デルモゾールGローションの頭皮への正しい塗り方。女性の湿疹・炎症ケア

デルモゾールGローションの頭皮への正しい塗り方。女性の湿疹・炎症ケア

頭皮の痒みや湿疹は、薄毛や抜け毛を気にする女性にとって深刻な悩みです。炎症を放置するとヘアサイクルが乱れ、さらなるボリュームダウンを招く恐れがあります。

処方されたデルモゾールGローションを正しく使い、早期に炎症を鎮めることが、健やかな髪を育む土台作りには重要です。

薬の効果を最大限に引き出しつつ、副作用のリスクを抑えるための正しい塗り方や注意点を徹底解説します。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

デルモゾールGローションの基本と効果

デルモゾールGローションは、抗炎症作用を持つステロイドと細菌の増殖を抑える抗生物質が配合された外用薬であり、頭皮のトラブルを素早く鎮めるために役立ちます。

この薬は単にかゆみを止めるだけでなく、炎症の原因となっている細菌感染にも同時に働きかけられる点が特徴です。

薄毛を気にする女性にとって、頭皮環境の悪化は抜け毛の直接的な原因となり得ます。この薬を用いて短期間で集中的に治療すると、結果として大切な髪を守れます。

ステロイドと抗生物質の複合作用

デルモゾールGローションは、炎症を抑える「ベタメタゾン吉草酸エステル」と、化膿止めの役割を果たす「ゲンタマイシン硫酸塩」という2つの成分が組み合わさっているのが最大の特徴です。

頭皮は皮脂分泌が盛んであり、湿疹を掻き壊すと黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖しやすい環境にあります。

単なるステロイド単体では細菌のコントロールが難しい場合でも、抗生物質が配合されているため、細菌による二次感染を防ぎながら炎症を抑え込めます。

また、頭皮に炎症が起きている状態は、毛根にとっても大きなストレスとなります。炎症によって毛母細胞への血流や栄養供給が阻害されると、健康な髪が育ちにくくなります。

その結果、このローションを使用して速やかに炎症レベルを下げる治療は、育毛環境を正常化させるための初期段階として非常に重要です。

医師がこの薬を処方する背景には、炎症と感染の両面から働きかける必要があると判断した意図があります。

頭皮湿疹への具体的な効能

頭皮湿疹には、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎など様々なタイプが存在しますが、いずれの場合も「赤み」「痒み」「フケ」といった症状を伴います。

デルモゾールGローションは、これらの不快な症状に対して強力に作用します。

特に、痒みが強い場合は無意識のうちに頭皮を掻きむしってしまい、さらに皮膚バリアを破壊してしまう悪循環に陥りがちです。

このローションは液体タイプであるため、毛髪のある頭皮でも患部に行き渡りやすく、クリームや軟膏に比べてべたつきが少ないという利点があります。

主な適応症状と期待できる変化

症状の種類頭皮の状態塗布後の期待される変化
脂漏性皮膚炎皮脂が多く、赤みや大きめのフケが出る赤みが引き、痒みが治まることでフケが減少する
毛嚢炎(毛包炎)毛穴が赤く盛り上がり、軽い痛みがある抗生物質の作用で細菌が減り、腫れが引く
接触性皮膚炎整髪料などでカブレて全体的に痒いアレルギー反応による炎症が鎮静化し、痒みが消失する

薄毛治療や育毛ケアを行っている女性の場合、育毛剤の使用によって接触性皮膚炎を起こしているケースも少なくありません。そうした薬剤によるカブレに対しても、このローションは有効です。

炎症が治まると頭皮の赤みが引き、健康的な青白い頭皮へと戻っていく過程で、抜け毛の減少も期待できます。ただし、真菌(カビ)が原因の一部である場合などは、医師の判断が重要になります。

