ミノキシジルタブレットによる治療の実際 - 服用方法から期待できる改善効果まで | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

ミノキシジルタブレットによる治療の実際 – 服用方法から期待できる改善効果まで

更新日
ミノキシジルタブレットによる治療の実際 – 服用方法から期待できる改善効果まで
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
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前田 祐助

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近年、男性型脱毛症(AGA)や加齢による薄毛にお悩みの方は増加傾向にあります。

そのような中、内服薬であるミノキシジルタブレットを活用した治療法に注目が集まっています。

この記事では、服用方法から得られる改善の見通しまで、初めての方にもわかりやすく説明します。

AGA治療におけるミノキシジルタブレットの位置づけ

薄毛や抜け毛が気になったとき、まず思い浮かぶのが男性型脱毛症(AGA)という言葉ではないでしょうか。

AGA治療にはさまざまな方法がありますが、その中で内服薬を取り入れる流れが広がってきました。

ミノキシジルタブレットは、既存の治療手段と併用しながらより効果を高めることを目指す方にとって有力な選択肢になっています。

ミノキシジルの歴史と発見の経緯

もともとミノキシジルは、高血圧を調整する薬として開発されました。

血管拡張作用によって血圧を下げる目的があったのですが、使用した患者の体毛が増えたことが観察され、薄毛改善の効果が注目されるようになったのです。

こうした偶然の発見がきっかけとなり、現在ではミノキシジルの内服薬と外用薬の両方がAGAケアに用いられるようになりました。

内服薬としてのメリットと特徴

外用薬のように頭皮に直接塗る方法では、頭皮環境が整っていないと有効成分が十分に浸透しない可能性があります。

これに対し、ミノキシジルを内服する方法は、経口摂取で血中に成分を取り入れ、全身を通して毛根に作用させられる点が特徴です。

また、頭頂部だけではなく生え際などにも効果が行き渡ると考えられるため、幅広い部位の薄毛に悩む方に向いている方法ともいえます。

AGA治療における位置づけと他治療との併用

薄毛対策として使用する内服薬の中でも、ミノキシジルタブレットは国内外で実績がある治療の一種です。

医師の管理下で服用することで、副作用リスクを踏まえながら効果の向上を期待できます。

他のAGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドなどとの併用例も多く、その相乗効果によって発毛実感を得る方もいます。

具体的な作用機序

ミノキシジルには血管拡張作用がありますが、髪の成長においては頭皮の血流を増やし、毛母細胞や毛乳頭細胞に十分な酸素や栄養を届けることが狙いです。

毛母細胞が活発化すると発毛サイクルが整い、脱毛の進行を抑えながら新たな髪が生える土壌を作ります。

こうした仕組みが、一般的なAGA治療の土台となっているのです。

ミノキシジルの血管拡張作用に関する主な特徴

項目内容
作用の主目的血圧を下げるために開発された
薄毛改善への寄与毛母細胞へ栄養を行き渡らせる効果が期待できる
発見の経緯高血圧治療中に体毛が増える副作用が見られたことから注目された
使用の形式内服と外用の両方が存在し、目的に応じて併用も可能

ミノキシジルタブレットをAGA治療に取り入れる主な理由

  • 内服なので全身を通じて成分を届けられる
  • 頭頂部や生え際など、複数の部位にアプローチできる
  • 血流を改善して毛母細胞を活性化しやすい
  • 他の治療薬と併用すると相乗効果を期待できる

これらの特徴は、AGA治療を続けるうえで大切な要素です。髪の成長には毛母細胞が十分に栄養を受け取ることが鍵となり、それを内服薬でサポートするのがミノキシジルタブレットの主な役割といえます。

