

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
抜け毛や髪のボリューム不足が気になったとき、多くの男性がまず目を向けるのが日々のシャンプーです。シャンプーは単に汚れを落とすだけでなく、頭皮環境を整えるうえで大切な役割を担います。
しかし種類が多く、成分表示や広告のアピールポイントもさまざまで、どれを選べばよいか迷うのではないでしょうか。
本記事では、男性が育毛を意識するときに役立つシャンプーの選び方や洗髪方法、生活スタイルとの関連性などを幅広く解説します。
頭皮や髪のメカニズムを確認するとシャンプー選びが楽になる
髪や頭皮の性質を理解すると、自分に合うシャンプーを探しやすくなります。
男性は女性に比べて皮脂が多く分泌される一方、乾燥もしやすい特徴があるといわれています。そのため、髪や頭皮の仕組みを確認しておくことが育毛効果を期待するうえで重要です。
男性の髪に見られる特徴
男性の髪は女性と比べるとハリがあると感じる方が多いかもしれませんが、実際には個人差が大きいです。遺伝的要素だけでなく、生活習慣やストレスなどの影響で髪質が大きく変わる場合があります。
男性が抱える抜け毛の悩みの一部は、頭皮の状態が不安定になって進行しやすくなります。髪の健康を維持するためには、性別固有の特徴を押さえつつ、シャンプーや頭皮ケアを丁寧に行うことが大切です。
とくに育毛を考える男性は、髪のコシだけでなく頭皮の健康度合いにも気を配る必要があります。
皮脂と乾燥のバランス
男性特有の悩みとして、皮脂が多い一方で乾燥しやすい頭皮が挙げられます。
皮脂の分泌量が多いとベタつきが目立ちやすくなる反面、強い洗浄力のシャンプーを使うと今度は頭皮が乾燥しすぎる場合があります。
頭皮が極端に乾燥すると、それを補おうとしてさらに皮脂の分泌が増えるケースもあるため、悪循環に陥りやすい点に気につけたいところです。
男性の頭皮をケアするうえで気をつけたい点
- 過度の洗浄は皮脂を取りすぎて乾燥を招く
- ベタつきの一因は皮脂の過剰分泌だけとは限らない
- 乾燥状態の頭皮は外的刺激を受けやすくなる
- 皮脂と水分のバランスが乱れると抜け毛のリスクが高まる
頭皮環境の乱れが与える影響
頭皮が皮脂過多や乾燥の状態になると、かゆみや炎症が生じやすくなります。この状態が続くと、男性にみられる抜け毛や薄毛を加速させる要因になりやすいです。
また、フケが大量に発生してしまうと頭皮に雑菌が増えやすくなり、頭皮環境の悪循環を招く可能性も高まります。
シャンプーの選び方を誤ると、その悪循環を助長する恐れがあるため注意が必要です。
ダメージを和らげる具体策
ダメージを最小限に抑えるには、シャンプーの洗浄成分だけでなく使い方もポイントになります。
男性の場合、短髪であっても頭皮への刺激は積み重なるため、シャンプーをしすぎたり強くこすりすぎたりすると頭皮のバリア機能を破壊しがちです。
適度な圧力で頭皮をマッサージするように洗い、洗浄後はしっかりと保湿する心がけが育毛を意識したケアにつながります。
男性の髪質の代表例
髪質 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
硬い髪 | ゴワつきやすく、手触りにハリがある | 強い洗浄力のシャンプーを使うと頭皮が乾燥しやすい |
軟らかい髪 | ボリューム感が不足しやすい | シリコンやオイル成分で重くなりやすいので注意 |
くせ毛 | うねりがあり、湿度の影響を受けやすい | 頭皮マッサージを取り入れ、血行促進を意識する |
直毛 | まっすぐで指通りが良い | 乾燥でパサつく場合もあるため保湿に気を配る |
シャンプーの成分を理解して男性の育毛につなげる
男性の育毛を考える際、シャンプーを成分の観点から選ぶことが重要です。
どのような洗浄成分が頭皮に作用するのかを理解するだけでなく、抜け毛を意識する場合に向いている配合成分にも目を向ける必要があります。
洗浄成分に着目する
シャンプーに含まれる洗浄成分は大まかに「高級アルコール系」「アミノ酸系」「石けん系」に分類できます。
強い洗浄力を持つものほど皮脂をしっかり落とせる一方で、頭皮が乾燥しやすい傾向にあります。
アミノ酸系シャンプーはマイルドな洗浄力で頭皮の潤いを保ちやすいといわれていますが、個々人の頭皮タイプや好みに合わせて選ぶと良いです。
