頭皮のフケやかゆみ、そして気になる抜け毛。これらは単なる頭皮トラブルではなく、粃糠性脱毛症のサインかもしれません。
この脱毛症は、特徴的なフケや頭皮の炎症を伴い、放置すると薄毛が進行する可能性があります。
この記事では、粃糠性脱毛症の具体的な症状と、ご自身で確認できるセルフチェックの方法を詳しく解説します。早期発見と適切な対応のために、まずはご自身の頭皮の状態を正しく把握することが大切です。
粃糠性脱毛症の3大症状 – フケ・かゆみ・抜け毛の特徴

粃糠性脱毛症は、主に「フケ」「かゆみ」「抜け毛」という3つの代表的な症状が現れます。これらの症状は、それぞれ特徴的な様相を呈し、他の頭皮トラブルとは異なる点があります。
これらのサインを見逃さず、早期に認識することが、進行を食い止めるための第一歩です。
特に、これらの症状が複合的に、かつ持続的に現れる場合は注意が必要です。頭皮の乾燥や炎症がこれらの症状を悪化させることもあります。
特徴的なフケの出現
粃糠性脱毛症のフケは、一般的なフケとは質や量が異なります。乾燥した細かいフケが大量に発生することが多く、肩や枕に白い粉が付着することで気づくことがあります。
このフケは、頭皮のターンオーバーが異常に早まることで生じます。毛穴周辺にもフケが付着し、毛穴を塞いでしまうこともあります。
フケの色と形状
フケは通常、白から黄色みを帯びた色をしています。乾燥した細かい粉状のものから、やや湿り気を帯びた大きな塊まで様々です。
特に、脂漏性皮膚炎を併発している場合は、黄色っぽくベタついたフケが見られることもあります。この細かいフケが頭皮全体に広がるのが特徴です。
我慢できない頭皮のかゆみ
強いかゆみも粃糠性脱毛症の典型的な症状の一つです。このかゆみは、頭皮の乾燥や炎症、さらにはフケの原因ともなるマラセチア菌の増殖によって引き起こされると考えられています。
かゆみのために頭皮を掻きむしると、炎症が悪化し、さらに抜け毛を助長する悪循環に陥ることがあります。
かゆみの発生部位と程度
かゆみは頭皮全体に広がることもあれば、特定の部位、例えば生え際や頭頂部に強く現れることもあります。
初期には軽微なかゆみでも、症状が進行するにつれて我慢できないほどの強いかゆみに発展することがあります。シャンプー後にかゆみが増す場合は、シャンプーが合っていない可能性も考慮します。
脱毛の進行と毛髪の変化
粃糠性脱毛症では、フケやかゆみといった頭皮環境の悪化に伴い、抜け毛が増加します。初期には細く短い毛が抜け始め、次第に太く健康な毛も抜けるようになります。
脱毛のパターンは、頭部全体にびまん性に見られることが多いですが、男性型脱毛症(AGA)を併発している場合は、生え際や頭頂部から薄毛が進行することもあります。
毛穴の炎症が続くと、毛根がダメージを受け、毛髪の成長サイクルが乱れて脱毛に至ります。
抜け毛の量と質の変化の比較
項目 | 初期の抜け毛 | 進行期の抜け毛 |
---|---|---|
量 | やや増加、洗髪時やブラッシング時に目立つ | 明らかに増加、枕や衣服にも多く付着 |
質 | 細く短い毛、弱々しい毛が多い | 太く長い毛も混じる、毛根が小さい場合がある |
頭皮の状態 | 乾燥、細かいフケ、軽度のかゆみ | 著しい乾燥、大量のフケ、強いかゆみ、赤み |
通常のフケとは違う – 粃糠性脱毛症特有のフケの見分け方
フケは誰にでも起こりうる生理現象ですが、粃糠性脱毛症のフケには特有の特徴があります。これを見分けることが、早期発見につながります。
通常のフケは、頭皮の乾燥や新陳代謝によって生じる一時的なものであることが多いのに対し、粃糠性脱毛症のフケは持続的かつ大量に発生する傾向があります。
フケの量と大きさによる判別
粃糠性脱毛症のフケは、量が非常に多いのが特徴です。肩にパラパラと落ちる程度ではなく、頭皮全体を覆うように大量のフケが見られます。また、フケの大きさもポイントです。
非常に細かい、粉雪のようなフケが特徴的ですが、時には大きな鱗屑(りんせつ)状になることもあります。

