薄毛対策の基本|ジヒドロテストステロンを減らす方法と実践方法 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

薄毛対策の基本|ジヒドロテストステロンを減らす方法と実践方法

更新日
薄毛対策の基本|ジヒドロテストステロンを減らす方法と実践方法
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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AGA(男性型脱毛症)をはじめとする薄毛の悩みは、多くの方にとって大きな負担となっています。特に男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが髪の成長に与える影響は見過ごせない要素です。

この記事では、ジヒドロテストステロンを減らすための基本的な考え方と、日常生活で実践できる方法を詳しく解説します。

髪の成長サイクルと薄毛の関係

薄毛の悩みを解消するためには、髪の成長サイクルを理解し、どのように変化して薄毛へと進行しやすい状態になるかを把握することが大切です。

髪には伸びる時期、抜ける時期、それらを繰り返す時期があり、そのサイクルの乱れが薄毛につながります。

髪の成長サイクルの基本

髪の毛は成長期・退行期・休止期という3つの時期を繰り返しながら生え変わります。

成長期には毛母細胞が活発に増殖し、髪がしっかり伸びます。退行期では毛母細胞の活動が徐々に低下し、休止期では髪が抜けやすくなります。

これらのサイクルが乱れて成長期が短縮すると、髪が十分に太くならないまま抜け落ちやすくなります。

薄毛と頭皮環境の関係

頭皮環境が整わないと、髪を育てる土台が弱ってしまいます。皮脂の分泌が過剰になると毛穴が詰まり、髪の成長に支障が出ることがあります。

また、血流が滞ると必要な栄養が毛根に行き届きにくくなり、健康な髪が育ちにくい状態になりがちです。

生活習慣の乱れや過度なストレスなどが血流悪化の原因につながるため、頭皮を健やかに保つことが重要です。

男性特有の脱毛パターン

男性の場合、前頭部や頭頂部から薄毛が進行しやすいという特徴があります。これは男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)へ変換されやすい場所が頭頂部や前頭部の毛根だからです。

このDHTが毛母細胞の成長を抑え、髪を細く短くしてしまうことがAGAの大きな要因と考えられています。

AGAとDHTのかかわり

AGAではジヒドロテストステロンが毛母細胞や毛乳頭細胞の働きを低下させます。そのため、他の部位の髪とは異なり、頭頂部や生え際の髪が抜けやすくなります。

DHTの働きをどのように抑えるかが薄毛改善の重要なポイントであり、AGA治療においても最初に考慮する点です。

髪の成長サイクル比較

項目正常な髪のサイクルAGAによるサイクルの乱れ
成長期の長さ約2~6年ほどの長期数か月~1年程度と短縮しやすい
髪の太さ根元から毛先まで均一に太い途中から細くなる、全体的に細い
退行期・休止期の影響徐々に毛母細胞の活動が落ち着き、自然に抜けるDHTによって毛母細胞が強く抑制され、抜けやすくなる
見た目の変化抜け毛があっても髪全体のボリュームは維持されやすい前頭部・頭頂部のボリュームが目立って減少しやすい

ジヒドロテストステロンとは?

ジヒドロテストステロン(DHT)は、テストステロンから5αリダクターゼという酵素によって変換される男性ホルモンです。

男性の身体づくりや性機能に関わる一方で、頭髪に対しては毛根を弱らせる方向に働きやすい特徴があります。

DHTの生成メカニズム

DHTは主に前立腺や毛根周辺で生成されます。テストステロンが5αリダクターゼと結合すると、より活性の高いホルモンであるDHTへと変わります。

活性が高いため体毛を濃くする働きも強い反面、頭髪に対しては逆の作用を及ぼし、髪の成長を抑制することが指摘されています。

DHTの全身への作用

DHTは筋肉や骨格の発達、性欲などにも影響を与えます。そのためDHTが完全になくなってしまうと、男性らしさの維持が難しくなる部分もあります。

ただし髪に関しては毛母細胞へのダメージが大きく、過剰なDHTが薄毛の進行を早めやすいといわれています。

DHTを減らす意義

薄毛対策としてDHTを減らすことは、髪の成長環境を整える意味合いがあります。DHTの働きを抑えることで、毛根の活動を正常に戻し、髪が太く長く成長しやすい状態をサポートします。

