慢性甲状腺炎に伴う脱毛症とは

最近、髪のボリュームが減ったり、抜け毛が増えたりしていませんか。その原因は、単なる年齢やストレスだけではないかもしれません。

特に女性に多い「慢性甲状腺炎」という病気が、脱毛の背後に隠れていることがあります。この病気は、自分では気づきにくい全身の不調を伴うことが多く、脱毛はそのサインの一つです。

この記事では、薄毛に悩む多くの女性のために、慢性甲状腺炎と脱毛の深い関係を解き明かし、その症状から診断、そして根本的な治療法までを詳しく解説します。

慢性甲状腺炎に伴う脱毛症 – あなたの髪が抜ける本当の理由

抜け毛が増え、髪全体が薄くなってきたと感じるとき、多くの方はヘアケア製品を見直したり、頭皮マッサージを試したりするかもしれません。

しかし、もしあなたが女性で、脱毛以外にも「疲れやすい」「寒がり」「体重が増えた」といった体調の変化を感じているなら、その原因は「慢性甲状腺炎」にある可能性があります。

これは、体の代謝をコントロールする甲状腺の機能が、自己免疫疾患によって低下してしまう病気です。

髪の健康は、この甲状腺が作り出す甲状腺ホルモンと密接に関わっており、そのバランスが崩れることで、脱毛という目に見える症状として現れるのです。

甲状腺とは何か？体のエネルギーを司る重要な器官

甲状腺は、喉仏の下にある蝶のような形をした小さな器官です。小さいながらも、体全体のエネルギー代謝を調整する甲状腺ホルモンを分泌するという、非常に重要な役割を担っています。

このホルモンは、心臓の動き、体温の調節、そして私たちが活動するためのエネルギーを生み出すなど、生命維持に欠かせない働きをします。

さらに、皮膚や髪の毛の生まれ変わり、つまり新陳代謝にも深く関与しており、髪の成長サイクルを正常に保つためにもこのホルモンが必要です。

慢性甲状腺炎（橋本病）とはどんな病気か

慢性甲状腺炎は、そのほとんどが「橋本病」と呼ばれる自己免疫疾患です。通常、免疫システムは外部から侵入したウイルスや細菌を攻撃して体を守ります。

しかし、自己免疫疾患では、この免疫システムに異常が生じ、自分自身の正常な細胞や組織を誤って攻撃してしまいます。

橋本病の場合、免疫システムが甲状腺を「敵」とみなし、継続的に攻撃して慢性的な炎症を引き起こします。

この状態が長く続くと、甲状腺の組織が徐々に破壊され、甲状腺ホルモンを十分に作れなくなる「甲状腺機能低下症」という状態に陥ります。

この甲状腺機能低下症が、脱毛を含むさまざまな全身の症状を引き起こす直接的な原因となるのです。

甲状腺疾患の男女差

疾患	罹患率が高い性別	特徴
橋本病	女性（男性の約20～30倍）	自己免疫により甲状腺機能が低下しやすい。
バセドウ病	女性（男性の約3～5倍）	自己免疫により甲状腺機能が亢進しやすい。

気づいていますか – 慢性甲状腺炎が引き起こす脱毛の症状

慢性甲状腺炎に伴う脱毛は、他の脱毛症とは異なる特徴的な症状を示します。髪の変化はゆっくりと進行するため、初めは気づきにくいかもしれませんが、特定のパターンを知ることで早期発見につながります。

脱毛だけでなく、髪質そのものの変化や、髪以外の体毛にも影響が及ぶことがあります。ここでは、あなた自身の状態を客観的に見つめ直すために、具体的な症状を詳しく解説します。