外用薬だけで効果を実感しづらかった方や、より積極的に発毛を促したい方にとって、ミノキシジルタブレットは有意義な治療手段になるでしょう。

ミノキシジルタブレットによる治療で得られる薄毛の改善

ミノキシジルの内服治療を始めると、薄毛の進行を抑えながら毛髪の成長サイクルを正常に戻すことが狙えます。

効果の出方や速度には個人差がありますが、多くの方は一定期間継続することで髪にハリやコシが戻る感覚や、抜け毛の減少を実感し始めます。

どの程度の期間でどのような改善が見られるのか、目安を確認するとモチベーション維持にもつながるでしょう。

毛髪サイクルへの働きかけ

髪の毛は成長期、退行期、休止期というサイクルをたどります。AGAの場合、成長期が短くなってしまうことで髪が十分に伸びず、抜け毛が増える現象につながります。

ミノキシジルタブレットの効果としては、この成長期を延ばすサポートを行い、新しい髪の成長を促す点が挙げられます。

結果として、抜け毛が減り、髪のボリュームアップを狙えます。

発毛を実感するまでの期間

一般的に、服用を始めてから毛髪が生えそろうまでには少なくとも数カ月程度かかると考えられています。

多くの方は3~6カ月ほどで少しずつ発毛を実感し始め、12カ月前後の継続でより顕著な変化を感じるケースがあります。

ただし、個人の体質や生活習慣、服用の遵守度によって期間は異なります。早めに変化を求めようと焦らず、計画的に続ける意識が大切です。

髪質や頭皮環境の改善

ミノキシジルタブレットの内服は発毛だけでなく、髪質や頭皮環境にも作用する可能性があります。

血流が改善されることで栄養素が毛根まで行き届きやすくなり、髪にハリやコシが出ると感じる方もいます。

頭皮のコンディションが向上すれば、皮脂の過剰分泌やフケ、かゆみなどのトラブルを減らす効果も期待できるかもしれません。

抜け毛の減少と見た目の変化

発毛サイクルが整えば、抜け毛の量が減り始める時期があります。明確な本数で示すのは難しいですが、シャンプー時やドライヤーで乾かすときに抜け毛が減ったと感じることが多いです。

徐々にボリュームアップを実感し、見た目の印象が変わり始めると治療のモチベーションも上がるでしょう。

ミノキシジル内服治療の改善が現れやすい時期

期間主な変化の内容
1~2カ月目抜け毛の減少傾向が出始める場合がある
3~6カ月目太くしっかりとした毛髪が増える可能性
6~12カ月目髪のボリュームアップを実感するケースが多い
12カ月以降継続により、より安定した発毛サイクルを維持

ミノキシジルタブレットの服用方法と用量

ミノキシジルタブレットを活用したAGA治療では、適切な服用量や飲むタイミングを把握することが重要です。

個人差があるため、一律にこの量がよいとは言えませんが、医師が診断や経過観察を行いながら量を調整します。

一般的に少量から始め、体の反応を見つつ増やすことが多いです。

服用の基本的な考え方

内服薬としてのミノキシジルは、体全体に成分を行き渡らせるため、血圧や体調に影響を与える可能性がある点に注意が必要です。

そのため、AGAクリニックでは診察時に既往歴や他の持病などを確認し、一人ひとりに合わせた用量設定を行います。

無理のない範囲から開始し、安全性を確保しながら効果を高める方針をとります。

初期投与量と段階的な増量

多くの場合、1日1回、1.0mg~2.5mg程度から開始する例がみられます。副作用が生じなければ、さらに用量を増やす場合もあります。

最大で5.0mg程度を服用するケースもありますが、より高用量になると副作用のリスクが高まるため、必ず医師の指示を仰ぐ必要があります。自己判断で勝手に増量することは避けましょう。

用量設定における個人差

体格や血圧、心臓・腎臓などの機能状態によってもミノキシジルの適切な量は変わります。特に高血圧や低血圧で治療中の方は、さらに細やかな調整を行う必要があります。

また、効果の感じ方も人によって違うため、比較的低用量でも十分な改善が得られる方がいる一方、ある程度の量を服用してようやく効果を実感する方もいます。

服用スケジュールの管理

決められた時間に服用する習慣を身につけることで、血中濃度を安定させやすくなります。

飲み忘れがあると効果がばらつく可能性があるので、毎日の習慣として組み込みましょう。

朝食後や就寝前など、生活スタイルに合わせて決めると続けやすいです。

ミノキシジルタブレットの一般的な用量と服用の目安

用量 (mg)服用頻度向いている方
1.0~2.51日1回副作用リスクを抑えながら始めたい方
2.5~5.01日1回一定の効果を求め、かつ副作用を許容できる方
5.0以上特殊なケース通常は推奨されないが、どうしても必要とする場合

