女性の増毛とは?ウィッグ・エクステ・パウダー…髪を増やす方法を比較

女性の増毛とは?ウィッグ・エクステ・パウダー…髪を増やす方法を比較

分け目の広がりやトップのボリューム不足は、多くの女性にとって深刻な悩みです。髪の毛増毛や髪の毛増量という選択肢は、薄毛の悩みを解消し、自信を取り戻すための有効な手段となります。

この記事では、エクステ(結毛式)、ウィッグ、増毛パウダーといった主要な髪を増やす方法について、それぞれの特徴やメリット、デメリットを徹底的に比較解説します。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

女性の増毛方法とは?種類の全体像

女性が行う髪の毛増毛には主に3つの大きな分類が存在し、それぞれが異なる仕組みでボリュームアップを実現します。

自分の髪の毛1本1本に人工毛を結びつけるエクステ(結毛式)、頭皮や髪に装着するウィッグやヘアシート、そして一時的に繊維を付着させるパウダーやスプレータイプがあります。

どの方法を選ぶかによって、日常生活での快適さやメンテナンスの頻度、見た目の自然さが大きく変わります。

エクステ(結毛式)の特徴

結毛式増毛(エクステ増毛)は、自分の髪の毛の根元近くに、非常に細い人工毛や人毛を結びつけて髪の毛増量を図る手法です。一般的には1本の自毛に対して2本から6本程度の人工毛を結びつけます。

この方法の最大の特徴は、自毛と一体化するため非常に自然な仕上がりになる点です。根元から立ち上がりがつくため、ペタンとなりがちなトップや分け目のボリュームアップに効果を発揮します。

また、接着剤を使用しないため頭皮への直接的な負担が比較的少ない点も評価されています。

自分の髪と同じようにシャンプーやブローができるため、日常生活の変化を最小限に抑えたいと考える女性に適しています。

増毛方法の主な分類と特徴

種類主な仕組み持続性
エクステ自毛に人工毛を結ぶ長期間(リペア必要)
ウィッグベースを被る・留める着脱による
パウダー繊維を髪に付着させる1日(シャンプーで落ちる)

貼り付け式(シート・ウィッグ)の特徴

貼り付け式には、特殊な薄いシート状のベースに人工毛を植え込んだものを頭皮に直接貼るタイプや、ウィッグを特殊な接着剤やテープで固定するタイプがあります。

この方法は、生え際の後退や広範囲の薄毛をカバーする際に特に力を発揮します。

頭皮と一体化するような感覚が得られ、激しいスポーツや水泳などのアクティビティを行ってもズレる心配がほとんどありません。

シートタイプは非常に薄いため、手で触れても境目がわかりにくく、ショートヘアなどのヘアスタイルでも違和感なく馴染みます。

ただし、一度装着すると自分では取り外しができない場合が多く、定期的なサロンでのメンテナンスが必要となります。

編み込み式の特徴

編み込み式増毛は、頭囲に沿って特殊な糸を土台として編み込み、その土台にウィッグ製品(毛束の列など)を糸で縫い付ける方法です。

この手法は、かつて男性の増毛法として主流でしたが、現在ではしっかりとした固定力を求める女性にも応用されています。

24時間着脱不要で生活できるため、急な来客や旅行先での入浴時など、ウィッグを外す場面を気にする必要がありません。

自毛が伸びてくると土台が浮いてくるため、月に1回程度の編み直しメンテナンスが必要となります。

しっかりと固定される安心感がある一方で、編み込み部分の頭皮の洗浄には専用の技術や工夫が求められます。

パウダー・スプレーの一時的な増毛

増毛パウダーやスプレーは、静電気を帯びた微細な繊維や粉末を髪の毛に吹き付けて髪の毛1本1本を太く見せたり、地肌の透けを隠したりする方法です。

ドラッグストアや通販で手軽に購入でき、自宅で数分あれば完了するという利便性が最大の魅力です。美容院や専門サロンに通う必要がなく、コストも比較的安価に抑えられます。