びまん性脱毛 頭部全体のボリュームダウン

最も一般的な症状は、頭部全体が均一に薄くなる「びまん性脱毛」です。

男性型脱毛症（AGA）のように生え際が後退したり、頭頂部だけが薄くなったりするのではなく、全体の髪の毛の本数が減り、ボリュームが失われます。

分け目が以前より目立つようになったり、髪をとかしたときに地肌が透けて見えたりすることで、異変に気づくことが多いでしょう。

特定の部位だけが抜けるのではないため、「なんとなく髪が減った」と感じるのがこのパターンの特徴です。

円形脱毛症との関連性

慢性甲状腺炎は自己免疫疾患であるため、同じく自己免疫が関係する「円形脱毛症」を合併することが少なくありません。

ある日突然、コインのような円形または楕円形の脱毛斑が現れた場合、それは円形脱毛症の可能性があります。

橋本病の患者さんが円形脱毛症を併発するケースは珍しくなく、両者の間には深い関連があると考えられています。

びまん性の脱毛と円形の脱毛斑が同時に見られる場合は、甲状腺の検査を検討する強いサインといえます。

脱毛パターンの比較

脱毛の種類	主な特徴	関連する状態
びまん性脱毛	頭部全体が均一に薄くなる	甲状腺機能低下症の典型的な症状
円形脱毛症	円形・楕円形の脱毛斑	自己免疫疾患（橋本病など）との合併
女性男性型脱毛症(FAGA)	頭頂部の分け目を中心に薄くなる	ホルモンバランスの変化や遺伝

眉毛や体毛にも現れる変化

甲状腺機能の低下による影響は、頭髪だけに留まりません。特に診断の手がかりとして重要なのが、眉毛の脱毛です。

中でも、眉毛の外側3分の1が薄くなる、あるいは抜けてしまう現象は、甲状腺機能低下症の古典的な兆候として知られています。鏡を見たときに「以前より眉毛が短くなった」と感じたら注意が必要です。

また、腕や脚の毛など、全身の体毛が薄くなることもあります。

今すぐ確認 – 慢性甲状腺炎に伴う脱毛症のセルフチェック方法

脱毛は甲状腺機能低下症の一つの症状に過ぎません。多くの場合、全身にさまざまな不調が現れます。これらは体の新陳代謝が全体的に低下することによって引き起こされるものです。

もしあなたが脱毛に加えて、以下に挙げる複数の症状に心当たりがあるなら、それは体が発している重要なサインかもしれません。

このセルフチェックリストを使って、ご自身の体調を総合的に見直してみましょう。

髪と肌に関するチェックリスト

甲状腺ホルモンの不足は、新陳代謝が活発な髪や皮膚に特に顕著な変化をもたらします。以下の項目を確認してみてください。

• 頭全体の髪が薄くなったと感じる（びまん性脱毛）
• 髪が細くなり、パサついてツヤがなくなった
• 眉毛の外側が薄くなった
• 肌が乾燥してカサカサする
• 顔や手足がむくみやすい

全身のエネルギー状態に関するチェックリスト

体のエネルギー産生が低下するため、全身に倦怠感や活力の低下といった症状が現れます。これらの変化はゆっくりと現れるため、年のせいや疲れのせいだと思い込んでしまうことも少なくありません。

エネルギー代謝低下のサイン

カテゴリ	具体的な症状	原因の解説
全身倦怠感	非常に疲れやすい、常に眠い、無気力	エネルギー産生の低下
体温調節	人よりも寒がりになった	熱産生の低下
体重変化	食事量は変わらないのに体重が増える	基礎代謝の低下とむくみ

精神面やその他の身体症状

甲状腺ホルモンは脳の働きや消化器系の活動にも影響を与えます。そのため、記憶力の低下や便秘といった、一見すると脱毛とは関係なさそうな症状も現れることがあります。

見過ごされがちな身体のサイン

領域	具体的な症状
精神・認知機能	記憶力や集中力の低下、物忘れ、気分が落ち込む
消化器系	便秘がちになる
その他	声がかすれる、脈が遅くなる、月経不順（特に月経量が増える）

これらのセルフチェックで複数の項目に当てはまる場合は、自己判断で放置せず、専門の医療機関に相談することを強く推奨します。根本的な原因に対処することが、脱毛改善への最も確実な道です。

なぜ髪が抜けるのか – 慢性甲状腺炎による脱毛の仕組み

「なぜ甲状腺の機能が落ちると髪が抜けるの？」という疑問に答えるためには、髪の毛が成長する周期、すなわち「ヘアサイクル」を理解することが重要です。私たちの髪は、絶えず生え変わっています。

