M字はげが気になり始めると、髪型でどうにかカバーできないかと悩みますよね。
「パーマをかければ、うまく隠せるかもしれない」と考える一方、「でも、パーマ液が頭皮に悪そうで、薄毛が進行したらどうしよう…」という不安もあるかと思います。
M字はげの方がパーマをかけることには、確かにメリットとデメリットが存在します。
この記事では、パーマがM字はげに与える影響、薄毛を悪化させずにパーマを楽しむための具体的な注意点や、おすすめの髪型について詳しく解説します。
あなたの不安を解消し、M字はげと上手に付き合いながらおしゃれを楽しむヒントを見つけてください。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
M字はげにパーマは本当に危険?薄毛への影響を解説
M字はげの方がパーマをかけると、薄毛が悪化するのではないかと心配する声がありますが、必ずしも危険というわけではありません。
ただし、パーマ液の刺激や頭皮への負担が、薄毛の進行に影響を与える可能性は否定できません。
パーマ液が頭皮に与える影響とは
パーマ液には、髪の毛のタンパク質の結合を切断し、再結合させるための薬剤が含まれています。これらの薬剤が頭皮に付着すると、刺激となり、炎症やかゆみを引き起こすことがあります。特に肌が敏感な方や、すでに頭皮環境が乱れている場合、その影響は大きくなりやすいです。
パーマ液の主な成分と頭皮への刺激
パーマに使用する薬剤は、主に「1剤(還元剤)」と「2剤(酸化剤)」に分かれます。1剤はアルカリ性であることが多く、頭皮の皮脂を取り除きすぎたり、角質層を傷つけたりする可能性があります。
2剤は過酸化水素などが使われ、これもまた頭皮への刺激となる場合があります。
表:パーマ液の主な成分と役割
| 薬剤 | 主な成分例 | 頭皮への影響(可能性) |
|---|---|---|
| 1剤(還元剤) | チオグリコール酸、システアミン | アルカリ性による刺激、皮脂の過剰除去、乾燥 |
| 2剤(酸化剤) | 過酸化水素、臭素酸ナトリウム | 酸化作用による刺激、かゆみ、赤み |
頭皮トラブルが薄毛につながる理由
頭皮に炎症が起きると、毛根周辺の血流が悪くなったり、毛穴が詰まりやすくなったりします。健康な髪を育てるためには、良好な頭皮環境が必要です。
頭皮トラブルが続くと、髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が乱れ、抜け毛が増えたり、新しい髪が育ちにくくなったりする可能性があります。
M字はげの人が特に注意すべきこと
M字はげが進行している部分は、皮膚がデリケートになっていることが多いです。また、薄毛を気にするあまり、頭皮を強く洗いすぎているなど、すでに頭皮環境に問題を抱えているケースも見られます。
そのため、健康な頭皮の人よりもパーマ液によるダメージを受けやすく、慎重な判断が求められます。
パーマが髪の毛自体に与えるダメージ
パーマは髪の毛の内部構造を一度変化させる施術です。そのため、髪の毛自体にも一定の負担がかかります。
髪のタンパク質変性とキューティクルの損傷
パーマ液によって、髪の主成分であるケラチンタンパク質の結合が切断されます。この過程で、髪の表面を覆うキューティクルが開いたり、剥がれたりすることがあります。
キューティクルが損傷すると、髪内部の水分や栄養分が流出しやすくなり、髪がパサついたり、切れ毛や枝毛の原因になったりします。
施術による物理的なダメージ
パーマをかける際、ロッドを巻くときに髪を引っ張る力が加わります。
特にM字はげの部分は髪が細く弱っていることが多く、物理的な牽引によって抜け毛が増える(牽引性脱毛症)リスクも考慮する必要があります。
M字はげをカバーするパーマのメリット
パーマにはリスクもありますが、M字はげの悩みを目立たなくさせる大きなメリットもあります。
髪に動きとボリュームを出すことで、薄毛部分を自然にカバーし、全体の印象を変えることができます。
ボリュームアップによる視覚効果
M字はげが目立つ原因の一つに、前髪や頭頂部のボリューム不足があります。
パーマで髪にカールやウェーブをつけることで、髪がふんわりと立ち上がり、全体のボリュームが増したように見えます。
