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髪にコシがない女性のための原因と対策|専門医の見解

髪にコシがない女性のための原因と対策|専門医の見解

「髪にハリやコシがなくなった」「髪がペタンとしてボリュームが出ない」と感じている女性も多いようです。

髪のコシの低下は見た目の印象を左右するだけでなく、何らかのサインかもしれません。

この記事では、女性の髪からコシが失われる原因を専門医の視点から解説し、ご自身でできる対策から専門的な治療法まで幅広く紹介します。

目次

髪の「コシ」とは?美しい髪の基本

髪の悩みとしてよく耳にする「コシがない」という状態は、具体的にどのような状態を指し、なぜ髪にとってコシが大切なのでしょうか。

まずは髪のコシの基本について理解を深めましょう。

髪のコシの定義と重要性

髪の「コシ」とは、髪の毛1本1本が持つ弾力性や強度、しなやかさを指します。髪にコシがあると根元から立ち上がりやすく、スタイリングがしやすくなります。

また、外部からの刺激に対してもある程度の抵抗力を持ち、切れ毛や枝毛になりにくい健康な状態を保ちやすくなります。

逆に、髪にコシがないと髪が細く弱々しく感じられ、ボリュームが出にくく、ペタンとした印象になりがちです。

コシがある髪とない髪の違いとは

コシがある髪は、指でつまんで曲げても元に戻ろうとする弾力があります。一方、コシがない髪は同じように曲げても元に戻る力が弱く、くたっとした感触です。

見た目にも、コシのある髪は全体的にふんわりとしたボリューム感があり、健康的な印象を与えます。

髪のコシがなくなると分け目が目立ちやすくなったり、ヘアスタイルが長持ちしなかったりといった悩みが生じる場合があります。

健康な髪が持つ要素

  • ハリ
  • コシ
  • ツヤ
  • 弾力
  • 潤い

髪の構造とコシの関係性

髪のコシは髪の内部構造と深く関わっています。

髪の毛は主に3つの層から成り立っています。最も外側にあるのが「キューティクル」、その内側にあるのが髪の大部分を占める「コルテックス」、そして中心部にあるのが「メデュラ」です。