ミノキシジルタブレットの副作用と対処法

AGA治療にミノキシジルタブレットを取り入れる際には、副作用のリスクにも目を向ける必要があります。

血管拡張作用を持つ薬なので、血圧の変動や心拍数の増加などが起きる可能性があるほか、体質によってはむくみや多毛症状などが現れる場合もあるからです。

これらの症状を正しく理解し、上手に対処する方法をあらかじめ知っておくと安心です。

血圧に関する注意

ミノキシジルは高血圧治療薬として開発されてきた経緯を持つため、もともと血圧を下げる作用を持ちます。血圧が低めの方や心臓疾患を持つ方は、注意深く服用量を設定する必要があります。

また、普段は正常血圧でも、急な血圧低下を招いてめまいやふらつきを感じることがあります。とくに服用初期や増量時に起こりやすいので、日常的な血圧測定や医師との連携が欠かせません。

むくみ・多毛・体重増加などの症状

血管拡張による水分バランスの変化で、手足や顔にむくみを感じる方もいます。一般的には軽度であり、徐々に体が慣れることが多いですが、気になる場合は受診して相談するとよいでしょう。

また、体毛が濃くなる多毛症状が出ることもあります。これは発毛成分が全身に回ることで起こる反応であり、女性の場合は特に気になるかもしれません。

体重増加についても、塩分や水分の摂取量に気を付ければコントロールしやすいと言われています。

アレルギー反応と肌のトラブル

まれにアレルギー反応を起こす方もいます。発疹やかゆみなどが出た場合はただちに服用を中止し、医師に相談してください。

肌が敏感な方は、外用薬としてのミノキシジルでもかぶれやかゆみが生じやすいため、過去に外用薬でトラブルがあった場合は、内服を始める前に医師へその旨を伝えると安心です。

副作用への対処法

副作用が起きた場合の対処は、その症状に応じて変わります。むくみや軽い動悸の場合は、服用量を調整したり、減量・休薬などで改善するケースがよくあります。

一方で、心臓や腎臓に持病がある方は、より慎重な経過観察が必要となることが多いです。

いずれにせよ、自己判断で薬の服用をやめたり量を変えたりするよりも、必ずクリニックに相談して適切な処置を取ることが大切です。

主な副作用の種類と対処

副作用主な症状対処方法
血圧低下・動悸めまい、立ちくらみ、心拍数増加用量調整、経過観察、医師に相談
むくみ・体重増加手足や顔のむくみ、体重の微増など塩分制限、水分摂取量のコントロール、相談
多毛症状腕や体の体毛が濃くなるなど服用量・頻度の見直し、医師と協議
アレルギー反応発疹、かゆみなど直ちに服用中止、医師の診察を受ける

副作用への心構えとして意識したいこと

  • 早期発見のために体調の変化を日常的にチェックする
  • 普段より血圧が低下したり動悸がある場合はすぐに報告する
  • 服用量を勝手に増やしたり減らしたりしない
  • 症状が気になるときは迷わずクリニックへ連絡する

こうした副作用は、誰にでも必ず起こるわけではありませんが、知っておくことで万が一の際に迅速な対処が行いやすくなります。

むくみや多毛症状などは見た目の印象にかかわるため、精神的にも気になる方が多いかもしれません。些細なことだと感じても、気になる症状があれば医師に遠慮なく伝えてください。

こまめな相談と適切な用量調整によって、ミノキシジルタブレットのメリットを損ねずに治療を続けることが可能です。

他のAGA治療法との比較

AGA治療といえば、フィナステリドやデュタステリドといったホルモン抑制系の内服薬や、外用薬、植毛やLED療法など多種多様です。

ここでは、ミノキシジルタブレットと、これらの治療とどのような違いや共通点があるのか解説します。

ホルモン抑制系薬との違い

フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモン(DHT)の生成を抑えることで抜け毛を防ぐ薬です。

