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シャンプーに含まれる成分で女性の抜け毛原因になるものはある?

シャンプーに含まれる成分で女性の抜け毛原因になるものはある?

シャンプーは毎日のヘアケアに欠かせないものですが、含まれる成分によっては頭皮や髪に影響を与え、抜け毛の一因となる可能性を指摘する声も聞かれます。

この記事では、シャンプーの成分と女性の抜け毛の関係、注意すべき成分、そして健やかな髪を育むためのシャンプー選びとヘアケアについて詳しく解説します。

目次

シャンプーと抜け毛の基本的な関係

毎日のように使うシャンプーが、実は抜け毛に関係しているかもしれないと考えたことはありますか。

ここでは、シャンプーの基本的な役割から、洗浄力が強すぎることによる影響、頭皮環境と抜け毛のつながり、そして自分に合ったシャンプー選びの重要性について説明します。

シャンプーの役割とは?

シャンプーの主な役割は、頭皮や髪の汚れを落とし、清潔に保つことです。

汗や皮脂、ホコリや整髪料の残りなどが頭皮や髪に付着すると、毛穴を塞いだり、雑菌が繁殖したりする原因となります。

これらの汚れを適切に除去すると、頭皮を健やかな状態に保てて、フケやかゆみ、臭いを防げます。

また、髪そのものを清潔にするため、手触りや見た目の美しさも維持します。

洗浄力が強すぎるとどうなる?

しかし、洗浄力が強すぎるシャンプーを使用すると、頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまう場合があります。

皮脂は、頭皮を外部の刺激や乾燥から守るバリア機能を持っています。このバリア機能が低下すると頭皮は乾燥しやすくなり、かゆみやフケ、さらには炎症を引き起こす可能性があります。

頭皮環境が悪化すると、健康な髪の成長が妨げられ、結果として抜け毛につながりやすいです。

頭皮環境と抜け毛

健康な髪は、健康な頭皮から育ちます。

頭皮環境が悪化して乾燥や炎症、毛穴の詰まりなどが生じると、毛根に十分な栄養が行き渡りにくくなったり、毛髪の成長サイクルが乱れたりする場合があります。

この頭皮の不調が、抜け毛や薄毛の直接的、間接的な原因となるのです。

そのため、頭皮環境を整えることは、抜け毛予防において非常に大切です。

自分に合ったシャンプー選びの重要性

人の肌質がそれぞれ異なるように、頭皮の状態や髪質も一人ひとり違います。

乾燥しやすい頭皮の人、皮脂が多い頭皮の人、敏感な頭皮の人など様々です。

自分の頭皮タイプや髪質に合わないシャンプーを使い続けると、知らず知らずのうちに頭皮に負担をかけ、トラブルを招く場合があります。

自分に合ったシャンプーを選び、適切に使用することが、健やかな頭皮と髪を維持する第一歩です。

注意したいシャンプーの成分

市場には多種多様なシャンプーがあふれていますが、中には注意が必要な成分も含まれているものがあります。

特に洗浄成分や添加物について、どのような点に気をつけるべきか見ていきましょう。

硫酸系洗浄成分(ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなど)

硫酸系洗浄成分は泡立ちが良く、洗浄力が高いのが特徴です。

しかし、その強力な洗浄力ゆえに頭皮に必要な皮脂まで奪いやすく、乾燥や刺激を引き起こす可能性があります。敏感肌や乾燥肌の人はとくに注意が必要です。

これらの成分は、シャンプーの成分表示で「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」「ラウレス硫酸アンモニウム」などと記載されています。

硫酸系洗浄成分の特徴と影響

成分名(例)特徴考えられる影響
ラウリル硫酸Na高い洗浄力、豊かな泡立ち頭皮の乾燥、刺激、皮脂の過剰な除去
ラウレス硫酸Naラウリル硫酸Naより刺激はやや緩和頭皮の乾燥、刺激(比較的軽度)
ラウレス硫酸アンモニウム高い洗浄力頭皮の乾燥、刺激

