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ジヒドロテストステロンが多い人の特徴と女性の薄毛との関係

ジヒドロテストステロンが多い人の特徴と女性の薄毛との関係

「髪のボリュームが減ってきた気がする」「抜け毛が増えて、地肌が目立つようになった」など、女性の薄毛に関する悩みは非常にデリケートで、近年クリニックにいらっしゃる方が増えています。

その原因は一つではありませんが、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンの一種が深く関わっているケースがあります。

この記事では、専門的な知見に基づき、ジヒドロテストステロンが多い人の特徴、女性の薄毛との詳しい関係、そしてご自身でできる対策から専門クリニックでの治療法まで、分かりやすく解説します。

目次

そもそもジヒドロテストステロン(DHT)とは何か

薄毛の話になるとしばしば登場するのが、ジヒドロテストステロン(DHT)です。

名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような物質なのか、なぜ女性の体にも存在するのか、正確に知る方は少ないかもしれません。

まずは、DHTの基本的な知識から解説します。

男性ホルモンの一種テストステロンから作られる

ジヒドロテストステロン(DHT)は、男性ホルモンである「テストステロン」が、より強力な作用を持つホルモンに変換されたものです。

テストステロン自体が直接、髪の毛に悪影響を与えるわけではありません。

テストステロンが体内の特定の酵素と結びつくことで、薄毛の原因となるDHTへと変化します。

5αリダクターゼという酵素が鍵を握る

テストステロンをDHTに変換する上で重要な役割を果たすのが、「5αリダクターゼ」という還元酵素です。

この酵素は、主に頭皮の皮脂腺や毛乳頭細胞に存在します。

5αリダクターゼの活性度が高い人ほど体内のテストステロンがDHTに変換されやすく、薄毛のリスクが高まる傾向にあります。

テストステロンとDHTの主な違い

項目テストステロンジヒドロテストステロン(DHT)
生成元主に卵巣や副腎テストステロンから変換
作用の強さ基準テストステロンの数倍~10倍強力
髪への影響直接的な影響は小さいヘアサイクルの短縮化(薄毛の原因)

なぜ女性にもDHTが存在するのか

「男性ホルモン」という名前から、女性には無関係だと思われがちですが、女性の体内でも副腎や卵巣で男性ホルモンは作られています。

その量は男性の10分の1から20分の1程度と少ないですが、女性ホルモンとのバランスを保ち、健康を維持するために大切な役割を担っています。

このため、女性の体内でもテストステロンからDHTが生成されるのです。

ジヒドロテストステロン(DHT)が多い女性に見られる身体的な特徴

DHTの量が増えると、髪の毛以外にも体のさまざまな部分に変化が現れます。

これらの特徴は、ホルモンバランスが男性ホルモン優位に傾いているサインかもしれません。

皮脂の分泌が多くニキビができやすい

DHTは皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を活発にする作用があります。

そのため、DHTが多いと顔や頭皮がべたつきやすくなったり、毛穴が詰まり大人ニキビができやすくなったりします。

特にあご周りやフェイスラインに繰り返しニキビができる場合は、DHTの影響が考えられます。

体毛が濃くなる傾向

DHTは頭髪に対しては成長を抑制するように働きますが、一方で体毛(腕、脚、顔のうぶ毛など)に対しては成長を促進するように働きます。

このためDHTが多い女性は、以前よりも体毛が濃くなったと感じる場合があります。

特に、口周りのうぶ毛やすね毛などが目立つようになるのが特徴です。

DHTが影響を与える可能性のある身体的変化

部位主な変化解説
皮膚ニキビ、肌のべたつき皮脂腺の活動が活発化するため。
体毛毛が濃くなる、太くなる頭髪とは逆の作用を示すため。
声が低くなる声帯に作用し、太く変化させるため。

