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秋の抜け毛はなぜ増えるのか|女性が知っておくべき季節性脱毛の仕組み

秋の抜け毛はなぜ増えるのか|女性が知っておくべき季節性脱毛の仕組み

秋になると、ふと気づけば抜け毛が増えていると感じる女性が多いようです。

「ブラッシングやシャンプーのたびに、ごっそり髪の毛が抜けて不安…」といった悩みを相談に来られる方もいらっしゃいます。

この記事では、なぜ秋に抜け毛が増えるのか、その背景にある季節性脱毛の仕組みと対策を詳しく解説します。

目次

秋に抜け毛が増えるのはなぜ?季節性脱毛の基礎知識

秋に抜け毛が増える現象は「季節性脱毛」とも呼ばれ、多くの人が経験するものです。しかし、その原因や背景を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。

はじめに、季節の変わり目と髪の毛の関係や、女性ホルモンの影響など、基本的な知識を確認していきましょう。

季節の変わり目と髪の毛の関係

人間も動物の一種であり、季節の変化に合わせて体毛が生え変わる名残があると考えられています。

特に、春から夏にかけては紫外線などから頭皮を守るために毛量が増加し、秋になるとその役目を終えた髪の毛が抜けやすくなるという説があります。

また、気温や湿度の変化も頭皮環境に影響を与え、抜け毛の一因となる場合があります。

女性ホルモンと抜け毛の関連性

女性の髪の毛の健康は、女性ホルモンと深く関わっています。なかでもエストロゲンは、髪の成長を促進してハリやコシを保つ働きがあります。

しかし、ホルモンバランスはストレスや生活習慣、加齢などによって変動しやすく、これが乱れるとヘアサイクルに影響が出て抜け毛が増えやすいです。

秋は夏の疲れが出やすい時期でもあり、ホルモンバランスが不安定になることも考えられます。

女性ホルモンと髪の健康

ホルモン名主な働き髪への影響
エストロゲン卵胞ホルモン。女性らしさを作るホルモン。髪の成長を促進、ハリ・ツヤを保つ。減少すると抜け毛や薄毛の原因に。
プロゲステロン黄体ホルモン。妊娠を維持する働き。エストロゲンの働きを補助。バランスが重要。

夏のダメージが秋に影響する理由

夏の間、私たちの髪と頭皮は強い紫外線や汗、皮脂の過剰分泌や冷房による乾燥など、さまざまなダメージにさらされています。

これらのダメージが蓄積し、秋になってから一気に抜け毛として現れるときがあります。

特に紫外線は頭皮の細胞を傷つけ、毛根の働きを弱めるため、注意が必要です。

夏の主な頭皮ダメージ要因

ダメージ要因頭皮への影響結果として起こりうること
紫外線細胞の酸化、炎症、乾燥毛母細胞の機能低下、抜け毛、白髪
汗・皮脂毛穴の詰まり、雑菌の繁殖頭皮の炎症、かゆみ、フケ、抜け毛
冷房頭皮の乾燥、血行不良フケ、かゆみ、髪のパサつき、抜け毛

季節性脱毛は一時的なもの?

多くの場合、秋の抜け毛は一時的なもので、冬に向けて徐々に落ち着いてきます。

1日に抜ける髪の毛の本数は通常50本から100本程度ですが、秋にはこれが200本近くになるケースもあります。

しかし、抜け毛の量が極端に多い、あるいは長期間続くときは他の原因が隠れている可能性もあるため、専門医への相談を検討しましょう。

秋の抜け毛を加速させる意外な原因

季節的な要因だけでなく、日常生活に潜む意外な原因が秋の抜け毛をさらに悪化させることがあります。

生活習慣の乱れやストレス、間違ったヘアケアなどが頭皮環境を悪化させ、抜け毛を増やしてしまうのです。

生活習慣の乱れと頭皮環境

睡眠不足や不規則な食事、運動不足といった生活習慣の乱れは自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、頭皮の血行不良や栄養不足を招きます。

