脂質・代謝関連検査 – あなたの薄毛リスクがわかる

脂質・代謝関連検査 - あなたの薄毛リスクがわかる

「最近、髪のボリュームが気になってきた」「健康診断でいくつかの数値が気になった」と感じていませんか。実は、血液中の脂質や体の代謝状態は、頭皮の健康、ひいては髪の毛の成長に深く関わっています。

血液がドロドロになると、髪の成長に必要な栄養が頭皮の隅々まで届きにくくなる可能性があります。

この記事では、薄毛の原因を探る上で重要な「脂質・代謝関連検査」に焦点を当て、総コレステロールや中性脂肪、尿酸、HbA1cといった検査項目が何を意味し、どのように髪の健康と結びつくのかを分かりやすく解説します。

ご自身の健康状態を正しく理解し、健やかな髪を育むための第一歩を踏み出しましょう。

目次

脂質・代謝の乱れが薄毛を招く?まずは検査で現状把握

髪の悩みと聞くと、頭皮ケアや生活習慣を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、体の内側、特に血液の状態や代謝機能が、髪の健康を左右する重要な土台となります。

ここでは、なぜ脂質や代謝の検査が髪の毛の問題を考える上で大切なのか、その理由を掘り下げていきます。

なぜ脂質や代謝の検査が髪に必要なのか

脂質・代謝の乱れが頭皮血流と毛母細胞に及ぼす影響(フロー図)

髪の毛は、毛根にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長します。この細胞分裂には、血液から運ばれてくる酸素や栄養素が絶えず必要です。

しかし、脂質異常や代謝の乱れによって血液がドロドロになったり、血管がダメージを受けたりすると、頭皮の毛細血管まで十分に栄養が届かなくなります。

この栄養不足が、髪の成長を妨げ、結果として薄毛や抜け毛につながる一因となり得るのです。

つまり、血液検査で脂質や代謝の状態を知ることは、髪が育つための土壌である「体内環境」の状態を確認することに他なりません。

健康診断の結果、見過ごしていませんか?

正常血流とドロドロ血の比較

年に一度の健康診断。結果を受け取っても、「基準値から少し外れているだけ」と軽く考えていないでしょうか。

特に症状がないからと放置しがちな脂質や血糖値、尿酸値の異常は、静かに体の内側で進行し、気づいた時には血管の健康を損なっていることがあります。

髪への影響も同様で、すぐには現れませんが、長期間にわたる血行不良は確実に頭皮環境を悪化させます。健康診断の結果は、未来の髪と健康を守るための重要な手がかりです。

数値を正しく理解し、早期に対策を講じることが重要です。

この記事でわかる脂質・代謝関連検査のすべて

この記事では、薄毛との関連が考えられる主要な脂質・代謝関連の検査項目について、一つひとつ丁寧に解説します。

総コレステロール、LDL(悪玉)・HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪が示す「脂質異常症と循環」の問題。そして、尿酸値が教えてくれる「代謝異常」のサイン。

さらに、血糖コントロールの指標である「HbA1c」と糖尿病のリスク。これらの数値があなたの体で何を示しているのかを理解し、健やかな髪と体を取り戻すための知識を深めていきましょう。

【脂質異常症と循環】総コレステロール・LDL・HDL・中性脂肪の役割

血液中の脂質、と聞くと「コレステロール」や「中性脂肪」を思い浮かべる方が多いでしょう。

これらは体に必要な成分ですが、バランスが崩れると「脂質異常症」という状態になり、動脈硬化を進行させ、血流の循環を悪化させます。

これは、全身の健康だけでなく、頭皮の血行にも深刻な影響を及ぼします。

善玉(HDL)と悪玉(LDL)コレステロールの基本

LDLとHDLの役割(肝臓⇄全身のコレステロール輸送フロー)

コレステロールには、主にLDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類があります。

LDLは肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割を持ちますが、増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となるため「悪玉」と呼ばれます。

一方、HDLは体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあるため「善玉」と呼ばれます。この二つのバランスが、血管の健康を保つ鍵となります。

