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【女性向け】つむじが薄く見える…これって大丈夫?正常なつむじとの違い&セルフチェック法

【女性向け】つむじが薄く見える…これって大丈夫?正常なつむじとの違い&セルフチェック法

鏡を見て、ふと「つむじ周りの地肌が目立つようになったかも?」と感じ、不安になった経験はありませんか。つむじは髪の毛の生え方から、もともと地肌が見えやすい部分です。

しかし、以前よりも明らかに薄く見える、地肌の範囲が広がった気がするなど、変化を感じると「このまま薄毛が進行してしまうのでは…」と心配になるのも無理はありません。

特に女性にとって髪は若々しさや印象を左右する大切な要素ですので、つむじの変化は深刻な悩みにつながるケースも多いです。

この記事では、ご自身のつむじが正常な範囲なのか、それとも注意が必要なサインなのかを見極めるためのポイント、考えられる原因、そして今日から始められる対策について、女性の薄毛治療を専門とするクリニックの視点から詳しく解説します。

目次

あなたのつむじは大丈夫?正常な状態と薄毛サインの見極め方

つむじが薄く見えると感じても、すぐに薄毛と判断するのは早計です。まずは、正常なつむじの状態を理解し、ご自身の状態と比較しましょう。

ここでは、見極めのための重要な3つのポイント「地肌の見え方」「髪の質」「渦の状態」を中心に解説します。

正常なつむじの基本

健康な状態のつむじは髪の毛が毛穴から一定の角度で生え、放射状に広がるため、中心部分の地肌はある程度見えるのが普通です。

しかし、その見える範囲は限定的です。髪の毛自体も、頭部全体の髪と同じくらいの太さやハリ・コシを持っています。

そして、その毛流れによって形成される「渦」は、はっきりと確認できるのが特徴です。地肌が見える状態自体を過度に心配する必要はありません。

薄毛が疑われるつむじのサイン

一方で、薄毛が進行し始めると、つむじにはいくつかの変化が現れます。

まず、髪の毛の本数が減少したり、一本一本が細く弱々しくなったりする(軟毛化)ため、地肌が透けて見える範囲が以前よりも広がります。

つむじの中心だけでなく、その周辺まで地肌が目立つようになります。触ってみると、ハリやコシがなく、細く柔らかい髪が増えていると気づくかもしれません。

また、髪の密度低下や軟毛化によりつむじの「渦」がぼやけて見えたり、毛流れが乱れて見えたりするようになります。

正常 vs 薄毛サイン

チェックポイント正常なつむじ薄毛が疑われるつむじ
地肌の見え方中心部は見えるが範囲は限定的。頭皮は青白い。広範囲に透けて見える。頭皮に赤みや茶色っぽさが見られることも。
髪の質 (太さ・ハリ)他の部分の髪と同等の太さ、ハリ・コシがある。細く、柔らかく、弱々しい(軟毛化)。ハリ・コシがない。
渦の状態渦巻き模様がはっきりしている。毛流れが明瞭。渦がぼやけている、不明瞭。毛流れが乱れている。

客観的な確認方法

自分の目で確認するだけでなく、スマートフォンのカメラなどでつむじ部分を撮影し、過去の写真と比較するのも有効な方法です。

特に数ヶ月前、数年前の写真があれば、変化を客観的に捉えやすくなります。

また、シャンプー時やブラッシング時の抜け毛の状態も確認しましょう。1日の抜け毛は50~100本程度なら正常範囲ですが、明らかに本数が増えた、細く短い毛が目立つといった場合は注意が必要です。

抜け毛チェックのポイント

  • 量が以前より明らかに増えていないか
  • 細く短い毛、毛根の膨らみがない毛が多くないか
  • 一時的でなく、抜け毛が多い状態が続いていないか

なぜ?女性のつむじが薄く見える原因

女性のつむじ周りの薄毛には、さまざまな要因が複雑に関係しています。ご自身の生活習慣や体調の変化と照らし合わせながら、考えられる原因を探ってみましょう。

加齢に伴う自然な変化

年齢を重ねると、誰にでも身体的な変化が現れます。髪も例外ではなく、髪を作り出す毛母細胞の活動が徐々に低下したり、髪が生え変わる周期(ヘアサイクル)が乱れたりします。