特にコルテックス内部のタンパク質の状態や密度が、髪の強度や弾力性、つまりコシに大きく影響します。

キューティクルが整っているかどうかも、内部のタンパク質や水分を守り、コシを保つために重要です。

健康な髪が持つハリ・コシ・ツヤのバランス

美しい髪の条件として、ハリ・コシ・ツヤの3つの要素がバランス良く保たれていることが挙げられます。

ハリは髪のしっかりとした感触、コシは前述の通り弾力性、そしてツヤは髪表面の滑らかさによる光の反射です。これらのバランスが崩れると、髪の悩みが生じやすくなります。

例えば、髪にコシがなくなるとハリも失われがちで、全体的に元気のない印象になります。

このような要素は互いに関連し合っており、健康な髪を育むためには総合的なケアが必要です。

なぜ?女性の髪からコシが失われる原因

髪のコシが失われる背景には、様々な要因が考えられます。

年齢による変化だけでなく、生活習慣やホルモンバランスの乱れも大きく関わっています。

加齢による髪質の自然な変化

年齢を重ねるとともに、髪の毛を作り出す毛母細胞の働きが徐々に低下します。

これによって髪の毛が細くなったり、1本1本の成長期が短くなったりするケースがあります。髪が細くなると、物理的にコシを感じにくくなります。

また、頭皮の血行も年齢とともに滞りやすくなり、髪に必要な栄養が届きにくくなる点も、髪質の変化に影響を与える一因です。

ホルモンバランスの乱れとその影響

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、髪の成長を促進してハリやコシを保つ働きがあります。

しかし、妊娠・出産や更年期、ストレスや不規則な生活などによってホルモンバランスが乱れると、エストロゲンの分泌量が変動し、髪の成長サイクルに影響が出やすいです。

特に更年期以降はエストロゲンの分泌が急激に減少するため、髪が細くなったり、コシが失われたりする変化を感じる方が多くなります。

ホルモンバランスが乱れる主な要因

  • 妊娠・出産
  • 更年期
  • 過度なストレス
  • 睡眠不足
  • 不規則な食生活

生活習慣の乱れが招く髪へのダメージ

健やかな髪を育むためには、バランスの取れた食生活や質の高い睡眠、適度な運動やストレスを溜め込まない生活が大切です。

偏った食事による栄養不足は髪の主成分であるタンパク質や、髪の成長に必要なビタミン・ミネラルの不足を招き、髪のコシを低下させます。

睡眠不足や過度なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良やホルモンバランスの乱れにつながり、結果として髪の健康を損なう可能性があります。

髪のコシ低下につながる原因

原因の種類具体的な内容髪への影響
加齢毛母細胞の働きの低下、頭皮の血行不良髪の細り、成長期の短縮
ホルモンバランスの乱れエストロゲンの減少(更年期など)、ストレス髪の成長サイクルの乱れ、髪質の低下
生活習慣の乱れ栄養不足、睡眠不足、喫煙髪への栄養供給不足、頭皮環境の悪化

間違ったヘアケアや外部からの刺激

毎日のヘアケア方法も髪のコシに影響を与えます。

洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、ゴシゴシと力を入れた洗髪、頻繁なカラーリングやパーマ、ドライヤーの熱の当てすぎ、紫外線の長時間暴露は髪のキューティクルを傷つけ、内部のタンパク質や水分を流出させる原因となります。

これらのダメージが蓄積すると髪は乾燥してパサつき、コシを失ってしまいます。髪にコシがないと感じる方は、一度ヘアケア習慣を見直すことが大切です。

髪のコシがない状態を放置するリスク

「髪にコシがないだけ」と軽く考えていると、思わぬトラブルにつながる場合があります。髪のコシの低下は、単なる見た目の問題だけでなく、髪や頭皮の健康状態を示すサインでもあるのです。

放置するとどのようなリスクがあるのかを理解しておきましょう。

見た目の印象への影響

髪にコシがないと、まず見た目の印象が大きく変わります。髪全体がペタッとしてボリュームダウンし、実年齢よりも老けて見られたり、疲れた印象を与えたりしやすいです。

また、スタイリングが思うように決まらず朝の準備に時間がかかったり、ヘアスタイルを楽しめなくなったりするため、QOL(生活の質)の低下につながる可能性があります。

薄毛や抜け毛に進行する可能性

髪のコシの低下は、髪が細くなっている、あるいは弱っているサインであることが多いです。

このような状態が続くと髪の成長サイクルが乱れ、成長しきる前に抜け落ちてしまう「抜け毛」が増えたり、新しい髪が生えてきても細く弱い髪ばかりになったりして、徐々に薄毛へと進行する可能性があります。

特に女性の薄毛(FAGA:女性男性型脱毛症など)の初期症状として、髪のハリ・コシの低下が見られるケースがあります。

頭皮環境の悪化とさらなる髪トラブル

髪のコシが失われる原因の一つに、頭皮環境の悪化があります。例えば、頭皮の乾燥や血行不良、皮脂の過剰分泌などが挙げられます。

このような状態を放置すると、フケやかゆみ、炎症といった頭皮トラブルを引き起こしやすくなります。

不健康な頭皮からは健康な髪は育ちにくいため、髪のコシの低下がさらに進んだり、他の髪トラブルを併発したりする悪循環に陥る方もいます。

髪のコシ低下を放置する主なリスク

リスクの種類具体的な症状・影響考えられる対策の方向性
見た目の変化ボリュームダウン、老けた印象、スタイリング困難ヘアケアの見直し、ボリュームアップ製品の使用
薄毛・抜け毛の進行髪の細毛化、抜け毛の増加、分け目の目立ち早期の専門医相談、生活習慣改善
頭皮環境の悪化乾燥、フケ、かゆみ、炎症頭皮ケアの徹底、刺激の少ない製品選び