声が低くなる可能性

非常にまれなケースですが、男性ホルモンの影響が強く出ると、声帯に作用して声が以前よりも低くなるときがあります。

声の変化は他の要因も考えられますが、もし他の身体的特徴と合わせて見られるのであれば、ホルモンバランスの乱れも一つの可能性として考えられます。

ジヒドロテストステロン(DHT)が多い女性の生活習慣の特徴

DHTの量は遺伝的な要因だけでなく、日々の生活習慣にも大きく左右されます。

知らず知らずのうちにDHTを増やしてしまう行動をとっているかもしれません。ご自身の生活スタイルを振り返ってみましょう。

脂質や糖質の多い食生活

揚げ物やジャンクフード、甘いお菓子やジュースなどを頻繁に摂取する食生活は、DHTの増加につながる可能性があります。

特に動物性脂肪の過剰な摂取は男性ホルモンの原料となり、皮脂の分泌を促します。

バランスの取れた食事が髪の健康の土台となります。

睡眠不足や不規則な生活リズム

睡眠中は体の成長や修復を促す成長ホルモンが分泌され、ホルモンバランスを整える大切な時間です。

睡眠時間が不足したり、夜更かしなどで生活リズムが乱れたりすると自律神経やホルモンバランスが乱れ、結果的に男性ホルモンが優位になりやすくなります。

DHTの増加に関連する生活習慣

習慣のカテゴリ具体的な行動例髪への影響
食事高脂質・高糖質な食事、外食が多い皮脂の過剰分泌、ホルモンバランスの乱れ
睡眠慢性的な睡眠不足、昼夜逆転成長ホルモンの分泌減少、自律神経の乱れ
運動デスクワーク中心、運動習慣がない血行不良、頭皮への栄養不足

運動不足による血行不良

適度な運動は全身の血行を促進し、頭皮に必要な栄養素を届けるために重要です。

運動不足の状態が続くと血流が悪化し、毛母細胞が栄養不足に陥りやすくなります。

これは、健康な髪の成長を妨げる一因となります。

過度なストレスを抱え込んでいる

ストレスは、ホルモンバランスや自律神経を乱す最大の要因の一つです。

強いストレスを感じると、体は対抗するためにコルチゾールというホルモンを分泌しますが、この過程で男性ホルモンの分泌も促される場合があります。

このホルモンバランスの乱れが、DHTの増加につながっている方も見受けられます。

「頑張り屋さん」ほど要注意?ストレスとDHTの隠れた関係

毎日仕事や家庭で責任感を持ち、一生懸命に取り組む真面目な女性ほど知らず知らずのうちにストレスを溜め込み、それが薄毛の一因となっている場合があります。

ここでは、多くの方が見過ごしがちな「ストレス」とDHTの深いつながりに焦点を当てていきます。

ストレスがホルモンバランスを乱す流れ

強いストレスを感じると私たちの体は危機的状況と判断し、自律神経のうち交感神経が優位になります。

血管が収縮して血行が悪化するだけでなく、ホルモン分泌の司令塔である脳の視床下部や下垂体の働きにも影響が及びます。

これによって女性ホルモンの分泌が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強くなってしまうのです。

副腎から分泌される男性ホルモンの増加

女性の体内で男性ホルモンを産生する場所の一つに「副腎」があります。

副腎はストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」を分泌する臓器ですが、慢性的なストレスにさらされると、コルチゾールを過剰に作り続けようとします。

この過程で、男性ホルモンの一種であるDHEA-Sの分泌も増え、これがDHTの材料となってしまうことがあるのです。

ストレスとDHT増加の悪循環

段階体内で起こること結果
ストレス発生交感神経が優位になる血行不良、ホルモン司令塔の乱れ
ストレス慢性化副腎が疲弊し、男性ホルモン分泌増加DHTの材料が増える
DHT増加薄毛が進行し、それが新たなストレスにさらなるホルモンバランスの悪化

完璧主義や責任感が強い女性が陥りやすい罠

「全て自分でやらなければ」「周りの期待に応えなければ」という思いが強い方は、常に心身が緊張状態にあります。

この緊張が慢性的なストレスとなり、ホルモンバランスを少しずつ崩していきます。

髪の変化は、心が発しているSOSのサインかもしれません。自分を責めるのではなく、まずは頑張っている自分を認めてあげることが大切です。

心と髪の健康を守るための思考の転換

薄毛の悩みを抱えると、つい髪のことばかり考えてしまいがちですが、根本的な原因は心の問題にあるかもしれません。

「まあ、いいか」と物事を完璧にこなすのをやめてみる、誰かに頼ってみる、一人の時間を作ってリラックスするなど、意識的に心を開放する時間を作る工夫が、結果的にDHTの過剰な生成を抑えて髪の健康を守ることにつながります。

