするメリットがあります。指の腹を使って円を描くように動かすと、頭皮がほぐれてリラックス効果も得やすくなります。

シャンプー時はもちろん、仕事の合間やお風呂上がりなどにも習慣的に取り入れると頭皮の柔軟性を保ちやすいです。

部位マッサージ方法期待できる効果
生え際指先で左右に動かして皮膚をほぐすこわばった生え際の血行を良くする
頭頂部両手で頭頂部を包むようにして小さく回転させる頭部全体の血行促進とリラックス効果
後頭部親指を首のつけ根に当てて上方向に押し上げるように揉む血流改善による肩こり緩和・頭皮活性化
側頭部耳の上あたりを親指以外の4指で円を描くように刺激する側頭筋の緊張緩和とストレス軽減

頭皮マッサージを習慣化すると髪だけでなく全身の血行も整いやすくなり、睡眠の質向上や肩こり緩和にもつながります。

紫外線対策

強い紫外線を受けると頭皮も日焼けし、乾燥や皮脂の過剰分泌を引き起こす恐れがあります。屋外に長時間いる場合は帽子や日傘を活用し、頭皮用のUVスプレーを使うのもおすすめです。

紫外線によるダメージが蓄積しないよう、アウトドアを楽しむ際はこまめにケアを意識してください。

紫外線対策の例

  • 通気性の良い帽子をかぶる
  • 頭皮用UVカットスプレーを使用する
  • 日差しの強い時間帯の長時間外出を控える
  • 洗髪やトリートメントを念入りに行い、紫外線ダメージをリセットする

頭皮が炎症を起こすと抜け毛の原因にもなりかねないため、紫外線を甘く見ずに注意することが大切です。

クリニックでの相談と治療の流れ

薄毛が気になる場合、セルフケアだけでは不安が残ることもあります。医学的観点からの診断や治療が必要と感じたら、医療機関への相談を早めに検討してみてください。

薄毛専門の医療機関へ行く前に知っておきたいこと

専門の医師に相談すると、自分の薄毛の原因や進行度合いを正確に判断できるため、適切な治療法を選びやすくなります。

病院の予約を取る前に、現在の抜け毛の状況や生活習慣をある程度まとめておくと診察がスムーズです。いつから抜け毛が増えたか、薄毛が気になったきっかけなどをメモしておくとよいでしょう。

受診前に整理しておきたいポイント

項目内容
薄毛の自覚症状が始まった時期いつ頃から髪に違和感や抜け毛を感じるようになったか
抜け毛の頻度・量1日にどのくらい抜けているのか、どんなタイミングで抜けるか
家族や親族の薄毛の有無遺伝傾向があるかどうかの目安になる
普段の生活習慣食生活、睡眠時間、ストレス状況、運動習慣
使っているヘアケア製品シャンプーや育毛剤、サプリメントなど

これらを把握しておくと、医師とのコミュニケーションがスムーズになり、精度の高い診断につながります。

治療の選択肢

薄毛治療では、投薬治療、頭皮ケア治療、植毛など複数の選択肢があります。

投薬治療は内服薬や外用薬を使ってAGAの進行を抑えたり、発毛を促したりします。頭皮ケア治療では医療機器を使った頭皮への働きかけや、栄養成分の注入などを行うケースがあります。植毛は自分の後頭部などの毛髪を薄い部分に移植する外科的な方法です。

どの方法が自分に合っているかは個人差があるため、医師と相談しながら決めましょう。

取り組み特徴
投薬治療AGAに対する内服薬や外用薬でホルモンバランスを整えたり、毛根を刺激したりする
頭皮ケア治療頭皮の血行促進や育毛成分の注入などで髪の成長をサポート
植毛自毛を薄い部分に移植する方法。手術が伴うため費用やダウンタイムも考慮が必要
生活習慣の改善どの治療を選ぶ場合も合わせて行うと相乗効果が期待しやすい

投薬治療の概要

AGA治療の内服薬では、5αリダクターゼの働きを阻害する成分を含む医薬品が用いられます。外用薬としては、頭皮の血行を促進する成分が配合された育毛剤を塗布し、毛母細胞を活性化させることを狙います。

投薬治療は続けていくと効果を感じる場合が多い反面、中断すると元の状態に戻るリスクもあるため、根気よく取り組む必要があります。

投薬治療に関するメリットとデメリット

観点メリットデメリット
効果正しい用法を守り継続すれば髪の成長を促しやすい個人差があり効果がすぐに出るとは限らない
コスト月々の通院費や薬代が比較的明確長期的に見ると費用がかさむ可能性がある
服用リスク正規のルートで処方された薬は比較的安全性が高い副作用のリスクや服用上の注意点がある
継続性生活に取り入れやすく続けやすい中断すると発毛効果が減少し、進行リスクが再び高まる

