ミノキシジル外用薬を使い始めた女性が気になる「浸透時間」。効果をしっかり得るためには、塗布後すぐにシャンプーや就寝をして良いのか悩みますよね。
ミノキシジルが頭皮に吸収される時間には個人差がありますが、一般的に塗布後、成分が頭皮に吸収され始めるまでには時間がかかります。
効果を最大限に引き出すには、塗布後最低でも4時間はシャンプーを控えることが推奨されます。また、就寝前は薬剤がしっかり乾いてから横になるのが理想です。
この記事では、ミノキシジルの吸収時間や浸透の仕組み、塗布後のシャンプーや就寝の適切なタイミング、そして効果を高める正しい使い方について、女性の視点に立って詳しく解説します。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
ミノキシジルが浸透するまでの時間と吸収の仕組み
ミノキシジル外用薬が頭皮に浸透し、吸収されるまでには一定の時間が必要です。一般的に、塗布したミノキシジルが頭皮の内部に十分に取り込まれるには数時間かかると考えられています。
この浸透と吸収の仕組みを理解することが、育毛効果を実感するための第一歩となります。
ミノキシジルとは?女性の薄毛治療への役割
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、後に発毛効果があることがわかり、薄毛治療薬として再開発されました。
特に女性の薄毛(女性型脱毛症、FAGA)治療において、ミノキシジル外用薬は日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されている成分です。
女性の薄毛は、ホルモンバランスの変化やストレス、生活習慣など様々な要因が絡み合って起こります。
ミノキシジルは、頭皮の毛細血管を拡張させて血流を改善し、毛母細胞に直接働きかけて毛髪の成長(成長期)を促し、維持する作用が期待できます。
女性の場合、男性とは推奨される濃度が異なることがあり、一般的に低濃度の製品から使用を開始します。
浸透と吸収の違いを理解する
育毛剤の文脈で使われる「浸透」と「吸収」は、似ているようで少し意味が異なります。「浸透」は、薬剤が皮膚の表面(角質層)を通過して内部に入っていくことを指します。
一方、「吸収」は、浸透した薬剤がさらに奥深く、毛細血管などに取り込まれて体内に作用する状態を指します。
ミノキシジルが発毛効果を発揮するためには、まず頭皮の角質層を「浸透」し、毛包(毛根を包む組織)に到達し、そこから「吸収」されて毛母細胞に働きかける必要があります。
この2つの段階を経るため、塗布してから効果が出るまでには時間がかかります。
ミノキシジル外用薬の吸収にかかる時間
ミノキシジルが頭皮からどれくらいの時間で吸収されるかについては、明確なデータが示されているわけではありませんが、一般的に塗布された薬剤の多くは数時間かけてゆっくりと吸収されると考えられています。
海外の研究などでは、塗布後1時間で約50%、4時間で約75%が吸収されるといった報告もありますが、これはあくまで目安です。
重要なのは、塗布直後に洗い流してしまうと、十分な量が吸収されずに効果が減少してしまう可能性があることです。そのため、塗布後は一定時間、頭皮に薬剤をとどめておく必要があります。
頭皮の状態と吸収効率
ミノキシジルの吸収効率は、頭皮の状態によって大きく左右されます。頭皮が清潔で、余分な皮脂や汚れがない状態の方が、薬剤は浸透しやすくなります。
逆に、皮脂が毛穴を塞いでいたり、フケやかさぶたがあったりすると、薬剤の浸透が妨げられる可能性があります。
また、頭皮の血行も関係します。血行が良いと、吸収された成分が毛母細胞に効率よく運ばれます。
ただし、頭皮に傷や炎症がある場合は、薬剤が過剰に吸収されたり、刺激になったりする可能性があるため、使用を控えるか医師に相談する必要があります。
ミノキシジル塗布後のシャンプーはいつから可能?