石油系界面活性剤

石油系界面活性剤も硫酸系成分と同様に高い洗浄力を持つものが多く、安価に製造できるため多くの製品に使用されています。

しかし、これらもまた頭皮の皮脂を過剰に除去し、バリア機能を低下させる可能性があります。

成分表示では「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」や「ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩」といった名称で見られます。

シリコン(ジメチコン、シクロメチコンなど)

シリコンは髪の表面をコーティングし、指通りを滑らかにしたり、ツヤを出したりする目的で配合されます。

ただ、使用感を向上させる一方で、髪や頭皮に残留しやすいという側面もあります。

シリコンそのものが直接的に抜け毛を引き起こすわけではありませんが、毛穴を塞いでしまう可能性や、すすぎ残しによる頭皮トラブルが懸念されることもあります。

成分表示では「ジメチコン」「シクロペンタシロキサン」「アモジメチコン」などと記載されています。

合成香料・合成着色料・防腐剤

シャンプーの香りや色を良くしたり品質を長持ちさせたりするために、合成香料や合成着色料、防腐剤(パラベンなど)が使用されるものも多いです。

これらの添加物は、人によってはアレルギー反応や頭皮への刺激を引き起こすケースがあります。

敏感肌の人は、これらの成分が少ない、あるいは無添加の製品を検討すると良いでしょう。

添加物の種類と注意点

添加物の種類具体例注意点
合成香料製品ごとに多種多様な香料アレルギー、頭皮刺激の可能性
合成着色料赤色○号、黄色△号などアレルギー、頭皮刺激の可能性
防腐剤パラベン、フェノキシエタノールアレルギー、頭皮刺激の可能性(特にパラベン)

シャンプーの成分が頭皮や髪に与える影響

シャンプーに含まれる特定の成分は、頭皮や髪に対して様々な影響を及ぼす可能性があります。

頭皮の乾燥とフケ・かゆみ

洗浄力の強いシャンプーは頭皮の必要な皮脂まで洗い流し、乾燥を引き起こします。

頭皮が乾燥すると角質が剥がれやすくなり、フケが発生したり、外部からの刺激に敏感になってかゆみを感じたりしやすいです。

特に、ラウリル硫酸Naなどの硫酸系洗浄成分は、乾燥を招きやすい成分として知られています。

毛穴の詰まりと炎症

シリコンや油分の多いスタイリング剤の洗い残し、あるいは過剰に分泌された皮脂などが毛穴に詰まるとアクネ菌などの雑菌が繁殖しやすくなり、炎症(毛嚢炎など)を引き起こします。

毛穴の詰まりや炎症は健康な毛髪の成長を妨げ、抜け毛の原因となる場合があります。そのため、適切な洗浄とすすぎが重要です。

髪のタンパク質変性

髪の主成分はタンパク質(ケラチン)です。一部の強力な化学成分や、過度な熱、アルカリ性の強い製品などは髪のタンパク質構造に影響を与え、変性させてしまう場合があります。

タンパク質が変性すると髪はもろくなり、切れ毛や枝毛が増え、結果として髪全体のボリュームダウンや抜け毛の印象につながります。

キューティクルの損傷

髪の表面はキューティクルという鱗状の組織で覆われており、髪の内部を保護し、水分や栄養分を保つ役割をしています。

洗浄力の強すぎるシャンプーや、ゴシゴシと強く洗う行為は、このキューティクルを剥がしたり傷つけたりする原因です。

キューティクルが損傷すると髪はツヤを失い、パサつき、絡まりやすくなり、切れ毛や枝毛を引き起こしやすくなります。

頭皮トラブルと関連成分

頭皮トラブル関連する可能性のある成分・要因対策のヒント
乾燥・フケ強力な洗浄成分、アルコール類アミノ酸系などマイルドな洗浄成分を選ぶ、保湿成分配合の製品を選ぶ
かゆみ・炎症香料、着色料、防腐剤、洗浄成分の刺激無添加・低刺激性の製品を選ぶ、アレルギーテスト済みの製品を試す
毛穴の詰まりシリコン、油性成分の洗い残し丁寧なすすぎ、定期的なスカルプケア

