最近、「ナイトキャップ」と聞くと女性用のアイテムというイメージが強いかもしれませんが、実は髪や頭皮の健康を気遣う男性たちの間でも注目が集まっています。
睡眠中の摩擦や乾燥は、寝癖だけでなく、髪のダメージや頭皮環境の悪化にも繋がります。
この記事では、男性がナイトキャップを使うことの具体的な効果、特に寝癖防止や育毛・薄毛対策の観点からのメリットを深掘りします。
自分に合った選び方や正しい使い方まで、あなたの髪の悩みに寄り添いながら詳しく解説していきます。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
メンズナイトキャップが注目される理由
なぜ今、男性にもナイトキャップなのか
従来、ナイトキャップは長い髪の女性が就寝時に髪の絡まりを防ぐために使うもの、という認識が一般的でした。
しかし近年、男性の美容意識やセルフケアへの関心が高まる中で、その効果が男性特有の髪の悩みにも有効であると認識され始めています。
育毛剤やスカルプケアシャンプーだけでなく、睡眠時間を利用した「守り」のヘアケアとして、ナイトキャップが新たな選択肢として浮上しているのです。
朝のスタイリング時間を短縮したいという実用的な理由から、将来的な頭皮環境を見据えたケアまで、その動機は多岐にわたります。
髪や頭皮への意識の高まり
薄毛や抜け毛、フケ、かゆみといった頭皮トラブルは、多くの男性が直面する悩みです。これらの問題に対処するため、日中のケアに力を入れる人は多いですが、睡眠中のケアは見落とされがちでした。
しかし、睡眠時間は1日の約3分の1を占めます。この時間に枕との摩擦や乾燥に無防備であることは、頭皮や髪にとって大きな負担となります。
自分の髪や頭皮の状態に真剣に向き合う男性が増えた結果、睡眠中のダメージ要因を軽減できるナイトキャップの価値が見直されています。
男性が抱えがちな髪の悩み
- 朝の頑固な寝癖
- 髪のパサつきや広がり
- 頭皮の乾燥、またはベタつき
- 摩擦による切れ毛や抜け毛
これらの悩みは、ナイトキャップを使用することで軽減が期待できるものばかりです。
美容・セルフケアとしての側面
ナイトキャップを着用することは、単なる悩み対策にとどまりません。肌触りの良いシルクなどの素材を選ぶことで、睡眠の質を高めるリラックス効果も期待できます。
自分自身をケアする時間を持つことは、精神的な満足感にも繋がります。
スキンケアや筋力トレーニングと同様に、ナイトキャップをかぶるという行為そのものが、自分を大切にする「セルフケア」の一環として受け入れられつつあるのです。
見た目にもスタイリッシュなデザインのものが増えており、ファッション感覚で取り入れる人もいます。
ナイトキャップがもたらす主な効果
摩擦ダメージから髪を守る
私たちは睡眠中、無意識に何度も寝返りを打っています。そのたびに、髪は枕やシーツと擦れ合い、摩擦ダメージを受けています。
髪の表面にあるキューティクルは、この摩擦によって剥がれたり傷ついたりしやすいのです。 ナイトキャップは、髪を物理的に覆うことで、この摩擦から髪を守る盾の役割を果たします。
特に髪が細い人や、パーマ・カラーでダメージを受けている人は、摩擦の影響を受けやすいため、ナイトキャップによる保護効果を実感しやすいでしょう。
キューティクルが守られることで、髪のツヤが保たれ、切れ毛や枝毛の予防に繋がります。
頭皮環境を整えるサポート
ナイトキャップは髪だけでなく、頭皮環境にも良い影響を与えます。まず、頭皮の保湿です。睡眠中、特に空気が乾燥する季節には、頭皮の水分も奪われがちです。
頭皮が乾燥すると、フケやかゆみの原因になるだけでなく、バリア機能が低下してしまいます。 ナイトキャップ内部の湿度を適度に保つことで、頭皮の過度な乾燥を防ぎます。
また、保温効果によって頭皮の血行を良好に保つ手助けもします。血行が良い状態は、髪の成長に必要な栄養素が毛根に届きやすい環境と言えます。
睡眠中の乾燥を防ぐ
髪も頭皮も、乾燥は大敵です。エアコンの使用や季節的な要因で寝室の空気が乾燥していると、髪内部の水分が蒸発し、パサつきや静電気の原因となります。