男性の髪は皮脂量が多めなので、バランスが取りやすいアミノ酸系や、必要に応じて石けん系を検討するなどの工夫が考えられます。
育毛成分が含まれるシャンプー
シャンプーのパッケージや広告で「育毛効果」と記載されている製品が多くあります。しかし、実際には育毛を補助する成分や保湿成分が含まれている程度のものも少なくありません。
男性の場合、育毛に関連するとされる成分には以下のようなものが挙げられます。
育毛サポートが期待できる成分
成分 | 効果 |
---|---|
ピロクトンオラミン | フケやかゆみを抑える |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用がある |
センブリエキス | 血行を促し、育毛を助ける可能性がある |
カプサイシン系成分 | 頭皮を温め、血行を促進する |
育毛を期待する男性は、これらの成分を配合したシャンプーを選ぶとともに、頭皮ケアを継続することが大切です。
ただし、シャンプーだけでは十分でない場合もあるため、クリニックでの相談も視野に入れておくとよいでしょう。
抜け毛を考慮した添加物のチェック
防腐剤や香料、着色料などの添加物が多いシャンプーは、頭皮に刺激を与える恐れがあります。
男性の頭皮は皮脂分泌が活発であるぶん、刺激によるトラブルが起こると抜け毛につながりやすい側面があります。
添加物をすべて避けるのは難しいですが、敏感肌の方や頭皮トラブルが多い方は、刺激の強い成分が含まれたシャンプーを避けるよう心がけてください。
添加物の種類 | 役割 | 考えられるリスク |
---|---|---|
防腐剤 | 製品の腐敗を防ぐ | 頭皮トラブルの原因になる場合がある |
合成香料 | 香りづけ | アレルギーを引き起こす可能性 |
合成着色料 | 色味の調整 | 頭皮に負担となる場合がある |
シリコン | 髪の表面をコーティング | 長期間使うと毛穴が詰まる恐れ |
自分に合った使用頻度を考える
男性の中には「皮脂が多いからシャンプーを何度も使うべき」と考える方もいますが、洗いすぎは逆効果になる場合があります。
毎日シャンプーするのが基本とはいえ、頭皮が極端に乾燥するようなら洗浄力が穏やかなものを使うか、洗い方を見直す選択肢も考慮する必要があります。
使用頻度を含めた総合的な見直しが、育毛を考えるうえで大切です。
育毛を意識する男性が誤解しがちなポイント
シャンプーで育毛を狙う男性では、泡立ちや香りなどイメージに偏りがちなケースも見受けられます。
誤った基準でシャンプーを選んでしまうと、実際には頭皮環境が悪化している場合もあり、抜け毛の悩みが深刻化してしまう恐れもあります。
泡立ちの良さだけを基準にしない
泡立ちが良ければ洗浄効果も高いと感じる方は多いです。しかし、泡立ちが良いかどうかは洗浄成分や水の硬度、使い方などにも左右されます。
強い洗浄力で泡立ちが豊かなシャンプーでも、頭皮が乾燥しすぎて抜け毛が進む可能性があります。
洗浄力と泡立ちは必ずしもイコールではないため、「泡立ちだけ」で選ぶのは避けましょう。
泡立ちと洗浄力の関係を見直すための視点
- 洗浄成分の種類
- 頭皮や髪の汚れ具合
- 適切な湯温や水質
- シャンプー前の予洗いの丁寧さ
高級感のあるボトルや香りだけで選ばない
ボトルのデザインや香りは、シャンプーを選ぶうえでの楽しみでもありますが、育毛を意識する男性にとってそれが主な選定基準になるのは危険です。
見た目や香りが魅力的でも、頭皮に適さない成分が配合されている場合があります。せっかく香りを楽しんでも、抜け毛が増えてしまっては本末転倒です。
気になる香りやデザインの商品を見つけたら、成分表示をしっかりと確認し、自分の髪と頭皮に合うかどうかを考えてみましょう。
広告のイメージに惑わされない
育毛関連の商品では多数の広告が出回っています。印象的なキャッチコピーや、タレントの髪がフサフサに見えるビジュアルがあると、それだけで「効きそうだ」と思ってしまいがちです。
しかし、男性が直面する抜け毛の悩みは個々の体質や生活環境によって異なるため、宣伝文句どおりの効果が得られるとは限りません。
大切なのは、頭皮環境の改善や育毛の仕組みを地道に理解することです。
誤解を招きやすい宣伝表現
広告の表現 | 実際の注意点 |
---|---|