「シャンプーで髪が抜ける」と感じる他の要因

シャンプーの成分以外にも、「シャンプーをすると髪がたくさん抜ける」と感じる背景には、いくつかの要因が考えられます。

抜け毛の本当の原因を見極めるために、これらの点も理解しておきましょう。

洗髪時の物理的な抜け毛

シャンプーをしている時に指や排水口に絡まる髪の毛を見て、抜け毛が増えたと感じるときもあるのではないでしょうか。

しかし、これらの中には、すでに成長期を終えて自然に抜け落ちる準備ができていた「休止期」の髪の毛が多く含まれます。

洗髪という行為が、これらの自然に抜けるべき髪の毛を取り除くきっかけになっているのです。

ただし、あまりにも強くゴシゴシ洗うと、健康な髪まで無理に引き抜いてしまう可能性があるので注意が必要です。

すすぎ残しによる頭皮トラブル

シャンプーやコンディショナーの成分が頭皮に残留すると、毛穴を塞いだり、刺激となって炎症やかゆみを引き起こしたりします。

これらの頭皮トラブルは、間接的に抜け毛を促進する可能性があります。

特に髪の生え際や襟足などはすすぎ残しが起こりやすい部分なので、意識して丁寧に洗い流すことが大切です。

アレルギー反応や接触皮膚炎

特定のシャンプー成分に対してアレルギー反応を起こしたり、接触皮膚炎を発症したりする方もいます。

この場合、頭皮にかゆみや赤み、湿疹などが見られ、ひどい場合には抜け毛が増えるケースもあります。

新しいシャンプーを使い始めてから頭皮に異常を感じたときはすぐに使用を中止し、原因となる成分を特定するために皮膚科医に相談すると良いでしょう。

抜け毛の自然なサイクル

髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期があり、健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちています。

この多くは洗髪時に抜けるため、目につきやすいのです。季節の変わり目や体調によって一時的に抜け毛が増えることもあります。

シャンプー時の抜け毛がすべて異常なわけではない点を理解しておきましょう。

女性の薄毛・抜け毛の本当の原因はシャンプーだけ?

シャンプーが抜け毛の一因となる可能性はありますが、女性の薄毛や抜け毛の原因はそれだけではありません。多くの場合、複数の要因が複雑に絡み合っています。

シャンプーを見直すとともに、他の可能性についても目を向けてみましょう。

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、髪の成長を促進してハリやコシを保つ働きがあります。

しかし、妊娠・出産や更年期、ストレスや不規則な生活などによってホルモンバランスが乱れるとエストロゲンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まる傾向があります。