コレステロールの種類と主な働き

種類通称主な働き
LDLコレステロール悪玉コレステロール肝臓のコレステロールを全身へ運ぶ。増えすぎると動脈硬化の原因に。
HDLコレステロール善玉コレステロール全身の余分なコレステロールを回収し、動脈硬化を防ぐ。
総コレステロール血液中のすべてのコレステロールの総量。

中性脂肪が高い状態が頭皮の血流循環に与える影響

中性脂肪が高いときの粘度上昇と頭皮循環への影響

中性脂肪は、体を動かすための重要なエネルギー源です。しかし、食事から摂取するエネルギーが消費エネルギーを上回ると、余った分が中性脂肪として体内に蓄えられます。

中性脂肪が増えすぎると、血液の粘度が高まり、いわゆる「ドロドロ血」の状態になります。

これにより血流が悪化し、特に細い血管である頭皮の毛細血管では、血行不良が顕著に現れます。

栄養が届きにくくなった毛母細胞は正常な活動ができなくなり、髪のハリやコシが失われ、抜け毛の増加につながる可能性があります。

総コレステロール値から読み解く健康状態

総コレステロールは、血液中に含まれるすべてのコレステロールの合計値です。以前は総コレステロール値が重視されていましたが、現在ではLDLとHDLのバランスがより重要と考えられています。

ただし、総コレステロール値が極端に高い場合は、やはり脂質異常症のリスクが高いことを示唆します。

健康診断などで総コレステロール値の高さを指摘された場合は、LDL、HDL、中性脂肪の各数値を詳しく確認し、全体的な脂質バランスを評価することが大切です。

脂質異常症が引き起こす髪へのリスク

脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま進行します。しかし体内では、血管の内壁にコレステロールが溜まり、血管が硬く、狭くなる動脈硬化が着実に進んでいます。

これにより全身の血流が悪化し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるだけでなく、頭皮への血流も減少します。

髪の成長サイクルが乱れ、健康な髪が育ちにくくなる「ヘアサイクルの短縮化」が起こることも考えられます。

脂質異常症の管理は、生命に関わる病気を防ぐだけでなく、髪の健康を長期的に守るためにも重要なのです。

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)

脂質異常症の診断基準
検査項目基準値状態
LDLコレステロール140mg/dL以上高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール40mg/dL未満低HDLコレステロール血症
中性脂肪150mg/dL以上高トリグリセリド血症

【代謝異常】尿酸値が高いとなぜ問題なのか

「尿酸」と聞くと、多くの人が「痛風」を連想するでしょう。しかし、尿酸値の異常は痛風だけでなく、体全体の代謝が乱れているサインでもあります。

この代謝異常が、間接的に髪の健康に影響を及ぼすこともあります。

尿酸とは何か?体内で作られる仕組み

プリン体→尿酸→腎臓排泄の流れと食品例(尿酸代謝の基礎)

尿酸は、細胞の核にあるプリン体という物質が分解されてできる最終産物です。プリン体は、私たちの体内での新陳代謝によって常に発生するほか、食事からも摂取されます。

通常、尿酸は血液に溶けて腎臓でろ過され、尿として体外に排出されます。

しかし、プリン体の摂取が多すぎたり、体内で作られる量が過剰になったり、あるいは腎臓からの排出がうまくいかなくなったりすると、血液中の尿酸濃度が高くなります。これが「高尿酸血症」です。

代謝異常のサインとしての高尿酸血症

高尿酸血症は、単に尿酸が多いというだけでなく、体のエネルギー代謝がうまくいっていない状態を示唆します。

多くの場合、内臓脂肪の蓄積、脂質異常症、高血圧、耐糖能異常(糖尿病予備群)などを合併しています。

これらの生活習慣病が複合的に絡み合う状態は「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、それぞれが血流悪化の原因となり得ます。