フケの量と特徴
フケの種類 | 量 | 特徴 |
---|---|---|
通常のフケ(乾性) | 少量~中程度 | 乾燥した季節やシャンプーの変更時に一時的に増加、細かい白い粉状 |
通常のフケ(脂性) | 少量~中程度 | やや黄色みを帯び、ベタつく、頭皮の皮脂分泌が多い人に見られる |
粃糠性脱毛症のフケ | 大量 | 非常に細かい乾燥した白い粉状、または薄い鱗屑状、頭皮全体に広がる、持続的 |
フケの質 – 乾燥しているか湿っているか
粃糠性脱毛症のフケは、主に乾燥した細かいものが主体です。触るとカサカサしており、頭皮全体の乾燥感を伴います。
ただし、脂漏性皮膚炎を合併している場合は、フケが黄色みを帯びて湿っぽく、ベタつくこともあります。この場合、マラセチア菌の関与が強く疑われます。
フケと頭皮の色の関連性
フケが多い部分の頭皮は、炎症を起こして赤みを帯びていることがよくあります。
健康な頭皮は青白い色をしていますが、粃糠性脱毛症では頭皮が乾燥し、バリア機能が低下するため、外部からの刺激に敏感になり、炎症や赤みが生じやすくなります。
フケと赤みが同時に見られる場合は、注意が必要です。
頭皮の赤み・炎症が示すサインを見逃さない

頭皮の赤みや炎症は、粃糠性脱毛症が進行している重要なサインです。これらは単なる肌荒れではなく、毛髪の成長環境が悪化していることを示しています。
頭皮の炎症はかゆみを引き起こし、掻くことでさらに悪化するという悪循環を生むため、早期の対応が大切です。
赤みの範囲と強さ
初期には部分的な軽い赤みでも、進行すると頭皮全体に広がり、色も鮮やかな赤色や暗赤色になることがあります。特にフケが多い部分や、かゆみが強い部分に赤みが集中する傾向があります。
鏡を使って頭皮全体をチェックし、赤みの範囲や強さを確認しましょう。
炎症に伴うその他の症状 – 湿疹やヒリヒリ感
炎症が強くなると、赤みだけでなく、湿疹や小さなブツブツ、じゅくじゅくとした滲出液(しんしゅつえき)が見られることもあります。また、頭皮がヒリヒリしたり、触れると痛みを感じたりすることもあります。
これらの症状は、頭皮のバリア機能が著しく低下している証拠であり、皮膚科専門医への相談を検討すべき状態です。
頭皮の炎症サイン
- 広範囲にわたる赤み
- 触れると熱感がある
- 小さなブツブツや湿疹
- ヒリヒリとした刺激感や痛み
- じゅくじゅくとした滲出液
マラセチア菌と炎症の関係
頭皮の常在菌であるマラセチア菌は、皮脂を栄養源として増殖します。粃糠性脱毛症では、頭皮環境の悪化によりマラセチア菌が異常繁殖しやすく、これが炎症を引き起こす一因となります。
マラセチア菌はフケの原因ともなり、炎症を伴うフケやかゆみがある場合は、この菌の関与を疑います。適切なシャンプー選びや頭皮ケアで、菌のバランスを整えることが重要です。
抜け毛の本数と質で判断する危険度チェック