このことが、髪の成長期を短縮させて抜け毛や薄毛(特にFAGA:女性男性型脱毛症)を引き起こす一因となります。

ストレスや生活習慣の影響

過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させて頭皮への血流を悪化させます。

血行が悪くなると髪の成長に必要な栄養素が毛根に届きにくくなり、抜け毛が増える場合があります。

また、睡眠不足や偏った食生活、喫煙や過度な飲酒などの不健康な生活習慣も、頭皮環境や髪の健康に悪影響を与えます。

栄養不足と血行不良

髪の主成分はタンパク質であり、その成長には亜鉛や鉄分、ビタミン類などの栄養素も必要です。

過度なダイエットや偏食によってこれらの栄養素が不足すると、健康な髪が育ちにくくなります。

また、前述の通り、血行不良は栄養供給を滞らせるため、バランスの取れた食事と適度な運動、質の高い睡眠を心がけて血行を促進する工夫が大切です。

加齢による変化

年齢を重ねるとともに、体の様々な機能が変化します。頭皮も例外ではなく、血行が悪くなったり細胞の働きが低下したり、女性ホルモンの分泌が減少したりします。

これらの変化により髪の毛が細くなったり、ハリやコシが失われたり、全体のボリュームが減ったり、抜け毛が増えたりする傾向があります。

これは自然な老化現象の一部とも言えますが、適切なケアで進行を緩やかにできます。

女性の薄毛の多様な原因

原因カテゴリ具体的な要因セルフケアのポイント
ホルモンバランス妊娠・出産、更年期、ピルの影響生活習慣の見直し、婦人科医への相談
生活習慣ストレス、睡眠不足、食生活の乱れリラックス、十分な睡眠、バランスの取れた食事
栄養状態過度なダイエット、偏食タンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取
頭皮環境不適切なヘアケア、血行不良正しいシャンプー、頭皮マッサージ

シャンプー選びに潜む「なんとなく」の罠

「どのシャンプーが良いのか分からない」「とりあえず人気の商品を使っている」という方は少なくないでしょう。

しかし、その「なんとなく」の選択が、実は頭皮や髪に合っていないかもしれません。

ここでは、自分にとって本当に良いシャンプーを見つけるための考え方をお伝えします。

「口コミが良いから」「人気だから」で選んでいませんか?

インターネットやSNSで高評価のシャンプー、あるいは友人が勧めるシャンプーが必ずしも自分に合うとは限りません。

なぜなら、髪質や頭皮の状態、さらには生活環境や体質は人それぞれ異なるためです。

他人の評価は参考の一つにはなりますが、それを鵜呑みにするのではなく、自分の状態を基準に選ぶ意識を持つようにしましょう。

自分の髪質・頭皮タイプを正しく理解する

シャンプー選びの第一歩は、自分の髪質と頭皮タイプの把握です。

例えば、脂性肌の人がしっとり系のシャンプーを使うとベタつきやすくなるかもしれませんし、乾燥肌の人がさっぱり系のシャンプーを使うとさらに乾燥が進む可能性があります。

美容師さんに相談したり、セルフチェックをしたりして、自分の状態を客観的に理解しましょう。

髪質・頭皮タイプ別シャンプー選びのヒント

タイプ特徴おすすめ成分系統
乾燥頭皮・パサつく髪フケ、かゆみが出やすい、髪が広がりやすいアミノ酸系洗浄成分、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)
脂性頭皮・ベタつく髪頭皮が油っぽい、髪が束になりやすい石けん系、高級アルコール系(適度な洗浄力)、スカルプケア成分
敏感頭皮刺激を感じやすい、赤みが出やすい低刺激性、無添加(香料・着色料・防腐剤フリーなど)、弱酸性

成分表示を見る習慣をつける

シャンプーボトルの裏側には、必ず全成分が表示されています。

最初は難しく感じるかもしれませんが、主な洗浄成分(界面活性剤の種類)や、気になる添加物(シリコン、パラベン、香料など)の有無を確認する習慣をつけましょう。

特に上位に記載されている成分ほど配合量が多い傾向にあります。この知識が、自分に合うシャンプー、避けたいシャンプーを見分ける手助けとなります。

小さな変化を見逃さない「頭皮の声」に耳を澄ます

新しいシャンプーを使い始めたら、頭皮や髪の状態を注意深く観察しましょう。

「かゆみは出ないか」「フケは増えていないか」「髪がきしむ感じはないか」など、小さな変化がシャンプーとの相性を示すサインです。

もし違和感があれば、無理して使い続けず、別のものを試す勇気も必要です。

自分の感覚を信じ、頭皮や髪が心地よいと感じるものを選ぶことが、長期的な美髪育成につながります。

薄毛・抜け毛が気になり始めたらシャンプー以外にできること

シャンプー選びは大切な要素ですが、薄毛や抜け毛の悩みに対しては、それ以外のケアや生活習慣の見直しも効果的です。

多角的な取り組みで、健やかな髪を目指しましょう。

頭皮マッサージのすすめ

頭皮マッサージは頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。また、頭皮の緊張を和らげ、リラックス効果も得られます。