女性の頭皮トラブルに選ばれる理由

女性の頭皮はホルモンバランスの変化やカラーリング、パーマなどの影響を受けやすく、非常にデリケートです。ま

た、男性に比べて髪が長い方が多いため、クリーム状の薬では髪に付着してしまい、うまく頭皮に塗れないという悩みが生じやすいです。

デルモゾールGローションはさらっとした液体状であるため、髪をかき分けて頭皮に直接届けるのが容易であり、塗布後のスタイリングへの影響も最小限に抑えられます。

さらに、女性特有の悩みとして、頭皮のニオイが気になるという場合もありますが、これは雑菌の繁殖や皮脂の酸化が原因であるケースが多いです。

このローションに含まれる抗生物質の作用により原因菌が減少すると、結果的に頭皮の不快なニオイが軽減される場合もあります。

このように、使い勝手の良さと複合的な効果が、女性の頭皮トラブル治療において支持される理由となっています。

塗る前の準備とタイミング

薬の効果を確実に発揮させるためには、塗布する前の頭皮環境を整え、適切なタイミングで使用しましょう。

汚れや皮脂が残ったままの状態や、頭皮が濡れたままの状態では薬剤の浸透が妨げられたり、意図しない部位に薬が流れてしまったりする可能性があります。

洗髪後の清潔な状態を作る

最も効果的な塗布タイミングは、入浴・洗髪後の清潔な状態です。1日の生活で蓄積された皮脂、汗、整髪料、そして空気中のホコリなどは、薬剤が皮膚に浸透する際の妨げとなります。

シャンプーをしてこれらをきれいに洗い流すと、薬の成分が患部にダイレクトに届くようになります。

特に、脂漏性皮膚炎などで皮脂分泌が多い方の場合は、丁寧な予洗いとシャンプーで余分な脂を落としておくと良いです。

また、洗髪はお湯の温度にも注意が必要です。熱すぎるお湯は頭皮の乾燥を招き、痒みを増長させる原因となります。

ぬるま湯で優しく洗い、爪を立てずに指の腹で頭皮をマッサージするように汚れを浮かせるのが基本です。

清潔な頭皮環境を作る工夫は薬の効果を高めるだけでなく、薄毛対策としての頭皮ケアの基本中の基本でもあります。

水分をしっかり拭き取る重要性

洗髪後、髪や頭皮が濡れたままの状態で薬を塗るのは避けるべきです。水分が残っていると、ローションが水分と混ざって薄まってしまい、十分な効果が得られない可能性があります。

また、水分に乗って薬液が顔や首筋など、本来塗る必要のない健康な皮膚にまで垂れてくる原因にもなります。

これは副作用のリスクを高めることにもつながるため、タオルドライとドライヤーでしっかりと水分を飛ばしましょう。

塗布に向けた準備

  • 手洗いをして指先を清潔にする。
  • 鏡を用意する。
  • 髪をブロッキングする。
  • ローションのボトルを確認する。

ドライヤーを使用する際も、温風を患部に近づけすぎないように注意します。炎症を起こしている頭皮は熱に対して敏感になっており、熱風が刺激となって痒みがぶり返すときがあります。

頭皮から20センチ以上離し、温風と冷風を使い分けながら、頭皮を完全に乾かした状態にしてからローションを手に取るようにしてください。

1日の使用回数の目安

通常、デルモゾールGローションの使用回数は1日1回から2回と指示されるのが一般的です。医師の指示に従うことが大前提ですが、基本的には「朝と晩」もしくは「入浴後」のタイミングが推奨されます。

回数を多く塗れば早く治るというものではなく、過剰な塗布は副作用のリスクを高めるだけです。決められた回数を守り、毎日継続して使用すると治癒への近道となります。

頭皮への正しい塗り方実践

頭皮への塗布は、髪の毛が邪魔をして意外と難しいものです。

しかし、薬液が髪の毛に付着するだけでは治療効果は得られません。確実に頭皮の患部へ薬を届けるための、ボトルの扱い方や髪のかき分け方についての具体的な手順を紹介します。

ノズルの扱い方と液垂れ防止

デルモゾールGローションの容器は、先端が細くなっているノズルタイプであるものが多いですが、逆さにするだけで液がポタポタと落ちてくる粘度の低い液体です。

そのため、患部の真上で容器を強く押してしまうと大量の液が出てしまい、顔や目に入ってしまう危険性があります。

まずは、ボトルの腹を強く押さず、自然に滴下するのを待つか、極めて優しく押す力加減を覚えることが大切です。

液垂れを防ぐためには、塗布する瞬間に顔を少し上に向けるか、あるいは液が垂れてきてもすぐに拭き取れるよう、片手にティッシュやタオルを持った状態で構えるのが良いでしょう。