特に前頭部や頭頂部などAGAの症状が出やすい部位の毛根において効果が期待できます。

DHTと5αリダクターゼの関係

5αリダクターゼはI型とII型の2種類が存在するといわれています。II型は特に前立腺や毛包で働きが強く、AGA治療薬のフィナステリドやデュタステリドもこの酵素を阻害することでDHTの生成を抑えます。

この酵素の活性が高い人はDHTが多く作られ、薄毛が進行しやすい傾向があります。

男性ホルモンの体内での働き

ホルモン名合成経路主な作用
テストステロン睾丸や副腎で合成筋肉の増強、骨格の発達、性欲維持
ジヒドロテストステロンテストステロン + 5αリダクターゼ男性の二次性徴、体毛の促進、頭髪の成長阻害

DHTを減らす必要性とその影響

DHTを抑制するとどのような効果があるのか、またどんな影響が懸念されるのか気になるところです。

過剰なDHTは薄毛以外にも皮脂の分泌を促進したり、肌荒れに関係する可能性があります。ここではDHTを減らす必要性と、その影響を整理していきます。

過剰なDHTが引き起こしやすい問題

DHTが過剰に生成されると、頭皮環境だけでなく全身のコンディションにも影響しやすくなります。

皮脂の分泌が活発になるとニキビや吹き出物が増える場合があります。また気持ちが落ち着かず、イライラしやすいといった精神面の変化を感じる方もいるようです。

  • 頭皮の皮脂過剰分泌
  • 毛根周囲の炎症
  • ニキビや吹き出物の増加
  • イライラ感や気分の不安定

DHT抑制によるメリット

DHTを減らすと、髪の成長サイクルが改善しやすくなります。特にAGAの原因部位である毛根への負担が減ることで、太く健康な髪が育ちやすい状態につながります。

また皮脂分泌のコントロールにも役立つため、頭皮のコンディションが良くなりやすい点も期待できます。

  • 健康な髪が成長しやすい
  • 皮脂量のコントロールがしやすい
  • 頭皮環境の改善
  • 抜け毛の減少

DHTを減らしすぎるリスク

DHTは男性機能にも関わるホルモンです。極端に減らすと男性機能の低下、性欲の低下などを起こす可能性があります。

薄毛の治療では適切な範囲で抑制し、副作用が起こらないかを確認しながら治療を進めます。自己判断でサプリメントや薬を過剰に使用せず、医師の指導を受けることを推奨します。

AGA治療でのDHT抑制の位置づけ

AGA治療ではDHTの抑制が中心的な戦略になりますが、同時に頭皮ケアや栄養バランスの見直しも行います。一つの方法だけでなく、複合的に行うことで相乗効果を狙います。

DHT抑制薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善も同時に取り組むことが重要です。

DHTを減らした場合のメリット・デメリット

観点メリットデメリット
薄毛改善髪の成長促進、抜け毛の減少成果が表れるまでに時間がかかるケースがある
頭皮環境皮脂量のコントロール、健康的な頭皮へと近づける過度な抑制で頭皮が乾燥しやすくなる可能性
全身への影響ニキビの改善、イライラ感の軽減など男性機能や性欲の低下につながるリスク
用いる治療方法・薬剤AGA専門の薬で効果を得やすい副作用や禁忌事項の可能性があるため、専門家の確認が必要

ジヒドロテストステロンを減らす方法

薄毛の原因に深く関わるジヒドロテストステロンを減らすためには、薬物治療だけでなく生活習慣の見直しが重要です。

食事や睡眠、ストレスの管理など、日々の積み重ねがホルモンバランスを整え、過剰なDHTの生成を抑える可能性を高めます。

食事の工夫

食生活の乱れはホルモンバランスの乱れにつながりやすいです。栄養バランスの取れた食事を心がけながら、特に亜鉛やタンパク質を十分に摂取すると髪の成長に役立つと考えられています。