一方、ミノキシジルタブレットは直接的にホルモンに作用するわけではなく、血行促進をメインとして発毛を促す方法になります。

ホルモン抑制系薬が髪の毛が抜けにくい状態を作り出すのに対し、ミノキシジルタブレットは髪の育つ土壌を整えるのが特徴といえます。

外用薬との併用

頭皮に塗布する外用薬としてのミノキシジルは、市販品としても広く知られています。

外用薬は局所的に有効成分を届けるため、副作用リスクが比較的少ない反面、頭皮環境や塗り方によって吸収率が左右されやすいデメリットがあります。

内服薬と組み合わせると相乗効果を狙えるケースがあり、特に改善を急ぎたい方や広範囲にわたって薄毛が進んでいる方は併用を検討するとよいでしょう。

植毛やメソセラピーとの違い

植毛は、薄毛が進んでいる部位に自分の毛根や人工毛を移植する外科的な施術です。確実な効果を得られる一方で費用が高額になりやすく、術後のダウンタイムや感染リスクなどの課題も存在します。

メソセラピーは、頭皮に成長因子やビタミンなどを直接注入して発毛を促す治療で、注射が苦手な方にとっては抵抗があるかもしれません。

これらの方法と比較すると、ミノキシジルタブレットは内服のみで治療を進められ、通院の頻度を抑えられる可能性があります。

適切な治療法の選択

AGAは個々の体質や症状の進行度が大きく異なるため、理想的な治療法は人によって変わります。

ホルモン抑制系薬との併用や外用薬と内服薬の組み合わせなど、多角的な取り組みを行うのが一般的です。

医師と相談しながら、自分の生活スタイルや経済的な状況に合った治療を検討するとよいでしょう。

代表的なAGA治療法とミノキシジルタブレットとの比較

治療法主な作用・特徴メリットデメリット
ホルモン抑制系内服薬DHT生成を抑える抜け毛を効率的に防げる性機能への影響が出る場合がある
ミノキシジルタブレット血行促進による発毛効果広範囲にアプローチできる、相乗効果を得やすい血圧や全身への影響など副作用に注意が必要
外用薬(ミノキシジル等)局所的に直接アプローチ副作用リスクが比較的少ない塗布が手間であり、吸収率にばらつきがある
植毛外科的に毛根を移植施術後の毛は半永久的に生え続ける可能性費用が高額、術後のケアや負担が大きい
メソセラピー成長因子やビタミンなどを頭皮に注入必要な成分をダイレクトに届けられる注射の痛みや通院の負担が生じる

複数の治療を組み合わせる利点

  • それぞれの弱点を別の治療が補うため、効果が安定しやすい
  • 発毛と抜け毛予防を同時に進められる
  • 治療の幅が広がり、症状やライフスタイルに合わせやすい
  • 医師と相談しながら柔軟にプランを変更できる

このように、AGA治療には多くの選択肢が存在し、ミノキシジルタブレットはその中でも比較的取り入れやすい内服薬の1つとして注目を集めています。

一方で、副作用や個人差などにも配慮が必要です。自分に合った治療法を見つけるためには、まずは専門のクリニックで医師の診察を受け、現状を正しく把握することがスタートとなります。

服用するタイミングや注意点

ミノキシジルタブレットを服用する上で、いつ飲むのがよいのか、また普段の生活で何を気を付けるべきなのかは気になるところです。治療効果を高めるために、いくつかのポイントがあります。

朝・昼・夜どのタイミングがベストか

一般的には1日1回の服用が基本となるため、朝・昼・夜など自分の生活スタイルに合わせて決めてもかまいません。

ただし、服用後に血圧低下や動悸が出やすい方は、身体を安静に保ちやすい就寝前を選ぶことがあります。

逆に、むくみが気になる方は朝に飲んで日中に体を動かすことで軽減を図る場合もあります。

服用タイミングに関する考え方

服用時間メリットデメリット
日中の活動でむくみを軽減しやすい動悸などの症状が出た場合、勤務や外出時に支障が出るかもしれない
食後30分などに合わせやすい外出や仕事があると飲み忘れが起こりやすい
就寝前安静に保ちやすく副作用に対処しやすいむくみが翌朝に出る場合がある

食事との兼ね合い

食後に服用するか食前に服用するかについては、基本的に大きな制約はありません。

ただし、空腹時に薬を飲むと消化器系への刺激を感じる方もいるため、症状が出やすい方は食後に飲むほうが安心です。

また、カフェインやアルコールなどは血圧や心拍数に影響を与えやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

服用スケジュールの立て方

服用のタイミングを安定させるために、毎日同じ時間帯に飲む習慣をつけると良いでしょう。朝起きてすぐや、食後30分など、目安を決めておくと飲み忘れを防ぎやすくなります。