甲状腺ホルモンは、このヘアサイクルを正常に保つための司令塔のような役割を担っています。

しかし、甲状腺機能低下症によってこのホルモンが不足すると、司令塔からの指令が滞り、髪の成長に深刻な影響が及ぶのです。

ヘアサイクルの乱れが直接の原因

髪の毛の一生は、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの期間を繰り返すヘアサイクルによって成り立っています。

• 成長期 髪が活発に成長する期間（通常2～6年）
• 退行期 髪の成長が止まる期間（約2週間）
• 休止期 髪が抜け落ちるのを待つ期間（約3～4ヶ月）

健康な状態では、頭髪の約90%が成長期にあります。しかし、甲状腺ホルモンが不足すると、このヘアサイクルのバランスが大きく崩れます。

具体的には、本来なら数年間続くはずの成長期が短縮され、多くの髪の毛が本来の寿命を全うする前に、早期に休止期へと移行してしまうのです。

その結果、休止期に入って抜け落ちる髪の割合が通常よりも増加し、全体として薄毛が進行します。これが、甲状腺機能低下症による脱毛の正体、「休止期脱毛」です。

ヘアサイクルの正常時と異常時

状態	成長期の期間	結果
正常なヘアサイクル	適切に維持される（2～6年）	太く健康な髪が育ち、抜け毛は一定数に保たれる。
甲状腺機能低下症	短縮される	髪が十分に成長できず、休止期に入る毛が増え、抜け毛が増加する。

髪質の変化も同時に起こる

甲状腺ホルモンの不足は、抜け毛の量を増やすだけでなく、髪の質そのものにも影響を与えます。髪を作り出す毛母細胞の活動が低下するため、新しく生えてくる髪が以前よりも細く、弱々しくなります。

また、髪の表面を保護するキューティクルも正常に作られにくくなるため、髪が乾燥してパサついたり、ツヤが失われたり、切れやすくなったりします。

このように、本数の減少と質の低下が同時に起こることが、薄毛の印象をさらに強める原因となります。

正確な診断のための検査 – 甲状腺機能と脱毛の関係を調べる

セルフチェックで甲状腺機能低下症の疑いが生じたら、次に行うべきは医療機関での正確な診断です。

脱毛の原因が本当に甲状腺にあるのかを特定するためには、専門医による診察と客観的なデータに基づいた判断が必要です。診断の中心となるのは血液検査です。

この検査によって、血中の甲状腺ホルモンの量を測定し、甲状腺が正常に機能しているかを評価します。ここでは、どのような検査が行われ、その結果が何を意味するのかを解説します。

何科を受診すればよいか

脱毛と甲状腺疾患の両方が疑われる場合、どの診療科を受診すべきか迷うかもしれません。主な選択肢は「内分泌内科」と「皮膚科」です。

診療科の選び方

診療科	主な対象	受診が推奨される場合
内分泌内科	ホルモン異常（甲状腺、副腎など）	脱毛に加え、強い倦怠感やむくみなど全身の症状が顕著な場合。
皮膚科	皮膚、髪、爪の疾患	脱毛が最も気になる症状で、円形脱毛症などを伴う場合。

どちらの科を受診しても、必要に応じて連携して診断・治療を進めます。まずはご自身が最も気になる症状に合わせて受診先を選ぶと良いでしょう。

当クリニックのような薄毛治療専門の医療機関では、診察の結果、甲状腺疾患が疑われる場合に提携する内分泌内科を紹介することも可能です。

診断の鍵を握る血液検査

甲状腺機能の診断は、主に血液検査によって行います。少量の血液を採取するだけで、甲状腺の状態を正確に把握できます。主に以下の3つの項目を測定します。

血液検査の主要項目と意味

検査項目	甲状腺機能低下症の場合の値	解説
TSH（甲状腺刺激ホルモン）	高くなる	脳が「もっとホルモンを出せ」と強く指令している状態を示す。
FT4/FT3（甲状腺ホルモン）	低くなる	実際に体内で働く甲状腺ホルモンが不足している状態を示す。
自己抗体（抗TPO抗体など）	陽性（＋）	橋本病のように、自己免疫が甲状腺を攻撃している証拠。