髪が太く長く成長する「成長期」が短くなり、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまうケースが増えます。これにより、髪全体のボリュームが減少し、つむじ周りの地肌が目立ちやすくなる場合があります。

これは生理的な変化ですが、進行のスピードや程度には個人差が大きいです。

ホルモンバランスの変動

女性の髪の健康には、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が深く関わっています。エストロゲンは髪の成長期を維持し、髪にハリやツヤを与える働きがあります。

しかし、妊娠・出産や更年期、ピルの服用中止や過度なストレス、睡眠不足や不規則な生活など、さまざまな要因でホルモンバランスは変動します。

エストロゲンの分泌が減少すると相対的に男性ホルモンの影響が強まり、髪が細くなったり、抜けやすくなったりしやすいです。

これが「びまん性脱毛症」や「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれる状態につながる可能性があります。

ホルモンバランスが乱れる要因

ライフステージ状況影響
妊娠・出産産後にエストロゲンが急減産後脱毛症(一時的なことが多い)
更年期閉経に向けてエストロゲンが減少髪のハリ・コシ低下、薄毛の進行
生活習慣などストレス、睡眠不足、過度なダイエット自律神経・ホルモン分泌の乱れ

生活習慣と頭皮環境

健やかな髪は、健やかな頭皮から生まれます。そして頭皮環境は、日々の生活習慣に大きく左右されます。

栄養バランスの偏った食事は、髪の成長に必要な栄養素の不足を招きます。なかでもタンパク質や亜鉛、鉄やビタミン類が重要です。

睡眠不足は、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を妨げます。過度なストレスは自律神経を乱し、頭皮の血行不良を引き起こす可能性があります。

喫煙も血管を収縮させ、血行を悪化させる要因です。これらの積み重ねが髪の成長を妨げ、薄毛につながるケースがあります。

髪の健康に関わる生活習慣

習慣髪への影響改善のポイント
食事栄養不足による成長阻害タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取
睡眠成長ホルモン分泌低下、血行不良7時間程度の質の高い睡眠、規則正しい就寝時間
ストレス血行不良、ホルモンバランスの乱れ適度な運動、趣味、リラクゼーションを取り入れる

頭皮への物理的・化学的ダメージ

毎日のヘアケアが、意図せず頭皮や髪に負担をかけている場合もあります。洗浄力の強すぎるシャンプーや爪を立てたゴシゴシ洗い、熱いお湯でのすすぎなどは、頭皮の乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。

また、頻繁なカラーリングやパーマ、縮毛矯正は、薬剤が頭皮や髪にダメージを与えやすいです。ドライヤーの熱を長時間同じ場所に当て続けたり、紫外線対策を怠ったりするのも頭皮環境の悪化につながります。

さらに、ポニーテールやお団子など、髪を強く引っ張り続ける髪型は、毛根に負担をかけ、「牽引性脱毛症」の原因となる場合があります。

【簡単セルフチェック】あなたのつむじの状態を確認しよう

ご自身のつむじの状態をより詳しく把握するために、以下の項目をチェックしてみましょう。明るい場所で、手鏡と合わせ鏡を使うと確認しやすくなります。

チェック項目1 – 地肌の透け具合と色

つむじを中心に、地肌がどの程度見えているかを確認します。以前と比較して明らかに範囲が広がっていないか、指で髪をかき分けて観察しましょう。

同時に、地肌の色もチェックします。健康な頭皮はやや青白い色をしていますが、赤みがかっている場合は炎症、黄色っぽい場合は血行不良や皮脂の酸化、茶色っぽい場合は代謝の低下や色素沈着などが考えられます。

チェック項目2 – 髪の毛の太さとハリ・コシ

つむじ周辺の髪の毛を数本指でつまみ、他の部分(側頭部や後頭部など)の髪と比較します。明らかに細い、柔らかい、ハリやコシがないと感じる場合は、軟毛化が進行している可能性があります。