特に前頭部や生え際に塗る場合は目に入るリスクが高いため、慎重な操作が求められます。一度手のひらや指先に取ってから塗る方法もありますが、直接塗布の方が患部に届きやすい場合が多いです。

患部にピンポイントで塗布する技術

髪の毛の上から適当に振りかけるのではなく、患部を露出させてピンポイントで塗るのが最も重要です。

まず、鏡を見ながら炎症がある場所を確認し、その部分の髪を分け目を作るようにしっかりとかき分けます。

片手で髪を押さえ、頭皮が見えている状態を作ってから、もう片方の手でノズルの先端を頭皮に近づけます。

この時、ノズルを頭皮に直接こすりつけるのではなく、頭皮から数ミリ離した位置から一滴ずつ落とすイメージで行うと衛生的です。

効果的な塗布動作の手順

動作の段階具体的なアクションその動作を行う理由
準備段階患部周辺の髪を指やクシでしっかり分け、頭皮を露出させる髪に薬液が吸われるのを防ぎ、皮膚に直接届けるため
塗布段階ノズルを頭皮に近づけ、少量ずつ点在させるように落とす一箇所に大量につくと液垂れの原因になるため
馴染ませ段階指の腹を使って、優しくトントンと広げるように馴染ませる摩擦による刺激を避けつつ、患部全体に行き渡らせるため

あるいは、ノズルの先端を軽く頭皮にトントンと当てるようにして少量ずつ塗布する方法もあります。

広範囲に炎症がある場合でも一度に全体にかけようとせず、分け目を少しずつずらしながら、数回に分けて丁寧に塗っていくのがムラなく塗布するコツです。

指の腹を使った馴染ませ方

薬液を頭皮に落とした後は、すぐに指の腹を使って優しく馴染ませます。この時、爪を立てたり、ゴシゴシと擦り込んだりする行為は厳禁です。

炎症を起こしている皮膚は非常に弱くなっているため、強い摩擦は症状を悪化させる原因になります。

「塗る」というよりは、「置く」あるいは「広げる」という感覚で、指先で軽くプレスするように馴染ませていきます。また、馴染ませる範囲は、赤みや痒みがある患部とそのわずかな周辺にとどめます。

予防的にと言って、痒みのない健康な部分まで広範囲に塗り広げる必要はありません。副作用を回避しながら効果を得るために、必要な場所に必要な量だけを塗るようにしましょう。

使用後は、指についた薬を石鹸できれいに洗い流すことを忘れないでください。

塗布する際の注意点とやってはいけないこと

良かれと思って行っている行動が、実は治療の妨げになったり、頭皮トラブルを長引かせたりする原因になっているケースがあります。特にステロイド含有薬の使用には守るべきルールが存在します。

爪を立てて擦り込まない

痒みが強いと、薬を塗るついでに爪を立てて掻きたくなる衝動に駆られるときがありますが、これは絶対に避けるべき行為です。

爪で皮膚を傷つけると、そこからさらに細菌が入り込み、炎症が悪化する可能性があります。

また、傷口が深くなると薬の成分が必要以上に深くまで浸透してしまい、副作用のリスクも高まります。塗布する際はあくまで優しく、愛護的に扱いましょう。

無意識に掻いてしまうのを防ぐために、爪を短く切り揃えておくことも有効です。どうしても痒みが我慢できない場合は、患部を冷たいタオルなどで冷やして一時的に痒みを紛らわせる方法があります。

物理的な刺激は頭皮にとって最大の敵であると認識し、徹底して刺激を与えないように努めてください。

健康な皮膚への広範囲塗布を避ける

「薄毛予防のために頭皮全体に塗っておこう」と考える方がいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。デルモゾールGローションは炎症を治す薬であり、育毛剤ではありません。

健康な皮膚に長期間ステロイドを塗り続けると、皮膚の萎縮や免疫力の低下を招き、逆にトラブルの原因となる場合があります。症状が出ていない場所には塗らないという原則を守りましょう。