しかし、これはあくまで髪の表面に付着させているだけであるため、洗髪すれば元の状態に戻ります。

雨や汗に弱い製品もあるため、使用する場面や天候を選ぶ必要がありますが、お出かけ前の一時的な髪の毛増量手段として重宝します。

髪の毛の増毛(エクステ)のメリットとデメリット

エクステによる増毛は、自分の髪を活かしながら自然に髪の毛増毛ができるため、多くの女性に選ばれている方法です。

周囲に気づかれにくいという大きな利点がある一方で、自毛への負担や定期的なメンテナンスコストといった側面も理解しておきましょう。

メリットとデメリットの両面を正しく理解すると、施術後の生活を具体的にイメージしやすくなります。

自分の髪を活かせる自然な仕上がり

エクステの最大のメリットは、何といってもその自然な見た目です。自毛の根元に直接結びつけるため、ウィッグのような「被っている感」や「浮いている感」が一切ありません。

風が吹いて髪が乱れたとしても、地肌が見えても不自然な生え際やベース部分が露出しないため、安心して外出を楽しめます。

また、色味や髪質も自毛に合わせて細かく調整できるため、グラデーションやメッシュのようなカラーリングを楽しむ感覚で髪の毛増量を行うのも可能です。

手櫛を通した時の感触も自毛に近く、心理的な満足度が高い方法といえます。

24時間つけっぱなしで生活できる快適さ

エクステ増毛は、一度施術を受ければ24時間自分の髪として生活できます。取り外しの手間がないため、朝起きた時の寝癖直しから夜のシャンプーまで、普段通りのルーティンを崩す必要がありません。

旅行や温泉、プールなどのシーンでもウィッグを外す場所を探したり、ズレを気にしたりする必要がなくなります。

特にパートナーや家族に薄毛の悩みを隠している場合、入浴中や就寝中もそのままでいられるのは大きな精神的安らぎにつながります。

この「普通の生活ができる」という点は、アクティブな女性にとって非常に魅力的な要素です。

自毛への負担とメンテナンス頻度

デメリットとして考慮すべき点は、土台となる自毛への負担です。健康な髪に人工毛を結びつけるとはいえ、物理的な重さが加わるため、牽引性脱毛のリスクがゼロではありません。

特に細く弱っている髪に無理に多くの人工毛を結びつけると、抜け毛を促進してしまう可能性があります。

また、人の髪は1ヶ月に約1cm伸びるため、時間が経つにつれて結び目が根元から上がってきます。これを根元に戻す(リペア)か、新しく結び直すメンテナンスが1ヶ月から1.5ヶ月に1回程度必要になります。

美しさを維持するためには、定期的な通院と継続的な費用が発生する点をあらかじめ計画に入れておきましょう。

エクステ増毛の主な特徴まとめ

項目内容留意点
見た目極めて自然技術者の腕に左右される
生活24時間装着可能洗髪時に爪を立てない
維持要メンテナンス自毛が伸びると結び目が上がる

どのような人に向いているか

エクステ(結毛式)増毛は、全体的に髪が薄くなっているものの、ある程度の自毛が残っている人に適しています。完全に髪がなくなっている部分には結びつけられないため、適応できません。

また、「前髪の割れが気になる」「つむじ周りだけ透けて見える」といった、部分的な悩みをピンポイントで解消したい人には非常に相性が良い方法です。

ウィッグに抵抗がある人や、暑がりで頭皮の蒸れを極端に嫌う人にとっても有力な選択肢となります。

一方で、即座に爆発的な毛量を増やしたい場合や、コストを極限まで抑えたい場合には、他の方法と比較検討する必要があります。

ウィッグによる髪の毛の増量効果と選び方

ウィッグは、瞬時に理想のヘアスタイルと髪の毛増量を手に入れられる強力なアイテムです。近年では技術の進歩により、既製品でも非常に高品質で自然なものが増えています。

ウィッグを選ぶ際は、使用目的やカバーしたい範囲、そして予算を明確にすることが成功の鍵です。ウィッグの種類や素材の違いによる選び方のポイントを理解し、適した選択を行いましょう。

部分ウィッグでトップのボリュームを出す

部分ウィッグ(ヘアピース)は、つむじや分け目など、気になる部分だけをカバーするためのアイテムです。

手のひらサイズのものから、頭頂部全体を覆うものまで様々なサイズがあります。自毛の色や質感に合わせて選ぶと、境目がわからないほど自然に馴染ませられます。

クリップでパチンと留めるだけのタイプが多く、装着にかかる時間はわずか数秒です。

急な外出や、人に会う時だけボリュームアップしたいという使い方ができるため、増毛初心者でも導入しやすいのが特徴です。また、フルウィッグに比べて通気性が良く、夏場でも比較的快適に過ごせます。

