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女性の薄毛対策の基本と専門家が勧める効果的な方法

女性の薄毛対策の基本と専門家が勧める効果的な方法

近年、薄毛に悩む女性が増えています。しかし、正しい知識を持って適切な対策を行うと、改善の道が開けます。

この記事では、女性の薄毛の原因から、ご自身でできる基本的なケア、そして専門クリニックで受けられる効果的な治療法まで、詳しく解説します。

目次

女性の薄毛を見過ごしていませんか?

女性の薄毛は男性とは異なる特徴を持ち、進行も緩やかな場合が多いため、初期には気づきにくいケースがあります。

「最近、髪にボリュームがなくなった」「分け目が気になるようになった」と感じたら、それは薄毛のサインかもしれません。

薄毛のサインとは

女性の薄毛には、いくつかの初期サインがあります。抜け毛の増加はもちろんですが、髪質の変化も重要な指標です。

髪が細くなったり、ハリやコシが失われたりすると、全体的にボリュームダウンした印象になります。

また、頭皮が透けて見える、特に分け目やつむじ周辺が目立つようになるのも特徴です。

初期に見られる変化

サイン具体的な状態気づきやすい場面
抜け毛の増加シャンプー時やブラッシング時の抜け毛が多い排水溝、枕元
髪質の変化髪が細く、柔らかくなる、ハリ・コシがないスタイリング時
ボリュームダウン全体の髪の量が減ったように感じる鏡を見たとき

年齢と薄毛の関係

加齢は女性薄毛の要因の一つです。年齢とともに女性ホルモンの分泌量が減少し、髪の成長サイクルに影響を与える場合があります。

閉経期を迎える前後はホルモンバランスが大きく変動するため、薄毛の悩みがとくに増える傾向にあります。

しかし、年齢だけが原因ではなく、若い世代でも薄毛に悩む方は少なくありません。

自己判断の危険性

薄毛の原因は多岐にわたるため、自己判断で誤ったケアを続けると、かえって状態を悪化させる可能性があります。

例えば、市販の育毛剤が自分の頭皮タイプや薄毛の原因に合っていない場合、効果がないばかりか、頭皮トラブルを引き起こすときもあります。

不安を感じたら、まずは専門医への相談を考えましょう。

なぜ?女性の薄毛を引き起こす原因

女性の薄毛は一つの原因だけでなく、複数の要因が複雑に絡み合って発生するケースが多いです。

原因を理解すると、より的確な対策へと繋げられます。

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、髪の成長を促してハリやツヤを保つ働きがあります。

このホルモンバランスが崩れると髪の成長期が短縮されたり、休止期に入る毛髪が増えたりして、薄毛が進行しやすくなります。

更年期と女性ホルモン

更年期(一般的に40代後半から50代前半)には卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。

これにより、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛や抜け毛が顕著になりやすいです。

FAGA(女性男性型脱毛症)の発症にも関与すると言われています。

産後の抜け毛

妊娠中はエストロゲンの分泌量が増加し、髪の毛は成長期を維持しやすくなります。

しかし、出産後はホルモンバランスが急激に元に戻るため一時的に多くの髪が休止期に入り、抜け毛が増える場合があります。

これは「産後脱毛症」と呼ばれ、通常は半年から1年程度で自然に回復する方が多いです。

ピルの影響

経口避妊薬(ピル)の服用中や中止後にホルモンバランスが変動し、一時的に抜け毛が増える方も見受けられます。

ピルの種類や含まれるホルモンの量によって影響は異なります。気になる場合は、処方医に相談しましょう。

生活習慣の乱れ

日々の生活習慣も、髪の健康に大きく影響します。

不規則な生活や偏った食事は、頭皮環境を悪化させ、薄毛を助長する可能性があります。

食生活の偏り

髪の主成分はタンパク質です。また、ビタミンやミネラルも髪の成長には必要です。

極端なダイエットや偏った食事は栄養素の不足を招き、健康な髪の育成を妨げます。

栄養素主な働き多く含む食品例
タンパク質髪の毛の主成分肉類、魚介類、卵、大豆製品
亜鉛タンパク質の合成を助ける牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類
ビタミンB群頭皮の新陳代謝を促す緑黄色野菜、魚介類、乳製品