トップのボリュームを出す効果
特に頭頂部(トップ)にパーマをかけると、高さが出て、視線が上に集まりやすくなります。その結果、M字部分への視線が分散され、薄毛が目立ちにくくなります。
髪の密度を濃く見せる
パーマで髪1本1本に動きが出るため、髪同士の隙間が埋まりやすくなります。直毛で髪がペタッとしている状態に比べ、髪の密度が濃く、豊かに見える効果が期待できます。
スタイリングの容易さと持続性
M字はげをカバーする髪型は、毎朝のスタイリングが大変なことがあります。パーマをかけておくことで、スタイリングの手間が大幅に軽減されます。
朝のセット時間が短縮できる
パーマがかかっていると、ワックスやムースなどのスタイリング剤を軽く揉み込むだけで、簡単に動きやボリュームが出せます。
ドライヤーで乾かすだけで、ある程度の形が決まるため、忙しい朝でも時間をかけずにヘアスタイルを整えられます。
カバースタイルのキープ力向上
M字はげを隠すために前髪を流したり、トップを立ち上げたりしても、直毛の場合は時間が経つと元に戻ってしまいがちです。
パーマで形状記憶させておくことで、汗や湿気にも強くなり、カバーしたスタイルを長時間キープしやすくなります。
髪の流れをコントロールできる
M字部分は、生え際の形がはっきりしているため、髪が素直に落ちてくると目立ちやすいです。パーマで髪の流れを変えることで、この問題を解決できます。
M字部分を自然に隠す毛流れの作成
パーマで前髪やサイドの髪に流れをつくり、M字部分に自然にかかるように誘導できます。
無理に隠そうとすると不自然になりがちですが、パーマの柔らかな動きを利用することで、カモフラージュしやすくなります。
全体のシルエットを整える
M字はげが目立つと、顔の形や頭の形が強調されて見えることがあります。
パーマで全体のシルエットに丸みや動きを持たせることで、バランスの取れたヘアスタイルになり、M字部分の印象を和らげることができます。
薄毛を悪化させないパーマ施術の注意点
M字はげの方がパーマをかける際は、薄毛を悪化させないために細心の注意を払うことが重要です。
美容師選びから施術方法、使用する薬剤に至るまで、頭皮への負担を最小限に抑える工夫が求められます。
信頼できる美容師・サロンの選び方
パーマの成否は、美容師の技術と知識に大きく左右されます。薄毛の悩みを理解し、適切な施術を提案してくれる美容師を見つけることが第一歩です。
薄毛や頭皮ケアに詳しい専門知識
薄毛の悩みを持つ顧客への対応経験が豊富か、頭皮ケアに関する知識(例えば、スキャルプケアや育毛に関する資格など)を持っているかを確認しましょう。
カウンセリング時に、M字はげの状態や頭皮の健康状態をしっかりチェックしてくれる美容師は信頼できます。
M字はげカバーの施術経験が豊富か
薄毛カバーのカットやパーマの経験が豊富な美容師は、どの部分にどれくらいの強さでパーマをかければ効果的か、逆にどの部分は避けるべきかを熟知しています。施術事例などを確認できるとより安心です。
カウンセリングの丁寧さ
あなたの悩みや不安を丁寧にヒアリングし、頭皮へのリスクとメリットを隠さず説明してくれる美容師を選びましょう。
一方的に施術を勧めるのではなく、頭皮の状態によっては「今はパーマを避けた方が良い」と正直にアドバイスしてくれるかも重要な判断基準です。
表:美容師選びのチェックポイント
| チェック項目 | 確認するポイント | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 専門知識 | 薄毛や頭皮ケアに関する知識、資格の有無 | 頭皮の状態を正確に診断し、適切な薬剤を選定するため |
| 施術経験 | 薄毛カバーのパーマやカットの経験、施術例 | M字はげを効果的にカバーする技術を持っているため |
| カウンセリング | 悩みや不安を親身に聞いてくれるか、リスクも説明するか | 信頼関係を築き、納得して施術を受けるため |
施術前に美容師に伝えるべきこと
施術当日は、自分の頭皮や髪の状態を正確に美容師に伝えることが大切です。
M字はげの悩みと進行度
どの程度M字はげが進行しているか、特にどの部分をカバーしたいかを具体的に伝えましょう。
また、現在育毛剤などを使用している場合は、その情報も共有しておくと、薬剤選定の参考になります。