ナイトキャップは、髪と頭皮を乾燥した外気から隔離し、自身の体温や呼気によって生じる適度な湿度をキャップ内に閉じ込めます。
これにより、髪と頭皮の潤いが保たれ、朝起きた時の髪のまとまりやすさにも違いが出てきます。
特にシルク素材のナイトキャップは、吸湿性と放湿性のバランスが良く、湿度を快適な状態に保つ能力に優れています。
寝癖を抑える効果
男性にとって、朝の頑固な寝癖は大きな悩みの種です。寝癖は、睡眠中に髪が濡れたり(汗など)、枕に押し付けられたりしたままの形で乾いて固定されることで発生します。
ナイトキャップをかぶることで、髪が枕に直接押し付けられるのを防ぎ、一定の形に優しく保持します。
また、汗による湿気が髪の一部に集中するのを防ぎ、キャップ全体で適度に湿度をコントロールするため、変な癖がつきにくくなります。
これにより、朝のスタイリング時間が大幅に短縮でき、忙しい朝にゆとりが生まれます。
【育毛・薄毛対策】ナイトキャップと頭皮環境の関係
摩擦による抜け毛の軽減
育毛・薄毛を考える上で、今ある髪を守ることは非常に重要です。枕との摩擦は、健康な髪にとっても負担ですが、細く弱くなった髪にとっては、抜け毛の直接的な引き金になることもあります。
寝返りのたびに髪が引っ張られ、毛根にダメージが蓄積することも考えられます。ナイトキャップで髪を保護することは、このような物理的な刺激による抜け毛を減らすことに直結します。
特に、すでに抜け毛が増えてきたと感じている人にとって、睡眠中の摩擦対策はすぐにでも取り組むべきケアの一つです。
頭皮の保湿と皮脂バランス
健康な髪は、健康な頭皮から育ちます。頭皮が乾燥しすぎると、体は皮脂を過剰に分泌して潤いを補おうとすることがあります。
この過剰な皮脂が毛穴に詰まると、頭皮環境が悪化し、炎症や抜け毛の原因にもなり得ます。 ナイトキャップは、頭皮の水分蒸発を防ぎ、適度な湿度を保つことで、この乾燥状態を防ぎます。
頭皮が潤いを保つことができれば、皮脂の分泌バランスも整いやすくなります。
これにより、乾燥によるフケと、過剰な皮脂によるベタつきの両方の改善が期待でき、育毛に適した健やかな頭皮環境の維持に貢献します。
育毛剤の浸透サポート
育毛剤を使用している人にとって、ナイトキャップは心強い味方になります。育毛剤は、清潔で適度に潤った頭皮の角質層へ浸透することが望ましいです。
ナイトキャップで頭皮の乾燥を防ぎ、柔らかい状態を保つことは、育毛剤がなじみやすい環境づくりに役立ちます。
また、育毛剤を塗布した後、すぐに寝てしまうと、有効成分が枕カバーに付着してしまうのではないかと心配する人もいるでしょう。
育毛剤が頭皮にしっかり浸透して乾いた後にナイトキャップをかぶることで、成分が枕に移るのを防ぎ、頭皮に留まるのを助けるという側面もあります。
血行不良を防ぐ保温効果
頭皮の血行は、髪の成長に欠かせない栄養素や酸素を毛乳頭細胞に運ぶ重要な役割を担っています。しかし、睡眠中に体が冷えると、頭皮の血管も収縮し、血行が悪くなりがちです。
ナイトキャップには、頭部を適度に保温する効果があります。特に冬場や冷房の効いた部屋で寝る際、ナイトキャップが頭皮の冷えを防ぎ、血行が滞るのを防ぐ手助けをします。
もちろん、締め付けが強すぎると逆効果になるため、適度なフィット感のものを選ぶことが大切ですが、適切な保温は健やかな頭皮環境の維持に寄与します。
メンズナイトキャップの選び方
素材別の特徴と比較
ナイトキャップの効果を左右する最も重要な要素が「素材」です。それぞれの特徴を理解し、自分の肌質や髪の悩み、季節に合わせて選ぶことが重要です。
素材ごとの特徴と推奨
| 素材 | 主な特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| シルク (絹) | 吸湿性・放湿性に優れる。人の肌に近いアミノ酸で構成され、肌触りが非常に滑らか。静電気が起きにくい。 | 髪のダメージ、パサつき、乾燥が特に気になる人。肌触りや上質な使用感を重視する人。 |
| コットン (綿) | 吸水性が高く、通気性も良い。肌に優しく、洗濯などの手入れがしやすい。 | 汗をかきやすい人。頭皮が敏感な人。手軽に洗濯して清潔を保ちたい人。 |