睡眠不足の影響

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少して、髪の成長にも悪影響を及ぼします。

ストレスと頭皮環境

過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行不良を引き起こす場合があります。

血行が悪くなると髪の毛に必要な栄養が届きにくくなり、抜け毛や薄毛の原因となります。

また、ストレスは皮脂の過剰分泌を促し、頭皮環境を悪化させやすいです。

頭皮環境の悪化

健康な髪は、健康な頭皮から育ちます。

頭皮環境の悪化は、薄毛の直接的な原因となることがあります。

間違ったヘアケア

洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、ごしごしと強く洗いすぎる行為、熱すぎるお湯での洗髪などは頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。

また、すすぎ残しも頭皮トラブルの原因です。

頭皮の乾燥・血行不良

頭皮が乾燥するとフケやかゆみが生じやすくなり、バリア機能も低下します。

また、血行不良は髪の成長に必要な栄養素が毛根に届きにくくなるため、薄毛を進行させる要因となります。

皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり

皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。毛穴の詰まりは炎症を引き起こしたり、髪の正常な成長を妨げたりするときがあります。

食生活の乱れやストレス、不適切なヘアケアなどが原因で起こりやすいです。

病気や薬の影響

特定の病気や服用している薬の副作用として、脱毛が起こるケースもあります。

これらは原因疾患の治療や薬の変更によって改善する場合があります。

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節する役割があり、髪の成長にも関わっています。

甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの疾患があると、脱毛症状が現れる場合があります。

膠原病

全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病では、免疫系の異常により毛包が攻撃され、脱毛が起こるケースがあります。

薬剤性の脱毛

抗がん剤や免疫抑制剤、一部の降圧剤や抗うつ薬など、特定の薬剤の副作用として脱毛が報告されています。

  • 抗がん剤
  • 免疫抑制剤
  • 一部の抗凝固薬

薬の服用を開始してから脱毛が気になり始めたときは、医師への相談が重要です。自己判断で薬の服用を中止しないでください。

タイプ別|女性の薄毛の特徴と見分け方

女性の薄毛にはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴や進行の仕方が異なります。

びまん性脱毛症

女性の薄毛で最も多いタイプと言われています。

頭部全体の髪の毛が均等に薄くなり、ボリュームが失われるのが特徴です。

特徴詳細
進行の仕方頭部全体の髪が徐々に、均等に薄くなる
主な症状髪のボリュームダウン、分け目が目立つ、髪が細くなる
好発年齢30代後半以降に多いが、若年層でも見られる

全体的に薄くなる

特定の部位だけでなく、頭髪全体が徐々に薄くなっていきます。髪の毛一本一本が細く弱々しくなりやすいです。

分け目が目立つ

髪全体の密度が低下するため、分け目部分の地肌が以前より透けて見えるようになります。

ボリュームダウン

髪全体のハリやコシがなくなり、スタイリングがしにくくなったり、ペタッとした印象になったりします。

FAGA(女性男性型脱毛症)