頭皮の状態(乾燥、脂性、かゆみなど)
現在、頭皮にかゆみやフケ、赤みなどのトラブルがないか、また、普段から乾燥しやすいか、脂っぽいかを伝えます。
この情報をもとに、美容師は薬剤の強さや頭皮の保護方法を調整できます。
過去のパーマ・カラー履歴とアレルギー
以前にパーマやヘアカラーでかぶれたり、頭皮に異常を感じたりした経験があれば、必ず申告してください。アレルギー体質の方も同様です。
必要に応じて、事前にパッチテスト(皮膚アレルギー試験)を行うことを相談しましょう。
頭皮への負担を減らす施術テクニック
同じパーマでも、かけ方次第で頭皮への負担は大きく変わります。
薬剤を頭皮につけない「ゼロテク」
パーマ液を頭皮に極力付着させないように塗布する技術(通称:ゼロテク、ゼロ塗布)を依頼しましょう。
毛髪の根元ギリギリから薬剤を塗布することで、頭皮への直接的な刺激を大幅に軽減できます。
頭皮保護オイルやクリームの使用
施術前に、頭皮全体(特にM字はげの部分)に専用の保護オイルやクリームを塗布してもらうことで、薬剤が直接皮膚に触れるのを防ぎます。
多くの美容室で対応可能なので、事前に確認・依頼しましょう。
施術時間の短縮
パーマ液が頭皮や髪に触れている時間が長くなるほど、負担は大きくなります。美容師と相談し、できるだけ短時間で仕上がるようなパーマの種類やロッドの太さを選定してもらうことも一つの方法です。
M字はげにおすすめのパーマスタイル
M字はげを効果的にカバーするためには、パーマの種類とヘアスタイルを適切に組み合わせることが大切です。
ボリュームを出す位置や毛流れの方向を計算したスタイルを選ぶことで、薄毛を目立たなくし、おしゃれな印象を与えられます。
トップにボリュームを持たせるスタイル
M字はげを目立たなくする基本は、視線をトップ(頭頂部)に集めることです。
ソフトモヒカンベースのパーマ
サイドを短く刈り上げ、トップに長さとボリュームを持たせるソフトモヒカンスタイルは、M字はげカバーの定番です。
トップに動きを出すパーマをかけることで、スタイリングが容易になり、より自然にM字部分から視線をそらせます。
アップバング(前髪上げ)スタイル
前髪をあえて上げて額を見せるアップバングスタイルも、パーマと相性が良いです。前髪の根元にパーマをかけて立ち上がりやすくし、トップにボリュームを集めます。
M字部分を隠すのではなく、全体のバランスでカバーする潔さが、かえって爽やかな印象を与えます。
前髪やサイドで自然にカバーするスタイル
M字部分を直接的に隠したい場合は、前髪やサイドの髪を使ったスタイルが有効です。
七三分け(サイドパート)パーマ
髪を七三に分け、ボリュームのある方からM字部分を覆うように毛流れを作るスタイルです。
パーマで髪に自然な流れとボリュームをつけておくことで、いかにも隠しているという不自然さがなくなり、上品な印象に仕上がります。
マッシュベースのパーマ
全体的に丸みのあるシルエットが特徴のマッシュスタイルも、M字はげカバーに適しています。
前髪を重めに残しつつ、パーマで軽さや動きを出すことで、M字部分を自然に隠しながら、若々しい雰囲気を演出できます。
パーマの種類と特徴
パーマにはいくつか種類があり、仕上がりや髪への負担が異なります。
コールドパーマ(一般的なパーマ)
常温で薬剤(1剤・2剤)を使ってかける、最も一般的なパーマです。髪が濡れている時にカールが強く出る特徴があり、スタイリング剤でウェーブ感を調整しやすいです。
薬剤の強さも調整しやすいため、頭皮への負担を考慮した施術が比較的容易です。
デジタルパーマ
熱(60℃〜120℃程度)を加えてカールを形状記憶させるパーマです。乾いている時にカールがはっきりと出やすく、持ちが良いのが特徴です。
ただし、熱を加える分、髪へのダメージが大きくなる可能性があり、根元近く(=頭皮近く)にかけるのは難しい場合があります。
エアウェーブ
専用の機械で温風と水分をコントロールしながらかけるパーマです。コールドパーマよりも持ちが良く、デジタルパーマよりも髪へのダメージが少ない(低温で施術可能)とされています。
ふんわりとした柔らかな質感が出やすいのが特徴です。
表:パーマの種類別比較