女性の薄毛(FAGA)とジヒドロテストステロン(DHT)の直接的な関係

DHTが体内に多いと、なぜ薄毛につながるのでしょうか。

DHTが毛根にどのように作用し、女性男性型脱毛症(FAGA)を引き起こすのか、その直接的な関係を詳しく見ていきましょう。

ヘアサイクルの乱れを引き起こす

髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」という一連の周期(ヘアサイクル)があります。

健康な髪の毛は、2年から6年ほどの長い成長期を経て太く長く成長します。

しかし、DHTが毛根にある受容体と結びつくと髪の成長を妨げる信号が出され、この成長期が数ヶ月から1年程度にまで短縮されてしまいます。

ヘアサイクル特徴
成長期髪が伸びる期間
退行期髪の成長が止まる期間
休止期髪が抜け落ちる準備をする期間

毛母細胞への攻撃と髪の成長阻害

DHTは、毛髪を作り出す「毛母細胞」の働きを弱める作用を持っています。

成長期が短くなると髪の毛が十分に太く長く成長する前に抜けてしまい、細く短い毛が増えていきます。

この状態が続くと、だんだんと髪全体のボリュームが失われ、地肌が透けて見えるようになるのです。

正常なヘアサイクルと乱れたヘアサイクルの比較

項目正常なヘアサイクルDHTにより乱れたヘアサイクル
成長期の長さ約2年~6年数ヶ月~1年
髪の状態太く、長く成長する細く、短いまま抜ける(軟毛化)
見た目の変化豊かなボリューム地肌が透けて見える

FAGAの進行パターンとDHTの影響

男性のAGA(男性型脱毛症)が生え際や頭頂部から薄くなる方が多いのに対し、女性のFAGAでは頭頂部を中心に髪が全体的に薄くなる「びまん性脱毛」という特徴があります。

特に頭のてっぺんの分け目が広くなったように感じるのが初期症状として多く見られます。

これは、頭頂部の毛根がDHTの影響を受けやすいためと考えられています。

ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制するために自分でできること

DHTの量を完全にコントロールするのは難しいですが、日々の生活習慣を見直すと、その過剰な生成をある程度抑えることが期待できます。

専門的な治療を始める前の第一歩として、今日からできるケアを始めてみましょう。

食生活の見直しと栄養バランス

髪の健康を保つためには、バランスの取れた食事が基本です。

特に、男性ホルモンの働きを調整する作用のある「イソフラボン」や、5αリダクターゼの働きを阻害するとされる「亜鉛」の積極的な摂取が推奨されます。

一方で、過剰な脂質や糖質は控えるように心がけましょう。

DHT対策に役立つ栄養素と食材

栄養素期待される働き多く含まれる食材
イソフラボン女性ホルモンと似た働きをする大豆、豆腐、納豆、豆乳
亜鉛5αリダクターゼの働きを抑制牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ
ビタミンB群皮脂分泌のコントロール、代謝促進豚肉、うなぎ、マグロ、卵

質の高い睡眠を確保する方法

毎日7時間程度の睡眠時間を確保することを目標にしましょう。また、時間だけでなく睡眠の質も重要です。

就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えると深い眠りにつながります。

寝る前にハーブティーを飲んだり、軽いストレッチをしたりするのも良いでしょう。

ストレスを上手に発散する習慣づくり

自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。

激しい運動でなくても、ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、心身のリフレッシュに効果的です。

また、趣味に没頭する時間を作ったり、信頼できる友人と話したりするとストレス軽減に繋がります。

  • ウォーキング
  • ヨガ・ストレッチ
  • 趣味の時間
  • 親しい人との会話

頭皮環境を整えるヘアケア

頭皮の皮脂や汚れをきちんと落とし、清潔に保つ習慣は基本中の基本です。

ただし、洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮を乾燥させ、かえって皮脂の過剰分泌を招く場合もあるため注意が必要です。