ミノキシジルを塗布した後にシャンプーをするタイミングは、効果を左右する重要なポイントです。
結論から言うと、塗布後すぐにシャンプーをするのは避け、成分が十分に頭皮に吸収されるまで待つ必要があります。一般的には、最低でも4時間程度の間隔を空けることが推奨されています。
なぜ塗布直後のシャンプーを避けるべきか
ミノキシジルは頭皮に塗布した後、時間をかけて角質層を通り抜け、毛包へと浸透・吸収されます。
塗布してすぐにシャンプーをしてしまうと、頭皮の表面や角質層に留まっている薬剤が、吸収される前に洗い流されてしまいます。
この状態では、せっかく塗布したミノキシジルの量が減ってしまい、本来期待できるはずの効果が得られなくなる可能性があります。
育毛効果を最大限に引き出すためには、薬剤が頭皮に作用する時間をしっかり確保することが大切です。
推奨されるシャンプーまでの待機時間
ミノキシジルの吸収時間に関するデータから、多くの専門家や製品の説明書では、塗布後最低でも4時間はシャンプーを控えるよう推奨しています。
可能であれば、さらに長い時間、例えば夜に塗布したら翌朝まで、朝に塗布したらその日の夜までシャンプーをしない方が、より多くの成分が吸収されると期待できます。
ただし、生活スタイルによっては難しい場合もあるでしょう。ご自身の生活リズムに合わせて、できるだけ4時間以上は洗い流さない時間を確保するよう心がけてください。
シャンプー前後の推奨される行動
ミノキシジルの効果を高めるためには、シャンプーのタイミングだけでなく、その前後の行動も重要です。以下の表を参考に、頭皮環境を整えましょう。
| タイミング | 推奨される行動 | 注意点 |
|---|---|---|
| ミノキシジル塗布前 | シャンプーで頭皮を清潔にする。 | 頭皮を傷つけないよう優しく洗い、しっかり乾かしてから塗布する。 |
| ミノキシジル塗布後 | 薬剤が乾くまで自然乾燥させる。 | ドライヤーの温風を直接当てると成分が蒸発する可能性があるため避ける。 |
| 塗布後4時間以降 | シャンプー(洗い流し)が可能になる。 | ゴシゴシ擦らず、優しく洗い流す。 |
シャンプーの際の注意点
ミノキシジル使用中にシャンプーをする際は、頭皮への刺激を最小限に抑えることが重要です。
洗浄力の強すぎるシャンプーは避け、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のシャンプーを選ぶとよいでしょう。
洗う時は、爪を立てずに指の腹を使って優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないよう十分に洗い流してください。頭皮環境を健やかに保つことが、ミノキシジルの効果をサポートします。
ミノキシジル塗布後の就寝タイミングと注意点
ミノキシジルを夜に塗布する場合、多くの方が気になるのが「塗布後すぐに寝ても良いのか」という点です。
薬剤が乾かないうちに寝具についてしまうと、効果が薄れるだけでなく、衛生面でも心配です。基本的には、塗布した薬剤がしっかりと乾いてから就寝するのが理想です。
塗布後すぐに寝ても大丈夫?
