頭皮の脂漏性皮膚炎と女性の薄毛の関係性

頭皮の脂漏性皮膚炎と女性の薄毛の関係性

頭皮のベタつき、しつこいフケやかゆみ、抜け毛といった悩みが同時に現れたなら、それは「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」が原因かもしれません。

この皮膚炎は皮脂の過剰な分泌が関係しており、放置すると頭皮環境を悪化させ、女性の薄毛を進行させる一因となります。

この記事では、脂漏性皮膚炎がなぜ起こるのか、どのように薄毛へつながるのかを詳しく解説します。

目次

脂漏性皮膚炎とはそもそもどんな病気?

脂漏性皮膚炎は、皮膚の病気の中でも非常にありふれたものの一つです。

特に、頭皮や顔など、皮脂腺が多く存在する場所に発症しやすい特徴があります。

脂漏性皮膚炎の基本的な症状

主な症状は、皮膚の赤みと、カサカサとしたフケのようなもの(鱗屑:りんせつ)です。

頭皮に発症した場合、黄色っぽく湿ったフケや、乾いたフケが大量に出るときがあります。また、多くのケースでかゆみを伴います。

症状の出方には個人差があり、軽い赤みやフケだけの場合から、かさぶたのようになってしまう場合まで様々です。

皮脂の多い部位に発症しやすい特徴

「脂漏」という名前の通り、この皮膚炎は皮脂の分泌が盛んな「脂漏部位」に好発します。

私たちの体の中でも、特に皮脂腺が発達している場所です。

脂漏性皮膚炎が発症しやすい主な部位

部位特徴主な症状
頭皮・髪の生え際最も皮脂腺が多い部位の一つフケ、かゆみ、赤み、ベタつき
顔(鼻の周り、眉間、額)Tゾーンと呼ばれる皮脂の多いエリア赤み、カサつき、細かい皮むけ
その他(耳の後ろ、胸、脇の下)皮膚がこすれやすく、皮脂が溜まりやすい赤み、じゅくじゅくした感じ

このように、頭皮は脂漏性皮膚炎が最も発症しやすい代表的な場所であり、髪の問題と直接的に結びつきやすいのです。

悪化と改善を繰り返す慢性的な経過

脂漏性皮膚炎のもう一つの特徴は、一度発症するとなかなか完治しにくく、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な経過をたどることです。

体調の変化やストレス、季節の変わり目など、ささいなきっかけで再発する方が少なくありません。そのため、根気強く付き合っていく姿勢が大切になります。

なぜ女性が頭皮の脂漏性皮膚炎になるのか?

脂漏性皮膚炎は男性に多いイメージがあるかもしれませんが、女性も決して無関係ではありません。

女性ならではの原因も複雑に関係し、発症につながります。

マラセチア菌の異常増殖

私たちの皮膚には、誰にでも「マラセチア菌」という常在菌が存在します。この菌は皮脂を栄養源としており、普段は特に害を与えません。

しかし、何らかの理由で皮脂が過剰に分泌されると、マラセチア菌が異常に増殖します。

増殖した菌が皮脂を分解する過程で作り出す物質が、皮膚に刺激を与えて炎症を引き起こす、これが脂漏性皮膚炎の直接的な引き金と考えられています。

ホルモンバランスの乱れ

女性の体は、一生を通じてホルモンバランスが大きく変動します。このホルモンの波が、皮脂の分泌量に影響を与え、脂漏性皮膚炎の発症に関係します。

特に男性ホルモンには皮脂の分泌を促進する働きがあり、女性の体内でも男性ホルモンが優位になるタイミングでリスクが高まります。

女性のライフステージとホルモンバランス

ライフステージホルモンバランスの特徴皮脂分泌への影響
思春期・生理前黄体ホルモンの影響で皮脂分泌が活発になる皮脂が増加し、症状が出やすい
産後女性ホルモンが急激に減少し、バランスが乱れる一時的にホルモンバランスが不安定になる
更年期女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まる皮脂の質が変化し、皮膚が敏感になることがある

生活習慣の影響(食生活・ストレス・睡眠不足)

日々の生活習慣も、皮脂の分泌をコントロールする上で非常に重要です。なかでも食生活やストレス、睡眠が密接に関係しています。

  • 脂質の多い食事
  • 糖質の多い食事
  • ビタミンB群の不足
  • 過度なストレス
  • 睡眠不足

これらの要因は自律神経やホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌を招きます。

忙しい現代女性にとって、これらすべてを完璧に管理するのは難しいかもしれませんが、意識することが第一歩です。

間違ったヘアケア

良かれと思って行っているヘアケアが、かえって頭皮の負担になっているケースも少なくありません。

例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーで皮脂を取りすぎると、頭皮はかえって皮脂を過剰に分泌して潤いを補おうとします。