心理的な影響と自信の低下

髪は人の印象を大きく左右する部分であり、髪の状態が良くないと気分も沈みがちになるものです。

髪にコシがなく思うようなヘアスタイルができない期間が続くとそれがストレスとなり、自分に自信が持てなくなったり、人と会うのが億劫になったりするなど、心理的な影響が出ることも少なくありません。

髪の悩みが心の負担にならないよう、早めの対処が大切です。

自宅でできる!髪のコシを取り戻すセルフケア

髪のコシの低下を感じ始めたら、まずは毎日の生活習慣やヘアケアの見直しから始めましょう。

ここでは、自宅で手軽に取り組めるセルフケア方法を紹介します。継続すると、少しずつ髪の変化を実感できるかもしれません。

バランスの取れた食事と栄養摂取のポイント

髪は主にタンパク質(ケラチン)でできています。そのため、良質なタンパク質を十分に摂取するのが基本です。肉や魚、卵や大豆製品などをバランス良く食事に取り入れましょう。

また、タンパク質の合成を助ける亜鉛や、頭皮の血行を促進するビタミンE、頭皮環境を整えるビタミンB群なども積極的に摂りたい栄養素です。

インスタント食品やファストフードに偏らず、多様な食材から栄養を摂るように心がけてください。

主なセルフケア方法とポイント

ケアの種類ポイント期待できる効果
食生活の見直しタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取髪の栄養状態の改善、健やかな髪の育成
正しいシャンプーアミノ酸系などマイルドな洗浄成分、頭皮マッサージ頭皮環境の改善、血行促進
適切なドライヤー使用髪から20cm以上離す、同じ箇所に当て続けない熱ダメージの軽減、キューティクルの保護

正しいシャンプー方法と頭皮マッサージ

シャンプーは髪と頭皮の汚れを落とすだけでなく、頭皮環境を整える重要な習慣です。

まず、シャンプー前にブラッシングで髪のもつれを解き、汚れを浮かせます。お湯で十分に予洗いした後、シャンプーを手のひらで泡立ててから髪と頭皮につけ、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。

すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけて丁寧に洗い流します。洗髪後やリラックスタイムに頭皮マッサージを取り入れるのも、血行促進に効果的です。

シャンプー選びのポイント

  • アミノ酸系洗浄成分
  • ノンシリコン(髪質による)
  • 頭皮に優しい弱酸性
  • 保湿成分配合

髪と頭皮に優しいドライヤーの使い方

濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。自然乾燥は髪の水分が過剰に蒸発したり、雑菌が繁殖したりする原因になるため、シャンプー後は速やかにドライヤーで乾かしましょう。

ただし、熱の当てすぎは髪を傷めます。タオルドライでしっかり水分を取った後、ドライヤーを髪から20cm以上離し、同じ箇所に熱風が集中しないようにドライヤーを振りながら全体を乾かします。

8割程度乾いたら冷風に切り替えて仕上げると、キューティクルが引き締まりツヤが出やすくなります。

質の高い睡眠とストレス管理

髪の成長には、成長ホルモンが大きく関わっています。成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されるため、質の高い睡眠を十分にとる工夫が重要です。

毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活リズムを心がけましょう。

また、ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行不良や髪の成長阻害につながります。

適度な運動や趣味の時間、リラックスできる環境づくりなど、自分に合った方法でストレスを上手に解消することも、髪のコシを保つためには大切です。

食生活で改善!髪のコシを育む栄養素

髪の健康は、日々の食事から摂取する栄養素によって大きく左右されます。

特に髪のコシを取り戻し、維持するためには、特定の栄養素を意識して摂ると効果的です。

タンパク質の重要性 – 髪の主成分ケラチン

髪の約80~90%は「ケラチン」というタンパク質で構成されています。そのため、良質なタンパク質は健康な髪を作るための最も基本的な材料です。

タンパク質が不足すると髪が細くなったり、弱くなったりして、コシが失われる原因となります。

肉類や魚介類、卵や乳製品、大豆製品など、動物性・植物性タンパク質をバランス良く摂取しましょう。

髪に良い主な栄養素

栄養素名多く含む食品例髪への主な働き
タンパク質肉、魚、卵、大豆製品、乳製品髪の主成分ケラチンの材料となる
亜鉛牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類ケラチンの合成を助ける、細胞分裂を促す
ビタミンB群レバー、魚介類、緑黄色野菜、穀類頭皮の新陳代謝促進、皮脂バランス調整