避けるべきNG行動リスト

  • 化粧水感覚で頭皮全体にバシャバシャと塗るのはNG。必要量を超えた使用は副作用のもとです。
  • 育毛剤と混ぜて使用しない。成分同士が反応したり、pHバランスが崩れたりする恐れがあります。
  • 塗布直後にドライヤーの熱風を当ない。薬液が揮発したり、熱による刺激で痒みが増したりします。
  • かさぶたを無理やり剥がしてから塗るのは厳禁。出血や新たな感染を引き起こし、治癒を遅らせます。

特に、生え際や顔周りの皮膚は他の頭皮部分に比べて薄く、薬の吸収率が高いため注意が必要です。

液垂れによって意図せず顔についてしまった場合は、すぐに水で洗い流すか、濡れたタオルで拭き取るようにしてください。あくまで「治療薬」であると意識し、漫然とした使用は避けるのが肝心です。

他の育毛剤との併用順序

薄毛治療中の女性にとって気になるのが、普段使っている育毛剤との併用についてです。

基本的には、主治医に相談することが大切ですが、併用が許可された場合の順序としては、「育毛剤」を先に使用し、その後に「デルモゾールGローション」を塗るのが一般的です。

育毛剤は清潔な頭皮に浸透させることを目的としているため、先に塗布して乾かしてから、患部にピンポイントで薬を塗る方が理にかなっています。

ただし、炎症がひどい時期は、育毛剤に含まれるアルコールや添加物が刺激となり、症状を悪化させる可能性があります。

そのような場合は炎症が治まるまで育毛剤の使用を一時中断し、デルモゾールGローションによる治療に専念するのが賢明な判断です。

副作用のリスクと対処法

どのような薬剤にも副作用のリスクは存在しますが、正しい知識を持っていれば過度に恐れる必要はありません。

デルモゾールGローションに含まれるステロイドは、強力な抗炎症作用を持つ反面、長期間不適切に使用すると特有の副作用が現れる場合があります。

皮膚が薄くなる萎縮について

ステロイド外用薬の代表的な副作用の一つに「皮膚萎縮」があります。これは、皮膚の細胞増殖が抑制されて、表皮や真皮が薄くなる現象です。

頭皮が薄くなると、外部からの刺激に弱くなったり、血管が透けて見えたりするようになります。特に女性の薄毛において、頭皮の健康状態は髪の太さや成長に直結するため、この副作用には注意が必要です。

しかし、これは通常、長期間(数ヶ月単位)にわたって連用した場合に起こりうるものです。

医師の指示通りに数週間程度の使用で治療を終える場合には、過度な心配は不要です。症状が良くなっているにもかかわらず、自己判断でダラダラと使い続けないようにしましょう。

定期的に鏡で頭皮の状態を確認し、皮膚の変化に気を配る習慣をつけると良いです。

血管拡張や赤みの変化

もう一つの副作用として、毛細血管拡張があります。これは、皮膚の表面にある毛細血管が広がり、赤ら顔のように頭皮が赤く見える状態です。

元々の炎症による赤みと区別がつきにくいときがありますが、痒みが治まっているのに赤みだけが引かない、あるいは以前より赤みが広がっているような場合は、副作用の可能性があります。

また、ステロイドの免疫抑制作用により、逆に真菌(カビ)や細菌などの感染症を誘発・悪化させてしまうケースも稀にあります。

主な副作用とチェックポイント

副作用の症状具体的な見え方・感じ方観察すべきポイント
皮膚萎縮皮膚がペラペラになり、少しの刺激で傷つく頭皮の弾力が失われていないか確認する
毛細血管拡張蜘蛛の巣状に細い血管が浮き出て赤く見える炎症の赤みとは異なる、持続的な赤みがないか
感染症の誘発ニキビのような膿疱ができたり、痛みが出る塗布後に症状が悪化していないか観察する

例えば、薬を塗っているのに膿を持った出来物が増えたり、痒みが全く引かなかったりする場合は、薬が合っていないか、別の原因菌が増殖している可能性が疑われます。

異常を感じた時の即時対応

使用中に「刺激感が強い」「痛みが走る」「発疹が増えた」などの異常を感じた場合は、直ちに使用を中止してください。無理に使い続けると、取り返しのつかない皮膚トラブルに発展する恐れがあります。