一方、糖質や脂質を過剰に摂取すると皮脂の分泌量が増え、DHTの悪影響を受けやすくなる可能性があるため、適度なコントロールが必要です。

DHT抑制を意識した食事

食材役割備考
亜鉛を含む食品亜鉛はホルモン合成のバランス維持に寄与牡蠣、牛肉、レバーなど
タンパク質豊富な食品髪の主成分であるケラチンを作る材料になる鶏ささみ、大豆製品、魚など
ビタミン群抗酸化作用や代謝サポートに役立つ緑黄色野菜、果物、ナッツ類など
良質な脂質過剰な脂質の摂取を避けつつ、適度に摂取するとホルモン調整に役立つオリーブオイル、青魚に含まれる脂肪酸

睡眠とストレス管理

寝不足や過度なストレスはホルモンバランスを乱す大きな要因です。十分な睡眠時間を確保し、ストレスを発散する方法を見つけておくとDHTの増加をある程度抑えられると考えられます。

具体的には、適度な運動やリラックスできる趣味、入浴などがストレス緩和に役立ちます。

  • 7~8時間程度の睡眠時間を目安にする
  • 定期的な運動(ウォーキングや軽い筋トレなど)
  • 湯船でゆっくり温まって筋肉をほぐす
  • 読書や音楽鑑賞などリラックスできる活動を取り入れる

頭皮ケア・ヘアケア

DHTを減らすことだけでなく、頭皮ケアを並行して行うと薄毛対策がより効果的になります。

頭皮の血流を良くするマッサージや、毛穴詰まりを防ぐための適切なシャンプー選びなどが大切です。過度な洗浄や強い刺激を与えると皮脂が逆に増えやすくなるため、適度なケアがポイントです。

生活リズムの改善

規則正しい生活リズムがホルモンバランスの安定に役立ちます。

深夜まで起きている生活を続けると自律神経の乱れが生じ、ホルモン分泌にも影響が及ぶ場合があります。食事、運動、睡眠といった基本的な生活リズムを整えることがDHT抑制への近道です。

DHT抑制を意識した生活習慣

  1. 朝食をしっかり摂る
  2. 可能な限り同じ時間に就寝・起床する
  3. 適度な有酸素運動を週2~3回行う
  4. スマホやPCの使用を就寝前1時間ほど控える

医薬品を利用した取り組み

DHTを減らすためには、医薬品を使った取り組みが効果的な場合があります。AGA治療薬の代表として挙げられるフィナステリドやデュタステリドは、5αリダクターゼを阻害してDHTの生成を抑える働きがあります。

フィナステリドとデュタステリド

フィナステリドは主にII型5αリダクターゼを阻害し、DHT生成を抑えます。

デュタステリドはI型とII型の両方に働きかける特徴を持ち、より広範囲の5αリダクターゼ活性を抑える傾向があります。ただし、デュタステリドは効果が大きい反面、副作用のリスクもある程度考慮が必要です。

フィナステリドとデュタステリドの比較

薬剤名作用メカニズム主な特徴注意点
フィナステリド主にII型5αリダクターゼを阻害AGA治療薬として広く使われる副作用は比較的少ないが、個人差あり
デュタステリドI型・II型5αリダクターゼを両方とも阻害幅広くDHT生成を抑えられる可能性がある血中半減期が長めで、副作用が出ると持続しやすい

服用方法と注意点

フィナステリドやデュタステリドは内服薬です。決められた用量を継続して飲み続けることでDHTの抑制を期待できます。

服用を中断すると再びDHTが増え、薄毛が進行しやすくなるため、自己判断で止めずに医師の指示に従うことが大切です。

また、これらの薬は女性の服用が禁止されている場合があるため、男女間での取り違えが起こらないよう注意が必要です。

副作用に対する考え方

主な副作用として、性欲の低下やED(勃起機能の低下)、睾丸痛などが報告されています。ただし発症率は高くなく、あらわれても軽度であるケースが多いとされています。

万が一、副作用が強く出た場合はすぐに医療機関へ相談してください。

副作用と対処法

症状内容対処法
性欲減退、EDDHTの抑制により性機能が低下する可能性医師に相談し、薬の種類や服用量を見直す
胸部の張り(男性化乳房)ホルモンバランスの変化で乳腺が刺激されることがある服用を中断せず、早めに医師へ報告して対策を検討
めまい、倦怠感個人差が大きいがホルモンバランスの変動による影響十分な休養を取り、症状が続く場合は受診