髪が細くなると同じ本数でもボリュームが少なく見え、地肌が透けやすくなります。

チェック項目3 – 抜け毛の量と質

普段の抜け毛の状態を意識してみましょう。シャンプー時の排水溝やドライヤー後、朝起きた時の枕などをチェックします。

1日の抜け毛が100本を超える日が続く、以前より明らかに量が増えた、抜けた毛の中に細くて短い毛が多い、毛根部分に膨らみがない毛が多いなどの場合はヘアサイクルが乱れているサインかもしれません。

注意したい抜け毛の特徴

  • 1日の抜け毛が100本以上
  • 細く短い毛が多い
  • 毛根の膨らみがない、または小さい
  • 以前と比べて明らかに量が増えた状態が続く

チェック項目4 – つむじの渦の明瞭さ

鏡でつむじの渦を確認します。髪の毛がしっかり生えそろっていれば、渦巻き模様がはっきりと見えます。

しかし、髪の本数が減ったり細くなったりすると渦がぼやけて見えたり、どこが中心か分かりにくくなったりします。毛流れが乱れて見える場合も注意が必要です。

それ、本当に薄毛?つむじが薄く見える「思い込み」の原因

「つむじが薄いかも」と感じても、実は薄毛が進行しているわけではなく、他の要因で見え方が変わっているだけのケースも少なくありません。心配しすぎる前に、これらの可能性も考えてみましょう。

分け目による印象の違い

いつも同じ位置で髪を分けていると、その分け目の部分の地肌は当然目立ちやすくなります。

長年同じスタイルを続けていると分け目の部分の髪の根元が立ち上がりにくくなり、ペタッとして地肌が露出しやすくなる方もいます。これは、髪が薄くなったのではなく、髪の癖やスタイリングによる影響です。

試しに、分け目の位置を少しずらしたり、ジグザグに分けたり、あるいは分け目を作らないスタイリングを試したりしてみてください。それだけで、つむじ周りの印象が大きく変わる場合があります。

光の当たり方による錯覚

照明の種類や当たり方によって、髪の見え方は大きく変わります。特に、真上からの強い光(ダウンライトや日中の太陽光など)は髪の間を通り抜けて地肌を照らしやすいため、普段よりも地肌が透けて見えやすいです。

美容室の明るい照明の下や、日差しの強い屋外で鏡を見たときに特に薄さが気になるという場合は、この光の影響が大きい可能性があります。

自宅の洗面所など普段見慣れている環境や、少し暗めの照明の下でも同様に見えるか確認してみましょう。

髪型や髪の状態による影響

髪の長さや量、スタイリングによっても、つむじ部分の地肌の見え方は左右されます。例えば、髪が長く伸びてくるとその重みで根元が引っ張られ、地肌が見えやすいです。

また、髪全体の量が少ない方や、髪質が柔らかい方は、もともと地肌が透けて見えやすい傾向があります。

逆に、トップにレイヤーを入れてふんわりさせたりパーマでボリュームを出したり、スタイリング剤で根元を立ち上げたりすると薄さが目立ちにくくなります。

髪型を変えたり、スタイリングを工夫したりしながら見え方が改善するか試してみる価値はあります。

見え方に影響する要因と対策

要因なぜ薄く見えるか確認・対策方法
固定された分け目分け目部分の地肌が露出しやすい分け目を変える、ジグザグにする、スタイリングでカバー
強い光(特に真上から)光が地肌まで届き、透けて見える異なる照明環境で確認する、帽子などで物理的に遮光する
髪型・髪質・髪の状態髪の重み、ボリューム不足、根元の立ち上がりトップにボリュームを出す髪型、スタイリング剤の活用