男性のAGA(男性型脱毛症)と同様に、男性ホルモンの影響が関与すると考えられている脱毛症です。

ただし、男性とは薄毛のパターンが異なります。

頭頂部が薄くなる

頭頂部の髪が薄くなり、地肌が透けて見えるようになります。クリスマスツリーの形ように、前頭部から頭頂部にかけて薄毛が広がるケースもあります。

生え際の後退は少ない

男性のAGAでは生え際の後退が顕著な方が多いですが、FAGAでは生え際が後退することは比較的少ないと言われています。

男性型との違い

男性ホルモンの影響を受けますが、男性のように完全に禿げてしまうケースは稀です。薄毛の範囲や進行度合いに個人差があります。

円形脱毛症

突然、円形または楕円形の脱毛斑が生じる疾患です。自己免疫疾患の一つと考えられています。

コイン状の脱毛斑

多くは10円玉程度の大きさの脱毛斑が1つまたは複数できます。境界がはっきりしているのが特徴です。

多発することもある

脱毛斑が複数できたり、融合して大きくなったりする方もいます。また、頭部全体に広がる「全頭型」や、全身の毛が抜ける「汎発型」に進行する例もあります。

自己免疫疾患との関連

免疫機能の異常により、毛包組織が誤って攻撃されることで発症すると考えられています。ストレスが発症や悪化の誘因となるときもあります。

牽引性脱毛症

髪を強く引っ張るような髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、抜け毛や薄毛を引き起こす脱毛症です。

  • きついポニーテール
  • お団子ヘア
  • 編み込み
  • エクステンション

いつも同じ髪型

毎日同じ位置で髪をきつく結んでいたり、エクステンションを長期間つけていたりすると、特定の部位の毛根が弱りやすくなります。

ポニーテールやお団子ヘア

特にポニーテールやお団子ヘア、きつい編み込みなどは、生え際や分け目部分に持続的な張力がかかりやすい髪型です。

頭皮への物理的負担

原因がはっきりしているため、髪型を変えたり、頭皮への負担を軽減したりすると改善が見込めます。しかし、長期間放置すると毛根がダメージを受け、髪が生えてこなくなる可能性もあります。

クリニックでの薄毛治療の流れ

女性の薄毛治療は、専門のクリニックで受けられます。医師による正確な診断のもと、個々の状態に合わせた治療法を選択します。

カウンセリングの重要性

治療を始める前に、ていねいなカウンセリングを行います。患者さんの悩みや希望をしっかりと聞き、治療に関する疑問や不安を解消することが大切です。

悩みや希望のヒアリング

いつから薄毛が気になり始めたか、どのような状態に悩んでいるか、治療によってどのような状態を目指したいかなど、くわしくお話を伺います。

治療方針の説明

診断結果に基づいて、考えられる治療法の選択肢、それぞれの効果や期間、リスクや副作用について分かりやすく説明します。

費用の透明性

治療にかかる費用についても、事前に明確に提示します。安心して治療に専念できるよう、費用の内訳や支払い方法についても説明します。

精密な検査と診断

適切な治療を行うためには、薄毛の原因や頭皮の状態の正確な把握が重要です。そのために、いくつかの検査を行います。

検査項目確認する内容診断への活用
毛髪密度一定面積あたりの毛髪の本数薄毛の進行度の客観的評価
毛髪の太さ細い毛(軟毛)の割合FAGAなどの診断補助
頭皮の色・状態赤み、炎症、乾燥、皮脂量頭皮環境の評価、適切なケア指導

問診・視診・触診

生活習慣や既往歴、家族歴などを伺い、医師が直接頭皮や毛髪の状態を目で見て、触って確認します。

マイクロスコープ検査

高倍率のカメラで頭皮や毛穴、毛髪の状態を詳細に観察します。毛髪の太さや密度、毛穴の詰まり具合などを確認し、脱毛の進行度を評価します。

血液検査(必要な場合)

ホルモンバランスの乱れや、甲状腺疾患、鉄欠乏性貧血など、全身疾患が薄毛の原因として疑われる場合には、血液検査を行って詳細な情報を得ます。

主な治療法の選択肢

クリニックでは、内服薬や外用薬による治療、頭皮に直接有効成分を注入する治療など、さまざまな選択肢があります。進行度や原因、患者さんの希望に応じて治療法を組み合わせるケースもあります。

内服薬・外用薬

女性の薄毛治療に用いられる代表的な薬には、ミノキシジル外用薬やスピロノラクトン内服薬(FAGAの場合など)があります。医師の指示に従い、正しく使用することが大切です。

注入療法(メソセラピーなど)