ジェネリック医薬品の活用

フィナステリドやデュタステリドにはジェネリック薬品も存在します。薬価を抑えたい場合や長期間の治療を視野に入れる場合には、ジェネリック医薬品を検討することがあります。

品質や有効成分の効果はオリジナルと同等とされ、費用面の負担を下げながら治療を継続できる点が魅力です。

DHTを減らす実践方法:具体的な生活改善

薬による働きかけだけでなく、自宅で行う生活改善もDHTを減らす手助けになります。サプリメントの活用、適度な運動、ストレスケアなどをバランスよく組み合わせると効果が高まる可能性があります。

サプリメントの活用

ビタミン群や亜鉛などのミネラル、EPA・DHAなどの良質な脂肪酸を意識的に補うことがおすすめです。サプリメントを選ぶときは、含有量や製品の品質をチェックしましょう。

ただし、サプリメントだけに頼るのではなく、食事の改善や適切な休息と合わせることで効果を感じやすいです。

推奨されるサプリメント

サプリメント主な成分期待できる作用
マルチビタミンビタミンA・B・C・Eなど抗酸化や新陳代謝のサポート、頭皮の健康維持
亜鉛亜鉛ホルモンバランスの調整、髪の合成に必要
オメガ3EPA・DHA血行改善のサポート、抗炎症作用
イソフラボン大豆イソフラボン女性ホルモン様作用によるDHT生成抑制の可能性

適度な運動

筋トレなどの無酸素運動はテストステロンの分泌を高める場合があります。

テストステロンが増えすぎるとDHTにも転換されやすいため、無酸素運動だけでなく有酸素運動を組み合わせてバランスを取りましょう。有酸素運動には血行促進やストレス緩和の効果が期待できます。

  • スロージョギングやウォーキング
  • サイクリング
  • 軽いヨガやストレッチ

頭皮マッサージ

頭皮の血流を高める頭皮マッサージは、毛根へ栄養を届けやすくするサポートにつながります。

シャンプー前や入浴中に指の腹で円を描くように揉みほぐします。過剰に力を入れすぎると頭皮を傷つける可能性があるため、心地よいと感じる程度の圧力を心がけてください。

ストレスケア

ストレスが溜まると自律神経が乱れ、ホルモン分泌バランスが崩れやすくなります。

趣味やリラクゼーション、軽い運動でリフレッシュし、ストレスを上手に発散するとDHTの増加を抑えやすくなります。睡眠環境を整えることも大切です。

日常で取り入れたいストレス緩和策

  1. 家族や友人と会話する時間をつくる
  2. 音楽や読書などの趣味に没頭する
  3. 深呼吸や瞑想でリラックスする
  4. 入浴で体を温めながら軽いマッサージをする

頭皮ケアとDHT抑制の相乗効果

頭皮ケアはDHTの抑制と組み合わせることで、さらに髪を健やかに保つ効果が期待できます。頭皮を健康に保つと、薬やサプリメントによる効果も引き出されやすくなります。

シャンプーの選び方

洗浄力が強すぎるシャンプーを使うと必要な皮脂まで取り除いてしまい、逆に皮脂の過剰分泌を招く可能性があります。

アミノ酸系など頭皮にやさしいタイプを選ぶと、頭皮の乾燥を防ぎつつ清潔に保つことができます。

ただし、整髪料などを頻繁に使用している場合は、しっかり洗い流せるシャンプーも選択肢に入ります。

シャンプー選びの比較

タイプ特徴向いている頭皮環境
アミノ酸系シャンプー頭皮と髪への刺激が少なく、保湿力が期待できる乾燥しやすい頭皮、敏感肌
高級アルコール系シャンプー洗浄力が高くさっぱり感がある皮脂分泌が多い頭皮、整髪料をしっかり使う
石鹸系シャンプー強い洗浄力があるが髪がきしむ場合がある皮脂が非常に多い人、硬い髪質