また、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、毛穴を詰まらせ、菌の繁殖を助長する原因になります。

脂漏性皮膚炎が女性の薄毛を引き起こす流れ

「ただのフケやかゆみ」と軽く考えていると、気づかないうちに薄毛が進行してしまう可能性があります。

脂漏性皮膚炎がどのようにして健康な髪の成長を妨げ、薄毛につながっていくのか、その関係性を具体的に見ていきましょう。

頭皮環境の悪化と毛穴の詰まり

脂漏性皮膚炎の根本には、皮脂の過剰分泌があります。多すぎる皮脂は、古い角質やホコリなどと混ざり合い、毛穴の周りにこびりつきます。

この状態は、酸化した皮脂(過酸化脂質)となり、毛穴を塞いでしまいます。

毛穴が詰まると髪の毛の正常な成長が妨げられるだけでなく、炎症をさらに悪化させる温床となります。

炎症による毛根へのダメージ

皮膚の赤みは、炎症が起きているサインです。この炎症が長期間続くと、髪の毛を作り出す「毛母細胞」が存在する毛根部分にまで悪影響が及びます。

炎症は毛根の組織にダメージを与え、毛母細胞の働きを低下させます。その結果、髪の毛が十分に成長できずに細くなったり、成長途中で抜け落ちてしまったりするのです。

かゆみによる掻き壊しと物理的な脱毛

脂漏性皮膚炎に伴う強いかゆみは、非常につらいものです。無意識のうちに頭皮を強く掻いてしまうと、爪で頭皮を傷つけてしまいます。

この「掻き壊し」は炎症をさらに悪化させる悪循環を生むだけでなく、まだ成長期にある健康な髪の毛まで物理的に引き抜いてしまうことにつながります。

掻き壊しによる悪影響

悪影響の種類内容
炎症の悪化傷口から細菌が入り、さらに炎症がひどくなる
物理的な脱毛掻く行為そのもので、毛が抜けてしまう(牽引性脱毛)
頭皮のバリア機能低下頭皮が傷つき、外部からの刺激にさらに弱くなる

ヘアサイクルの乱れ

健康な髪は、「成長期」「退行期」「休止期」という一定のサイクル(ヘアサイクル)を繰り返しています。

しかし、脂漏性皮膚炎によって頭皮環境が悪化して毛根がダメージを受けると、この正常なヘアサイクルが乱れてしまいます。

本来であれば数年間続くはずの成長期が短縮され、髪が太く長く成長する前に抜けてしまうのです。

この状態が続くと全体の髪のボリュームが減少し、薄毛が目立つようになります。

脂漏性皮膚炎と混同しやすい他の頭皮トラブル

頭皮のフケやかゆみは、脂漏性皮膚炎以外の病気でも起こります。自己判断で間違ったケアを続けると、症状を悪化させる可能性があります。

ここでは、脂漏性皮膚炎と症状が似ている代表的な頭皮トラブルとの違いを解説します。

アトピー性皮膚炎との違い

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。頭皮にも症状が出る場合があり、乾燥やフケが目立ちます。

脂漏性皮膚炎が皮脂の多い部位に見られるのに対し、アトピー性皮膚炎は肘や膝の裏など、関節の内側を中心に乾燥しやすい部位に症状が出やすい傾向があります。

尋常性乾癬(かんせん)との見分け方

尋常性乾癬は、皮膚が赤く盛り上がり、その上に銀白色のフケのようなものが厚く付着する病気です。

境界がはっきりしているのが特徴で、頭皮にできた場合、髪の生え際によく見られます。

脂漏性皮膚炎のフケが黄色っぽく湿っているケースが多いのに対し、乾癬のフケは白く乾燥しています。

主な頭皮疾患の症状比較

疾患名フケの特徴主な症状の場所
脂漏性皮膚炎黄色っぽく湿っている、または白く細かい皮脂の多い部分(頭皮、生え際)
アトピー性皮膚炎乾燥してカサカサしている乾燥しやすい部分(全身、首、頭皮)
尋常性乾癬銀白色で厚く、境界が明瞭刺激を受けやすい部分(頭皮、肘、膝)