投薬治療を受ける場合は、副作用や飲み合わせなどに関する医師の説明をよく聞いて、正しい方法で継続することが大切です。

クリニックでの検査と費用

クリニックでは、血液検査や頭皮の状態チェック、マイクロスコープを使った毛根の観察などが行われるケースが多いです。これらの検査結果をもとに治療方針が決定され、内服薬や外用薬が処方されます。

費用はクリニックによって異なり、保険が適用されない自由診療の範囲となる場合が多いため、事前に問い合わせておくと安心です。医師と費用面も含めて相談しながら、自分のペースで治療を進めましょう。

AGA治療薬やサプリメントの考え方

薄毛治療を検討する際、AGA治療薬やサプリメントの活用に関心を持つ人が多いです。どちらも髪の健康維持を目指す手段ですが、その性質や役割は異なります。

AGA治療薬の種類

AGA治療薬には、内服薬と外用薬の2種類が主に挙げられます。

内服薬には男性ホルモンの働きを抑制する成分が含まれ、外用薬には血行促進や毛母細胞を活性化させる成分が含まれるものが多いです。どちらを使うか、または両方を組み合わせるかは、医師の診察によって決定します。

内服薬の例

  • 男性ホルモンをDHTに変換する酵素の作用を抑制する薬
  • 抜け毛を抑え、ヘアサイクルの正常化を図る薬

外用薬の例

  • 頭皮の血流を促して毛母細胞へ栄養を届けやすくする成分を含むもの
  • 炎症を抑える成分を含み、頭皮環境を整えるもの

サプリメントの位置づけ

サプリメントは不足しがちな栄養素を補う目的で利用できます。栄養バランスが崩れた食生活を送っている方にとっては、有効な補助となるでしょう。

ただしサプリメントは医薬品ではないため、直接的に脱毛を抑制したり、髪を生やしたりする効果が保証されるわけではありません。あくまでもサポート役として位置づけ、食事や生活習慣の改善と併用する姿勢が大切です。

サプリメントを選ぶときに意識したいポイント

項目内容
成分亜鉛や鉄分、ビタミンB群など、髪や頭皮に関わる栄養素をチェック
用量と用法1日の推奨摂取量を守り、飲みすぎに注意
信頼性製造元や販売元の情報、口コミなどを参考に安全性を確認
医療機関との連携通院中の場合はサプリメントの併用について医師に相談

サプリメントだけに頼るのではなく、基本は栄養バランスの良い食事とあわせて総合的に栄養を摂取することが望ましいです。

服用時の注意点

AGA治療薬は医師の処方を受けて正しく服用する必要があります。自己判断で薬を増減したり、急に中断したりすると効果が得られないだけでなく、副作用のリスクが高まる恐れもあります。

サプリメントも摂取しすぎると体に負担をかける場合があるため、注意事項を守りましょう。

  • 医師の指示どおりの用量・用法を厳守する
  • 体調に異変を感じたら速やかに医師に相談する
  • サプリメント同士の成分が重複しないように確認する
  • 長期的な視点で取り組み、一時的な効果にとらわれない

効率的な組み合わせ

薄毛対策には、AGA治療薬やサプリメント以外にも生活習慣の改善や頭皮ケアなど複数の柱があります。これらを組み合わせると総合的な効果が得られやすくなります。

医師との相談を重ねながら、自分に合った方法を選択して継続していくことが大切です。

複合的な取り組みの例

  • 投薬治療+頭皮マッサージ
  • AGA治療薬+栄養バランスの整った食生活
  • サプリメント+規則正しい睡眠・適度な運動

複数の方法を組み合わせると費用や労力はかかるかもしれませんが、20代のうちに少しずつ習慣化しておくと長期的なメリットが大きいといえます。

20代のうちに行う薄毛予防と改善のメリット

早い段階から薄毛対策を始めると、将来的により多くの選択肢や可能性を得ることにつながります。特に20代は体力や回復力が比較的高く、生活習慣の見直しや治療への適応がしやすい時期でもあります。

将来への安心感

20代で髪のことを気にしながら生活するのは気が重いかもしれません。しかし、早期に対策を行って薄毛の進行を遅らせたり、髪の状態を維持できたりすると、30代以降での不安や後悔が少なくなります。

将来の髪に対するリスクが減るだけでなく、自分の容姿や健康に関する安心感を得やすくなるでしょう。

薄毛対策に取り組む時期による違い

開始時期メリットデメリット
20代の早期対策の効果を実感しやすく、進行を抑制できる可能性が高い早めの情報収集や継続的なケアが求められる
30代以降経済的に安定し、治療費を捻出しやすいすでに進行が進んでいる可能性が高く、治療に時間がかかる
気づいたときが遅い手遅れではないが、大掛かりな治療が必要になるケースがある選択肢が限られ、費用も高くなるリスクがある

自己肯定感の向上

髪の悩みが減ると、身だしなみに自信を持ちやすくなります。自分の髪型を自由に楽しめると、ファッションの幅が広がり、見た目からくる自己肯定感や社交性が高まることが期待できます。