フルウィッグで全体のスタイルを変える

フルウィッグは頭全体をすっぽりと覆うタイプで、髪の毛増量だけでなくヘアスタイルそのものを大きく変えたい場合に有効です。

ショートからロングへ、あるいはストレートからウェーブへと、自毛の長さを待たずにイメージチェンジが可能です。広範囲にわたる薄毛や、抗がん剤治療などによる脱毛をカバーする場合にも選ばれます。

最近のフルウィッグは、生え際やうなじ部分の作りが精巧になっており、アップスタイルにできるものも存在します。

ただし、頭全体を覆うため、サイズ選びやフィッティングが重要になります。長時間着用する場合は、インナーキャップを使用するなどして頭皮の蒸れ対策が推奨されます。

人毛と人工毛の違いと手入れ

ウィッグに使用される毛材には、大きく分けて「人毛」「人工毛(ファイバー)」「ミックス毛」の3種類があります。

人毛は見た目の質感や手触りが最も自然でカラーやパーマも可能ですが、価格が高価になりやすく、洗髪後のブローなど手入れに手間がかかります。

人工毛は形状記憶性が高く、洗って乾かすだけでスタイルが戻るため手入れが楽ですが、独特のテカリが出る場合があり、熱に弱いものもあります(耐熱ファイバーを除く)。

ミックス毛は両者の良いとこ取りをしたもので、自然さと手入れのしやすさのバランスが取れています。

自分の生活スタイルや、どの程度手入れに時間をかけられるかを考慮して素材を選ぶと良いです。

ウィッグ毛材の比較

素材メリットデメリット
人毛自然な質感、カラー可高価、セットが崩れやすい
人工毛安価、手入れが楽不自然な光沢、熱に弱い
ミックス自然さと管理のバランス良経年で素材ごとに劣化差が出る

オーダーメイドと既製品の使い分け

ウィッグには、店頭や通販ですぐに購入できる既製品と、頭の形や髪質に合わせて一から作るオーダーメイドがあります。

既製品は価格が手頃で、試着して気に入ればすぐに持ち帰れる手軽さが魅力です。

一方、オーダーメイドは完成までに期間と費用がかかりますが、フィット感や色味、毛量が自分に完璧にマッチするため満足度が非常に高くなります。

初めてウィッグを試す場合や、たまに使う程度であれば既製品から始め、毎日長時間使用する場合や、既製品ではどうしても頭の形に合わない場合はオーダーメイドを検討するといった使い分けが賢明です。

増毛パウダーとスプレーの手軽さと注意点

特別な契約や施術を必要とせず、今日からすぐに始められる髪の毛増量方法として、増毛パウダーやスプレーがあります。

これらは「コスメ感覚」で薄毛をカバーできるため、心理的なハードルが低いのが特徴です。

しかし、物理的に髪が増えるわけではないため、その特性と限界を正しく理解したうえでの使用が失敗を防ぐためには重要です。

お出かけ前に瞬間的に隠すテクニック

増毛パウダーやスプレーの最大の利点は、その即効性です。容器を振ってパウダーを振りかけたり、スプレーを吹き付けたりするだけで地肌の白さが目立たなくなり、髪が太く見えます。

鏡を見ながら気になるところを重点的にカバーできるため、分け目のラインやつむじ周辺の透け感を隠すのに適しています。

使用後は専用のミストや市販のハードスプレーで定着させると、粉落ちを防ぎ、自然なボリューム感をキープできます。朝の忙しい時間でも数分で完了するため、急な来客対応などにも重宝します。