接触皮膚炎(かぶれ)の可能性

シャンプーやヘアカラー剤、整髪料など特定の物質が頭皮に触れるとアレルギー反応や刺激が起こり、かゆみや赤み、湿疹などが現れるのが接触皮膚炎です。

原因となる物質の使用を中止すれば症状が改善するのが大きな特徴です。特定の製品を使い始めてから症状が出た場合は、この可能性を考えます。

乾燥によるフケとの比較

空気が乾燥する冬場などに、頭皮が乾燥してパラパラとした細かい乾いたフケが出るときがあります。これは病的なものではなく、保湿ケアで改善する方がほとんどです。

脂漏性皮膚炎のフケは、ベタついた大きなフケであったり、かゆみや赤みを伴ったりする点で異なります。

ストレス社会を生きる女性特有の悩みと脂漏性皮膚炎

現代社会で多忙な日々を送る女性たちが抱える特有の悩みこそが、脂漏性皮膚炎の引き金となり、薄毛の不安を深刻化させている可能性も考えられます。

仕事や家庭のストレスが皮脂分泌に与える影響

責任ある仕事を任されたり、家事や育児に追われたり、女性が日常的に感じるプレッシャーは自律神経のバランスを乱します。

緊張状態が続くと交感神経が優位になり、男性ホルモンの分泌を刺激して皮脂腺の活動を活発にします。

この体の反応により頭皮の皮脂が過剰になり、脂漏性皮膚炎が発症・悪化しやすい土壌が作られてしまうのです。

「わかっているけどやめられない」食生活の乱れ

「体に悪いとはわかっているけれど、疲れているとつい甘いものや脂っこいものを食べてしまう」といった経験のある方も多いのではないでしょうか。

ストレスを感じると、手軽に満足感を得られる高カロリーな食事に手が伸びがちです。

しかし、糖質や脂質の過剰摂取は皮脂の分泌を直接的に増加させ、ビタミンB群を大量に消費します。

ビタミンB群は皮脂の分泌をコントロールする重要な栄養素であり、その不足がさらなる皮脂トラブルを招きます。

ストレスと食生活の悪循環

要因体への影響頭皮への結果
ストレスによる衝動的な食事糖質・脂質の過剰摂取皮脂分泌の増加
高カロリー食ビタミンB群の大量消費皮脂コントロール機能の低下
栄養バランスの乱れ皮膚のターンオーバーの乱れバリア機能の低下と炎症

睡眠の質の低下が招く頭皮へのサイン

心配事や翌日の予定が頭をよぎり、なかなか寝付けない夜もあるかもしれません。睡眠不足は、体の回復と修復の時間を奪います。

髪と頭皮の健康を保つ成長ホルモンは、深い眠りの間に最も多く分泌されます。睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌が減少し、頭皮のターンオーバー(新陳代謝)が正常に行われません。

これによって頭皮のバリア機能が低下し、少しの刺激でも炎症を起こしやすい、弱い状態になってしまうのです。

自宅でできる脂漏性皮膚炎のセルフケアと予防法

日々のセルフケアの見直しは、症状の改善と再発予防のために非常に重要です。毎日の少しの心がけで、頭皮環境を健やかに保てます。

正しいシャンプーの選び方と洗い方

毎日のシャンプーは、頭皮ケアの基本です。

原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑える成分(ミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミンなど)が配合された薬用シャンプーを選ぶのも一つの方法です。

ただし、洗浄力が強すぎない、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のものを選びましょう。

正しいシャンプーの手順

  1. 洗う前にブラッシングで髪のもつれをほどき、汚れを浮かせる。
  2. ぬるま湯(38℃程度)で頭皮と髪を十分に予洗いする。
  3. シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、髪ではなく頭皮につける。
  4. 指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗う。
  5. すすぎ残しがないよう、時間をかけて丁寧に洗い流す。

頭皮の健康を支える食生活のポイント

体の内側からのケアも忘れてはいけません。皮脂の分泌をコントロールし、皮膚の健康を保つ栄養素を積極的に摂取しましょう。

積極的に摂りたい栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
ビタミンB2皮脂の分泌を抑制するレバー、うなぎ、卵、納豆
ビタミンB6皮膚の新陳代謝を促すマグロ、カツオ、鶏肉、バナナ
ビタミンC・E抗酸化作用で頭皮の老化を防ぐパプリカ、ブロッコリー、ナッツ類

反対に、脂肪分の多い揚げ物やスナック菓子、糖分を多く含むスイーツやジュースは皮脂の分泌を増やすため摂りすぎに注意が必要です。

ストレス管理と良質な睡眠の確保

ストレスを完全になくすのは難しいですが、自分なりの解消法を見つけることが大切です。

軽い運動や趣味の時間、リラックスできる音楽を聴くなど、心身を休ませる習慣を取り入れましょう。

また、質の良い睡眠はホルモンバランスを整え、頭皮のターンオーバーを促進します。就寝前のスマートフォンの使用を控える、寝室の環境を整えるなど、安眠のための工夫を試みてください。

頭皮に優しい生活習慣

その他、日々のちょっとした習慣も見直してみましょう。

帽子や日傘で頭皮を紫外線から守る、通気性の良い寝具を選ぶ、といったことも頭皮環境の改善に役立ちます。

脂漏性皮膚炎の治療で薄毛は改善する?