ミノキシジルを塗布した後、液剤が頭皮で乾くまでの時間は、使用量や気温、湿度によって異なりますが、一般的には30分から1時間程度かかると考えておくと良いでしょう。
塗布した直後、まだ頭皮が濡れている状態で寝てしまうのは避けるべきです。
薬剤が枕カバーやシーツに付着すると、その分、頭皮に吸収される量が減ってしまいます。また、衛生的にも好ましくありません。
就寝の1時間前、あるいはそれ以上前に塗布を済ませ、頭皮がサラッとした状態になってからベッドに入るようにしましょう。
ミノキシジルが枕につくことの影響
ミノキシジルが枕などの寝具に付着することによる主な影響は、効果の低下です。頭皮に吸収されるべき薬剤が寝具に移ってしまうため、期待される発毛効果が得られにくくなる可能性があります。
また、万が一、付着した薬剤がご家族など他の方の皮膚に触れた場合、意図しない作用(例えば、顔の産毛が濃くなるなど)を引き起こす可能性もゼロではありません。
特にペットや小さなお子様がいるご家庭では、取り扱いに注意が必要です。
就寝時の注意点まとめ
安心して休むために、就寝時の注意点をまとめました。少しの工夫で、効果の減少や寝具への付着を防ぐことができます。
| 項目 | 推奨される対策 | 理由 |
|---|---|---|
| 塗布のタイミング | 就寝の1〜2時間前に塗布を済ませる。 | 薬剤が乾く時間を十分に確保するため。 |
| 頭皮の乾燥確認 | 指で触れて、ベタつきがないか確認する。 | 濡れた状態での就寝を避けるため。 |
| 枕カバー | 専用の枕カバーを使うか、タオルを敷く。 | 万が一の付着を防ぎ、寝具を清潔に保つため。 |
就寝前の塗布で気をつけること
夜の時間はリラックスしているため、育毛ケアには適した時間帯です。しかし、お風呂上がりでバタバタしていると、塗布が雑になりがちです。
塗布量は守りつつ、液だれしないよう丁寧に頭皮に塗り、その後はテレビを見たり、読書をしたりして、髪が乾くまでの時間をゆったりと過ごすのがおすすめです。
薬剤が乾く前にドライヤーの温風を当てるのは成分に影響する可能性があるため、もしドライヤーを使う場合は冷風にしましょう。
ミノキシジルの塗布時間帯はいつが効果的?朝と夜どちら?
ミノキシジルの塗布時間帯について、1日2回(朝・夜)の使用を推奨する製品が多いですが、1日1回の製品もあります。
ご自身の使用する製品の用法・用量を守ることが基本ですが、朝と夜、それぞれの時間帯に塗布するメリットとデメリットを理解しておくと、生活スタイルに合わせて調整しやすくなります。
朝の塗布のメリットとデメリット
朝にミノキシジルを塗布するメリットは、日中の活動時間帯に薬剤が頭皮に作用することです。また、夜にシャンプーをする方にとっては、頭皮が清潔な状態で塗布できるという利点があります。
一方、デメリットとしては、朝の忙しい時間に塗布して乾かす時間を確保するのが難しい点が挙げられます。
また、薬剤が乾く前にスタイリング剤を使用すると、効果に影響が出たり、ベタつきが気になったりすることもあります。ヘアセットに時間がかかる、あるいは制限が出る可能性も考慮する必要があるでしょう。
夜の塗布のメリットとデメリット
夜の塗布は、多くの方にとって最も取り入れやすい時間帯です。
入浴後に頭皮を清潔にした状態で塗布でき、その後はリラックスして過ごす時間や睡眠時間中に、薬剤がじっくりと浸透・吸収されることが期待できます。
デメリットとしては、前述の通り、塗布後にしっかり乾かさないと寝具に薬剤が付着してしまう可能性がある点です。就寝時間から逆算して、早めの時間帯に塗布を済ませる習慣をつけることが大切です。
塗布時間帯(朝/夜)の比較
朝と夜の塗布にはそれぞれ特徴があります。ご自身の生活リズムやケアのしやすさを考えて、継続できる方法を選びましょう。
| 時間帯 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 朝 | 清潔な頭皮に塗布できる(夜シャンプーの場合)。日中に作用。 | 忙しい。乾燥時間が必要。スタイリングに影響が出る可能性。 |