頭皮の血行促進ケア

頭皮マッサージや育毛剤の使用などで血行を促進すると、毛根への栄養供給がスムーズになります。

育毛剤には血管拡張成分や保湿成分が含まれるものが多く、頭皮が健康な状態へ向かいやすくなります。塗布するときは指先で優しくマッサージしながら浸透させると効果を感じやすいです。

紫外線対策

紫外線は頭皮や毛髪にダメージを与えてしまいます。外出時には帽子をかぶる、日傘をさすなどで頭皮を紫外線から保護してください。

紫外線ダメージが蓄積すると、頭皮の乾燥や炎症を起こしやすくなり、髪の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。

過度なスタイリングの注意

ワックスやスプレーなどの整髪料を多用すると、毛穴を詰まらせる要因になりやすいです。

使用後は丁寧に洗い流し、頭皮に負担をかけないようにすると、DHT抑制の効果もサポートできます。ヘアスタイルを整える際は、適度な使用量を心がけましょう。

頭皮ケアとDHT抑制を同時に行うメリット

観点メリット
薬・サプリの効果頭皮が健康だと成分が行き届きやすくなり、効果が発揮されやすくなる
血行促進マッサージや保湿で毛根に必要な栄養が届きやすくなる
髪のハリ・コシ髪が育ちやすい環境が整うため、ハリやコシが向上しやすくなる
頭皮トラブルの減少炎症やフケなどのトラブルが起こりにくくなり、脱毛リスクが低減する

クリニックでの治療とアフターケア

DHTを減らしたいと考えている方は、専門のクリニックで検査や診察を受けることが大切です。自己流のケアだけでは原因を正確に把握できず、適切な治療にたどり着きにくい場合があります。

クリニックでの診断方法

専門の医療機関では、頭皮や毛髪の状態をカメラで観察し、脱毛の程度や毛髪の太さ、頭皮の血流状態をチェックします。

血液検査でホルモンバランスや栄養状態を確認することもあり、総合的な情報から治療方針を決定します。

  • マイクロスコープによる頭皮診断
  • 血液検査
  • 既往歴や家族歴のヒアリング
  • 現在の生活習慣の把握

医療機関で受けられる治療

薬物治療(フィナステリド、デュタステリド)、外用薬の処方、メソセラピー、HARG療法など、各クリニックで実施している治療法は多岐にわたります。

自身の頭皮状態や予算、生活スタイルに合わせた治療法を選択すると、継続しやすく効果を感じやすいです。

代表的な治療法

治療法内容メリットデメリット
内服薬フィナステリド、デュタステリドなどを処方DHTの抑制効果が高い副作用への注意が必要
外用薬ミノキシジルなど育毛効果のある外用薬を頭皮に塗布血行促進・育毛サポート頭皮のかゆみや炎症が起こる可能性
メソセラピー成長因子や栄養成分を直接頭皮に注入毛根への成分浸透が高く、即効性を感じやすい施術費用が高くなる場合がある
HARG療法幹細胞由来の成長因子などを活用する方法高い育毛効果が期待できる費用がかさむ場合が多い

治療費と予算計画

AGA治療は保険適用外となるケースが多いです。そのため月々の費用負担が発生します。

内服薬のみであれば比較的安価に抑えられることもありますが、注入治療や新しい技術を用いた治療を選ぶと大きな負担になるケースがあります。治療を始める前にしっかり予算を組んでおくと安心です。