抜け毛は誰にでも起こりますが、その本数や質に変化が見られたら注意が必要です。粃糠性脱毛症では、頭皮環境の悪化が毛根に影響を与え、抜け毛の量が増加したり、毛髪が細くなったりします。
1日の抜け毛の正常範囲との比較
健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜けます。
しかし、洗髪時や朝起きた時の枕元の抜け毛が明らかに増え、1日に150本を超えるような状態が続く場合は、何らかの脱毛症が進行している可能性があります。
抜け毛の本数を正確に数えるのは難しいですが、以前との比較で「明らかに増えた」と感じるかどうかが一つの目安です。
抜け毛の本数目安
状態 | 1日の抜け毛本数(目安) | 注意点 |
---|---|---|
正常範囲 | 50~100本 | 季節の変わり目などで一時的に増えることも |
注意が必要 | 100~150本 | 持続する場合は頭皮環境のチェックを |
危険信号 | 150本以上 | 脱毛症の可能性。皮膚科医に相談を推奨 |
抜けた毛の毛根の状態を確認する
抜けた毛の毛根を観察することも、頭皮の状態を知る手がかりになります。健康な毛根は、マッチ棒の先端のように丸く膨らんでおり、白い半透明の組織(毛包)が付着しています。
しかし、毛根が細く尖っていたり、黒ずんでいたり、毛包が付着していなかったりする場合は、毛髪の成長サイクルに異常が生じている可能性があります。
特に、毛根に皮脂やフケが付着している場合は、毛穴の環境が悪化しているサインです。
細い毛や短い毛の割合の増加
抜け毛の中に、細くて短い、いわゆる「うぶ毛」のような毛の割合が増えてきたら注意が必要です。
これは、毛髪が十分に成長する前に抜けてしまっていることを示しており、毛周期の乱れや毛母細胞の活力低下が考えられます。
粃糠性脱毛症では、頭皮の炎症や栄養不足により、毛髪が細く弱々しくなる傾向があります。
症状の進行パターン – 初期から重症化までの変化
粃糠性脱毛症は、放置すると徐々に症状が進行し、頭皮環境が悪化していきます。初期のサインを見逃さず、適切な対応をすることで、重症化を防ぐことが可能です。
進行パターンを理解し、自身の状態を客観的に把握しましょう。
初期症状 フケの増加と軽度のかゆみ

最も初期に現れる症状は、乾燥した細かいフケの増加です。以前よりもフケが目立つようになり、肩や衣服に白い粉が付着することが増えます。同時に、頭皮に軽いかゆみを感じることもあります。
この段階では、まだ抜け毛はそれほど目立たないことが多いですが、頭皮の乾燥が始まっています。
中期症状 フケの大量発生、強いかゆみ、赤み、抜け毛の増加
症状が進行すると、フケはさらに大量になり、頭皮全体を覆うようになります。
かゆみも強くなり、我慢できずに掻きむしってしまうことも。掻くことで頭皮が傷つき、炎症が悪化し、赤みが目立つようになります。
この頃から、抜け毛も明らかに増え始め、洗髪時やブラッシング時にごっそりと毛が抜けるのを感じるようになります。毛穴の詰まりや炎症が目立ち始めるのもこの時期です。
中期症状のチェックポイント
症状 | 初期との比較 | 具体的な状態 |
---|---|---|
フケ | 明らかに大量 | 頭皮全体を覆う、細かい粉状または鱗屑状 |
かゆみ | 非常に強い | 我慢できないほど、常に気になる |
頭皮の赤み | 広範囲で目立つ | 炎症を起こし、熱感を持つことも |
抜け毛 | 明らかに増加 | 細い毛だけでなく、太い毛も抜ける |
重症期 脱毛の明確な進行、頭皮の硬化

さらに症状が進行し重症化すると、脱毛が明確に認識できるようになります。頭皮全体が薄くなるびまん性の脱毛や、特定の部位の薄毛が目立ってきます。
長期間の炎症により頭皮が硬くなり、血行不良も深刻化します。この段階になると、セルフケアだけでの改善は難しく、専門的な治療が必要です。
毛根へのダメージが蓄積し、毛髪の再生能力が低下している可能性も考えられます。
部位別に見る症状の現れ方 – 生え際・頭頂部・側頭部の違い