脂漏性皮膚炎が原因で薄毛が進行している場合、皮膚炎そのものの治療が薄毛改善への最も重要な一歩となります。

皮膚科での一般的な治療法

皮膚科では、まず炎症を抑えることが最優先されます。そのために、ステロイドの外用薬(塗り薬)を処方するのが一般的です。

また、原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑えるために、抗真菌薬の外用薬も併用します。

かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬(飲み薬)を処方するケースもあります。

主な治療薬の種類と役割

薬剤の種類主な役割剤形
ステロイド外用薬頭皮の炎症(赤み、かゆみ)を強力に抑えるローション、クリーム
抗真菌薬外用薬原因となるマラセチア菌の増殖を抑えるローション、クリーム
内服薬かゆみを抑える、ビタミンを補給する錠剤

治療による頭皮環境の正常化

これらの治療によって炎症が鎮まり、マラセチア菌の活動が抑えられると、過剰な皮脂分泌やフケ、かゆみといった症状が改善していきます。

頭皮の赤みが引きベタつきがなくなると、毛穴の詰まりも解消されて髪の毛が健やかに成長できる土台が整います。

薄毛改善までの期間と見通し

脂漏性皮膚炎の症状自体は、適切な治療を開始すれば数週間から数ヶ月で改善が見られます。

しかし、一度乱れてしまったヘアサイクルが正常に戻り、薄毛の改善を実感できるようになるまでには、もう少し時間が必要です。

髪の毛は1ヶ月に約1cmしか伸びません。新しい健康な髪が生え、それが伸びて全体のボリュームに影響を与えるまでには、少なくとも半年から1年以上の期間を見ると良いでしょう。

専門クリニックでの頭皮ケアの重要性

セルフケアや皮膚科での治療も大切ですが、薄毛の悩みが深刻なときや再発を繰り返す場合には、女性の薄毛治療を専門とするクリニックへの相談をおすすめします。

専門クリニックならではの視点で、より踏み込んだケアが可能です。

自己判断のリスクと専門家による診断

前述の通り、頭皮トラブルの原因は一つではありません。自己判断でのケアの継続は、症状を悪化させて改善までの時間を長引かせるリスクを伴います。

専門クリニックではマイクロスコープなどで頭皮の状態を詳細に確認し、脂漏性皮膚炎なのか、あるいは他の原因が隠れていないかを正確に診断します。この正確な診断が、適切な治療への第一歩です。

頭皮の状態に合わせた個別のアプローチ

専門クリニックでは画一的な治療だけでなく、一人ひとりの頭皮の状態や肌質、生活習慣に合わせて治療計画を立てます。

例えば、薬剤の処方に加え、頭皮のクレンジングや栄養導入、血行を促進する施術など多角的な方法で頭皮環境の根本的な改善を目指します。

再発予防と健康な髪を育むための長期的な視点

脂漏性皮膚炎は再発しやすい疾患です。そのため、症状が改善した後も、良い状態を維持するためのケアが重要になります。

専門クリニックでは、再発を防ぐための生活指導や定期的な頭皮チェックを行い、長期的な視点で髪の健康をサポートします。

単に病気を治すだけでなく、将来にわたって美しい髪を育むためのパートナーとして活用すると良いでしょう。

よくある質問

さいごに、脂漏性皮膚炎に関して患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。

脂漏性皮膚炎は他人にうつりますか?

うつりません。原因となるマラセチア菌は誰もが持っている常在菌であり、感染症ではありません。そのため、タオルや寝具の共用などで他人にうつる心配はありません。

治療にはどのくらいの期間がかかりますか?

症状の重さや範囲によりますが、外用薬などによる治療で皮膚の炎症自体は数週間から1〜2ヶ月程度で落ち着く方が多いです。

ただし、これはあくまで目安であり、体質や生活習慣によっても異なります。また、再発しやすいため、症状が改善しても継続的なケアが大切です。

市販の薬を使っても良いですか?

原因菌に働きかけるシャンプーや、軽いかゆみを抑える市販薬もあります。初期の軽い症状であれば、それらで改善するケースもあります。

しかし、症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、自己判断を続けずに必ず専門の医療機関を受診してください。

特にステロイド含有の市販薬を長期間使用するのは、副作用のリスクもあるため注意が必要です。

治療中でもカラーやパーマはできますか?

頭皮に炎症が起きている間は、カラー剤やパーマ液の刺激が症状を悪化させる可能性があるため、避けるのが賢明です。

治療によって頭皮の状態が十分に改善してから、医師に相談の上で行うようにしてください。その際も、頭皮に薬剤がつきにくい方法で施術してもらうなど、美容師さんへの相談をおすすめします。

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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