髪の成長に必要な有効成分(成長因子、ビタミン、ミネラルなど)を、注射や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する治療法です。毛根に直接栄養を届け、発毛・育毛効果を期待します。

自毛植毛(進行した場合)

薄毛が進行し、他の治療法では効果が限定的な場合に検討されます。後頭部など、男性ホルモンの影響を受けにくい部位の自分の毛髪を、薄毛部分に移植する手術です。

主な治療法の比較

治療法主な目的特徴
ミノキシジル外用薬発毛促進、抜け毛抑制市販薬もあるが、クリニック処方品は濃度が高い場合がある
スピロノラクトン内服薬男性ホルモンの影響抑制(FAGA)医師の処方が必要、定期的な検査が推奨される
注入療法発毛促進、頭皮環境改善直接有効成分を届ける、複数回の治療が必要な場合が多い

日常でできる!今日から始める薄毛対策セルフケア

専門的な治療と並行して、日々のセルフケアの見直しも女性の薄毛対策にはとても重要です。

生活習慣を整え、健やかな頭皮環境を目指しましょう。

バランスの取れた食事

髪は体の一部であり、健康な髪を育むためには、バランスの取れた栄養摂取が必要です。

特定の食品だけを摂取するのではなく、多様な食品から栄養を摂るようにしましょう。

タンパク質の重要性

髪の主成分はケラチンというタンパク質です。良質なタンパク質の十分な摂取が丈夫な髪を作る基本です。肉や魚、卵や大豆製品などを積極的に摂りましょう。

ビタミン・ミネラルの摂取

ビタミンA、B群、C、Eや、亜鉛、鉄などのミネラルも、髪の成長や頭皮の健康維持に寄与します。緑黄色野菜や果物、海藻類やナッツ類などをバランス良く食事に取り入れましょう。

避けたい食べ物

脂質の多い食事やインスタント食品、スナック菓子などの過剰な摂取は皮脂の分泌を増やし、頭皮環境を悪化させる可能性があります。また、糖質の摂りすぎも血行不良に繋がるため注意が必要です。

正しいヘアケア習慣

毎日のシャンプーやドライヤーの使い方一つで、頭皮や髪への負担は大きく変わります。

正しいヘアケアを実践し、頭皮を清潔で健康な状態に保ちましょう。

シャンプーの選び方と洗い方

自分の頭皮タイプ(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)に合ったシャンプーを選びましょう。アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のものがおすすめです。

洗髪時は爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。

頭皮マッサージの方法

シャンプー時やリラックスタイムに頭皮マッサージを行うと、血行が促進され、毛根に栄養が届きやすくなります。

指の腹で頭皮全体を優しく揉みほぐすように行いましょう。ただし、力を入れすぎないように注意が必要です。

ドライヤーの正しい使い方

洗髪後は髪と頭皮をしっかりと乾かすことが大切です。濡れたまま放置すると雑菌が繁殖しやすくなります。

ドライヤーは頭皮から15~20cm程度離し、同じ場所に熱風を当て続けないように全体を均一に乾かしましょう。最後に冷風を当てるとキューティクルが引き締まり、髪のまとまりが良くなります。

ヘアケア製品の選び方のポイント

製品タイプ選ぶ際のポイント注意点
シャンプー頭皮タイプに合う、洗浄力がマイルドなもの香料や刺激の強い成分に注意
コンディショナー/トリートメント髪のダメージ補修、保湿効果のあるもの頭皮に直接つけすぎない
育毛剤/発毛剤有効成分、自分の薄毛タイプとの相性医師や専門家に相談して選ぶのが望ましい