これにより、髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛が増える原因となります。

多くの方が実感しているかと思いますが、秋は夏の疲れを引きずりやすく、生活リズムが崩れがちなため注意が必要です。

生活習慣の乱れが頭皮に与える影響

生活習慣の乱れ体への影響頭皮・髪への影響
睡眠不足成長ホルモンの分泌低下、自律神経の乱れ毛母細胞の活性低下、血行不良、皮脂バランスの乱れ
不規則な食事栄養バランスの偏り、消化器系の負担増髪の成長に必要な栄養不足、頭皮環境の悪化
運動不足血行不良、基礎代謝の低下頭皮への栄養供給不足、老廃物の蓄積

ストレスが引き起こす髪への影響

現代社会においてストレスは避けられないものですが、過度なストレスは髪の健康に大きな影響を与えます。

ストレスは血管を収縮させ、頭皮の血行を悪化させます。また、ホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌を引き起こすときもあります。

これらの影響が複合的に作用し、抜け毛を促進してしまうのです。

  • 自律神経の乱れによる血行不良
  • ホルモンバランスの崩れ
  • 睡眠の質の低下
  • 免疫力の低下による頭皮トラブル

間違ったヘアケアと抜け毛リスク

良かれと思って行っているヘアケアが実は頭皮に負担をかけ、抜け毛の原因になっている方も見受けられます。

例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、ゴシゴシと力を入れた洗髪、ドライヤーの熱風を長時間当て続ける行為などは、頭皮を乾燥させたり傷つけたりする可能性があります。

食生活の偏りと栄養不足

髪の毛は主にタンパク質(ケラチン)でできており、その成長にはビタミンやミネラルといった栄養素も重要です。

偏った食生活や無理なダイエットは、これらの栄養素の不足を招き、健康な髪の毛の育成を妨げます。

なかでも亜鉛や鉄分、ビタミンB群などは髪の健康に深く関わっています。

髪の成長に必要な主な栄養素

栄養素主な働き多く含む食品例
タンパク質髪の主成分であるケラチンの材料肉類、魚介類、卵、大豆製品
亜鉛ケラチンの合成を助ける、細胞分裂を促進牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類
鉄分頭皮への酸素供給を助けるレバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき
ビタミンB群頭皮の新陳代謝を促進、皮脂バランスを整える豚肉、魚介類、緑黄色野菜、穀類

女性特有の抜け毛要因と秋の季節性脱毛

女性の抜け毛は、男性とは異なる特有の要因が絡み合っているケースがあります。

妊娠・出産や更年期といったライフステージの変化は、ホルモンバランスに大きな影響を与え、抜け毛の引き金になりやすいです。

これらの要因が秋の季節性脱毛と重なると、さらに抜け毛が気になることもあります。

産後の抜け毛と秋の抜け毛の違い

出産後数ヶ月で多くの女性が経験する「産後脱毛症」は、妊娠中に増加していた女性ホルモンが出産後に急激に減少するため起こります。

これは一時的なもので、通常は半年から1年程度で自然に回復します。

秋の季節性脱毛も一時的なものですが、原因やホルモンの変動パターンが異なります。

産後の抜け毛と秋の抜け毛が重なる時期は、特に抜け毛が多く感じるかもしれません。

更年期における髪の変化と秋の抜け毛

更年期(一般的に40代後半から50代前半)を迎えると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大幅に減少します。

エストロゲンは髪の成長を促す働きがあるため、その減少は髪のハリやコシの低下、髪が細くなる、抜け毛が増えるといった変化を引き起こします。

この時期に秋の季節性脱毛が加わると、薄毛の悩みが深刻化しがちです。

婦人科系疾患と抜け毛の可能性

甲状腺機能の異常(亢進症や低下症)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの婦人科系疾患や内分泌系の疾患が、抜け毛の原因となる場合があります。

これらの疾患はホルモンバランスに影響を与えるため、髪の毛の成長サイクルが乱れやすくなります。

通常の季節性脱毛とは異なる抜け毛のパターンや、他の体調不良が見られるときは、医療機関への相談を検討してください。

秋の抜け毛は「頭皮のSOS」

秋の抜け毛が増えるのはある程度自然なことですが、「いつものことだから」と安易に考えてしまうのは禁物です。

抜け毛は、あなたの頭皮が発している重要なサインかもしれません。

抜け毛の量だけでなく、頭皮の色や状態、かゆみやフケの有無、髪質の変化など他のサインにも目を向けることが大切です。これらは、単なる季節性の変化以上の問題を抱えている可能性を示唆しています。