| 種類 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| コールドパーマ | 常温で薬剤を使用。濡れている時にカールが強い。 | 根元からかけやすい。ダメージ調整が比較的容易。 |
| デジタルパーマ | 高温で熱処理。乾かすとカールが再現されやすい。 | 持ちが良い。スタイリングが楽。 |
| エアウェーブ | 温風で形状記憶。低温で施術可能。 | ダメージが比較的少ない。柔らかな質感。 |
M字はげに適したパーマの選び方
M字はげカバーの場合、根元の立ち上がりや自然な毛流れが重要です。
頭皮への刺激を最小限に抑えつつ、根元付近にもかけやすいコールドパーマや、ダメージを抑えつつ柔らかな質感を出せるエアウェーブが選択肢になりやすいでしょう。
美容師と頭皮・髪の状態を相談して決めることが大切です。
パーマ後のセルフケアと注意点
パーマをかけた後は、頭皮と髪がデリケートな状態になっています。
薄毛を進行させないためには、日々のセルフケアが非常に重要です。正しいシャンプー方法や保湿ケアを実践し、頭皮環境を健やかに保ちましょう。
当日〜数日間の注意点
施術直後は、特に慎重なケアが求められます。
施術当日のシャンプーは避ける
パーマをかけた当日は、薬剤が髪に定着するまで時間がかかります。
また、頭皮も敏感になっています。最低でも24時間はシャンプーを控えるのが一般的です。美容師の指示に従いましょう。
強くこすらない・引っ張らない
シャンプーやタオルドライの際、頭皮を強くこすったり、髪を強く引っ張ったりしないように注意してください。
頭皮を傷つけたり、弱った髪が抜けたりする原因になります。
日常のシャンプー方法の見直し
頭皮環境を良好に保つため、毎日のシャンプー方法を見直しましょう。
アミノ酸系シャンプーの選び方
洗浄力が強すぎるシャンプー(高級アルコール系など)は、頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や刺激の原因となります。
頭皮への刺激がマイルドなアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分を使用したシャンプーを選ぶことをおすすめします。
表:シャンプー洗浄成分の比較
| 洗浄成分の種類 | 特徴 | 頭皮への影響 |
|---|---|---|
| アミノ酸系 | マイルドな洗浄力、保湿性が高い | 低刺激、乾燥しにくい |
| ベタイン系 | ベビーシャンプーにも使われる低刺激性 | 非常にマイルド、頭皮に優しい |
| 高級アルコール系 | 強い洗浄力、泡立ちが良い | 刺激が強め、乾燥や皮脂の過剰分泌を招くことも |
正しいシャンプーの手順
- 予洗い: シャンプーをつける前に、ぬるま湯(38℃程度)で頭皮と髪を1〜2分かけてしっかりすすぎます。これだけで汚れの7割程度は落ちると言われています。
- 泡立て: シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、髪につけます。原液を直接頭皮につけると、刺激になったり、すすぎ残しの原因になったりします。
- 洗い方: 指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗います。爪を立ててゴシゴシ洗うのは厳禁です。
- すすぎ: 洗う時間の2倍以上を目安に、シャンプー剤が頭皮や髪に残らないよう、ぬるま湯で徹底的にすすぎます。特に生え際や耳の後ろは残りやすいので注意しましょう。
トリートメントやコンディショナーの使い方
トリートメントやコンディショナーは、髪のダメージを補修し、指通りを良くするためのものです。
頭皮につくと毛穴詰まりの原因になる可能性があるため、毛先を中心になじませ、頭皮には極力つけないようにしましょう。使用後は、シャンプー同様しっかりすすぎます。
頭皮の保湿と育毛ケア
パーマ後の頭皮は乾燥しやすくなっています。保湿ケアと、必要に応じた育毛ケアを取り入れましょう。
頭皮用ローションや美容液での保湿
シャンプー後、タオルドライしたら、頭皮専用のローションや美容液で保湿ケアを行いましょう。乾燥はかゆみやフケの原因となり、頭皮環境の悪化につながります。