質の高い睡眠の確保

睡眠は、体の修復と再生に欠かせない時間です。

特に、髪の成長を促す成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。

睡眠時間と成長ホルモン

一般的に、1日7~8時間の質の高い睡眠をとることが推奨されます。

入眠後最初の3時間に深いノンレム睡眠が現れ、この時間帯に成長ホルモンが多く分泌されると言われています。

寝る前のNG行動

寝る直前のカフェイン摂取、スマートフォンの長時間使用、激しい運動などは、睡眠の質を低下させる可能性があります。

就寝1~2時間前からはリラックスして過ごすように心がけましょう。

リラックスできる寝室環境

寝室の温度や湿度、明るさや音なども睡眠の質に影響します。自分にとって快適な寝室環境を整えると良いでしょう。

ストレス管理

現代社会においてストレスを完全になくすのは難しいですが、上手にコントロールすると心身の健康、そして髪の健康にも繋がります。

ストレスサイン

  • イライラしやすい
  • 集中力の低下
  • 寝つきが悪い
  • 食欲不振または過食

自分に合った解消法を見つける

趣味に没頭する、好きな音楽を聴く、友人と話す、自然の中で過ごすなど、自分なりのストレス解消法を見つけ、日常生活に取り入れましょう。

軽い運動のすすめ

ウォーキングやヨガなどの軽い運動は血行を促進し、気分転換にもなります。無理のない範囲で継続すると良いです。

薄毛対策と混同しやすいNG行動

良かれと思って行っているケアが、実は頭皮や髪に負担をかけている方も見受けられます。女性の薄毛対策において、避けるべき行動や考え方を知っておきましょう。

過度な頭皮マッサージ

頭皮マッサージは血行促進に効果的ですが、やりすぎは禁物です。

特に自己流で力を入れすぎると、かえって頭皮を傷つけたり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。

力加減の間違い

爪を立てたり、ゴシゴシと強く擦ったりするマッサージは避けましょう。指の腹で優しく、気持ち良いと感じる程度の力加減で行うと良いです。

頻度の問題

毎日何度も行う必要はありません。1日に1回、数分程度で十分です。過度な刺激は頭皮の負担になります。

逆効果になることも

炎症がある場合や、頭皮が敏感になっている時に強いマッサージを行うと、症状を悪化させる可能性があります。状態によっては控えることも必要です。

自己流の育毛剤使用

市販の育毛剤や発毛剤は種類が多く、どれを選べば良いか迷うことも多いでしょう。

しかし、自己判断で選んだ製品が必ずしも自分の薄毛の原因や頭皮の状態に合っているとは限りません。

成分のミスマッチ

育毛剤に含まれる成分は製品によってさまざまです。

自分の薄毛タイプに合わない成分の製品を使用しても期待する効果が得られないばかりか、頭皮トラブルを引き起こす場合もあります。

効果が出ないどころか悪化も

効果を感じられないまま長期間使用を続けたり、複数の製品を頻繁に変えたりすると頭皮への負担を増やす可能性があります。また、アレルギー反応が出る場合もあります。

専門家への相談が先決

育毛剤や発毛剤の使用を考えるときは、まず専門医に相談し、自分の状態に合った製品のアドバイスを受けるのが賢明です。

医師の診断に基づいた治療薬の方が効果的なケースも多くあります。

育毛剤選びで注意したいこと

ポイント理由対策
成分の確認アレルギーや刺激の原因になることがあるパッチテストを行う、刺激の少ないものを選ぶ
誇大広告への注意「必ず生える」などの表現は疑わしい医学的根拠のある情報か確認する
使用期間と効果効果が出るまでには時間がかかる数ヶ月使用しても変化がなければ専門医に相談

情報過多による混乱

インターネットやSNSには、薄毛に関する様々な情報が溢れています。

しかし、その中には科学的根拠の乏しいものや、誤った情報も少なくありません。

ネット情報の鵜呑み

個人の体験談や口コミは参考になることもありますが、全ての人に当てはまるわけではありません。医学的な根拠に基づいた情報を選択しましょう。

科学的根拠のない情報

「これを食べれば髪が生える」「このシャンプーだけで薄毛が治る」といった、安易な解決策をうたう情報には注意が必要です。

薄毛の原因は複雑であり、一つの方法だけで解決することは稀です。

不安を煽る広告に注意

過度に不安を煽ったり、高額な商品を勧めたりする広告には注意しましょう。

信頼できる情報源(医療機関のウェブサイト、公的機関の情報など)を参考にすると良いです。

「私だけ?」薄毛の悩みを抱えるあなたへ

薄毛の悩みは非常にデリケートで、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう方が少なくありません。