| 麻 (リネン) | 通気性、吸湿性、速乾性に非常に優れる。丈夫で長持ちしやすい。独特のシャリ感がある。 | 夏場や寝汗を多くかく人。蒸れがとにかく気になる人。天然素材の丈夫さを求める人。 |
この他にも、ポリエステルなどの化学繊維を使ったものもありますが、育毛や頭皮環境を考えるならば、吸湿性や通気性に優れた天然素材、特にシルクやコットンがおすすめです。
形状で選ぶポイント
ナイトキャップの形状も、使い心地や効果に影響します。自分の髪の長さや、就寝時の快適さを考慮して選びましょう。
形状タイプ別比較
| 形状 | 特徴 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| ゴムタイプ | かぶり口が全周ゴムになっており、着脱が簡単。最も一般的な形状。 | (メ)手軽さ、フィット感の調整が不要。 (デ)ゴムの締め付けが合わない場合がある。 |
| 紐タイプ | 後頭部や額などで紐を結んでサイズを調整する。 | (メ)自分の頭に最適なフィット感を得やすい。 (デ)結ぶ手間がかかる、寝ている間に結び目が気になることも。 |
| バンダナ・ターバンタイプ | 布を頭に巻くスタイル。伸縮性のある生地でできたものも多い。 | (メ)ファッション性が高い。短髪やベリーショートでも使いやすい。 (デ)巻き方によっては脱げやすい。 |
初心者の人は、着脱が簡単な「ゴムタイプ」から試してみるのが良いでしょう。締め付けが気になる場合は、ゴムが幅広で柔らかいものや、紐タイプを選ぶと調整しやすいです。
サイズ感の重要性
ナイトキャップ選びで見落としがちですが、サイズ感は非常に重要です。大きすぎても小さすぎても、期待する効果が得られないばかりか、不快感の原因にもなります。
サイズ選びのチェックポイント
| チェック項目 | 確認内容 | 合わない場合の懸念 |
|---|---|---|
| 締め付け (きつさ) | 額やこめかみ、耳周りに圧迫感がないか。試着後、ゴム跡が強く残らないか。 | 頭痛、不快感による睡眠の妨げ。血行不良。 |
| ゆるさ | 頭を振ったり、寝返りを打つ想定をしたりしても、簡単に脱げてしまわないか。 | 朝起きると脱げている。ナイトキャップ本来の効果(摩擦防止など)が得られない。 |
| 髪の容量 | (ある程度の長さがある場合) 髪をすべてキャップ内に無理なく収められるか。 | 髪がキャップ内で圧迫され、変な癖がつく。一部がはみ出て摩擦を受ける。 |
男性は女性に比べて頭囲が大きい傾向があるため、「メンズ用」と明記されているものや、Lサイズなどの大きめのサイズ展開があるものを選ぶと安心です。
ナイトキャップの効果的な使い方とケア
正しいかぶり方
ナイトキャップは、ただかぶれば良いというものではありません。効果を最大限に引き出すためには、正しく着用することが大切です。 まず大前提として、髪が濡れた状態では絶対にかぶらないでください。
濡れた髪はキューティクルが開いており非常にデリケートです。また、湿った状態で頭皮を覆うと雑菌が繁殖しやすく、かゆみやニオイ、頭皮トラブルの原因になります。
シャンプー後は、ドライヤーで髪と頭皮を「完全に」乾かしてから着用しましょう。
基本的なかぶり方の流れ
- 髪と頭皮をしっかり乾かす
- 髪をブラッシングして絡まりをとる
- (髪が長い場合) 髪を頭頂部で軽くまとめるか、左右に分ける
- ナイトキャップを両手で広げ、額の生え際から後頭部に向かってゆっくりとかぶる
- 耳をキャップの外に出し、キャップ内の髪が折れたり曲がったりしていないか確認する
短髪の人は、そのままスポッとかぶるだけで問題ありませんが、前髪に変な癖がつかないよう、生え際の位置をしっかり合わせることがポイントです。
使用するタイミング
ナイトキャップを使用する最適なタイミングは、もちろん「就寝直前」です。 夜のヘアケア(育毛剤の塗布など)をすべて終え、髪も頭皮も乾いた状態になったら、ベッドに入る直前にかぶります。