これらの血液検査の結果を総合的に判断し、甲状腺機能低下症や橋本病の診断を確定します。必要に応じて、甲状腺の大きさやしこりの有無を調べる超音波（エコー）検査を追加することもあります。

根本から改善する治療アプローチ – 甲状腺機能の正常化と育毛対策

診断が確定したら、いよいよ治療が始まります。

甲状腺機能低下症による脱毛の改善には、抜け毛を直接止める育毛剤を使うのではなく、その根本原因である甲状腺ホルモンの不足を解消することが最も重要です。

ホルモンバランスが正常に戻れば、乱れていたヘアサイクルも整い、脱毛の症状は自然と改善に向かいます。

ここでは、標準的な治療法と、より効果的に髪を育てるための補助的な対策について説明します。

ホルモン補充療法による根本治療

甲状腺機能低下症の治療の基本は、不足している甲状腺ホルモンを薬で補う「ホルモン補充療法」です。

合成甲状腺ホルモン製剤（商品名：チラージンSなど）を毎日服用することで、血中のホルモン濃度を正常範囲に保ちます。

これは体内で作られるホルモンとほぼ同じ成分の薬であり、適切に量を調整すれば副作用の心配はほとんどありません。

この治療によってホルモンバランスが正常化すると、短縮されていた成長期が元の長さに戻り、抜け毛が減少します。そして、新しく健康な髪がしっかりと生え始め、脱毛症状の改善が期待できます。

ただし、髪が再び成長して見た目の変化を実感できるようになるまでには、数ヶ月から半年程度の時間が必要です。焦らずに根気よく治療を続けることが大切です。

皮膚科での育毛治療との連携

ホルモン補充療法で甲状腺機能が正常化しても、脱毛の改善が十分でない場合や、円形脱毛症を合併している場合は、皮膚科や薄毛治療専門クリニックでの専門的な育毛治療を並行して行うことが有効です。

当クリニックでは、甲状腺の治療状況を考慮しながら、患者様一人ひとりの状態に合わせた育毛メソセラピーや外用薬・内服薬の処方を行います。

内分泌内科での根本治療と、私たちのような髪の専門家による育毛対策を組み合わせることで、より効果的な改善を目指します。

治療効果を高める生活習慣

薬による治療を主軸としながら、日々の生活習慣を見直すことも、健やかな髪を取り戻すためには重要です。

• 栄養バランス 髪の主成分であるタンパク質や、その成長を助ける亜鉛、鉄分などを意識したバランスの良い食事を心がけましょう。
• ヨウ素の摂取 ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料ですが、橋本病の方がサプリなどで過剰に摂取すると、かえって甲状腺機能を悪化させる可能性があります。昆布などの海藻類は、日常的な食事の範囲で適量を摂るようにしましょう。
• ストレス管理 過度なストレスはホルモンバランスや免疫系に悪影響を及ぼします。リラックスできる時間を作り、心身を休ませることも大切な治療の一環です。

再発を防ぐための予防策 – 生活習慣と甲状腺健康管理

橋本病は体質的なものであり、完治するという概念がありません。

そのため、ホルモン補充療法によって甲状腺機能が安定した後も、良好な状態を維持し、脱毛の再発を防ぐためには、継続的な健康管理が重要になります。

定期的な検査と、甲状腺に負担をかけない生活習慣を続けることが、長期的な髪の健康につながります。

定期的な血液検査の重要性

甲状腺機能低下症の治療で服用するホルモン剤の量は、その時々の体の状態によって調整が必要です。体調の変化や年齢、妊娠などによって、必要なホルモン量が変わることがあります。