「◯日間で髪が生える!」 | 髪の成長サイクルは数か月単位なので短期間で大きな変化は望みにくい |
「あの有名人が使うから間違いない」 | 有名人の髪質や頭皮環境は個人差があるため、自分に合うとは限らない |
「◯%のユーザーが満足」 | サンプル数や使用条件が不明確な場合は鵜呑みにしない |
口コミと相性を混同しない
インターネットやSNSの口コミで高評価なシャンプーでも、自分の頭皮や髪に合わない可能性があります。
頭皮や髪質は十人十色なので、Aさんに効果があってもBさんには合わないことが普通に起こります。
口コミを参考にすること自体は悪くありませんが、最終的には自分で試してみたり、専門家に相談したりして判断するのが賢明です。
クリニックで相談するメリットと費用
シャンプーを活用して育毛を試みても、進行度合いによっては薄毛や抜け毛が思うように改善しないケースもあります。そこで、クリニックでの専門的な治療を検討する男性も増えています。
シャンプーだけでは対処しきれないリスクを踏まえつつ、クリニックで受けられるサポートや費用面について把握しておくことが大切です。
シャンプーでは対処しきれない脱毛リスク
男性の薄毛や抜け毛の大きな原因にAGA(男性型脱毛症)があります。AGAはホルモンバランスの影響を受け、頭頂部や生え際を中心に髪が細くなっていくのが特徴です。
育毛を意識してシャンプー選びやケアを行うだけで、初期症状をある程度はカバーできる場合もあります。
しかし、進行度が大きくなると、シャンプーだけでは薄毛を食い止めるのが難しいといわれています。
クリニックで受けられるサポート
クリニックに相談すると、医師による頭皮の状態チェックや、内服薬・外用薬の処方、メソセラピーなどの選択肢が得られます。
生活習慣の指導を受けることも可能で、シャンプーや頭皮マッサージの方法をアドバイスしてくれる場合もあります。
男性特有のホルモン変化を把握しながら治療を進めると、育毛効果の向上が期待しやすい環境を整えられます。
クリニックで行う頭皮ケア
治療法 | 内容 | 期待される効果 |
---|---|---|
内服薬 | ホルモンバランスを整える薬を処方 | 抜け毛の進行を抑え、発毛を促しやすくする |
外用薬 | 頭皮に直接塗る薬剤を処方 | 毛根への直接的なアプローチが可能 |
注入療法 | 頭皮に育毛有効成分を注入 | 成分が毛根に届けられ、発毛をサポートしやすい |
光治療 | 専用の機器で頭皮を照射 | 血行促進や細胞活性を補助する |
カウンセリングで期待できる効果の把握
クリニックを受診するとまずカウンセリングが行われます。その際に、自分が抱えている抜け毛や薄毛の進行度、生活習慣、ストレスの程度などをヒアリングされることが多いです。
自分に適した治療法を見極めるためにも、カウンセリングを利用して疑問点や不安をしっかり伝えてみましょう。
また、治療の限界やどの程度の期間で効果を実感できるかも確認しておくと、モチベーションを維持しやすくなります。
費用の仕組みと保険との関係
AGA治療などの薄毛対策は、美容医療的な扱いとされるケースが多いため保険適用外になる場合があります。
一方、皮膚科で治療薬を処方してもらえるときには、一部保険が適用される場合もあるなど、状況によって異なります。
クリニックでの治療は費用がかさむイメージを持つ方もいますが、治療内容や期間によって変動幅が大きいので、事前に料金体系を確認すると安心です。
AGA治療の費用
治療項目 | 費用の目安 | 保険適用の有無 |
---|---|---|
内服薬 | 月額3,000円〜1万円程度 | 保険適用外が多いが一部例外あり |
外用薬 | 月額5,000円〜1万円程度 | 保険適用外が多い |
注入療法 | 1回あたり1万円〜数万円 | 自由診療扱い |
カウンセリング | 無料〜数千円 | クリニックにより異なる |
正しいシャンプー方法が育毛をサポートする
シャンプーの製品選びだけではなく、実際の洗い方も抜け毛や薄毛に大きく影響します。
日常的に行うシャンプーは手軽なケアですが、その手順や温度、時間配分などを見直すと育毛に適した頭皮環境を維持しやすくなります。
ぬるま湯での予洗いの重要性
シャンプーをする前に、髪と頭皮をぬるま湯で丁寧に流す予洗いが大切です。予洗いだけで頭皮や髪についたホコリや皮脂のかなりの部分を除去できるといわれています。