抜け毛以外のサインに気づく

抜け毛の量だけに注目するのではなく、頭皮や髪全体の状態を観察することが重要です。

例えば、以前よりも頭皮が硬くなった、髪の分け目が目立つようになった、髪全体のボリュームが減ったなど、細かな変化に気づくのが早期対策の第一歩となります。

「秋だから仕方ない」と片付けず、これらのサインを見逃さないようにしましょう。

頭皮の色や状態でわかること

健康な頭皮は青白い色をしていますが、血行不良や炎症があると赤っぽくなったり、黄色っぽくくすんだりする場合があります。

また、頭皮が乾燥してカサカサしている、逆に脂っぽくベタついているなどの状態も、頭皮環境が悪化しているサインです。

鏡を使って定期的に頭皮の色や状態をチェックする習慣をつけましょう。

頭皮の状態チェックポイント

チェック項目健康な状態注意が必要な状態
頭皮の色青白い赤い、ピンク色、黄色っぽい、茶色っぽい
頭皮の潤い適度な潤いがある乾燥してカサカサ、脂っぽくベタつく
頭皮の硬さ指で動かすと適度に動く硬くて動かない、ブヨブヨしている

かゆみやフケが示す頭皮トラブル

頭皮のかゆみやフケは、乾燥や皮脂の過剰分泌、雑菌の繁殖やシャンプーのすすぎ残しなど、さまざまな原因で起こります。

これらは頭皮が炎症を起こしているサインであり、放置すると抜け毛を悪化させる可能性があります。

秋は空気が乾燥し始めるため頭皮も乾燥しやすく、かゆみやフケが出やすい季節でもあります。適切なケアで頭皮環境を整えましょう。

髪質の変化も重要な手がかり

「最近、髪が細くなった」「ハリやコシがなくなった」「うねりやすくなった」といった髪質の変化も、頭皮環境の悪化や栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどを示唆する重要な手がかりです。

髪の毛は健康のバロメーターとも言われます。髪質の変化に気づいたら、それは頭皮からのSOSかもしれません。

生活習慣を見直したり、ヘアケア方法を改善したりするきっかけにしましょう。

自宅でできる秋の抜け毛対策ケア

秋の抜け毛が気になり始めたら、まずは毎日のヘアケアや生活習慣の見直しから始めましょう。

正しいシャンプー方法と選び方

毎日のシャンプーは、頭皮環境を健やかに保つための基本です。しかし、間違った方法では逆効果になることもあります。

まず、シャンプー前にはブラッシングで髪の絡まりを解き、ホコリを浮かせます。

お湯で十分に予洗いした後、シャンプーを手のひらで泡立ててから髪と頭皮につけ、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。

すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけてていねいに洗い流すようにします。

秋の抜け毛対策シャンプー選びのポイント

ポイント説明選び方のコツ
洗浄成分頭皮への刺激が少ないアミノ酸系やベタイン系がおすすめ成分表示を確認し、ラウリル硫酸Naなどの強い洗浄成分を避ける
保湿成分乾燥しやすい秋の頭皮に潤いを与えるセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合されているものを選ぶ
頭皮ケア成分血行促進や抗炎症作用のある成分センブリエキス、グリチルリチン酸2Kなどが配合されているものを選ぶ

頭皮マッサージの効果とやり方

頭皮マッサージは頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。また、リラックス効果もあり、ストレス軽減にもつながります。

シャンプー時や、育毛剤をつける際に行うのがおすすめです。

指の腹を使い、頭皮全体を優しく揉みほぐすようにマッサージしましょう。強くこすりすぎると頭皮を傷つける可能性があるので注意が必要です。

  • 両手の指の腹で、生え際から頭頂部に向かって引き上げるようにマッサージする。
  • 側頭部を円を描くように優しく揉みほぐす。
  • 後頭部の首の付け根あたりを指圧する。