人と接するときも前向きな気持ちになれるため、仕事や恋愛にも好影響をもたらすでしょう。

早期対策で得られる経済的メリット

薄毛が進行してから大がかりな治療を始めるより、早い段階で抜け毛の予防や進行を抑制するほうが、トータルコストは低くなる場合が多いです。

投薬治療は長期間続けるとそれなりの費用がかかりますが、初期段階で進行を抑えられれば、重度の症状に進む前にケアを完結できる可能性があります。

経済面でのメリット

  • 重度の薄毛になってからの植毛治療などに比べると、早期ケアの費用のほうが比較的抑えやすい
  • 適切なタイミングで対策し、深刻な状態に陥らなければ、長期的な通院回数を減らせる
  • 生活習慣の改善も一度身につけば健康面のメリットが大きく、医療費の抑制にもつながる

持続的なケアの大切さ

1度ケアをして髪の状態が改善したとしても、油断すると再び生活習慣が乱れて薄毛が進行する場合があります。

20代のうちに身につけた良い生活習慣やヘアケアの知識は、その後の人生にわたって役立ちます。続けやすい方法を選んで、習慣化しながらケアすることがポイントです。

日常生活で気をつけたいこと

いざ治療やケアを始めても、日常の中に潜む髪へのダメージ要因を放置すると効果が出にくくなる場合があります。

ここでは、普段の生活で注意しておきたい具体的な項目を挙げます。何気ない行動が薄毛リスクを高める可能性もあるため、あらためて確認してみましょう。

過度なヘアスタイリング

ワックスやヘアスプレーを大量に使う、アイロンを繰り返し使うなど、過度なヘアスタイリングは髪と頭皮へ負担をかけます。

整髪料が頭皮につくと毛穴を詰まらせる原因になるため、使用量や使用方法を見直し、洗髪時にしっかりと落とすことを心がけてください。髪型をどうしてもキープしたい日は、頭皮につけないよう工夫して使うのがおすすめです。

過度なヘアスタイリングによるリスクと対策

リスク対策
頭皮の毛穴詰まり整髪料を頭皮につけないように塗布する
髪のダメージアイロンやドライヤーの熱を当てすぎない
皮脂の過剰分泌洗髪時に整髪料をしっかり落とす
引っ張りによる毛根への負担固く結ぶ髪型を長時間続けない

タバコとアルコールの影響

タバコは血管を収縮させるため、頭皮の血行不良を引き起こしやすくなります。アルコールの過度な摂取も肝臓に負担をかけ、栄養の供給が妨げられる場合があります。

どちらも髪にとってはマイナス要因になりやすいため、量を減らしたり禁煙や節酒を心がけるとよいでしょう。

  • タバコはニコチンにより血管が収縮し、頭皮への栄養供給が滞る
  • アルコールは過剰摂取で肝臓を酷使し、体内で髪に回るはずの栄養が不足する
  • 睡眠障害や食欲不振など、間接的な悪影響も出やすい

過剰なダイエット

極端な食事制限をすると、体重は減ったとしても髪に必要な栄養が不足してしまいます。特にタンパク質や鉄分、亜鉛など、髪を作る上で重要な栄養素が欠乏しやすいです。

体重をコントロールしたい場合は、バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせて健康的に取り組むのがおすすめです。

過剰なダイエットの具体例

  • 炭水化物を極端に抜く
  • タンパク質の摂取を大幅に減らす
  • サプリメントなどでカバーせず、偏った食材だけを食べ続ける

こうしたダイエットを続けると薄毛だけでなく体調を崩すリスクも高まるため、短期的な効果ばかりにとらわれないことが重要です。

早めに受診して将来の髪の健康を守りましょう

薄毛について少しでも不安を感じたら、自力で改善を試みるだけでなく早めに専門家に相談してみましょう。

生活習慣を正すだけでは改善が難しいケースもあるため、医療機関で正確な診断を受けると安心感につながります。

日常生活を見直しつつ、必要に応じて受診のタイミングを検討してみてください。

受診を検討すべき兆候

  • 抜け毛の量が急増し、食事や洗髪を改善しても減らない
  • 生え際や頭頂部の薄さが目に見えて進行している
  • 頭皮に赤みやかゆみ、炎症が起きている
  • ストレスや疲労が慢性的に溜まり、生活習慣を変える余裕がない

早めの行動は、将来の髪と健康を守る上で大切な一歩になります。

参考文献

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GOPINATH, Shilpa; SWARNAGOWRI, B. N. Investigating the Effect of Hormonal Alterations on Male Pattern Hair Loss: A Longitudinal Study.

TRÜEB, Ralph; HOFFMANN, Rolf. Aging of hair. In: Textbook of Men’s Health and Aging. CRC Press, 2007. p. 715-728.

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HAGENAARS, Saskia P., et al. Genetic prediction of male pattern baldness. PLoS genetics, 2017, 13.2: e1006594.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
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