これを徹底するには、スマートフォンのリマインダー機能や薬のケースを活用するのも有効です。

生活リズムに合わせて検討したいポイント

  • 勤務時間や通勤時間帯を考慮して、動悸やめまいに対応しやすい時間帯を選ぶ
  • 外出が多い方は携帯用のピルケースを利用して飲み忘れを防ぐ
  • 就寝前に飲む際は、翌朝の体調変化もチェックする
  • 運動や入浴のタイミングとの兼ね合いも考慮する

日常生活で気を付けたいこと

むくみや動悸などの副作用を感じた場合、塩分の過剰摂取や過度の飲酒が症状を悪化させることがあります。

アルコールには血管拡張作用があるため、過度に摂取するとミノキシジルとの相乗で血圧が下がりすぎるリスクも考えられます。

適度な水分補給を心がけ、極端な偏食や睡眠不足を避けることも薄毛改善には大きく寄与します。

日常生活でのセルフケア

ミノキシジルタブレットの内服治療では、日常生活を見直すことでより効果を狙えます。

髪の成長には栄養や血行、頭皮環境などが深く関わっているため、薬を飲むだけでなくセルフケアを意識することが大切です。

頭皮マッサージの効果

頭皮をほぐすことで血行を促進し、毛根に酸素や栄養を行き届きやすくする効果が期待できます。

シャンプー前や湯船につかりながら、指の腹で優しく円を描くように揉みほぐすとよいでしょう。力任せではなく、あくまで心地よいと感じる程度の圧を意識することがポイントです。

シャンプーやヘアケア用品の選択

合わないシャンプーを使うと、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を招きやすくなります。

頭皮環境が悪化すると、ミノキシジルタブレットの効果を十分に発揮できない可能性があるため、自分の頭皮の状態に合ったヘアケア用品を選ぶことが大切です。

また、洗髪後に頭皮をきちんと乾かし、菌の繁殖やかゆみを防ぐことも忘れないようにしましょう。

食事と栄養バランス

髪を作る主成分はケラチンというタンパク質です。タンパク質が不足すると、髪の成長が妨げられることになります。

また、亜鉛や鉄分、ビタミンB群なども髪の生成にかかわる重要な栄養素です。

ミノキシジルによる血行促進とあわせて、体内に十分な栄養を取り込むために、バランスの良い食生活を心がけましょう。

髪と頭皮の健康に良いとされる栄養素

栄養素働き含まれる食材例
タンパク質ケラチンの材料になり、髪の強度を高める肉、魚、大豆製品、卵、乳製品
亜鉛細胞増殖を促し、髪の成長をサポート牡蠣、牛肉、かぼちゃの種、ナッツ類
鉄分酸素を運搬するヘモグロビンの材料レバー、ほうれん草、豆類
ビタミンB群代謝をサポートし、健康な頭皮と髪の成長を維持する豚肉、玄米、アーモンド、バナナ、きのこ類

ストレス管理と睡眠

過度なストレスはホルモンバランスを崩し、抜け毛を増やす原因になります。適度な運動や趣味の時間を設ける、リラックスできる環境づくりをするなど、自分に合った方法でストレスを解消するとよいでしょう。

また、睡眠不足は髪の成長ホルモンの分泌を阻害する要因ですので、1日6~7時間以上の睡眠を確保することをおすすめします。

取り入れたいセルフケア習慣

  • シャンプー時の頭皮マッサージで血行を促進する
  • タンパク質やビタミンをバランスよく摂取する
  • ストレス解消のために運動や趣味の時間を確保する
  • 毎日、十分な睡眠をとる

これらの取り組みは、いずれも髪だけでなく全身の健康管理にも寄与します。ミノキシジルタブレットの治療を行う方にとって、こうしたセルフケアは効果の底上げにつながる可能性があります。

もちろん、すべてを一度に完璧にこなす必要はありません。少しずつ習慣を見直しながら、自分に合った方法を見つけましょう。

クリニックでサポートを受けることが大切

ミノキシジルタブレットを安全に、そして効果的に続けるためには、やはりクリニックでの定期的な診察やカウンセリングが欠かせません。

医師と二人三脚で進めることで、副作用への早期対応や治療効果の最大化を図りやすくなります。

診断とカウンセリング

治療を始める際には、まず問診や血液検査などを実施して現状を把握します。薄毛の進行度や頭皮の状態を確認し、ミノキシジルタブレットが適切な選択肢かどうかを判断します。