今日からできる!健やかな髪を育むセルフケア

つむじの薄さが気になり始めたら、専門的な治療を考える前に、まずは日々の生活習慣やヘアケアの見直しから始めましょう。

頭皮環境を整え、髪の毛が健やかに成長できる土台を作る工夫が薄毛の予防と改善の基本です。

頭皮環境を整えるケア

健やかな髪は、健康な頭皮から育ちます。毎日のシャンプーは頭皮の汚れや余分な皮脂を落とすために重要ですが、洗いすぎや強い刺激は逆効果になるときもあります。

アミノ酸系のようなマイルドな洗浄成分のシャンプーを選び、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。すすぎ残しがないように、しっかりと洗い流すのも大切です。

洗髪後はドライヤーで頭皮から乾かし、湿った状態を長く続けないようにしましょう。

また、頭皮マッサージは血行を促進し、毛根への栄養供給を助ける効果が期待できます。リラックス効果もあるため、入浴時や就寝前などに取り入れるのがおすすめです。

正しいシャンプーの方法

  • ぬるま湯で予洗いし、汚れを浮かせる
  • シャンプーを手のひらで泡立ててから髪につける
  • 指の腹で頭皮をマッサージするように洗う
  • すすぎは時間をかけて、生え際や襟足も念入りに
  • 洗髪後はすぐにドライヤーで乾かす(頭皮から)

髪の成長をサポートする栄養摂取

髪の毛は私たちが食べたものから作られます。バランスの取れた食事は、健やかな髪を育むための基本中の基本です。

髪の主成分であるタンパク質を十分に摂取するのはもちろん、タンパク質の合成を助ける亜鉛、頭皮の血行を促進するビタミンE、頭皮環境を整えるビタミンB群、そして抗酸化作用のあるビタミンCや女性に不足しがちな鉄分も意識して摂取しましょう。

髪に良い栄養素と食品

栄養素主な働き多く含む食品例
タンパク質髪の主成分(ケラチン)を作る肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
亜鉛ケラチンの合成を助ける牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、ナッツ類
鉄分毛母細胞への酸素供給に関わるレバー、赤身肉、あさり、小松菜、ひじき
ビタミンB群頭皮の新陳代謝、皮脂分泌調整豚肉、レバー、うなぎ、マグロ、カツオ、納豆
ビタミンC, E抗酸化作用、血行促進果物、野菜、ナッツ類、植物油

生活リズムとストレス管理

質の高い睡眠は、髪の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌を促します。毎日決まった時間に就寝・起床し、7時間程度の睡眠時間を目指しましょう。

寝る前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用は避け、リラックスできる環境を整えると良いです。

また、過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行不良を招く可能性があります。

ウォーキングなどの軽い運動や趣味に没頭する時間、友人との会話やゆっくり入浴するなど、自分に合った方法でストレスを溜め込まないように心がけましょう。

セルフケアで改善しない場合は専門クリニックへ

生活習慣の改善やセルフケアを続けても、つむじの薄さが改善しない、あるいは進行しているように感じる場合は、自己判断せずに専門のクリニックに相談することをおすすめします。

女性の薄毛の原因は多岐にわたり、なかには病気が隠れている可能性もあるため、専門医による正確な診断が重要です。

専門医による診断の重要性

クリニックではまず詳細な問診を行い、生活習慣や既往歴、家族歴や服用中の薬、自覚症状などを詳しく伺います。

その後、視診や触診で頭皮や髪の状態を確認し、必要に応じてマイクロスコープで毛穴の状態や髪の太さを観察したり、血液検査でホルモンバランスや甲状腺機能、栄養状態などをチェックしたりします。

これらの情報をもとに薄毛の原因を特定し、一人ひとりの状態に合わせた治療方針を立てます。

クリニックでの検査

検査の種類目的・内容
問診生活習慣、既往歴、自覚症状などの詳細な聞き取り
視診・触診頭皮の色、硬さ、髪の密度、抜け毛のパターンなどを確認
マイクロスコープ検査頭皮、毛穴、毛髪の状態(太さ、形状など)を数十~数百倍に拡大して観察
血液検査ホルモン値(女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモン)、鉄、亜鉛などの栄養状態を確認