アミノ酸系のマイルドな洗浄成分のシャンプーを選び、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。

専門クリニックで行うジヒドロテストステロン(DHT)への働きかけ

セルフケアだけでは改善が見られないときや、より積極的に薄毛治療に取り組みたい場合は、専門のクリニックに相談するのが有効な選択肢となります。

クリニックでは、医学的根拠に基づいた方法でDHTの問題に直接働きかけます。

正確な原因を特定する検査

まずは、問診や視診、マイクロスコープでの頭皮チェックなどを行い、薄毛の原因を多角的に探ります。

必要に応じて血液検査を行い、ホルモン値や栄養状態などを詳細に調べるケースもあります。

これらの検査により、薄毛が本当にDHTによるものなのか、あるいは他の要因が絡んでいるのかを正確に判断します。

内服薬による5αリダクターゼの阻害

女性の薄毛治療において中心的な役割を果たすのが、内服薬による治療です。

代表的な有効成分である「スピロノラクトン」は、DHTが毛根の受容体と結合するのを防ぐ働きがあります。

これらの薬は5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成そのものを抑制してヘアサイクルを正常化させ、抜け毛を減らして発毛を促します。

クリニック治療とセルフケアの違い

アプローチセルフケアクリニックでの治療
目的予防・現状維持原因への直接的な対処・発毛促進
方法生活習慣改善、市販の育毛剤など内服薬、外用薬、注入治療など
効果限定的・個人差が大きい医学的根拠に基づき高い効果を期待できる

外用薬による頭皮への直接的な働きかけ

内服薬と並行して、発毛促進効果が認められている「ミノキシジル」などの外用薬を使用するのが一般的です。

ミノキシジルは頭皮の血行を促進し、毛母細胞に直接栄養を届けて、髪の成長をサポートします。

内服薬でDHTの攻撃をブロックし、外用薬で髪の成長を後押しする、という二つの側面からの働きかけが効果的です。

栄養指導や生活習慣改善のサポート

薬物治療だけでなく、専門家の視点から食事や睡眠、ストレス管理といった生活習慣全般に関するアドバイスを行います。

治療効果を最大限に高めて健康な髪を維持するためには、体の中から環境を整えることが重要です。

治療と並行して生活スタイルを見直しながら、より根本的な改善を目指します。

ジヒドロテストステロン(DHT)に関するよくある質問(Q&A)

さいごに、患者さんからよく寄せられるDHTに関する質問とその回答をまとめました。

ピルを飲むとDHTは減りますか?

低用量ピルの一部には、男性ホルモンの作用を抑える効果が期待できるものがあります。ピルに含まれる女性ホルモンが、相対的に男性ホルモンの影響を弱めるためです。

ただし、ピルは本来、避妊や月経困難症の改善を目的とする薬であり、薄毛治療のためだけに処方されることは通常ありません。

また、種類によっては逆に男性ホルモン作用を持つものもあるため、必ず医師に相談が必要です。

遺伝的にDHTが多い体質はありますか?

あります。DHTを生成する酵素「5αリダクターゼ」の活性度の高さや、DHTを受け取る「男性ホルモン受容体」の感受性の高さは、遺伝的な影響が大きいと考えられています。

ご家族に薄毛の方がいる場合、ご自身もその体質を受け継いでいる可能性があります。

DHTの量は血液検査でわかりますか?

血液検査でDHTの血中濃度を測定することは可能です。しかし、薄毛の進行度は血中のDHT濃度だけでなく、頭皮局所でのDHTの作用や、受容体の感受性など複数の要因が絡み合って決まります。

そのため、血液検査の数値だけが全てではなく、あくまで診断のための一つの指標として参考にします。

サプリメントでDHTを抑制できますか?

ノコギリヤシや亜鉛などの成分を含むサプリメントが、DHT抑制効果を謳って販売されています。

これらの成分が5αリダクターゼの働きをある程度阻害するという研究報告はありますが、その効果は医薬品に比べて限定的であり、科学的根拠も十分とは言えません。

あくまで栄養補助的な位置づけとして考え、過度な期待はせず、基本となる生活習慣の改善と並行して利用するのが良いでしょう。

参考文献

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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