使用を中止した上で、速やかに処方元の医師や薬剤師に相談します。その際、いつからどのような症状が出たのかを正確に伝えると、適切な処置を受けられます。

自己判断で別の市販薬を重ね塗りしたり、急に民間療法を試したりするのは避けてください。まずは水で優しく洗い流して薬を落とし、患部を清潔に保つことが第一の対処法となります。

医師の診察を受ける際には、使用していた薬を持参すると、スムーズな診断につながります。

治療期間の目安と止め時

ステロイド外用薬は「短期決戦」が基本です。いつまでも使い続けるものではなく、症状が改善したら徐々に使用を控えていく必要があります。

しかし、急に止めると症状がぶり返す「リバウンド」を心配する声もあるため、適切な治療期間の目安を知っておきましょう。

症状が改善した後の減薬方法

一般的に、頭皮の炎症が軽度から中等度であれば、1週間から2週間程度の使用で症状が落ち着くケースが多いです。

赤みや痒みが完全に消えたからといって、その瞬間にパタリと使用を止めるのではなく、徐々に回数を減らしていく方法(テーパリング)が指導される場合があります。

例えば、毎日2回塗っていたものを1日1回にし、次に2日に1回にする、といった具合です。このように段階的に使用頻度を減らすことで、皮膚の状態を安定させながら、薬への依存を断つことができます。

ただし、この減薬のスケジュールは個人の症状や回復度合いによって異なるため、必ず医師の指示に従って行うことが大切です。自己判断で急激に止めると、再発のリスクが高まる場合があります。

漫然使用によるリスク回避

最も避けなければならないのは、「なんとなく塗っていると安心だから」という理由で、症状がないのに何ヶ月も使い続けることです。これを「漫然使用」と呼びます。

先述した皮膚萎縮などの副作用は、この漫然使用によって引き起こされるケースがほとんどです。

処方された薬が残っているからといって、予防薬として使い切ろうとする考えは捨ててください。治療のゴールは「薬を使わなくても快適な頭皮状態を保てること」です。

使用終了に向けたステップ例

段階使用頻度判断基準の目安
治療期毎日1〜2回赤み・痒み・フケが強くある状態
減量期1日1回 または 2日に1回痒みは治まり、赤みが薄くなってきた状態
離脱期3日に1回 または 中止自覚症状がなく、見た目も正常な皮膚に戻った状態

薬はあくまで、その状態に戻すための架け橋に過ぎません。

定期的に受診して医師に頭皮の状態を見てもらい、薬を使い続けるべきか、止めるべきかの適切な判断を仰ぐことが、長期的な頭皮の健康維持につながります。

医師に再相談すべきサイン

薬を使用してから1週間から2週間が経過しても症状に改善が見られない、あるいは悪化している場合は、薬が合っていないか、診断と異なる原因(例えば真菌感染など)が隠れている可能性があります。

この場合は、漫然と使用を続けずに、すぐに医師に再相談してください。薬のランクを変更したり、別の種類の薬に切り替えたりするなどの対応が必要です。

また、一度治まった症状がすぐに再発する場合も相談が必要です。これは生活習慣やヘアケアの方法に根本的な原因があるかもしれません。

薬だけでなく、総合的なアプローチで治療方針を見直す良い機会と捉え、専門家の意見を求めましょう。

頭皮環境を整える日常生活のポイント

デルモゾールGローションで炎症を抑えたとしても、普段の生活習慣が頭皮に負担をかけていては、トラブルを繰り返してしまいます。

薄毛予防と頭皮の健康維持は密接に関連しており、日々のケアの見直しが欠かせません。

シャンプー選びと洗い方の見直し

毎日使うシャンプーは、頭皮環境に最も大きな影響を与えます。

洗浄力が強すぎる高級アルコール系シャンプー(ラウレス硫酸Naなどが主成分のもの)は、必要な皮脂まで奪い取り、乾燥やバリア機能の低下を招きます。

頭皮トラブルを抱える女性には、刺激の少ないアミノ酸系シャンプーや、敏感肌用に開発されたシャンプーが適しています。

洗い方においても、熱いお湯や爪を立てる行為は避け、たっぷりの泡で包み込むように洗うことが大切です。

頭皮に優しいシャンプー選びの指針

チェック項目推奨される内容避けた方が良い要素
洗浄成分アミノ酸系(ココイル〜、ラウロイル〜等)高級アルコール系(ラウレス硫酸Na等)
添加物無着色、パラベンフリーなど過度な香料、刺激の強い保存料
保湿成分セラミド、ヒアルロン酸など特になし(多いほど良い)

