育毛に効果のある成分は？発毛との違いも解説！

「育毛剤を使ってみたいけれど、どんなものを選べばいいのかわからない」
「せっかく育毛剤を買うなら、効果のあるものを選びたい」

このような悩みを抱えていて、育毛剤の購入になかなか踏み出せずにいる方は多いのではないでしょうか。

今回は育毛に効果のある成分と取り入れる方法を紹介します。この記事を読めば、成分から自分の悩みに合った育毛剤を選ぶことができるでしょう。

ただし、育毛剤は今ある毛を維持することはできますが、すでに薄くなった髪を増やすことはできません。すでに育毛剤を使っていて効果を実感できない方、薄毛が進行している方はクリニックでの薄毛治療を推奨します。

育毛成分は「有効成分」とそうでないものがある

育毛剤に配合されている成分には、有効成分とそうでないものがあります。

有効成分とは、医薬品や医薬部外品が目的の効果を示すために配合されている成分です。育毛剤に配合されている有効成分は、生えている髪の毛を保つために頭皮の環境を整える効果があります。

育毛剤には有効成分以外にも品質を保つ成分や、香りや付け心地を調整する成分が含まれています。効果に直接関係しているのは有効成分なので、育毛剤を選ぶときは有効成分に注目して選びましょう。

参考：東京都健康安全研究センター「化粧品の効果」、日本化粧品工業会「化粧品と薬用化粧品」

育毛成分は3タイプに分けられる

育毛成分は、以下の3タイプに分けられます。

1. 毛の成長を促す成分
2. 抜け毛を防ぐ成分
3.  頭皮環境を改善する成分

それぞれのタイプについて、有効成分とそれ以外の成分に分けて紹介します。

1.毛の成長を促す成分

毛の成長が遅いと毛の増えるペースが抜けるペースに追いつかず、薄毛の原因になります。毛の成長を促す成分には次のようなものがあります。

【毛の成長を促す成分の例】

	毛母細胞を活性化させる成分	血管を拡張させる成分
働き	細胞を活性化させることで髪の毛を太く強く成長させる	血行を促進することで髪に栄養を運ぶ
有効成分	・t‐フラバノン ・パントテニルエチルエーテル ・アデノシン ・アラントイン	・塩化カルプロニウム ・ニコチン酸アミド ・セファランチン ・酢酸 dl-αトコフェロール

参考：厚生労働省「医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の第5回資料」、日本皮膚科学会｜男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版日本香粧品学会誌｜育毛薬剤の開発と評価方法（これまでと今後）

2.抜け毛を防ぐ成分

抜け毛を予防するには、抜け毛の原因となるホルモンや脱毛因子を阻害することが重要です。とくにAGA（男性型脱毛症）においては、ホルモンが抜け毛に深く関わっているためです。

薬として認められている代表的な有効成分は「フィナステリド」が挙げられます。

薬のような有効性は認められていないものの、ホルモンや脱毛因子を阻害する効果が期待できる育毛成分を紹介します。

【抜け毛を防ぐ成分の例】

有効成分	・t-フラバノン ・6-ベンジルアミノプリン ・β-グリチルレチン酸 ・ニンジンエキス

なお、t-フラバノンは副作用が軽微な点からも、日本皮膚科学会ガイドラインの定める「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」においても「行ってよい」という評価がついています。

参考：日本香粧品学会誌｜育毛薬剤の開発と評価方法（これまでと今後）

3.頭皮環境を改善する成分

育毛のためには、土台である頭皮環境を整えることが有効です。皮脂が過剰であったり、フケやかゆみがあったりすると、太く丈夫な毛を育てにくくなってしまいます。

【頭皮環境を改善する成分の例】

期待できる効果	有効成分
かゆみや炎症の抑制	・塩酸ジフェンヒドラミン ・D-パントテニルアルコール ・グリチルリチン酸ジカリウム ・アラントイン
抗菌・殺菌	・クジンエキス ・l-メントール ・イソプロピルメチルフェノール

参考：日本香粧品学会誌｜育毛薬剤の開発と評価方法（これまでと今後）、厚生労働省「医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の第5回資料」、日本皮膚科学会｜男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

育毛剤を選ぶ際の注意点

育毛剤を選ぶ際、「独自成分配合」「〇十種類のエキス配合」といった広告を目にすることがあると思いますが、どういった効果が認められているのかきちんと理解した上で購入しましょう。