日中にかぶるものではありません。また、髪が乾ききっていないお風呂上がりにすぐかぶるのも避けましょう。あくまで「乾いた髪と頭皮を、睡眠中のダメージから守るため」に使用するものです。
洗濯方法と手入れの頻度
ナイトキャップは、睡眠中にかいた汗や頭皮の皮脂を吸収します。汚れたまま使い続けると、雑菌が繁殖し、頭皮環境を悪化させる原因になりかねません。
理想的な洗濯頻度は、枕カバーと同様に、少なくとも2~3日に一度です。特に汗をかきやすい夏場や、皮脂分泌が多いと感じる人は、毎日洗うのがベストです。
洗い替え用に2~3枚持っておくとローテーションできて便利です。
素材別 洗濯のポイント
| 素材 | 推奨される洗い方 | 干し方・注意点 |
|---|---|---|
| シルク | 中性洗剤(おしゃれ着洗い用)を使用し、30℃以下のぬるま湯で優しく「押し洗い」または「振り洗い」。 | タオルで優しく水分を吸い取り、形を整えて「陰干し」。乾燥機、漂白剤は厳禁。 |
| コットン | 洗濯ネットに入れれば洗濯機洗い可。中性洗剤を使用し、弱水流コース推奨。 | 縮みや色落ちを防ぐため、陰干しが望ましい。乾燥機は縮みの原因になるため避ける。 |
| 麻 | 洗濯ネットに入れて洗濯機洗い可。シワになりやすいため、脱水は短めに。 | 干す際にシワをしっかり伸ばし、形を整えて干す。直射日光は色褪せの原因に。 |
特にデリケートなシルク素材は、手入れを誤ると生地が傷み、効果が半減してしまいます。洗濯表示を必ず確認し、丁寧に取り扱うことが長持ちの秘訣です。
交換の目安
ナイトキャップは消耗品です。長期間使用していると、素材が劣化したり、機能が低下したりします。 交換の目安としては、まず「ゴムの伸び」が挙げられます。
ゴムタイプの場合、ゴムが伸びてフィット感がなくなり、朝起きると脱げていることが多くなったら交換のサインです。
また、生地自体の「傷み」や「毛玉」、「ゴワつき」が目立ってきた場合も同様です。シルクの場合は、生地が薄くなったり、ツヤが失われたりしたら交換を検討しましょう。
清潔に洗濯していても、素材が劣化すれば吸湿性や肌触りは低下してしまいます。
メンズナイトキャップのデメリットと注意点
蒸れやかゆみの可能性
ナイトキャップのメリットとして保湿・保温効果を挙げましたが、これは裏返すと「蒸れやすい」というデメリットにもなり得ます。
特に汗をかきやすい体質の人や、皮脂分泌が多い人が、通気性の悪い素材(ポリエステルなど)のナイトキャップを使うと、キャップ内が多湿状態になり、かゆみやニオイ、雑菌の繁殖を引き起こす可能性があります。
対策としては、通気性・吸湿性に優れたシルクやコットン、麻などの天然素材を選ぶこと、そして何よりもこまめに洗濯して清潔を保つことが重要です。
締め付けによる不快感
サイズが合っていないナイトキャップ、特にゴムの締め付けが強すぎるものを使用すると、不快感で睡眠が妨げられることがあります。
額やこめかみが圧迫されることで頭痛が起きたり、朝起きるとゴムの跡がくっきり残ってしまったりすることもあります。
また、強すぎる締め付けは頭皮の血行を阻害する可能性もあり、育毛の観点からも望ましくありません。
購入時には必ず自分の頭囲を確認し、締め付けの強すぎないものを選ぶか、フィット感を調整できる紐タイプを選ぶようにしましょう。
効果を実感するまでの時間
「寝癖防止」に関しては、使用した翌朝から効果を実感できることが多いです。しかし、「髪質の改善」や「頭皮環境の安定」、「抜け毛の軽減」といった効果は、すぐには現れません。
これらはナイトキャップによる「ダメージの蓄積を防ぐ」効果によって、時間をかけて徐々に現れるものです。
数日使っただけで「効果がない」と判断せず、まずは数週間から1ヶ月程度、継続して使用してみることが大切です。
日々の小さなダメージを防ぎ続けることが、将来の健康な髪と頭皮に繋がります。
すべてのの人に合うとは限らない
多くのメリットがあるナイトキャップですが、残念ながらすべての人に合うとは限りません。
極端に暑がりな人や、頭部に何かをかぶって寝ることに強い違和感を覚える人は、かえって睡眠の質を下げてしまう可能性があります。