粃糠性脱毛症の症状は、頭皮全体に現れることが多いですが、特に症状が出やすい部位や、部位によって症状の現れ方に違いが見られることがあります。
ご自身の頭皮を観察する際の参考にしてください。
生え際(前頭部)のフケと後退
生え際は、皮脂の分泌が比較的多い部位であり、フケが付着しやすい場所です。特に額の生え際に細かいフケが目立ち、かゆみを伴うことがあります。
粃糠性脱毛症が進行し、男性型脱毛症(AGA)を併発している場合、生え際の後退が顕著になることがあります。フケや炎症が毛根に悪影響を与え、AGAの進行を早める可能性も指摘されています。
頭頂部のフケ、かゆみ、薄毛
頭頂部も皮脂腺が多く、また血行が悪くなりやすい部位であるため、粃糠性脱毛症の症状が出やすい場所の一つです。大量のフケ、強いかゆみ、そして頭皮の赤みが顕著に現れることがあります。
進行すると、頭頂部の髪のボリュームが減少し、地肌が透けて見えるようになります。つむじ周りから薄毛が広がることも特徴的です。
部位別症状の比較
部位 | 主な症状 | 特徴的な変化 |
---|---|---|
生え際 | 細かいフケ、かゆみ、赤み | AGA併発の場合、後退が目立つことがある |
頭頂部 | 大量のフケ、強いかゆみ、赤み、薄毛 | 地肌が透けて見える、つむじ周りのボリューム低下 |
側頭部・後頭部 | フケ、かゆみ(比較的軽度な場合も) | AGAの影響を受けにくいが、全体的な乾燥やフケは見られる |
側頭部・後頭部の乾燥とフケ
側頭部や後頭部は、一般的にAGAの影響を受けにくい部位とされていますが、粃糠性脱毛症の場合はこれらの部位にも症状が現れます。
特に頭皮全体の乾燥が顕著な場合、側頭部や後頭部にも細かいフケやかゆみが生じます。シャンプーのすすぎ残しや、整髪料の刺激なども影響することがあります。
セルフチェックシート – 今すぐ確認できる10項目

ご自身の頭皮の状態を客観的に把握するために、以下のセルフチェックシートを活用しましょう。当てはまる項目が多いほど、粃糠性脱毛症の可能性が高まります。
粃糠性脱毛症セルフチェックリスト
- 最近、肩や枕に細かい白いフケがよく付着する。
- 頭皮が乾燥していて、カサカサした感じがする。
- 我慢できないほどの強いかゆみが頭皮にある。
- 頭皮を掻くと、フケがポロポロと大量に落ちる。
- 頭皮の一部または全体が赤みを帯びている。
- 洗髪時やブラッシング時の抜け毛が以前より明らかに増えた。
- 抜けた毛に、細くて短い毛が多く混じっている。
- 頭皮を触ると、ブツブツしたり、ヒリヒリしたりすることがある。
- 特定のシャンプーを使うと、かゆみやフケが悪化する気がする。
- 毛穴の周りにフケが付着していたり、毛穴が詰まっている感じがする。
これらの項目に複数当てはまる場合は、一度皮膚科専門医に相談することをお勧めします。
特に「大量のフケ」「強いかゆみ」「抜け毛の増加」「頭皮の赤み」が同時に見られる場合は、早めの対応が重要です。
チェック結果の評価目安
チェック数 | 状態の目安 | 推奨される対応 |
---|---|---|
0~2個 | 現在のところ大きな問題はなさそう | 引き続き正しい頭皮ケアを心がける |
3~5個 | 初期症状の可能性あり | 生活習慣やシャンプーの見直し、経過観察 |
6個以上 | 粃糠性脱毛症の可能性が高い | 皮膚科専門医への相談を強く推奨 |
症状の記録方法 – 写真と日記で経過を追う
症状の変化を客観的に把握し、医師に正確に伝えるためには、症状を記録することが有効です。写真と日記を活用して、頭皮の状態を経時的に記録しましょう。
頭皮の写真を定期的に撮影する