これによりシャンプーの泡立ちが良くなり、汚れが落ちやすくなるだけでなく、シャンプー使用量を減らすことにもつながります。
シャンプー剤の適量と泡立て方
シャンプー剤を適量より多く使えば洗浄力が高まるわけではありません。むしろ余分なシャンプー剤が頭皮に残り、かゆみやフケの原因になる可能性があります。
まず手のひらでしっかりと泡立ててから頭皮に乗せ、指の腹で優しくマッサージするように洗うと、頭皮を傷つけずに洗浄できます。
シャンプー使用量の目安
髪の長さ | シャンプー剤の適量の例 |
---|---|
短髪 | 500円玉1枚分程度 |
ミディアム | 500円玉1〜2枚分程度 |
ロング | 500円玉2枚分以上 |
頭皮マッサージのやり方
育毛を意識している男性にとって、シャンプー中の頭皮マッサージは血行を良くするうえで効果的と考えられます。
指の腹を使い、頭皮を下から上へ持ち上げるように優しく刺激すると、毛根への栄養補給を促す可能性があります。
ただし、力加減が強すぎると頭皮を傷める恐れがあるので、あくまで適度な圧力を心がけましょう。
頭皮マッサージを習慣にするメリット
- 血行を促し、毛根に栄養を送りやすくする
- 頭皮のコリをほぐしてリラックス効果を得る
- フケや皮脂の蓄積を減らしやすい
- 抜け毛に対する不安を軽減し、自分で頭皮環境を観察できる
洗い流しとタオルドライのポイント
シャンプーを丁寧に洗い流すことは必須です。頭皮に泡が残ると、かゆみや炎症が起こりやすくなります。
すすぎの際は髪だけではなく頭皮の奥までしっかり水が届くよう意識し、最低でも1分以上を目安に流しましょう。
その後のタオルドライはゴシゴシと擦らず、タオルで髪を包むように水分を吸い取るとダメージを軽減できます。
男性特有の生活習慣と頭皮環境の関係
育毛を意識したシャンプーを使っていても、日常生活の習慣が乱れていると効果を十分に引き出しにくくなります。
男性特有の生活習慣要因としては、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れ、喫煙やアルコールなどが挙げられます。
ここでは、それぞれが頭皮環境に与える影響を考えてみましょう。
ストレスと睡眠不足が招く悪影響
ストレスホルモンの増加や睡眠不足は血行不良を引き起こし、頭皮の栄養補給を妨げます。
また、心身が疲れていると代謝が落ち、老廃物をうまく排出できずに頭皮がむくんだり炎症を起こしたりしやすくなります。
男性は仕事やプライベートでストレスをためこみやすいといわれるので、自分なりのリラックス法を見つけて頭皮環境を健やかに保つのが望ましいです。
食生活が髪に与える影響
頭皮や髪はタンパク質やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素から作られます。
偏った食生活が続けば、十分な栄養が行き渡らずに髪が細くなったり抜けやすくなったりします。
とくに男性は外食やコンビニ食が多いと、脂質や糖質に偏りやすく、必要な栄養素が不足しがちです。
髪や頭皮に良いとされる食品
食品 | 含まれる主な栄養素 | 期待される効果 |
---|---|---|
魚(特に青魚) | オメガ3脂肪酸 | 抗炎症効果や血行促進が期待できる |
卵 | 良質なタンパク質、ビタミン類 | 髪の生成に必要な栄養素を豊富に含む |
緑黄色野菜 | ビタミンC、ベータカロテン | 抗酸化作用で頭皮を健康に保つ |
ナッツ類 | ビタミンE、ミネラル | 血行促進と皮膚のコンディショニングに役立つ |
喫煙やアルコールの注意点
喫煙は血管を収縮させ、頭皮への血流を阻害するといわれています。アルコールも大量に摂取すると肝臓に負担がかかり、栄養の代謝が低下する原因となりやすいです。
男性の場合、職場の付き合いなどでお酒やタバコの量が増えがちですが、育毛を重視するのであれば節度ある摂取量を守りましょう。
運動不足による頭皮環境の悪化
運動不足により血行が滞ると、頭皮まで酸素や栄養が十分に行き渡りにくくなります。
軽いジョギングやウォーキング、ストレッチなどでも血行促進が期待できます。忙しい男性こそ、日常的な運動習慣を取り入れると髪と頭皮を健やかに保つ可能性が高まります。
男性の育毛を考慮した生活習慣
- 就寝前のスマホ・PC使用を控え、睡眠の質を上げる