ビタミンB群 – 頭皮環境を整える

ビタミンB群はエネルギー代謝を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働く栄養素群です。

ビタミンB2は皮脂の分泌をコントロールし、頭皮の健康を保つのに役立ちます。ビタミンB6はタンパク質の代謝に関与し、ケラチンの合成をサポートします。

また、ビオチンは皮膚や髪の健康維持に深く関わっており、不足すると脱毛や白髪の原因になるケースもあります。

これらのビタミンB群は、レバーや魚介類、緑黄色野菜や穀類などに多く含まれます。

積極的に摂りたいビタミンB群

  • ビタミンB2(リボフラビン)
  • ビタミンB6(ピリドキシン)
  • ビオチン
  • パントテン酸

亜鉛 – 髪の成長をサポート

亜鉛はタンパク質の合成や細胞分裂に不可欠なミネラルです。

髪の主成分であるケラチンを合成する際にも必要とされ、不足すると髪の成長が妨げられたり、髪質が悪化したりする可能性があります。

また、亜鉛は免疫機能の維持にも関わっており、頭皮の健康を守るためにも重要です。

牡蠣やレバー、牛肉(赤身)やナッツ類、種実類などに多く含まれていますが、吸収率があまり高くないため、意識して摂取する必要があります。

髪のコシのために避けたい食品・習慣

食品・習慣髪への悪影響(可能性)代替案・改善策
高脂肪食・ジャンクフード皮脂の過剰分泌、血行不良和食中心、野菜や魚を多く摂る
過度なアルコール摂取栄養素の吸収阻害、肝機能低下適量を守る、休肝日を設ける
喫煙血管収縮による血行不良、ビタミンC破壊禁煙、節煙

その他、髪に良いとされる食品と摂取のコツ

上記の他にも、抗酸化作用があり頭皮の老化を防ぐビタミンC(果物、野菜)やビタミンE(ナッツ類、植物油)、血行を促進する鉄分(レバー、赤身肉、ほうれん草)、髪のツヤに関わるオメガ3系脂肪酸(青魚、亜麻仁油)なども髪の健康に良いとされています。

これらの栄養素をバランス良く摂取するためには特定の食品に偏らず、多様な食材を組み合わせる工夫が大切です。

また、栄養素は互いに協力して働くため、サプリメントに頼る場合は単一の成分だけでなく、バランスを考慮したものを選ぶと良いでしょう。

ただし、基本は食事からの摂取を心がけてください。

専門医に相談するタイミングとクリニックでの対策

セルフケアを続けても髪のコシの改善が見られないときや、抜け毛の増加など他の症状も気になる場合は、専門医への相談を検討しましょう。

クリニックでは、より詳しい原因の特定と、個々の状態に合わせた専門的な対策を受けられます。

セルフケアで改善が見られない場合の目安

一般的に、セルフケアの効果が現れるまでには数ヶ月単位の時間が必要です。

しかし、3ヶ月~6ヶ月程度続けても髪のコシのなさやボリュームダウンが改善しない、あるいは悪化しているように感じる場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。

また、急に髪質が大きく変わった、抜け毛が著しく増えた、頭皮に炎症や強いかゆみがあるといったときは、早めに相談することが大切です。

自己判断で間違ったケアを続けると、かえって症状を悪化させる可能性もあります。

専門クリニックで行う頭皮・毛髪診断

女性の薄毛治療専門クリニックでは問診や視診に加え、マイクロスコープを用いた頭皮や毛穴の状態の確認、毛髪の太さや密度の測定など詳細な診断を行います。

これにより、髪のコシが失われている根本的な原因(ホルモンバランスの乱れ、栄養状態、頭皮環境、遺伝的要因など)を特定しやすくなります。

必要に応じて血液検査を行い、全身的な健康状態や栄養バランスを確認する場合もあります。

これらの診断結果に基づいて、一人ひとりに合った治療計画を立てます。

クリニックで行われる治療法

治療法名特徴対象となる主な症状
内服薬治療体の内側から発毛・育毛を促進、ホルモンバランス調整びまん性脱毛症、FAGA(女性男性型脱毛症)
外用薬治療頭皮に直接塗布し、毛根を刺激、血行促進初期の薄毛、抜け毛予防、髪のハリ・コシ改善
注入治療(メソセラピーなど)有効成分を頭皮に直接注入、高い浸透効果広範囲の薄毛、既存治療で効果が薄い場合