育毛剤の使用とタイミング
M字はげの進行を抑えるために育毛剤を使用している場合、パーマ後も継続して問題ないか美容師に確認しましょう。一般的に、パーマ当日は避け、翌日以降、頭皮の状態が落ち着いてから再開します。
育毛剤は、頭皮が清潔なシャンプー後に使用するのが最も効果的です。
表:パーマ後の頭皮ケアステップ
| ステップ | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| シャンプー | 頭皮の洗浄 | アミノ酸系、指の腹で優しく洗う、徹底的なすすぎ |
| トリートメント | 髪の補修 | 毛先中心、頭皮につけない、しっかりすすぐ |
| 保湿・育毛 | 頭皮環境整備 | タオルドライ後、頭皮用ローションや育毛剤を使用 |
パーマ以外のM字はげカバー方法
パーマが頭皮に合わない、またはリスクを避けたい場合でも、M字はげをカバーする方法は他にもあります。
カット技術やスタイリング剤の工夫、あるいは専門的な薄毛治療など、自分に合った対策を見つけましょう。
カット技術によるカバー
パーマをかけなくても、カットの工夫次第でM字はげを目立たなくすることは可能です。
ツーブロックやフェードカット
サイドを短く刈り上げるツーブロックや、さらに短くグラデーションをつけるフェードカットは、サイドとトップのコントラストを際立たせます。
その結果、視線がトップに集まり、M字部分が目立ちにくくなります。
トップの長さを活かしたスタイル
M字はげが目立つ場合、無理に短くするよりも、トップや前髪にある程度の長さを残す方がカバーしやすいことがあります。
長さを活かして毛流れを作り、M字部分を隠したり、トップにボリュームを出したりします。
スタイリング剤の活用
日々のスタイリングで薄毛をカバーするテクニックも重要です。
ワックスやジェルの選び方
M字はげカバーには、髪をふんわり立ち上げる力(セット力)があり、重さで潰れにくいワックス(特にマット系やファイバー系)が適しています。
ジェルは濡れた質感で髪が束になりやすく、逆に地肌が透けて見える可能性があるため、使い方に注意が必要です。
- マット系ワックス
- ファイバー系ワックス
ドライヤーでの乾かし方
スタイリングの基本はドライヤーです。髪を乾かす際、トップや前髪は根元から立ち上げるように、下から風を当てます。
毛流れに逆らって乾かすことで、自然なボリュームが出やすくなります。
スタイリングのコツ
ワックスは手のひら全体に薄く伸ばし、髪全体(特にトップやバック)に空気を含ませるように揉み込みます。
その後、指先で毛束をつまみ、シルエットや毛流れを整えます。前髪やM字部分にワックスをつけすぎると、重さで潰れたり、束になって地肌が目立ったりするので注意しましょう。
専門クリニックへの相談
セルフケアやヘアスタイルでのカバーに限界を感じる場合、専門家による薄毛治療も選択肢となります。
AGA(男性型脱毛症)の可能性
M字はげの多くは、AGA(男性型脱毛症)が原因です。AGAは進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛が広がっていきます。
根本的な改善を目指すには、医学的なアプローチが必要です。
専門クリニックでの治療法
薄毛治療専門のクリニックでは、内服薬(フィナステリド、デュタステリドなど)や外用薬(ミノキシジルなど)を用いた投薬治療が一般的です。
これらはAGAの原因物質の生成を抑えたり、毛根の血流を促進したりすることで、抜け毛を減らし、発毛を促す効果が期待できます。
表:M字はげカバー方法の比較
| 方法 | 手軽さ | 持続性 |
|---|---|---|
| パーマ | △(施術が必要) | 〇(1〜2ヶ月) |
| カット・スタイリング | 〇(日々必要) | ×(一時的) |
| 専門クリニック治療 | △(通院・費用) | 〇(継続が必要) |
よくある質問
M字はげの方がパーマを検討する際、さまざまな疑問や不安が浮かぶことでしょう。
ここでは、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。施術前の最終確認として役立ててください。
- パーマをかける頻度はどれくらいが良いですか?