「こんなことで悩んでいるのは私だけかもしれない」と感じてしまうときもあるでしょう。しかし、あなたは決して一人ではありません。

多くの女性が悩んでいます

実は、年齢を問わず、多くの女性が髪の変化や薄毛について悩みを抱えています。

薄毛は特別なことではなく、誰にでも起こり得る問題です。クリニックにも、さまざまな年代の方が相談にいらっしゃいます。

髪の悩みは肌の悩みや体型の悩みと同じように、ごく自然なことですので、恥ずかしいと感じる必要はありません。

大切なのは、その悩みに正面から向き合い、適切な対処法を見つけることです。

あなたに合った解決策を一緒に

薄毛の原因や進行度、そして目指すゴールは、一人ひとり異なります。

だからこそ、画一的な対応ではなく、自分だけのオーダーメイドの対策が必要です。

原因は人それぞれ

ホルモンバランスや生活習慣、遺伝的要因やストレスなど、薄毛の原因は多岐にわたります。クリニックでは、ていねいなカウンセリングと検査を通じて、薄毛の根本原因を突き止めます。

生活タイルも考慮

治療法を選択する際には効果だけでなく、生活スタイルや価値観も尊重します。通院頻度や費用、日々のケア方法など、無理なく続けられる計画を医師と一緒に立てていきましょう。

早期発見・早期対策が鍵

どんな悩みもそうですが、薄毛に関しても早めに気づいて適切な対策を始めることが、より良い結果に繋がります。

治療効果を高めるために

毛根が完全に機能を失ってしまう前に治療を開始すると、治療効果も高まりやすくなります。「少し気になる」という段階でも、遠慮なく相談してみましょう。

まずは現状把握から

専門家による診断を受けると、ご自身の髪と頭皮の正確な状態を知れます。それが、適切なケアや治療への第一歩となります。

女性の薄毛治療のよくある質問

さいごに、女性の薄毛治療に関して、患者さんからよく寄せられるご質問とその回答をまとめました。

治療期間はどれくらいですか?

薄毛の原因や進行度、選択する治療法、そして治療に対する反応には個人差があるため、一概には言えません。

一般的には、効果を実感し始めるまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかるケースが多いです。治療によっては、効果を維持するために継続的なケアが必要となる場合もあります。

カウンセリングの際に、治療期間の目安を確認しておきましょう。

治療費はどの程度かかりますか?

治療費も、治療内容や期間によって大きく異なります。内服薬や外用薬による治療、注入療法など、選択する治療法によって費用は変動します。

外用薬や内服薬では月に数千円~数万円程度、注入療法では1回数万円~十数万円が目安です。

クリニックでは、カウンセリング時に治療計画とそれに伴う費用について説明しています。予算に関するご希望も遠慮なく伝えましょう。

副作用はありますか?

どの治療法でも、効果とともに副作用のリスクが全くないわけではありません。

ミノキシジル外用薬では初期脱毛やかゆみ、かぶれなどが報告されています。内服薬の場合も、薬の種類によって特有の副作用が現れる可能性があります。

治療開始前には予想される副作用とその対処法について詳しく説明し、同意を得たうえで治療を進めます。治療中に何か異変を感じたときは、速やかに医師に相談してください。

治療をやめたら元に戻りますか?

治療法や薄毛の原因によって異なります。例えば、FAGA(女性男性型脱毛症)のように進行性の脱毛症の場合、治療を完全に中止すると再び薄毛が進行する可能性があります。

そのため、ある程度の改善が見られた後も、良い状態を維持するためのメンテナンス治療を推奨することがあります。

生活習慣の改善など、ご自身で継続できるケアも重要です。治療終了後のケアについても医師がアドバイスします。

参考文献

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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