髪と頭皮に良い食事と栄養素

健康な髪を育むためには、バランスの取れた食事が重要です。

髪の主成分であるタンパク質、髪の成長を助ける亜鉛や鉄分、頭皮環境を整えるビタミン類などをとくに積極的に摂取しましょう。

インスタント食品やファストフードに偏らず、野菜や果物、海藻類なども取り入れた多様な食材からの栄養摂取を心がけてください。

質の高い睡眠と抜け毛予防

髪の毛は、私たちが眠っている間に分泌される成長ホルモンによって成長が促進されます。

睡眠不足や質の低い睡眠は成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の成長サイクルを乱す原因となります。

毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控える、カフェインの摂取を避けるなど、質の高い睡眠を確保するための工夫をしましょう。

秋の抜け毛予防に役立つ生活習慣の見直し

抜け毛の予防や改善には、日々の生活習慣の改善が非常に大切です。

適度な運動やストレスの管理、紫外線対策の継続、喫煙や過度な飲酒を控えるなど、少し意識を変えるだけで髪と頭皮の健康状態は大きく変わってきます。

適度な運動と血行促進

ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの適度な運動は、全身の血行を促進して頭皮にも十分な栄養と酸素を届ける助けとなります。

血行が良くなると毛母細胞の働きが活発になり、健康な髪の成長をサポートします。

運動はストレス解消にも繋がるため、心身両面から良い影響が期待できます。無理のない範囲で日常生活に運動を取り入れる習慣をつけましょう。

ストレス管理の重要性

過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血行不良やホルモンバランスの崩れを引き起こし、抜け毛の原因となります。

自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、上手にストレスを解消する工夫が大切です。

趣味の時間を楽しむ、ゆっくりと入浴する、瞑想やヨガを取り入れるなど、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。

紫外線対策の継続

夏ほど日差しが強くなくても、秋の紫外線も髪と頭皮には有害です。

紫外線は頭皮を乾燥させて毛母細胞にダメージを与えるため、抜け毛の原因となり得ます。

外出時には帽子をかぶる、日傘を使用する、髪用のUVカットスプレーを利用するなど、秋もしっかりと紫外線対策を継続する必要があります。日中の外出が多い方はとくに意識しましょう。

禁煙と飲酒習慣の見直し

喫煙は血管を収縮させ、頭皮の血行を著しく悪化させます。これにより、髪の毛に必要な栄養素が行き渡りにくくなり、抜け毛や薄毛を進行させる大きな原因となります。

また、過度な飲酒は肝臓に負担をかけ、髪の成長に必要なタンパク質の合成を妨げる可能性があります。

健康な髪のためにも禁煙を心がけ、飲酒は適量を守ると良いです。

喫煙・過度な飲酒が髪に与える悪影響

習慣体への影響髪への影響
喫煙血管収縮、ビタミンC破壊、活性酸素増加頭皮の血行不良、栄養不足、毛母細胞の老化促進
過度な飲酒肝機能低下、睡眠の質低下、栄養バランスの乱れタンパク質合成の阻害、成長ホルモン分泌抑制、亜鉛不足

専門クリニックでの抜け毛相談と治療の選択肢

セルフケアだけでは抜け毛の改善が見られない場合や、抜け毛の量が異常に多いと感じる場合は、専門のクリニックへの相談を検討しましょう。

医師による診断を受けると、抜け毛の正確な原因を特定して適切な治療法やアドバイスを受けられます。

専門医に相談するタイミング

「いつ相談すればいいの?」と迷う方もいるかもしれません。

以下のような場合は、いちど専門医に相談することをおすすめします。

  • 抜け毛が急に増え、数ヶ月以上続く場合
  • 頭皮にかゆみ、赤み、湿疹などの異常がある場合
  • 髪の毛が明らかに細くなったり、地肌が透けて見えるようになったりした場合
  • セルフケアを続けても改善が見られない場合