すすぎ残しは炎症の直接的な原因となるため、洗う時間の倍の時間をかけて、生え際や耳の後ろまで丁寧にすすぐように心がけてください。正しい洗髪は、薬の効果を支える土台となります。

紫外線対策と物理的刺激の排除

頭皮は顔の皮膚とつながっていますが、顔よりも多くの紫外線を浴びています。紫外線は頭皮の老化を進め、乾燥や炎症を引き起こす要因となります。

外出時には帽子や日傘を使用し、頭皮用の日焼け止めスプレーなどを活用して、紫外線から頭皮を守りましょう。特に分け目はダメージを受けやすいので、定期的に分け目を変えるなどの工夫も有効です。

また、ブラッシングのしすぎや、ポニーテールなどで髪を強く引っ張る行為も頭皮への物理的刺激となります。

ブラシは先の丸いクッション性のあるものを選び、頭皮を傷つけないように優しくとかしてください。

ヘアスタイルも、頭皮に負担のかからない緩やかなスタイルを取り入れるなど、日常的な刺激を減らす意識が必要です。

ストレス管理と睡眠の質

皮膚は内臓の鏡とも言われるように、ストレスや体調不良はすぐに頭皮の状態に現れます。

ストレスが溜まると自律神経が乱れ、血管収縮による血行不良や、ホルモンバランスの崩れを引き起こし、頭皮環境の悪化や抜け毛の増加につながります。

自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まない生活を心がけると良いです。

睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、ダメージを受けた細胞の修復が行われる重要な時間です。質の高い睡眠を確保する工夫は、頭皮の炎症回復を早めるためにも、健康な髪を育てるためにも必要です。

就寝前のスマートフォンの使用を控える、入浴で体を温めるなどして、深い眠りにつける環境を整えてください。

Q&A

妊娠中や授乳中でも使えますか?

妊娠中や授乳中の使用については、必ず医師に相談してください。一般的に外用薬は内服薬に比べて全身への影響は少ないとされていますが、使用する範囲や期間によっては配慮が必要です。

自己判断で使用せず、医師の指示に基づき、メリットがリスクを上回る場合にのみ使用するのが基本です。

塗った後にマッサージしても良いですか?

炎症が起きている期間は、マッサージは控えてください。マッサージによる摩擦や圧迫が、弱っている頭皮への刺激となり、炎症を悪化させる恐れがあります。

薬を塗った後は、優しく馴染ませるだけに留め、症状が完全に治まってから、血行促進のためのマッサージを再開するようにしましょう。

傷口があっても使えますか?

掻き壊してじゅくじゅくした傷がある場合、デルモゾールGローションには抗生物質が含まれているため、化膿止めの効果が期待できる場合があります。

しかし、傷の深さや状態によってはしみて痛むことや、別の処置が必要なときもあります。激しい痛みがある場合や出血がひどい場合は、使用前に医師の診察を受けてください。

顔に垂れてしまった場合はどうすれば?

顔の皮膚は頭皮よりも薄く、ステロイドの吸収率が高いため、顔に付着した場合は速やかに洗い流してください。

直ちに副作用が出るわけではありませんが、放置するとニキビや赤みの原因になるときがあります。

塗布する際は、液垂れを防ぐために少量ずつ出すか、顔を少し上に向けて塗るなどの工夫をしましょう。

使用期限はどれくらいですか?

処方された薬は、その時の症状に合わせて出されたものです。開封後は雑菌が混入するリスクもあるため、治療が終わって長期間放置された古い薬を使用するのは避けてください。

一般的に開封後は数ヶ月以内に使い切るのが望ましいですが、医師や薬剤師の指示に従い、余った薬は破棄することをお勧めします。

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