シャンプー時や、育毛剤をつける際などに、指の腹を使って優しく揉みほぐすように行いましょう。

ただし、爪を立てたり、強くこすりすぎたりすると頭皮を傷つける可能性があるので力加減には注意が必要です。

バランスの取れた食事と質の高い睡眠

髪は体の一部であり、健康な髪を育むためには、体全体の健康が基盤となります。

なかでも髪の主成分であるタンパク質、そしてその合成を助ける亜鉛、血行を促進するビタミンE、頭皮環境を整えるビタミンB群などをバランス良く摂取する心がけが重要です。

また、髪の成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、質の高い睡眠を十分にとるのも大切です。

生活習慣で見直したいポイント

生活習慣ポイント
食事タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識したバランスの良い献立
睡眠毎日6~8時間程度の質の高い睡眠を確保する
運動適度な運動で血行を促進し、ストレスを解消する
ストレスケア趣味やリラックスできる時間を持つ

専門医への相談も選択肢に

セルフケアだけでは改善が見られない場合や、抜け毛が急に増えた、特定の部位だけ薄くなってきたなど気になる症状があるときは、自己判断せずに皮膚科や女性の薄毛治療を専門とするクリニックへの相談を検討しましょう。

専門医は頭皮の状態や毛髪の検査、問診などから原因を特定し、適切な治療法やケア方法を提案してくれます。

早期の対応が、より良い結果につながるケースが多いです。

育毛剤や発毛剤の正しい知識

育毛剤と発毛剤は混同されがちですが、その目的や成分、効果は異なります。

育毛剤は主に頭皮環境を整え、今ある髪を健康に育てることや抜け毛を予防することを目的とした医薬部外品です。

一方、発毛剤は新しい髪を生やす効果が認められた有効成分(ミノキシジルなど)を含む医薬品で、医師の診断のもとで使用するものもあります。

自分の目的や状態に合わせて、正しく選択し使用しましょう。

育毛剤と発毛剤の違い

種類主な目的分類
育毛剤頭皮環境改善、抜け毛予防、毛髪育成医薬部外品
発毛剤新たな毛髪の成長促進医薬品

シャンプーと上手に付き合い、健やかな髪を育むために

毎日のシャンプーは、やり方次第で頭皮や髪にとってプラスにもマイナスにもなります。

正しい知識を持ち、適切に行って、シャンプーを健やかな髪を育むための味方にしましょう。

正しいシャンプー方法の実践

シャンプーの効果を最大限に引き出して頭皮への負担を減らすためには、正しい方法で洗髪するのが重要です。

予洗いからすすぎまで、一つひとつの工程を丁寧に行いましょう。

正しいシャンプーの手順

手順ポイント目的
1. ブラッシング乾いた髪の状態で、毛先から優しくとかす髪の絡まりを解き、汚れを浮かす
2. 予洗いぬるま湯で髪と頭皮を十分に濡らす汚れの7割程度を落とし、シャンプーの泡立ちを良くする
3. シャンプー塗布シャンプーを手のひらで泡立て、髪全体になじませる摩擦を減らし、均一に洗浄成分を行き渡らせる
4. 洗浄指の腹で頭皮をマッサージするように洗う毛穴の汚れを落とし、血行を促進する
5. すすぎシャンプー剤が残らないよう、時間をかけて丁寧に洗い流す頭皮トラブルを防ぐ