また、希望や不安などをしっかりとカウンセリングで共有することで、一人ひとりに合ったプランを立てやすくなります。

定期的な経過観察

ミノキシジルタブレットは、飲むほどに効果が高まるわけではなく、適度な量と継続期間、そしてこまめなフォローが肝心です。

定期受診の際に血圧や体調、副作用の有無などを確認しながら、用量を再設定したり、他の治療を組み合わせるかどうかを検討します。

客観的な経過写真を撮るクリニックもあり、視覚的に変化を追跡できるのもメリットです。

総合的なAGA治療プランの提案

AGA治療では、内服薬や外用薬に加えて、注入治療やレーザー治療などを並行するケースも少なくありません。

クリニックでは、それぞれの治療法の特徴を踏まえたうえで、患者さんが納得できるプランを提案します。

ミノキシジルタブレットだけで満足な効果が得られない場合でも、他の手法を取り入れることで改善が期待できる可能性があります。

クリニックでのサポート内容

サポート内容具体的な取り組みメリット
初回診察・検査血液検査、頭皮チェック、問診など体質・病歴を踏まえた的確な治療プランを立てやすい
定期受診・経過観察血圧測定、副作用チェック、写真撮影など用量調整や副作用の早期発見につなげられる
カウンセリングと生活指導食事指導やセルフケア方法の提案治療効果を高めるための日常生活サポート
他の治療との併用アドバイス外用薬、注入治療、植毛などより幅広い手段を組み合わせ、改善を目指しやすくなる

費用と通院の目安

ミノキシジルタブレットは保険適用外の自由診療となることがほとんどです。

月々の費用は用量やクリニックの方針によって異なりますが、1カ月あたり数千円から1万円以上にわたることもあります。

また、通院のペースは初期は1~2カ月に1回、安定してきたら3カ月に1回程度の診察を受けるケースが多いです。

クリニックを選ぶ際に確認したい点

AGAは進行性のため、早期に治療を開始するほど改善の余地が大きいと考えられています。ミノキシジルタブレットによる内服治療は効果が表れやすい一方で、副作用などのリスク管理も必要です。

適切な医療機関でサポートを受ければ、そうしたリスクを最小限に抑えながら治療を継続しやすくなるでしょう。

  • 薄毛治療の経験と実績が豊富かどうか
  • カウンセリングが丁寧で、疑問にしっかり答えてくれるか
  • 費用や治療期間の目安、通院ペースが明確に提示されているか
  • アフターケアや副作用が出た場合の対応が整っているか

また、通院の負担を軽減するためにオンライン診療や郵送による薬の受け取りに対応しているクリニックも増えています。自分の生活スタイルに合わせた選択を行い、納得のいく治療を進めていくことが大切です。

AGA治療で大切なのは、一人で悩まず専門医と相談しながら自分に合った治療方法を確立することです。

継続的なケアと経過の観察を行いながら、より健康的な髪の将来を目指してみましょう。

参考文献

VILLANI, A., et al. Review of oral minoxidil as treatment of hair disorders: in search of the perfect dose. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, 2021, 35.7: 1485-1492.

GUPTA, Aditya K.; TALUKDER, Mesbah; SHEMER, Avner. Efficacy and safety of low-dose oral minoxidil in the management of androgenetic alopecia. Expert Opinion on Pharmacotherapy, 2024, 25.2: 139-147.

VAÑÓ-GALVÁN, Sergio, et al. Safety of low-dose oral minoxidil for hair loss: a multicenter study of 1404 patients. Journal of the American Academy of Dermatology, 2021, 84.6: 1644-1651.

JIMENEZ‐CAUHE, Juan, et al. Safety of low‐dose oral minoxidil treatment for hair loss. A systematic review and pooled‐analysis of individual patient data. Dermatologic therapy, 2020, 33.6: e14106.

MARKS, Dustin H.; OKHOVAT, Jean-Phillip; SENNA, Maryanne Makredes. Medical Treatments for Androgenetic Alopecia. Hair Transplant Surgery and Platelet Rich Plasma: Evidence-Based Essentials, 2020, 9-28.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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