つまり、尿酸値の高さは、氷山の一角であり、その背後には頭皮環境にも悪影響を及ぼす可能性のある、より大きな代謝の問題が隠れているかもしれないのです。

高尿酸血症とメタボの関連(内臓脂肪・血圧・脂質異常・高血糖のクラスター→血管・頭皮)

プリン体を多く含む食品

  • レバー類(鶏・豚・牛)
  • 魚の干物(マイワシ、アジなど)
  • 魚卵(あん肝、白子、たらこなど)
  • 一部の肉類(特に内臓系)

尿酸値が頭皮環境や全身の健康に及ぼすこと

高い尿酸値が直接的に髪を抜けさせるわけではありません。しかし、高尿酸血症が引き起こす、または合併する問題が間接的に影響します。

例えば、尿酸の結晶が血管壁を傷つけ、動脈硬化を促進させることがあります。また、高尿酸血症に伴うことの多い脂質異常症や糖尿病は、いずれも血流を悪化させます。

頭皮の血行が悪くなれば、髪の成長に必要な栄養が届かず、健康な髪は育ちません。尿酸値を管理することは、全身の血管を守り、結果として良好な頭皮環境を維持することにつながります。

痛風だけじゃない、尿酸が示す代謝異常の危険信号

尿酸値が高い状態が続くと、血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、関節に溜まって激しい痛みを引き起こすのが痛風発作です。

しかし、危険はそれだけではありません。尿酸の結晶は腎臓にも蓄積し、腎機能を低下させる「痛風腎」や、尿路結石の原因にもなります。

近年では、高尿酸血症が心血管疾患のリスクを高めることも指摘されています。尿酸値は、生活習慣を見直すべきだという体からの重要な警告と捉え、真摯に向き合う必要があります。

尿酸値の基準と原因

項目基準値(男女共通)高くなる主な原因
尿酸(UA)7.0mg/dL以下プリン体の多い食事、アルコール、肥満、ストレス、激しい運動

【糖尿病の長期管理指標】HbA1cでわかる血糖コントロール状態

血糖値の管理は、糖尿病患者だけの問題ではありません。血糖値が高い状態が続くと、全身の血管、特に細い血管がダメージを受けます。

これは頭皮の毛細血管も例外ではなく、髪の成長に深刻な影響を与える可能性があります。HbA1cは、その血糖コントロールの状態を知るための重要な指標です。

HbA1cと毛細血管ダメージ(糖化による微小循環障害→毛母細胞)

HbA1cが示す過去1〜2ヶ月の血糖値平均

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、赤血球の中にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものの割合を示します。

血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖がヘモグロビンに結合しやすくなり、HbA1cの値も高くなります。

赤血球の寿命は約120日であるため、HbA1cを測定することで、採血時点の血糖値だけでなく、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖コントロール状態を把握できます。

これにより、一時的な食事などの影響を受けにくい、安定した血糖状態の評価が可能です。

糖尿病の長期管理指標HbA1cと毛細血管の関係

HbA1cが高い、つまり慢性的に高血糖状態にあると、体内のタンパク質が糖と結びついて変性する「糖化」という現象が起こります。

血管もタンパク質でできているため、糖化によって弾力性を失い、もろく、傷つきやすくなります。特に、直径が非常に細い毛細血管はダメージを受けやすく、血流が滞ったり、詰まったりしやすくなります。

これが糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害の原因です。そして、髪を育む毛母細胞に栄養を届けるのも、この毛細血管なのです。

高血糖が毛母細胞の働きをどう妨げるか

頭皮の毛細血管が糖化によってダメージを受けると、血流が著しく悪化します。これにより、髪の成長に不可欠な酸素や栄養素が毛母細胞へ十分に供給されなくなります。

栄養不足に陥った毛母細胞は、正常な細胞分裂を行うことができず、活動が低下します。

その結果、生えてくる髪が細く弱々しくなったり、成長期が短くなって早く抜け落ちてしまったりするなど、薄毛が進行する一因となります。

高血糖状態は、髪の生産工場である毛母細胞の活動を根本から妨げてしまうのです。

血糖値を上げやすい食品の例

  • 白米、食パン、うどんなどの精製された炭水化物
  • 菓子パン、ケーキ、クッキーなどの甘いお菓子
  • 清涼飲料水、ジュース類

隠れ糖尿病にも注意 HbA1c検査の重要性

糖尿病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません。食後の軽いだるさや喉の渇きを感じる程度で、見過ごされることが多いのが実情です。