| 夜 | 清潔な頭皮に塗布できる(夜シャンプーの場合)。時間を確保しやすい。睡眠中にじっくり浸透。 | 就寝までに乾燥させる必要がある(寝具への付着防止)。 |
1日1回と2回塗布の推奨と違い
ミノキシジル外用薬には、1日1回塗布の製品と1日2回塗布の製品があります。これは、含有されているミノキシジルの濃度や製剤によって異なります。
例えば、女性向け製品では1日1回の使用で効果が持続するように設計されているものもあります。
必ずご自身が使用している製品の説明書(添付文書)を確認し、指定された回数と量を守ってください。
1日1回用のものを2回使ったり、2回用のものを1回に減らしたりすると、期待した効果が得られないだけでなく、副作用のリスクが高まる可能性もあります。自己判断での変更は避けましょう。
ミノキシジルの浸透を高めるための正しい使い方
ミノキシジルの効果を最大限に引き出すためには、成分を頭皮にしっかり浸透させることが重要です。そのためには、ただ塗るだけでなく、正しい手順で使用量を守ることが大切です。
頭皮の準備から塗布方法まで、浸透を高めるためのポイントを確認しましょう。
塗布前の頭皮の準備
ミノキシジルを塗布する前は、頭皮が清潔な状態であることが理想です。
シャンプーをした場合は、頭皮や髪の水分をタオルドライでしっかり拭き取り、ドライヤーで頭皮を(完全に乾かす必要はありませんが)ある程度乾かしてから使用します。
頭皮が濡れすぎていると薬剤が薄まってしまいますし、逆に皮脂や汚れが残っていると浸透の妨げになります。
シャンプーをしないタイミングで塗布する場合でも、頭皮の汗や余分な皮脂を軽く拭き取ると良いでしょう。
正確な使用量を守る重要性
「早く効果を出したい」と焦るあまり、推奨されている量より多く塗布してしまう方がいますが、これは逆効果になる可能性があります。
ミノキシジルは、多く塗れば効果が倍増するというものではありません。むしろ、定められた量以上を使用すると、頭皮のかゆみや、かぶれといった副作用のリスクを高めてしまいます。
また、液だれして顔などに付着し、望まない部分の毛(産毛)が濃くなる原因にもなりかねません。必ず、製品に定められた1回の使用量を守ってください。
ミノキシジル塗布の正しい手順
浸透効率を高めるためには、正しい手順で丁寧に塗布することが求められます。以下の手順を参考に、正確なケアを心がけてください。
| ステップ | 行うこと | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 準備 | 頭皮を清潔にし、乾かす。 | 水分が残りすぎていると薬剤が薄まるため注意。 |
| 2. 薬剤の塗布 | 容器の先端を頭皮に直接つけ、薄毛が気になる部分に塗布する。 | 髪ではなく、必ず頭皮に塗ることが重要。 |
| 3. なじませる | 指の腹で軽く押さえるようにして、薬剤を頭皮になじませる。 | 擦り込んだり、強くマッサージしたりする必要はない。 |
| 4. 乾燥 | 自然乾燥させる。 | ドライヤーの温風は避ける。手についた薬剤はすぐに洗い流す。 |
塗布後のマッサージは必要?
ミノキシジルを塗布した後に、頭皮マッサージをすべきか悩む方もいるでしょう。基本的に、薬剤を浸透させるために強いマッサージは必要ありません。
むしろ、強く擦り込むことで頭皮を傷つけたり、薬剤が指や髪の毛に余計に付着してしまったりする可能性があります。
薬剤は自然に浸透・吸収されますので、塗布した後は指の腹で軽くトントンと押さえてなじませる程度で十分です。
もし頭皮マッサージを行いたい場合は、ミノキシジルを塗布する前の、シャンプー中や頭皮が乾いた状態で行うのが良いでしょう。
ミノキシジル塗布後のスタイリング剤やヘアケア
ミノキシジルを使用していても、ヘアスタイルは楽しみたいものです。
スタイリング剤や他のヘアケア製品を使用する際は、ミノキシジルの浸透を妨げないよう、使用する順番とタイミングに注意が必要です。
基本は、ミノキシジルを塗布して頭皮がしっかり乾いてから、他の製品を使用します。
スタイリング剤はいつから使える?