- 食事でのタンパク質やビタミン不足を補う工夫をする
- 飲酒はほどほどにとどめ、喫煙は可能な範囲で減らす
- 軽い運動を継続し、血流を高める
シャンプー選びからAGA治療までの流れ
シャンプーでの育毛ケアは、AGAをはじめとする男性の薄毛対策の入り口ともいえます。
シャンプーを正しく選び、頭皮環境を整えるだけで状況が改善するケースもありますが、より本格的な治療が必要になる場合もあります。
AGAとは
AGAは「男性型脱毛症」の略称で、男性ホルモンが変化したDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根を弱らせることで起こる症状です。
額の生え際や頭頂部の髪が徐々に細く短くなり、やがて抜けやすくなる点が大きな特徴です。
人によって進行スピードや症状にばらつきがありますが、放置すると抜け毛の進行が止まらないケースも珍しくありません。
自力で対処しきれない場合
育毛シャンプーや頭皮マッサージ、生活習慣の改善などを続けても、急激な抜け毛や薄毛が進む場合はAGAが本格化している可能性があります。
シャンプーだけではホルモンバランスの変化に十分対処できないため、専門的な治療を検討する必要が出てきます。
早めに対応するほど毛髪が残っているうちに治療を始められるので、手遅れになる前にクリニックへ足を運ぶことを選択肢に入れてみてください。
クリニック受診の判断基準
鏡を見て髪のボリュームが明らかに減ってきた、あるいは抜け毛が普段の倍以上になったと感じたら、クリニックの門を叩くタイミングかもしれません。
男性型脱毛症は進行性のため、早期に医師の診察を受けると進行を遅らせやすくなります。
特に「シャンプーを変えても改善が見られない」「毛髪のハリが著しく失われている」などの兆候があれば、専門家の診断を受けるのがおすすめです。
治療を継続する上での心構え
AGA治療はある程度の期間が必要です。内服薬や外用薬、注入療法などを行っても、数週間で目に見える変化が出るわけではありません。
治療に要する期間やコストをしっかり把握し、焦らずコツコツと取り組む姿勢が欠かせません。
場合によってはシャンプーも並行して使用し、頭皮環境の維持と治療を両立させると効果を引き出しやすくなります。
クリニックと自宅ケアを組み合わせた総合的な取り組み
クリニックのみ、あるいは自宅ケアのみでは限界がある場合があり、それぞれを補完し合うと抜け毛や薄毛対策の効果を高めることが期待できます。
定期的な頭皮チェックの意義
髪の変化は毎日見ていると気づきにくいものです。クリニックを受診する機会や、鏡でじっくり頭頂部を確認する習慣を設けるなど、定期的に頭皮や髪の状態をチェックすると問題の早期発見につながります。
男性はとくに生え際が後退していても見落とすケースがあるので、月に1回程度は自撮りで頭皮を撮影しておくのも参考になります。
自宅で使える育毛グッズやサプリ
クリニックで処方される薬以外にも、市販の育毛グッズやサプリメントを活用して自宅ケアを充実させる方法があります。
育毛効果を補助するとされるマッサージブラシや育毛ローション、栄養補給をサポートするサプリなど、ニーズに応じて選択肢は多岐にわたります。
ただし、これらのグッズも相性があるため、口コミだけで判断せず自分の頭皮や目的に合ったものを選ぶ必要があります。
自宅ケアで活用される代表的アイテム
アイテム | 用途 | 注意点 |
---|---|---|
育毛ローション | 頭皮への直接ケア | 頭皮に合わない成分が含まれていないか確認 |
マッサージブラシ | シャンプーや頭皮マッサージを補助 | 力の入れすぎに注意し、定期的に清潔を保つ |
サプリメント | 不足しがちな栄養素を補う | 医薬品ではないため過剰な期待は禁物 |
頭皮用エッセンス | 保湿や血行促進を目指す | 続けやすい価格帯を選び、毎日使うのが望ましい |
シャンプー以外の毛髪ケア製品
シャンプー以外にもトリートメントやコンディショナー、ヘアオイルなどを使う機会があるかもしれません。
男性は洗髪後に何もつけないという方も少なくありませんが、頭皮が乾燥しやすい場合や毛髪のダメージが大きい場合には、適度な保湿成分を含む製品を使うと効果的です。
ただし、オイルやコーティング剤が多すぎると毛穴詰まりの原因になるので、成分を確認して使いすぎないようにしましょう。