女性の薄毛に対する主な治療法

診断結果に基づき医学的根拠のある治療法の中から、患者さんの状態や生活スタイル、希望に合ったものを提案します。

治療法は単独で行う場合もあれば、複数を組み合わせる方もいます。効果の現れ方や副作用、費用などは治療法によって異なるため、医師と十分に話し合い、納得したうえで治療を進めましょう。

治療効果を実感するには、一般的に3ヶ月から6ヶ月以上の継続が必要です。

外用薬治療

発毛効果が認められているミノキシジルを配合した塗り薬を頭皮に塗布します。毛母細胞を活性化させ、血行を促進して発毛を促します。

女性の場合、低濃度のものから使用を開始するのが一般的です。

内服薬治療

男性ホルモンの影響を抑えるスピロノラクトンや、ミノキシジルタブレット(医師の判断のもと慎重に使用)などが用いられます。

ホルモンバランスを整えたり、血行を改善したりして、抜け毛を抑制し発毛をサポートします。

注入療法

発毛に必要な成長因子や栄養素などを、注射や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する治療法です(メソセラピー、HARG療法など)。

外用薬に比べて、薬剤の効果を直接届けやすいのが特徴です。

自毛植毛

内服薬や外用薬で十分な効果が得られない場合や、より確実な効果を希望する場合に検討されます。

後頭部などの薄くなりにくい部分の自分の毛髪を、薄くなった部分に移植する方法です。

つむじの薄毛に関するよくある質問(FAQ

つむじの薄毛は見た目の印象に関わるため、多くの女性にとって非常に気になる問題です。

しかし、一人で悩みを抱え込まず、まずはご自身の状態を正しく理解して適切な対処法を知ることが大切です。セルフチェックやセルフケアの方法を参考に、日々の生活を見直してみましょう。

つむじは誰にでもありますか?複数ある人もいる?

つむじは基本的に誰にでもあります。髪の毛が生える際の毛流の中心となる部分です。

多くの人は頭頂部に1つですが、まれに2つ、あるいは3つある人もいます。また、つむじの位置も人によって異なり、頭頂部だけでなく、少し前や後ろ、左右にずれているケースもあります。

つむじが複数あるからといって、薄毛になりやすいわけではありません。

つむじの薄毛は遺伝的要因が大きいのでしょうか?

薄毛になりやすい体質(ホルモンの感受性など)が遺伝する可能性は否定できません。特にFAGA(女性男性型脱毛症)は、遺伝的素因が関与すると考えられています。

しかし、遺伝が全てではありません。食生活や睡眠、ストレスやヘアケアなどの生活習慣や、加齢、ホルモンバランスの変化といった後天的な要因も大きく影響します。

ご家族に薄毛の方がいても、必ずしもご自身が同じようになるとは限らず、適切なケアや対策によって進行を抑えることも可能です。

市販の育毛剤やシャンプーだけで改善しますか?

市販の育毛剤やスカルプシャンプーには、頭皮環境を整えたり、血行を促進したりする成分が含まれているものが多くあります。

薄毛の予防やごく初期の段階であれば、これらのセルフケアで頭皮環境が改善し、抜け毛が減るなどの効果を感じる可能性はあります。

しかし、医学的に発毛効果が認められている成分(ミノキシジルなど)の配合濃度は、医療機関で処方されるものと比較して低いか、含まれていない場合がほとんどです。

すでに薄毛がある程度進行している場合、市販品だけで目に見える改善を得るのは難しいケースが多いです。根本的な改善を目指す場合は、専門医の診断に基づいた治療を検討することをおすすめします。

治療を開始したら、どのくらいで効果が出ますか?

治療効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で、抜け毛の減少や産毛の発生といった初期の変化を感じ始める方が多いです。

髪の毛にはヘアサイクルがあるため、目に見える形で髪の太さや密度が改善するには、さらに時間がかかります。効果をはっきりと実感するには、半年から1年以上の継続的な治療が必要です。

焦らず、根気強く治療を続けることが重要です。治療経過は定期的に診察し、効果を確認しながら進めていきます。

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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