朝にミノキシジルを塗布した後、ヘアスプレーやワックス、ムースなどのスタイリング剤を使用したい場合は、まずミノキシジルを頭皮に塗布し、それが完全に乾くのを待ってください。
目安としては、塗布後30分~1時間程度です。
頭皮がまだ濡れている状態やベタついている状態でスタイリング剤を上からつけてしまうと、ミノキシジルの浸透が妨げられる可能性があります。
また、スタイリング剤がミノキシジルと混ざり、頭皮に付着してしまうのも好ましくありません。順番としては「1.ミノキシジル(頭皮)→ 2.乾燥 → 3.スタイリング剤(髪)」を守りましょう。
ヘアカラーやパーマとの併用
ヘアカラーやパーマは、頭皮に少なからず刺激を与えます。ミノキシジルを使用している期間中にこれらを行う場合、頭皮の負担を考慮する必要があります。
ミノキシジルの添付文書では、ヘアカラーやパーマを行った当日は、頭皮が敏感になっている可能性があるため、ミノキシジルの使用を控えるよう指示している場合があります。
また、カラー剤やパーマ液が、ミノキシジルと予期せぬ反応を起こす可能性も否定できません。
美容師さんにミノキシジル使用中であることを伝え、施術の前後(例えば前後1日ずつなど)はミノキシジルの使用を休止するなどの配慮が必要です。
ヘアケア製品の使用タイミング
育毛剤以外のヘアケア製品(ヘアオイル、洗い流さないトリートメントなど)も、スタイリング剤と同様の考え方です。ミノキシジルの浸透を最優先に考えましょう。
| 製品 | 使用のタイミング | 注意点 |
|---|---|---|
| ミノキシジル | 洗髪後、清潔で乾いた頭皮に最初に使用。 | 頭皮に直接塗布する。 |
| 洗い流さないトリートメント ヘアオイル | ミノキシジルが乾いた後。 | 頭皮を避け、髪の毛(特に毛先)に塗布する。 |
| スタイリング剤 (ワックス、スプレー等) | ミノキシジルが乾いた後。 | できるだけ頭皮につかないよう、髪の毛に使用する。 |
他の育毛剤やヘアトニックとの併用
ミノキシジル以外の育毛剤や、清涼感を目的としたヘアトニックなどを併用したいと考える方もいるかもしれません。
しかし、異なる成分を同時に使用することで、お互いの効果を打ち消し合ったり、頭皮への刺激が強まったりする可能性があります。
特に、医師から処方されている薬剤がある場合は、自己判断での併用は絶対に避けてください。
市販の製品を併用したい場合でも、まずはかかりつけの医師や薬剤師に相談し、安全に使用できるかを確認することが重要です。
ミノキシジル使用中の生活習慣と頭皮ケア
ミノキシジルの効果をサポートし、健やかな髪を育むためには、外側からのケア(ミノキシジル塗布)だけでなく、内側からのケア、つまり生活習慣全般の見直しが非常に重要です。
バランスの取れた食事、質の良い睡眠、ストレス管理が、頭皮環境を整え、ミノキシジルの働きを助けます。
食事と栄養バランス
髪の毛は、私たちが食べたものから作られています。特に、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)は必須です。肉、魚、卵、大豆製品などを意識して摂取しましょう。
また、タンパク質の合成を助け、頭皮の健康を保つビタミンやミネラルも同様に重要です。
特にビタミンB群、ビタミンC、E、そして亜鉛や鉄分が不足しないよう、緑黄色野菜、果物、海藻類、ナッツ類などをバランスよく取り入れた食生活を心がけてください。
髪の成長をサポートする栄養素
- タンパク質(髪の主成分)
- 亜鉛(タンパク質の合成を助ける)
- ビタミンB群(頭皮の新陳代謝を促す)
- ビタミンC・E(抗酸化作用、血行促進)
- 鉄分(酸素を運ぶ)
睡眠の質と時間
髪の毛は、私たちが寝ている間に成長します。特に、入眠後に分泌が盛んになる「成長ホルモン」は、毛母細胞の分裂を促し、髪の成長に深く関わっています。
睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、成長ホルモンの分泌が妨げられ、育毛の妨げになります。