また、特定の素材に対してアレルギーがある場合も使用は困難です。 まずは試してみて、不快感が強いようであれば無理に続ける必要はありません。
その場合は、枕カバーをシルクなどの摩擦の少ない素材に変えるなど、別のアプローチを検討するのも一つの方法です。
よくある悩みと対策案
| 悩み | 考えられる原因 | 対策案 |
|---|---|---|
| 蒸れる・かゆい | 素材が合わない (通気性が悪い)。洗濯不足。汗をかきやすい。 | 通気性の良い素材 (コットン、麻、シルク) に変える。こまめに洗濯する。 |
| 朝起きると脱げている | サイズが合っていない (ゆるい)。寝相が激しい。 | サイズを見直す (小さめにする)。フィット感を調整できる紐タイプに変える。 |
| 頭が痛い・跡がつく | サイズが合っていない (きつい)。ゴムが強すぎる。 | 締め付けの弱いもの、ゴム幅が広いもの、大きめサイズを選ぶ。紐タイプで調整する。 |
ナイトキャップ使用と併せて行いたいヘアケア
正しいシャンプーの方法
ナイトキャップで頭皮環境を守る以前に、日々の汚れを正しく落とすことが基本です。ナイトキャップの効果を最大限に活かすためにも、正しいシャンプーを心がけましょう。
重要なのは「頭皮を洗う」意識です。まず、お湯で髪と頭皮をしっかり予洗いし、汚れの大半を落とします。
次に、シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗います。爪を立ててゴシゴシ洗うのは、頭皮を傷つけるため厳禁です。
最後に、シャンプー剤が残らないよう、すすぎは時間をかけて丁寧に行いましょう。
シャンプー後の頭皮保湿
シャンプー後の頭皮は、汚れと共に必要な皮脂も洗い流され、乾燥しやすい状態になっています。顔を洗った後に化粧水をつけるのと同様に、頭皮にも保湿が必要です。
育毛剤や頭皮用ローション(スカルプローション)は、このタイミングで使用するのが効果的です。タオルドライで髪の水分をしっかり取った後、頭皮に直接塗布し、指の腹で優しくなじませます。
これにより頭皮に潤いを与え、乾燥を防ぎ、健やかな環境を整えます。その後、ドライヤーでしっかり乾かしてからナイトキャップを着用しましょう。
バランスの取れた食生活
髪は、私たちが食べたものから作られています。外側からのケア(ナイトキャップや育毛剤)と同時に、内側からのケア、すなわち栄養バランスの取れた食生活が非常に重要です。
髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)はもちろん、その合成を助ける亜鉛、頭皮の健康を保つビタミン類などを意識して摂取することが大切です。
髪の健康に必要な栄養素 (例)
| 栄養素 | 主な役割 | 多く含む食品 (例) |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分 (ケラチン) の材料となる。 | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
| 亜鉛 | タンパク質を髪(ケラチン)に合成するのを助ける。 | 牡蠣、レバー、牛肉 (赤身)、ナッツ類 |
| ビタミンB群 | 頭皮の新陳代謝を促し、皮脂のバランスを整える。 | 豚肉、レバー、うなぎ、青魚、納豆 |
これらの栄養素を偏りなく摂取し、髪が育つための土台を体の中から作りましょう。
適度な運動と睡眠
ナイトキャップは睡眠中のケアですが、その睡眠自体の「質」も髪の成長に大きく関わっています。髪の成長を促す「成長ホルモン」は、深い睡眠中に最も多く分泌されます。
質の良い睡眠をとるためには、日中の適度な運動が効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、全身の血行を促進し、頭皮への血流改善にも繋がります。
また、ストレス解消にも役立ちます。 規則正しい生活を送り、質の良い睡眠を確保すること。これが、ナイトキャップの効果をさらに高めることに繋がります。
Q&A
- ナイトキャップをかぶると逆に蒸れてハゲませんか?