クリニックと自宅の両立で得られる効果
適切な診断と治療を受けつつ、自分で日常の頭皮ケアを進めることで薄毛対策に相乗効果が期待できます。
たとえば、クリニックで処方された薬によってホルモンをコントロールしながら、自宅では育毛を意識したシャンプーで頭皮環境を整えるといった組み合わせは、育毛を目指す男性にとって有用です。
治療の進捗をクリニックでチェックしてもらいながら、日々のケアを怠らないようにすると、より安定した結果が得られるかもしれません。
参考文献
ADIL, Areej; GODWIN, Marshall. The effectiveness of treatments for androgenetic alopecia: a systematic review and meta-analysis. Journal of the American Academy of Dermatology, 2017, 77.1: 136-141. e5.
KHANDPUR, Sujay; SUMAN, Mansi; REDDY, Belum Sivanagi. Comparative efficacy of various treatment regimens for androgenetic alopecia in men. The Journal of dermatology, 2002, 29.8: 489-498.
VAROTHAI, Supenya; BERGFELD, Wilma F. Androgenetic alopecia: an evidence-based treatment update. American journal of clinical dermatology, 2014, 15: 217-230.
FELDMAN, Peter R., et al. Hair regrowth treatment efficacy and resistance in androgenetic alopecia: A systematic review and continuous Bayesian network meta-analysis. Frontiers in medicine, 2023, 9: 998623.
BUSSOLETTI, C., et al. Use of a caffeine shampoo for the treatment of male androgenetic alopecia. Journal of Applied Cosmetology, 2010, 28.4: 153.
WELZEL, Julia; WOLFF, Helmut H.; GEHRING, Wolfgang. Reduction of telogen rate and increase of hair density in androgenetic alopecia by a cosmetic product: results of a randomized, prospective, vehicle‐controlled double‐blind study in men. Journal of Cosmetic Dermatology, 2022, 21.3: 1057-1064.
KLEBLEYEVA, Guzal Davlyatovna; UTAYEV, Akbar Jurakulovich; AXMEDOVA, Maxboba Maxmudovna. STUDY OF THE CLINICAL EFFECTIVENESS OF MONACELLI STRENGTHENING SHAMPOO AND AMPOULES IN SCALP CARE IN INDIVIDUALS WITH ANDROGENETIC ALOPECIA. Bulletin news in New Science Society International Scientific Journal, 2024, 1.4: 144-149.
FAMENINI, Shannon; GOH, Carolyn. Evidence for supplemental treatments in androgenetic alopecia. J Drugs Dermatol, 2014, 13.7: 809-812.