毎日6〜8時間の十分な睡眠時間を確保するよう努め、寝る前はスマートフォンやパソコンを避け、リラックスできる環境を整えるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
ストレス管理
過度なストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させます。その結果、頭皮の血流が悪化し、毛母細胞に十分な栄養が届かなくなり、薄毛や抜け毛の原因となります。
ミノキシジルで血流を促していても、ストレスで血流が滞っていては効果が半減してしまいます。
趣味の時間を持つ、適度な運動をする、ゆっくりお風呂に浸かるなど、ご自身に合った方法でストレスを溜め込まないよう、上手に発散することが大切です。
頭皮環境を健やかに保つ日常ケア
ミノキシジルの浸透を良くするためにも、頭皮環境を常に健やかに保つことが基本です。
毎日のシャンプーでは、頭皮を清潔にしつつも、必要な皮脂まで奪いすぎないよう、洗い方やシャンプー剤の選び方に注意しましょう。
また、紫外線は頭皮にダメージを与え、乾燥や炎症を引き起こす原因となります。外出時には帽子や日傘を利用し、頭皮の紫外線対策も忘れないようにしてください。
日々の小さな積み重ねが、ミノキシジルの効果を最大限に引き出すことにつながります。
よくある質問
- ミノキシジルを塗った後、汗をかいても大丈夫ですか?
-
塗布した薬剤が乾く前に大量の汗をかくと、汗で薬剤が流れ落ちてしまう可能性があります。特に夏場や運動時などは注意が必要です。
運動をする場合は、ミノキシジルを塗布する前か、塗布して十分に時間が経過し、頭皮が乾いた後(例:4時間以上経過後)にすることをおすすめします。
塗布直後に汗をかくことが予想される場合は、塗布のタイミングをずらす(運動後にシャワーを浴びてから塗布するなど)工夫も必要です。
- 塗り忘れた場合はどうすればよいですか?
-
1回塗り忘れたからといって、大きな影響が出るわけではありません。
気づいた時点で塗布しても構いませんが、次の塗布時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして、次回の塗布時間から通常通り再開してください。
塗り忘れたからといって、次回の使用量を2倍にするのは絶対にやめてください。過剰塗布は副作用のリスクを高めます。
- ミノキシジルを塗布した後、帽子をかぶっても平気ですか?
-
ミノキシジルを塗布した後、薬剤が完全に乾いていれば帽子をかぶっても問題ありません。
ただし、塗布直後で頭皮がまだ濡れている状態で帽子をかぶると、薬剤が帽子の内側に付着してしまい、頭皮への吸収量が減ってしまいます。
また、帽子内部が蒸れて頭皮環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。
外出の予定がある場合は、早めに塗布を済ませ、頭皮が乾いたことを確認してから帽子をかぶるようにしてください。
- 女性用と男性用でミノキシジルの浸透時間に違いはありますか?
-
ミノキシジル自体の浸透時間や吸収の仕組みは、女性用と男性用で大きな違いはありません。違いがあるのは、主に推奨される「濃度」です。
女性は男性に比べて皮膚がデリケートな場合があることや、副作用のリスク(特に多毛症など)を考慮し、女性用は低濃度(例:1%)が推奨されています。
濃度が異なれば吸収される総量に違いは出ますが、「浸透にかかる時間」そのものが性別で変わるわけではありません。
- 塗布後に頭皮がかゆくなった場合の対処法は?
-
ミノキシジルの使用初期や、乾燥する季節などに、頭皮のかゆみや、かぶれ、フケが出ることがあります。
これはミノキシジルそのものや、基剤(アルコールなど)による刺激が原因の場合があります。
軽いかゆみであれば、使用を継続するうちに治まることもありますが、かゆみが強い場合や、赤み、湿疹などを伴う場合は、使用を一時中断してください。
そして、我慢せずに早めに皮膚科の医師に相談し、頭皮の状態を診てもらうことが重要です。自己判断でかきむしったりすると、頭皮環境をさらに悪化させてしまいます。
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