定期的なフォローアップ

AGA治療は数か月単位で効果を評価します。毛髪の成長サイクルを考慮すると、2~3か月では変化が感じにくく、半年から1年ほどかけて改善を実感するケースも多いです。

定期的にクリニックで診察を受け、頭皮の状態や副作用の有無を確認しながら治療を継続することが大切です。

クリニック通院の流れ

  1. 初回カウンセリング・診断
  2. 治療方針の決定(内服薬・外用薬・注入療法など)
  3. 定期的な通院で頭皮・毛髪の状態をチェック
  4. 必要に応じて治療内容や薬の種類を調整

薄毛対策とDHT抑制のまとめ

薄毛対策で大切なのは、DHTを減らす取り組みと頭皮環境の改善を同時に行うことです。普段の生活習慣から医療機関での治療まで、複合的に取り組むと髪の成長をサポートできます。

最後に、これまで解説してきたポイントを振り返ります。

薄毛対策の基本方針

DHTによる毛根のダメージを抑えながら、頭皮を清潔・健やかに保つことが基本です。

食事・運動・睡眠を整えることでホルモンバランスを安定させ、適度な頭皮ケアで毛根に栄養が行き届きやすい環境をつくります。医薬品の使用は効果的ですが、専門医による診断と適切なフォローを受けると安心です。

取り組み詳細
生活習慣の見直し食事や睡眠、ストレスケア
頭皮ケアの徹底適切なシャンプー選び、血行促進
医薬品の活用フィナステリド、デュタステリド、外用薬
定期的なクリニック受診効果や副作用をチェック

DHTを減らすポイントの総括

DHTを抑制するための薬物治療に加え、日常の小さな習慣も大きな効果をもたらす可能性があります。

バランスの良い食事や適度な運動、頭皮の血行促進を行うことで、より安定した発毛環境をつくれます。複数の対策を合わせて行うと相乗効果が期待できます。

主な取り組みと期待できる効果

取り組み期待できる効果
亜鉛・ビタミンなどのサプリメントの継続ホルモンバランスの調整、髪の生成サポート
ストレスケア自律神経の安定によるホルモンバランスの改善
定期的な頭皮マッサージ血行促進と毛根への栄養供給の向上
医薬品(フィナステリド、デュタステリド)の利用直接的なDHTの生成抑制と薄毛の進行抑止

取り組みを継続する心構え

薄毛対策は1日や2日で劇的に変わるものではありません。継続が必要であり、そのためにはモチベーションの維持が重要です。

変化を感じられなくても、まずは3か月から半年ほど継続し、クリニックの定期受診を通じて状況を把握しながら進めましょう。

薄毛の悩みから解放されるために

薄毛は見た目だけでなく、気持ちの面でも大きな負担になりやすいです。DHT抑制という根本的な働きかけと、頭皮ケア・生活習慣の改善を並行して行うと、悩みが緩和しやすくなります。

必要に応じて医師や専門家へ相談しながら、自分に合った方法を模索してください。

参考文献

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ENGLISH JR, Robert S. A hypothetical pathogenesis model for androgenic alopecia: Clarifying the dihydrotestosterone paradox and rate-limiting recovery factors. Medical hypotheses, 2018, 111: 73-81.

LOLLI, Francesca, et al. Androgenetic alopecia: a review. Endocrine, 2017, 57: 9-17.

TRÜEB, Ralph M. Molecular mechanisms of androgenetic alopecia. Experimental gerontology, 2002, 37.8-9: 981-990.

MOTOFEI, Ion G., et al. Androgenetic alopecia; drug safety and therapeutic strategies. Expert opinion on drug safety, 2018, 17.4: 407-412.

REBORA, Alfredo. Pathogenesis of androgenetic alopecia. Journal of the American Academy of Dermatology, 2004, 50.5: 777-779.

ALLEN, Naomi E., et al. Lifestyle and nutritional determinants of bioavailable androgens and related hormones in British men. Cancer Causes & Control, 2002, 13: 353-363.

RAJPUT, Rajendrasingh; RESTORE, Hair. Changing the cellular environment can improve the tissue response of follicles without DHT blockers. In: Hair Transplant Forum International. Hair Transplant Forum International, 2019. p. 62-65.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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