-
髪や頭皮への負担を考慮すると、パーマの頻度は2〜3ヶ月に1回程度が目安です。M字はげが気になる方は、それ以上(例えば4ヶ月に1回など)間隔を空けることをおすすめします。
カットでスタイルを維持しつつ、パーマは必要なタイミングでかけるようにしましょう。
- 市販のパーマ液でセルフパーマをかけても大丈夫ですか?
-
絶対に避けてください。市販のパーマ液は、誰でも(=美容師の資格がない人でも)カールがかかるように、比較的強めに作られている傾向があります。
M字はげの方が自分で施術すると、薬剤を頭皮にべったりつけてしまったり、時間を置きすぎたりして、頭皮環境を著しく悪化させるリスクが非常に高いです。
必ずプロの美容師に任せてください。
- パーマとヘアカラー(白髪染め)は同時にできますか?
-
同日に施術することはお勧めできません。パーマもヘアカラーも、薬剤が頭皮や髪に大きな負担をかける施術です。
これらを同時に行うと、ダメージが集中し、深刻な頭皮トラブルや抜け毛の増加につながる恐れがあります。
最低でも1〜2週間は間隔を空け、頭皮の状態が落ち着いてから行うように美容師と相談してください。
- パーマをかけたら抜け毛が増えた気がします?
-
パーマの薬剤による刺激や、施術中の物理的な牽引によって、一時的に抜け毛が増えることはあり得ます。通常は、頭皮環境が落ち着けば元に戻ります。
しかし、抜け毛がずっと続く場合や、かゆみ・赤みが治まらない場合は、パーマによる頭皮トラブルが続いているか、あるいはAGAが進行している可能性があります。
早めに皮膚科や薄毛専門クリニックに相談してください。
- 育毛剤はパーマの効果を弱めますか?
-
一般的に、育毛剤(特にアルコール成分を含むもの)がパーマのカールを直接弱める(=取れやすくする)ことは考えにくいです。
ただし、前述の通り、パーマ施術直後(特に当日)の使用は、頭皮への刺激となるため避けた方が賢明です。
育毛剤は、頭皮環境を整え、髪の成長をサポートするものですから、頭皮の状態が安定したら、むしろ積極的に使用することをおすすめします。
Reference
YORK, Katherine, et al. A review of the treatment of male pattern hair loss. Expert opinion on pharmacotherapy, 2020, 21.5: 603-612.
OLSEN, Elise A., et al. Evaluation and treatment of male and female pattern hair loss. Journal of the American Academy of Dermatology, 2005, 52.2: 301-311.
YORK, Katherine, et al. Treatment review for male pattern hair-loss. Expert Opin Pharmacother, 2020, 21.5: 603-612.
HE, Yongyu, et al. Mechanisms of impairment in hair and scalp induced by hair dyeing and perming and potential interventions. Frontiers in Medicine,
SOMASUNDARAM, Arun; MURUGAN, Kalaiarasi. Current trends in hair care in men. Cosmoderma, 2024, 4.
TRÜEB, Ralph M. Understanding pattern hair loss—hair biology impacted by genes, androgens, prostaglandins and epigenetic factors. Indian Journal of Plastic Surgery, 2021, 54.04: 385-392.
UNO, Hideo; KURATA, Sotaro. Chemical agents and peptides affect hair growth. Journal of investigative dermatology, 1993, 101.1: S143-S147.
JATOI, Muhammad Zafar Yab. Male pattern hair loss. InnovAiT, 2025, 18.8: 415-417.
MIRMIRANI, Paradi. Age-related hair changes in men: mechanisms and management of alopecia and graying. Maturitas, 2015, 80.1: 58-62.
BANKA, Nusrat; BUNAGAN, MJ Kristine; SHAPIRO, Jerry. Pattern hair loss in men: diagnosis and medical treatment. Dermatologic clinics, 2013, 31.1: 129-140.