健康診断の空腹時血糖値が正常でも、食後に血糖値が急上昇する「食後高血糖」が起きている場合もあります。これが「隠れ糖尿病(糖尿病予備群)」です。

HbA1cは、こうした一時的な血糖値の変動も含めた平均値を反映するため、隠れ糖尿病の発見にも役立ちます。

髪の健康を守るためにも、HbA1cの数値を定期的にチェックし、血糖コントロールに関心を持つことが大切です。

HbA1c(NGSP値)の基準値と評価

HbA1c(%)状態の評価解説
5.5以下基準範囲正常な状態です。
5.6~5.9要注意正常高値。今後の生活習慣に注意が必要です。
6.0~6.4糖尿病予備群糖尿病を発症するリスクが高い状態です。
6.5以上糖尿病型糖尿病が強く疑われます。専門医の診断が必要です。

脂質・代謝関連検査を受ける前に知っておきたいこと

自分の体の状態を正確に知るために、検査はとても有効です。しかし、正しい結果を得るためには、いくつかの準備や注意点があります。

ここでは、検査を受ける場所から費用、事前の注意点まで、実践的な情報を提供します。

検査はどこで受けられる?

脂質・代謝関連の血液検査は、ほとんどの医療機関で受けることができます。会社の健康診断や自治体の特定健診など、定期的な検診の機会を利用するのが最も手軽です。

もし、特定の項目について詳しく調べたい、あるいは薄毛との関連で相談したいという場合は、内科や内分泌代謝内科、あるいは皮膚科や薄毛治療を専門とするクリニックに相談するとよいでしょう。

かかりつけ医がいる場合は、まず相談してみることをお勧めします。

検査前の食事や生活での注意点

脂質・代謝関連検査の事前準備チェックリスト(絶食・水OK・禁酒/激運動回避・睡眠)

血液検査、特に中性脂肪や血糖値の検査では、直前の食事が結果に大きく影響します。そのため、一般的に検査前日の夜9時以降は食事を摂らず、当日は朝食を抜いて空腹の状態で採血することが求められます。

水やお茶など、糖分を含まない水分は摂取しても問題ありません。また、アルコールの摂取や激しい運動も、一時的に数値を変動させることがあるため、検査前日は控えるようにしましょう。

正確なデータを得るために、医療機関の指示に必ず従ってください。

検査にかかる時間と費用の目安

血液検査自体は、採血だけなので数分で終了します。その後、結果が出るまでには数日から1週間程度かかるのが一般的です。費用は、検査する項目数や、保険適用の有無によって異なります。

健康診断に含まれている場合は自己負担がないか、少額で済みます。何らかの症状があって医師の診断のもとに検査を受ける場合は、健康保険が適用され、自己負担は3割で数千円程度が目安です。

自費で検査を受ける場合は、医療機関によって料金が大きく異なるため、事前に確認することをお勧めします。

検査結果の読み解き方と生活習慣の見直し

検査結果を受け取ったら、それで終わりではありません。その数値が示す意味を理解し、必要であれば生活習慣を改善していくことが最も重要です。

ここでは、結果の基本的な見方と、今日から始められる具体的な対策について解説します。

各検査項目の基準値一覧

まずは、ご自身の検査結果が基準値の範囲内にあるかを確認しましょう。ただし、基準値はあくまで多くの健康な人のデータを基にした目安です。

個人の年齢や性別、既往歴などによって目指すべき目標値は異なる場合があるため、基準値から外れていた場合は、必ず医師に相談してください。

主な脂質・代謝関連検査の基準値(空腹時)