クリニックで受けられる主な治療法

クリニックでの治療法は、症状や原因、患者さんの希望に応じて様々です。

代表的なものとしては、ミノキシジルなどの発毛効果が認められている外用薬の処方、スピロノラクトンなどホルモンバランスを整える内服薬の処方、髪の成長に必要な栄養素や成長因子を頭皮に直接注入するメソセラピーやHARG療法などの注入治療があります。

これらの治療を単独で、あるいは組み合わせて行い、髪のハリ・コシの改善や発毛・育毛効果を目指します。

治療期間と費用の目安

髪の治療は、効果を実感するまでに時間がかかるのが一般的です。

多くの場合、治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で変化を感じ始め、効果を安定させるためには1年以上の継続治療が必要となるケースもあります。

費用は、治療内容やクリニックによって大きく異なります。例えば内服薬や外用薬のでは、月々数千円から数万円程度、注入治療は1回数万円から十数万円程度が目安となります。

初診時に予想される治療期間や総費用について、しっかりと説明を受けましょう。

治療期間と費用の一般的な目安

治療法期間の目安費用の目安(月額または1回)
内服薬6ヶ月~5,000円~30,000円/月
外用薬6ヶ月~5,000円~20,000円/月
注入治療数回~(クールで実施)30,000円~150,000円/回

よくある質問(FAQ)

髪のコシに関する悩みや治療について、患者さんからよく寄せられるご質問とその回答をまとめました。

髪のコシは一度失うと元に戻りませんか?

原因や状態によりますが、適切なケアや治療を行うと、髪のコシが改善する可能性は十分にあります。

加齢による自然な変化を完全に元に戻すのは難しい場合もありますが、ホルモンバランスの乱れや栄養不足、間違ったヘアケアなどが原因であれば、それらを改善すると髪質が向上し、コシが戻ってくることが期待できます。

サプリメントだけで髪のコシは改善しますか?

食事だけでは不足しがちな栄養素を補うという意味で、サプリメントの利用は補助的な役割として有効な場合があります。しかし、サプリメントだけで髪のコシが劇的に改善するケースは稀です。

髪のコシの低下には様々な要因が関わっているため、バランスの取れた食事や正しいヘアケア、質の高い睡眠といった基本的な生活習慣の改善がまず重要です。

その上で、必要に応じて専門医のアドバイスを受けながらサプリメントの活用を検討しましょう。

育毛剤と発毛剤の違いは何ですか?

一般的に「育毛剤」は今ある髪を健康に育て、抜け毛を予防するのを目的とした医薬部外品が多いです。頭皮環境を整えたり、血行を促進したりする成分が含まれています。

「発毛剤」は新しい髪を生やす効果が認められた医薬品で、ミノキシジルなどが代表的な成分です。

髪のコシがない、薄毛が気になるといった場合はご自身の状態に合わせてどちらが適しているか、あるいは両方が必要か、専門医に相談して判断してもらうのが良いでしょう。

クリニックでの治療に副作用はありますか?

どのような治療法であっても、副作用のリスクが全くないわけではありません。

例えば、ミノキシジル外用薬では初期脱毛やかゆみ、かぶれなどが起こることがあります。内服薬では、薬剤の種類によってむくみや動悸、肝機能への影響などが報告されています。

ただし、副作用の頻度や程度は個人差が大きく、必ずしも全ての人に起こるわけではありません。

専門クリニックでは、治療開始前に副作用について十分な説明を行い、治療中も定期的に状態を確認しながら進めますので、不安な点があれば遠慮なく医師に相談しましょう。

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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