そのため、治療が安定した後も、医師の指示に従って定期的に血液検査を受け、ホルモンバランスが適切に保たれているかを確認し続けることが大切です。

自己判断で薬の服用を中断したり、量を変更したりすることは絶対に避けてください。

甲状腺に優しいライフスタイル

日常生活の中で少し意識を変えるだけで、甲状腺の健康をサポートし、症状の安定に繋がります。

甲状腺の健康を維持するポイント

生活習慣	具体的な実践内容	理由
食事管理	バランスの良い食事を基本とし、ヨウ素の過剰摂取（サプリなど）を避ける。	栄養バランスは免疫機能を支え、ヨウ素の過剰は甲状腺機能を乱すため。
ストレス対策	十分な睡眠、適度な運動、趣味の時間を持つなど、リラックスを心がける。	ストレスは自己免疫疾患の増悪因子となり得るため。
禁煙	喫煙は甲状腺疾患のリスクを高め、病状を悪化させることが知られている。	タバコに含まれる化学物質が甲状腺や免疫系に悪影響を及ぼすため。

治療開始のタイミング – いつ専門医を受診すべきか

「いつ病院に行けばいいのだろう？」と迷っている方もいるかもしれません。

脱毛や体調不良は、放置しても自然に改善することは稀で、むしろ根本的な原因に対処しない限り、症状が徐々に進行してしまう可能性があります。

少しでも気になった時が、専門医に相談する最適なタイミングです。早期に適切な治療を開始することが、早期の改善につながります。

受診を検討すべきサイン

以下のようなサインが見られたら、一度専門医の診察を受けることを強くお勧めします。

• これまでと違うパターンの脱毛（びまん性脱毛、円形脱毛症）が始まった。
• 脱毛だけでなく、疲れやすさ、むくみ、寒がりなど複数の全身症状に心当たりがある。
• セルフチェックで多くの項目に当てはまった。
• 眉毛が薄くなるなど、特徴的な症状が現れた。

特に、これらの症状があなたの日常生活に支障をきたし始めているなら、迷わず受診を決断してください。甲状腺機能低下症は適切な治療によってコントロール可能な病気です。

専門医への相談が重要な理由

脱毛の原因は多岐にわたります。自己判断で市販の育毛剤を試したり、エステティックサロンに通ったりしても、その原因が甲状腺機能低下症にあれば、根本的な解決にはなりません。

専門医は、血液検査などの客観的なデータに基づいて正確な診断を下し、あなたに最適な治療計画を立てることができます。

内分泌内科や皮膚科、そして私たちのような薄毛治療専門クリニックが連携し、あなたの髪と体の健康をトータルでサポートします。一人で悩まず、まずは専門家の扉を叩いてみてください。

よくある質問

ここでは、患者様からよくいただく質問とその回答をまとめました。治療に対する不安や疑問の解消にお役立てください。

治療を始めたら、髪は元の状態まで完全に戻りますか？

ホルモン補充療法によって甲状腺機能が正常化すれば、多くのケースで脱毛は大幅に改善し、新しい髪が生えてきます。

ヘアサイクルが正常に戻ることで、髪の密度や太さも回復に向かいます。ただし、回復の程度には個人差があり、年齢や元の髪の状態、合併している他の脱毛症の有無などにも影響されます。

完全に元通りになると断言はできませんが、根本原因であるホルモン不足を解消することが、発毛を促す最大の要因であることは間違いありません。

薬はずっと飲み続けなければいけませんか？

橋本病による甲状腺機能低下症の場合、甲状腺自体の機能が回復するわけではないため、基本的にはホルモン補充療法を生涯にわたって継続する必要があります。

しかし、これは体にとって不足しているものを補う治療であり、体に負担をかけるものではありません。適切な量の薬を服用し続けることで、健康な人と変わらない生活を送ることができます。

定期的な血液検査で状態を確認しながら、医師の指示に従って服用を続けてください。

医療脱毛（レーザー脱毛）を受けたいのですが、問題ありませんか？

甲状腺機能低下症の治療中で、血液検査の結果、ホルモン値が安定している状態であれば、多くの場合、医療脱毛を受けることは可能です。

ただし、肌の状態が敏感になっている可能性もあるため、必ず事前に甲状腺の治療を担当している主治医と、脱毛施術を行うクリニックの両方に相談し、許可を得ることが重要です。

自己判断で施術を受けることは避けてください。

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