早期に相談したほうが、症状がひどくなってから受診するよりも効果的な対策を行えます。

クリニックで行う検査内容

クリニックでは、まず問診で生活習慣や既往歴、抜け毛の状態などを詳しく伺います。

その後、視診や触診で頭皮の状態を確認し、必要に応じてマイクロスコープを用いた頭皮チェックや血液検査などを行います。

これらの検査を通じて抜け毛の原因を多角的に分析し、一人ひとりに合った治療方針を立てます。

女性向けの薄毛治療法とは

女性の薄毛治療は、男性とは異なる方法での働きかけが必要です。

クリニックでは内服薬や外用薬による薬物治療、頭皮に直接有効成分を注入する治療(メソセラピーなど)、栄養指導や生活習慣改善のアドバイスなど、さまざまな選択肢があります。

医師と相談しながら、ご自身の状態や希望に合った治療法を選ぶのが基本です。

主な女性向け薄毛治療法

治療法概要期待できる効果
内服薬治療ミノキシジルタブレット、スピロノラクトンなどを使用発毛促進、抜け毛抑制
外用薬治療ミノキシジル配合の塗り薬などを使用頭皮の血行促進、発毛促進
注入治療(メソセラピーなど)成長因子やビタミンなどを頭皮に直接注入毛母細胞の活性化、頭皮環境改善
サプリメント・栄養指導髪に必要な栄養素を補給、食生活のアドバイス体内からの発毛サポート

治療法は個人の状態や体質によって異なります。必ず医師の診断のもと、適切な治療を選択しましょう。

治療期間と費用の目安

薄毛治療は、効果を実感するまでに一般的に3ヶ月から6ヶ月程度の期間が必要です。

治療法や症状の進行度によって、治療期間や費用は異なります。

初回のカウンセリングで、具体的な治療計画や費用の見積もりについて詳しく説明を受けられます。納得のいくまで医師と話し合い、治療を進めると良いでしょう。

よくある質問

秋の抜け毛はそこまで心配しすぎる必要はありませんが、生活習慣の乱れやライフステージの変化などが重なっている場合は注意が必要です。

また、1日200本以上の抜け毛が続くようであれば他の疾患が隠れている可能性もありますので、専門医を受診しましょう。

秋の抜け毛はいつまで続きますか?

一般的に、秋の季節性脱毛は1ヶ月から2ヶ月程度で自然に落ち着くことが多いです。

ただし、生活習慣の乱れやストレス、ホルモンバランスの変動など他の要因が重なっている場合は長引くケースもあります。

3ヶ月以上抜け毛が多い状態が続くようであれば、一度専門医にご相談ください。

サプリメントは効果がありますか?

髪の毛の成長に必要な栄養素(タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミン類など)のバランス良い摂取は、健康な髪を育むうえで重要です。

食生活だけで十分な栄養を摂るのが難しいときは、サプリメントで補うのも一つの方法です。

ただし、サプリメントはあくまで補助的なものであり、それだけで抜け毛が完全に治まるわけではありません。医師や専門家のアドバイスのもと、適切に活用しましょう。

抜け毛が多いと感じたら、まず何をすべきですか?

まずはご自身の生活習慣(睡眠、食事、ストレスなど)やヘアケア方法を見直してみてください。シャンプーの仕方を変えたり、頭皮マッサージを取り入れたりするのも良いでしょう。

それでも改善が見られないときや、抜け毛の量が急激に増えた場合は、早めに専門クリニックを受診することをおすすめします。

自己判断で間違ったケアを続けると、かえって症状を悪化させやすいため注意が必要です。

育毛剤と発毛剤の違いは何ですか?

育毛剤と発毛剤は目的が異なります。

育毛剤は、現在生えている髪の毛を健康に育て、抜け毛を予防することを目的としています。主に頭皮環境を整える成分や血行促進成分が含まれています。

一方、発毛剤は毛母細胞に働きかけて新しい髪の毛を生やすことを目的としており、ミノキシジルなどの発毛効果が認められた有効成分が配合されています。

どちらを使用すべきかは、ご自身の髪の状態や抜け毛の原因によって異なりますので、専門医に相談して適切なものを選ぶと良いでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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