シャンプーの頻度を見直す

シャンプーの適切な頻度は、頭皮のタイプや季節、活動量によって異なります。

「毎日洗わなければならない」と思い込んでいる方もいますが、乾燥肌の人や冬場などは洗いすぎが頭皮の乾燥を招くケースもあります。

自分の頭皮の状態を観察し、ベタつきやニオイが気にならなければ、1日おきにするなど調整するのも良いでしょう。

ただし、汗をたくさんかいた日や整髪料を多く使った日などは、その日のうちに洗うのが基本です。

頭皮に優しいシャンプーの選び方

頭皮への優しさを考えるなら、アミノ酸系やベタイン系といったマイルドな洗浄成分を主体としたシャンプーがおすすめです。

これらの成分は、適度な洗浄力を持ちつつ、頭皮の潤いを保ちやすい特徴があります。

また、香料や着色料、パラベンなどの添加物が少ない、あるいは無添加の製品を選ぶのも、頭皮への刺激を減らす一つの方法です。

成分表示を確認し、自分の頭皮に合ったものを選びましょう。

定期的な頭皮チェックとケア

自分の頭皮の状態を定期的にチェックする習慣をつけましょう。

鏡を使って頭皮の色(健康な頭皮は青白い色をしています)、乾燥や赤みの有無、フケの量などを観察します。美容室で美容師さんに頭皮の状態を見てもらうのも良いでしょう。

状態に合わせて保湿ケアを行ったり、スカルプエッセンスを使用したりするなど、積極的なケアを取り入れると、トラブルを未然に防げて健康な頭皮環境を維持することにつながります。

よくある質問

シャンプーと抜け毛に関する疑問は尽きないものです。ここでは、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

毎日シャンプーしない方が抜け毛は減りますか?

一概には言えません。シャンプーの頻度は、その人の頭皮タイプや生活習慣によります。

皮脂分泌が多い人が数日洗髪しないと毛穴が詰まりやすくなり、かえって頭皮環境が悪化して抜け毛につながる場合もあります。

逆に、乾燥肌の人が毎日洗浄力の強いシャンプーで洗うと、頭皮が乾燥しすぎて問題が起きるケースもあります。

大切なのは、自分の頭皮の状態に合わせて適切な頻度で、適切に洗浄することです。

オーガニックシャンプーなら安全ですか?

「オーガニック」という言葉には安心感を覚えるかもしれませんが、必ずしもすべての人にとって安全とは限りません。

オーガニック認証を受けた製品でも、配合されている植物成分が特定の人にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。また、オーガニックの基準も認証機関によって異なります。

オーガニックという言葉だけでなく、全成分表示を確認し、自分の肌に合うかどうかを試してみるのが大切です。

シャンプーを変えたら一時的に抜け毛が増えた気がします。なぜですか?

シャンプーを変更した直後に一時的に抜け毛が増えたと感じる場合、いくつかの可能性が考えられます。

一つは、新しいシャンプーの洗浄力や成分が頭皮に合わず、刺激になっているケースです。もう一つは、たまたま毛周期の休止期にあたる髪が多く抜けるタイミングと重なった可能性です。

また、新しいシャンプーの洗浄力がマイルドな場合、以前のシャンプーでしっかり落とせていた汚れや古い角質が新しいシャンプーでは落としきれずに一時的に頭皮環境が変化し、それに伴い抜け毛が増えたように感じるケースもあります。

数週間様子を見ても改善しない、あるいは悪化するようであれば、使用を中止し専門医に相談しましょう。

抜け毛が気になる場合、どんな成分を避けるべきですか?

抜け毛の原因は様々なので一概には言えませんが、一般的に頭皮への刺激が強いとされる成分や、アレルギーを引き起こす可能性のある成分は避けたほうが無難です。

ただし、刺激や洗浄力の強い成分、アレルギーを引き起こす可能性のある成分や添加物などが含まれていても、配合量や他の成分との組み合わせによっては問題ない場合もあります。

最終的にはご自身の頭皮との相性を見極めるようにしましょう。

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この記事を書いた人

Dr.前田祐助のアバター Dr.前田祐助 AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

資格
医師免許
⽇本医師会認定産業医
医学博士

所属学会
日本内科学会
日本美容皮膚科学会
日本臨床毛髪学会

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