独自成分=有効成分（厚生労働省が認めた効果）があるとは限りません。また、成分が多いからといってあなたの悩みにあったものでなければ意味がありません。

人気だから、配合成分が多いからといった理由で選ばず、成分から判断しましょう。

「育毛剤は効果がない」と言われる理由と発毛剤との違い

「育毛剤は効果がない」という口コミを目にして、使用しても期待した効果が得られないかもしれないと不安に思う方もいるでしょう。

結論から言うと、効果がないと感じる方は育毛剤の効果を正しく理解していない可能性があります。多くの人は「髪をフサフサ生やしてくれるもの」という誤った認識があるようですが、新たに髪を生やすことができるのは「発毛剤」です。

下記にそれぞれの違いをまとめました。

	育毛剤	発毛剤
分類	医薬部外品	医薬品
目的	今生えている毛の温存	新たに髪の毛を生やすこと
向いている人	・現状維持を目指す人 ・薄毛の予防を行いたい人	・髪の毛の量を増やしたい人 ・すでに薄毛が進行している人
効能効果	育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、 発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛	AGA（男性型脱毛症）の治療

育毛剤、発毛剤それぞれの特徴について紹介します。

育毛剤｜頭皮を健康に保ちたい方におすすめ

育毛剤の多くは医薬部外品に分類され、効能効果は「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」に限られます。

育毛剤のAGAに対する効能効果は認められていないため、薄毛がAGA（男性型脱毛症）によるものだった場合、育毛剤を使っても思うような効果を得られません。

AGAとは思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症のことです。発症には遺伝と男性ホルモンが関与します。日本人男性がAGAを発症する頻度は全年齢平均で約 30％と言われており、年齢とともに高くなることがわかっています。

「すでに薄毛が顕著である」「生え際や頭頂部の薄毛が目立つ」などAGAの特徴が見られる場合、育毛剤での改善は難しいでしょう。

一方で、下記のようなお悩みであれば育毛剤が向いています。

• 将来に備えて頭皮を健康に保ちたい
• かゆみやフケなどの頭皮トラブルに悩んでいる

参考：厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

発毛剤｜すでに薄毛が進行している方におすすめ

発毛剤は医薬品に分類され、AGAの治療に使われています。

発毛剤に含まれるミノキシジルは「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛（抜け毛）」に効果があります。現状維持、薄毛の予防ではなく髪の毛を新たに生やしたい場合は、発毛効果のあるミノキシジルを使いましょう。

一部の発毛剤はドラッグストアでも購入できますが、薬剤師の問診が必要です。なお、ドラッグストアで購入できる発毛剤のミノキシジル濃度は上限が5%までと決まっています。

クリニックであれば、10%以上の高濃度なミノキシジルの処方が可能です。より効果を求める方、また使用中の薬があり併用が心配な方はクリニックで処方してもらうことが望ましいでしょう。

以上のことから、発毛剤は次の方におすすめです。

• すでに薄毛が進行している
• 髪の毛の量を増やしたい

薄毛が心配なら検討すべき「AGA治療」について

すでに薄毛が進行している方は、発毛剤とあわせて内服薬の使用をおすすめします。

内服薬はAGAによるヘアサイクルの乱れを正常に戻し、抜け毛を抑制する効果があります。AGAの発症が認められた場合に第一選択肢となる方法で、厚生労働省からも効果が認証されています。

内服薬で抜け毛を止め、発毛剤で髪を生やすという組み合わせで、より効果的に薄毛にアプローチができます。

AGAは進行性の脱毛症のため、一度発症すると治ることはありません。また、毛根には寿命があるため、寿命を終えてからAGA治療を始めても髪は生えてきません。

気づいた時点で治療を始めるのが重要なのです。

当院では、内服薬・外用薬の他にもメソセラピーといった発毛促進薬を組み合わせた治療も可能です。「患者様に本当に必要な治療だけ提案する」という考えの元カウンセリング・診察を行っておりますので、薄毛にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

当院の治療方法について

育毛に関するよくある疑問

まとめ

育毛成分は主に3種類あります。

• 毛の成長を促す成分
• 抜け毛を防ぐ成分
• 頭皮環境を改善する成分

育毛剤を選ぶ際は配合量ではなく、自分の悩みに適したものが含まれているかどうかで判断しましょう。

また、すでに薄毛が進行している場合は効果の認められたAGA治療を検討しましょう。

「そもそも治療が必要なのか分からない」「いくらかかるか知りたい」といった場合には、一度専門クリニックでカウンセリングを受けてみることをおすすめします。