-
ナイトキャップをかぶること自体が、直接的な薄毛(ハゲ)の原因になることは考えにくいです。しかし、使い方を誤ると頭皮環境を悪化させる可能性はあります。
例えば、通気性の悪い化学繊維のものを使い、汗をかいても洗濯せずに使い続けると、キャップ内部が蒸れて雑菌が繁殖し、炎症やかゆみを引き起こすことがあります。
これが頭皮環境の悪化に繋がり、抜け毛に影響を与えることはあり得ます。
対策として、吸湿性・通気性に優れたシルクやコットン素材を選び、こまめに洗濯して清潔を保つことが非常に重要です。
正しく使えば、むしろ頭皮の乾燥を防ぎ、環境を整える助けになります。
- どのくらいの期間使えば効果が出ますか?
-
効果の実感には個人差があり、何を目的とするかによって異なります。 「寝癖の防止」や「朝の髪のまとまりやすさ」といった効果は、早ければ使用した翌朝から実感できることが多いです。
一方で、「髪質の改善(パサつきの軽減、ツヤの向上)」や「頭皮環境の安定(フケやかゆみの軽減)」、「摩擦による抜け毛の減少」といった効果は、日々のダメージ蓄積を防ぐことによって徐々に現れるものです。
これらは髪の生え変わりのサイクルや、頭皮のターンオーバーとも関連するため、最低でも1ヶ月から3ヶ月程度は継続して使用し、様子を見ることをおすすめします。
- 短髪でも使う意味はありますか?
-
はい、短髪(ショートヘアやベリーショート)の人にもナイトキャップを使うメリットはあります。
髪が短くても、枕との摩擦によって頭皮が擦れることはありますし、頭皮の乾燥も起こります。
ナイトキャップは、短髪の人の「頭皮ケア」として有効です。頭皮の保湿、保温による血行サポート、摩擦からの保護といった効果が期待できます。
また、短髪でも前髪やトップが寝癖で浮いてしまうという悩みを持つ人は多いです。ナイトキャップで髪の流れを固定することで、寝癖を抑える効果も期待できます。
- 洗濯はどのくらいの頻度ですべきですか?
-
ナイトキャップは、睡眠中にかいた汗や頭皮から分泌される皮脂を吸収します。汚れたまま使い続けると雑菌の温床となり、頭皮トラブルの原因になりかねません。
理想的な洗濯頻度は、枕カバーと同じか、それ以上です。可能であれば毎日、少なくとも2~3日に一度は洗濯することをおすすめします。
特に汗をかきやすい夏場や、脂性肌(オイリー肌)の人は、毎日洗うのが望ましいです。清潔を保つために、洗い替えとして2~3枚をローテーションで使うと良いでしょう。
- 育毛剤と併用しても大丈夫ですか?
-
はい、全く問題ありません。むしろ、併用をおすすめします。 育毛剤を使用する際の注意点は、育毛剤を頭皮に塗布した後、すぐにナイトキャップをかぶらないことです。
育毛剤が頭皮の角質層へしっかり浸透し、頭皮表面が乾いた状態になってからナイトキャップを着用してください。
これにより、育毛剤の成分がナイトキャップや枕に付着してしまうのを防ぎ、頭皮に留まるのを助ける効果も期待できます。
また、ナイトキャップで頭皮環境を良好に保つことは、育毛剤が働きやすい環境をサポートすることにも繋がります。
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