検査項目基準値の目安
LDLコレステロール140mg/dL未満
HDLコレステロール40mg/dL以上
中性脂肪(トリグリセリド)150mg/dL未満
尿酸(UA)2.1~7.0mg/dL
HbA1c(NGSP値)6.5%未満

数値改善のために始めたい食事のポイント

食事と運動での改善イメージ(HDL↑・中性脂肪↓と頭皮循環の向上)

脂質や代謝の数値を改善するためには、食生活の見直しが基本です。特に、LDLコレステロールや中性脂肪が高い場合は、動物性脂肪や糖質の摂りすぎに注意が必要です。

一方で、HDLコレステロールを増やすためには、青魚に含まれる良質な油や、食物繊維を積極的に摂ることが有効です。

食事改善のポイント

積極的に摂りたい食品控えめにしたい食品
青魚(サバ、イワシ)、大豆製品、野菜、きのこ類、海藻類、玄米肉の脂身、バター、生クリーム、菓子パン、スナック菓子、清涼飲料水

尿酸値が高い場合は、プリン体を多く含むレバーや魚卵、アルコール(特にビール)を控えることが大切です。

HbA1cが気になる方は、血糖値を急上昇させないように、野菜から先に食べる「ベジファースト」や、よく噛んでゆっくり食べることを心がけましょう。

運動習慣が脂質・代謝に与える好影響

食事改善と並行して行いたいのが、適度な運動です。特に、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす効果が期待できます。

また、運動によって筋肉量が増えると、基礎代謝が上がり、血糖値のコントロールにも良い影響を与えます。まずは無理のない範囲で、日常生活に運動を取り入れることから始めてみましょう。

専門医への相談を考えるタイミング

生活習慣の改善を試みても数値がなかなか改善しない場合や、基準値を大幅に超えている場合は、自己判断で放置せず、専門の医療機関を受診しましょう。

特に、家族に脂質異常症や糖尿病の人がいる場合など、遺伝的な要因が関わっていることもあります。医師は、個々の状況に合わせて、より専門的な食事指導や、必要であれば薬物療法などを提案してくれます。

早期の対応が、将来の健康と髪を守るためには重要です。

脂質・代謝関連検査に関するよくある質問

ここでは、脂質・代謝関連検査に関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。

検査結果はどのくらいでわかりますか?

医療機関によって異なりますが、一般的には採血から数日後から1週間程度で結果が出ます。健康診断の場合は、すべての結果がまとまってから通知されるため、1ヶ月ほどかかることもあります。

詳しい日数については、検査を受けた医療機関にご確認ください。

基準値内であれば薄毛の心配はありませんか?

基準値内であることは、健康な状態の一つの目安であり、脂質や代謝が原因で血行不良が起きているリスクは低いと考えられます。

しかし、薄毛の原因は血行不良だけでなく、遺伝、ホルモンバランス、ストレス、頭皮環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

したがって、数値が正常でも他の原因によって薄毛が進行する可能性はあります。総合的な視点で原因を探ることが大切です。

サプリメントで数値を改善できますか?

特定の成分、例えばDHA・EPAや食物繊維などが、脂質のバランスを整えるのを助けるという研究報告はあります。

しかし、サプリメントはあくまで食事を補助するものであり、それだけで数値を劇的に改善するのは困難です。基本はバランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい生活です。

サプリメントを利用する場合は、まず生活習慣の改善を基本とし、医師や薬剤師に相談の上で、補助的に活用することを検討しましょう。

一度悪くなった数値は元に戻りますか?

はい、多くの場合は生活習慣の改善によって数値を改善することが可能です。

特に、食生活の乱れや運動不足が主な原因である場合、食事の見直しや運動習慣の導入によって、数ヶ月で顕著な改善が見られることも少なくありません。

大切なのは、諦めずに継続することです。ただし、遺伝的な要因が強い場合や、すでに動脈硬化が進行している場合などは、薬物療法が必要になることもあります。

まずは専門医に相談し、ご自身の状態に合った対策を講じることが重要です。

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