雨や汗に対する耐久性と対策

この方法の最大の弱点は、水気に対する弱さです。

近年では耐水性を高めた商品も多く販売されていますが、それでも激しい雨に打たれたり、大量の汗をかいたりすると、黒いしずくとなって流れてくるリスクがあります。

これを防ぐためには、ウォータープルーフタイプの商品を選び、仕上げの定着スプレーを丁寧に行うと良いです。

また、夏場やスポーツをする日、天候が不安定な日は使用を控えるか、帽子を併用するなどの対策が求められます。

常にハンカチやタオルを持ち歩き、汗をこまめに拭き取る(擦らずに押さえる)配慮も必要です。

頭皮への影響と正しい洗い方

パウダーやスプレーは頭皮や髪に微細な粒子を付着させるため、頭皮の毛穴を詰まらせるのではないかと心配する声もあります。

多くの製品は植物性繊維など安全な素材で作られていますが、長時間付着させたままにすると頭皮環境の悪化を招く可能性があります。

そのため、使用した日は必ずその日のうちにシャンプーで洗い流す習慣が大切です。

通常のシャンプーでは落ちにくい場合があるため、予洗いをしっかり行い、場合によっては2度洗いをして完全に除去するように心がけてください。頭皮を清潔に保つケアが、健康な髪を育てる土台となります。

パウダー・スプレー使用時の注意点

  • 使用後は必ず定着スプレーで粉飛びを防ぐ
  • 雨の日や激しい運動をする日は使用を避ける
  • 就寝前には必ずシャンプーで洗い流す

根本的な解決との違い

増毛パウダーやスプレーは、あくまで「見かけ上のボリュームアップ」を図るメイクアップ的な手法です。髪の毛自体が増えるわけでも、薄毛の進行が止まるわけでもありません。

そのため、進行性の脱毛症の場合は、根本的な治療や他の増毛法と併用して考える必要があります。

一時的なカモフラージュとしては非常に優秀ですが、毎日使用する手間やコスト、頭皮への負担を考慮すると、長期的な視点では他の方法への移行を検討するタイミングが来るかもしれません。

自分の薄毛の状態やライフステージに合わせて、役割を使い分ける視点を持ちましょう。

植毛と増毛の違い

髪の毛の増量や、髪の毛の増毛を検討する際、よく比較対象に挙がるのが「植毛」です。名前は似ていますが、増毛と植毛は全く異なる方法です。

増毛は人工毛などを付け足す「美容的手段」であり、植毛は医療機関で行う「外科的手術」です。

医療行為である植毛の仕組み

自毛植毛は、自分の後頭部や側頭部などの薄毛になりにくい部分の毛根を採取し、気になる薄毛部分に移植する外科手術です。

移植された髪は自分の組織として生着し、その後はヘアサイクルに従って生え変わり続けます。

つまり、一度生着すれば、メンテナンス不要で自分の髪として一生涯生え続けることが期待できます。これは増毛にはない最大の特徴であり、根本的な治療と言えます。

手術は医師によって行われ、局所麻酔を使用します。医療行為であるため、クリニックの設備や医師の技術力が結果を左右します。

即効性を求める人が増毛を選ぶ理由

植毛は手術後、移植した毛が一度抜け落ち、新しい髪が生え揃うまでに半年から1年程度の期間が必要です。そのため、完成までに長い時間がかかります。

これに対し、増毛(結毛式やウィッグ)は施術を受けたその瞬間、あるいは装着したその瞬間から理想のボリュームが手に入ります。

「来週の結婚式までに増やしたい」「今すぐ見た目を変えたい」という即効性を求めるニーズに対しては、増毛の方が圧倒的に適しています。

また、植毛にはドナーとなる自分の髪の量に限界がありますが、増毛は人工毛を使用するため、理論上は希望するだけ量を増やせます。

費用面での継続的なコスト比較

コスト構造も大きく異なります。植毛は手術費用として最初に数十万から数百万という高額な初期費用がかかりますが、生着後のメンテナンス費用は基本的にはかかりません。

一方、増毛は初期費用は比較的安く抑えられます(または月額制)が、リペアや買い替え、取り付け直しといったランニングコストが永続的に発生します。

数年、数十年という単位で計算した場合、トータルコストがどちら安くなるかは、増やす本数や選ぶプランによって逆転するケースもあります。

初期投資ができるか、それとも月々の支払いとして分散させたいか、経済的な計画に合わせて選ぶ必要があります。

増毛と自毛植毛の比較

項目増毛(エクステ・ウィッグ)自毛植毛
区分美容・理容行為医療行為(手術)
即効性あり(施術直後に変化)なし(完成まで半年以上)
痛みなし術後の傷み・腫れあり
費用初期安・維持費あり初期高・維持費なし