スマートフォンのカメラなどを利用して、頭皮の状態を定期的に撮影します。特にフケの量、赤みの範囲や強さ、薄毛の気になる部分を中心に、同じ照明条件下で撮影すると比較しやすくなります。
生え際、頭頂部、側頭部など、複数の角度から撮影しておくと良いでしょう。撮影日は必ず記録してください。
写真撮影のポイント
- 明るい場所で撮影する(フラッシュは反射に注意)
- 同じ角度、同じ距離から撮影するよう心がける
- 気になる部分(フケ、赤み、薄毛)を接写する
- 最低でも1週間に1回程度、定期的に撮影する
症状日記をつける際のポイント
日々の症状の変化や、気づいたことを日記形式で記録します。以下の項目を参考に記録すると、後で見返したときや医師に説明する際に役立ちます。
記録しておきたい項目
項目 | 記録内容の例 |
---|---|
日付 | 202X年X月X日 |
フケの状態 | 細かいフケが多い、量は昨日と同じくらい、シャンプー後は少し減った気がする |
かゆみの程度 | 10段階中7程度、特に夜間にかゆみが強い、掻いてしまった |
頭皮の赤み | 頭頂部と生え際に赤みあり、昨日より少し濃い |
抜け毛の量 | 洗髪時に排水溝にたまる毛が多い、枕にも数本 |
使用したシャンプー・ケア用品 | 〇〇シャンプー、△△育毛剤 |
体調・生活習慣の変化 | 睡眠不足、ストレスを感じることが多かった |
その他気づいたこと | 頭皮が少しヒリヒリする |
これらの記録は、ご自身の症状のパターンを把握するのに役立つだけでなく、皮膚科を受診した際に、医師が診断を下し、適切な治療法を選択するための重要な情報となります。
医療機関を受診すべきタイミングの見極め方

セルフケアで改善が見られない場合や、症状が悪化している場合は、自己判断せずに皮膚科専門医を受診することが大切です。
受診のタイミングを見極めるポイントを解説します。
セルフケアで改善しない、または悪化する場合
市販のフケ用シャンプーや育毛剤を試したり、生活習慣を見直したりしても、1ヶ月程度でフケ、かゆみ、抜け毛などの症状が改善しない、あるいは悪化しているように感じる場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
特に、症状が急速に進行している場合は早めの対応が必要です。
強いかゆみや炎症、大量の脱毛が続く場合
日常生活に支障が出るほどの強いかゆみ、広範囲にわたる頭皮の赤みや炎症、明らかな大量の脱毛が2週間以上続く場合は、専門的な治療が必要なサインです。
我慢したり放置したりすると、症状がさらに悪化し、治療が難しくなる可能性があります。
受診を検討すべき症状の例
症状 | 具体的な状態 |
---|---|
フケ | シャンプーを変えても改善せず、常に大量に出る |
かゆみ | 夜も眠れないほど強い、掻きむしってしまう |
炎症・赤み | 頭皮全体が赤く、ヒリヒリする、湿疹やじゅくじゅくした部分がある |
脱毛 | 毎日ごっそり抜け、地肌が明らかに透けて見えるようになった |
診断を確定し、適切な治療を受けるために
粃糠性脱毛症は、脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬など、他の皮膚疾患と症状が似ている場合があります。自己判断で誤ったケアを続けると、症状を悪化させることもあります。
皮膚科専門医による正確な診断のもと、個々の症状や原因に合わせた適切な治療を受けることが、改善への最も確実な道です。
医師は、頭皮の状態を詳細に診察し、必要に応じて検査を行い、マラセチア菌の有無や炎症の程度などを評価します。
よくある質問
今回の記事では、粃糠性脱毛症の「症状」と「セルフチェック」に焦点を当てて解説しました。
しかし、この脱毛症をより深く理解し、根本的な対策を考えるためには、その「原因」や「検査法」について知ることも非常に重要です。
頭皮環境が悪化する背景には何があるのか、医療機関ではどのような検査を行うのか、といった情報は、今後の治療方針を決定する上でも役立ちます。
「粃糠性脱毛症の原因と検査法」の記事で、これらの点について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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