リスクとダウンタイムの有無

植毛は外科手術であるため、術後の痛みや腫れ、出血や感染症のリスク、そして傷跡が残る可能性があります。

また、術後は洗髪の制限などダウンタイムがあり、仕事や生活の調整が必要になる場合があります。

一方、増毛には身体的なリスクやダウンタイムはほとんどありません。施術当日から通常の生活が送れ、体にメスを入れる恐怖感もありません。

健康上の理由で手術が受けられない人や、痛みに弱い人、絶対に周囲にバレたくない(術後の変化の過程を見られたくない)人にとっては、リスクの少ない増毛のほうが安心して選択できる方法となります。

女性の薄毛原因に合わせた増毛の活用術

女性の薄毛は、ホルモンバランスの乱れやストレス、加齢や生活習慣など、様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされます。

男性のように局所的に完全にハゲるのではなく、全体的に薄くなる傾向があるのも特徴です。原因や現在の髪の状態によって、効果的な髪の毛増毛の方法が異なります。

びまん性脱毛症とボリュームアップ

女性に最も多いのが「びまん性脱毛症」です。頭髪全体の密度が低下し、地肌が透けて見えるようになります。

このタイプの場合、特定の箇所だけを隠すよりも、全体的なボリューム底上げが求められます。

エクステで全体にまんべんなく本数を増やしたり、大きめのヘアピースを使ってトップから後頭部までをカバーしたりする方法が有効です。

自毛が細くなっている方が多いため、エクステ増毛を行う場合は、自毛への負担が少ない極細の人工毛を選ぶなど、技術者と相談しながら慎重に進めましょう。

分け目の広がりをカバーするポイント

長年同じ分け目にしているとその部分の負担が蓄積し、分け目が薄く広がって見える場合があります。

このような局所的な悩みには、エクステ増毛が非常に効果的です。分け目周辺の自毛に集中的に結びつけると、地肌の露出を自然に隠せます。

また、あえて分け目の位置を変えるヘアスタイル提案と組み合わせれば、より少ない本数で効果を出すことも可能です。

小規模なヘアピース(部分ウィッグ)を分け目に沿って装着するのも手軽な解決策です。

産後の抜け毛など一時的な薄毛への対応

出産後はホルモンバランスの急激な変化により、一時的に抜け毛が増える「分娩後脱毛症」になる女性が多くいます。

通常は半年から1年程度で自然に回復しますが、その間の見た目がストレスになる方も少なくありません。

このように回復が見込まれる一時的な薄毛には、取り外しが容易なウィッグや、イベント時だけ使用する増毛パウダーが適しています。

自毛に負担をかけるエクステは、抜け毛が多い時期には避けたほうが無難です。期間限定の対策と割り切って、おしゃれを楽しむ感覚でウィッグを活用するのが賢い方法です。

加齢による髪の細りへの対策

年齢とともに髪の毛1本1本が細くなり、ハリやコシが失われると、本数は変わらなくても全体のボリュームが減って見えます。

この場合、単に本数を増やすだけでなく、根元の立ち上がりをサポートするような増毛法が望まれます。

エクステ増毛は、結び目が支えとなって根元を立ち上げる効果も期待できるため、ペタンコ髪の解消に役立ちます。

また、エイジングケアの一環として、頭皮マッサージなどのケアを並行して行い、土台となる頭皮環境を整える工夫も重要です。

増毛サロンの中には、育毛ケアメニューを併設しているところも多いため、総合的な取り組みを検討しましょう。

サロンや専門店を選ぶ際のチェックポイント

髪の毛増毛や髪の毛増量のサービスを提供しているサロンやメーカーは数多く存在します。大手メーカーから個人経営のサロンまで規模も様々です。

一度契約すると長く付き合うことになる可能性があるため、サロン選びは慎重に行う必要があります。後悔しないために確認すべきポイントを整理します。

明確な料金体系と継続しやすさ

増毛は継続的なメンテナンスが必要です。そのため、初期費用だけでなく、ランニングコストを含めた総額を明確に提示してくれるサロンを選びましょう。

「月額定額制」を採用しているところや、「1本あたり○円」と明記されているところは安心感があります。

不明瞭な追加料金が発生しないか、リペア(メンテナンス)の費用はいくらか、事前にしっかりと見積もりを出してもらうのが重要です。

自分の経済状況に合わせて無理なく続けられるプランがあるかどうかを基準に判断してください。

プライバシーへの配慮と個室対応

薄毛の悩みは非常にデリケートです。施術中に他の客と顔を合わせたり、会話が聞こえたりする環境では、リラックスして相談できません。

完全個室が完備されているか、予約時間をずらすなどの配慮があるかを確認しましょう。

また、入店する際に外からサロンの中が見えないようになっているか、店舗の入り口が目立たない場所にあるかなど、通いやすさに関わる立地条件もチェックポイントの一つです。

スタッフの対応が配慮に満ちているかどうかも、カウンセリング時の印象で判断しましょう。

技術力とメンテナンスの利便性

エクステなどの増毛技術は、担当者の技術力によって仕上がりや持ちが大きく変わります。経験豊富な技術者が在籍しているか、研修制度が整っているかを確認しましょう。

また、サロンが自宅や職場から通いやすい場所にあるかどうかも重要です。どんなに良いサロンでも、遠すぎて通うのが億劫になってしまってはメンテナンスがおろそかになり、良い状態をキープできません。

予約の取りやすさや、営業時間の長さなど、自分の生活スタイルに合致しているかどうかも確認しておくべき要素です。

サロン選びの確認

確認項目チェック内容
料金維持費を含めた総額が明確か
環境完全個室でプライバシーが守られるか
立地定期的に通える距離にあるか
対応強引な勧誘がなく親身に聞いてくれるか

無理な勧誘がないかどうかも重要

残念ながら、一部のサロンでは強引な勧誘や、高額なローンの契約を迫るケースも聞かれます。

無料体験やカウンセリングに行った際、契約を急かしたり、不安を煽って高額な商品を売りつけようとしたりするサロンは避けるべきです。

信頼できるサロンは顧客の悩みに寄り添い、予算内で可能な提案をしてくれます。

また、契約内容を自宅に持ち帰って検討させてくれる余裕があるかどうかも、良心的なサロンを見極めるポイントになります。

「即決なら割引」といった言葉に惑わされず、冷静に判断できる環境を提供してくれる場所を選びましょう。

よくある質問

増毛すると今ある自分の髪は抜けてしまいますか?

エクステ増毛は健康な髪を選んで結びつけますが、髪には微細な重さが加わるため、全く負担がないわけではありません。

しかし、技術者は成長期のしっかりした髪を見極めて施術を行うため、極端に抜け毛が増えることは稀です。

ただし、もともと抜けやすい状態の髪に無理な施術を行うと抜けてしまうリスクがあるため、事前の頭皮チェックが重要です。

お風呂やプールに入っても大丈夫ですか?

エクステ増毛や、しっかりと装着された編み込み式のウィッグであれば、そのままお風呂やプールに入っても問題ありません。普段通りにシャンプーも可能です。

ただし、ウィッグの種類によっては塩素や熱に弱い素材もあるため、事前の確認が必要です。洗髪後はしっかりと乾かし、結び目やベース部分が蒸れないようにケアしましょう。

メンテナンスにはどのくらいの頻度で通う必要がありますか?

手法によって異なりますが、エクステの場合は自毛が伸びるに合わせて結び目が上がってくるため、1ヶ月から1.5ヶ月に1回程度のリペア(戻し)や追加増毛が必要です。

編み込み式ウィッグの場合も同様に、土台の緩みを直すために月に1回のメンテナンスが目安となります。着脱式のウィッグであれば、サロンに通う頻度はもっと少なくなります。

パーマやカラーリングはできますか?

人毛を使用しているウィッグやエクステであれば、カラーやパーマが可能な場合が多いです。

しかし、人工毛(ファイバー)の場合は、カラー剤が染まらなかったり、パーマ液で傷んだりするため基本的にはできません。

自毛を染める場合は、増毛部分を避けて行うか、サロンで専門の技術者に依頼すると良いでしょう。

痛みやかゆみを感じることはありますか?

エクステの場合、施術直後は結び目の違和感や、頭皮が引っ張られるような感覚を持つ人がいますが、数日で慣れるケースがほとんどです。

ウィッグや貼り付け式の場合、接着剤やテープ、あるいは蒸れによってかゆみやかぶれが生じるときがあります。

敏感肌の人は事前にパッチテストを行うなどして、素材が肌に合うか確認しておきましょう。

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