鏡を見るたび、抜け毛や分け目の広がりが気になり、「どうしたら髪の毛を増やせるんだろう…」と悩んでいませんか?
特に20代や30代の女性でも、髪の悩みを抱える方は少なくありません。髪が減って見えると、自信まで失いがちです。
しかし、諦めるのはまだ早いです。
この記事では、女性が髪の毛を増やすための具体的な方法を、自宅でできるセルフケアから、食事の見直し、専門的な病院治療まで、網羅的に解説します。
あなたに合った方法を見つけ、健やかな髪を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。正しい知識を身につけ、今日からできるケアを始めることが大切です。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
女性の髪が減る原因とは?20代でも油断は禁物
女性の髪が減少する背景には、男性とは異なる特有の原因が隠されています。単に年齢のせいと片付けるのではなく、生活の中に潜む要因を理解することが、髪の毛を増やすための第一歩となります。
20代や30代の若い世代でも、これらの原因によって薄毛に悩むケースは増えています。
ホルモンバランスの乱れ
女性の髪の健康と深く関わっているのが、女性ホルモン(エストロゲン)です。エストロゲンは髪の成長を促進し、髪のハリやコシを保つ働きを担います。
しかし、妊娠・出産、更年期、過度なダイエット、不規則な生活などによってホルモンバランスが乱れると、このエストロゲンの分泌が減少します。
その結果、髪の成長期(アグレッシブ期)が短くなり、休止期(テロゲン期)に入る髪が増え、全体として髪が細く、少なくなる傾向があります。
特に産後の抜け毛は、一時的ながらもホルモンバランスの急激な変化が主な原因です。
ストレスや生活習慣の影響
現代社会で避けて通れないストレスも、髪の健康に大きな影響を与えます。強いストレスを感じると自律神経が乱れ、血管が収縮します。
すると、頭皮への血流が悪化し、髪の成長に必要な栄養や酸素が毛根まで十分に行き渡らなくなります。これが抜け毛や髪の質の低下につながります。
また、睡眠不足や偏った食生活、喫煙、過度な飲酒といった生活習慣の乱れも、頭皮環境や血行を悪化させ、健康な髪の育成を妨げる要因となります。
誤ったヘアケア
毎日のヘアケアが、逆に頭皮や髪にダメージを与えている可能性もあります。
例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーの使用は、頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥やかゆみ、フケの原因となります。逆に、洗い残しは毛穴を詰まらせ、炎症を引き起こすこともあります。
また、頻繁なカラーリングやパーマ、過度なブラッシング、髪を強く引っ張るヘアスタイルなども、頭皮や毛根に負担をかけ、抜け毛や切れ毛を誘発します。
良かれと思って行っているケアが、髪を減らす原因になっていないか見直す必要があります。
20代・30代に多い原因
20代や30代の若い女性の場合、加齢よりも生活習慣に起因する原因が多く見られます。
仕事や人間関係のストレス、キャリアやライフイベント(結婚、出産など)に伴う環境変化、睡眠不足、そして無理なダイエットによる栄養失調が代表的です。
特にダイエットは、髪の主成分であるタンパク質や、その合成を助けるビタミン・ミネラルの不足を招きやすく、髪の毛を増やすどころか、細く弱い髪しか作れなくなる可能性があります。
20代だからと安心せず、日々の生活を見直すことが重要です。
自宅で今すぐ始められる!育毛ケアの基本
髪の毛を増やすための方法は、特別なことばかりではありません。毎日の生活の中で行う基本的なヘアケアを見直すことが、健やかな頭皮環境と髪の成長を支える土台となります。
高価なトリートメントや育毛剤を使う前に、まずは正しいケアができているかを確認しましょう。
正しいシャンプーの方法
シャンプーの目的は、髪の汚れだけでなく、頭皮の余分な皮脂や汚れを適切に落とすことです。しかし、洗いすぎや不十分なすすぎは頭皮トラブルの原因となります。
まず、シャンプー前にはブラッシングで髪のもつれを解き、ホコリを浮かせます。次にお湯(38度程度のぬるま湯が理想)で頭皮と髪をしっかりと予洗いします。
シャンプーは手のひらで泡立ててから、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗います。爪を立てると頭皮を傷つけるので注意が必要です。
すすぎは、泡が完全になくなるまで、特に生え際や襟足は念入りに行います。シャンプー剤が残ると、かゆみやフケの原因になります。
頭皮マッサージの効果とやり方
頭皮マッサージは、頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届きやすくする効果が期待できます。リラックス効果もあるため、ストレス軽減にも役立ちます。
シャンプー中や、育毛剤を塗布した後、あるいはリラックスタイムに行うのがおすすめです。
指の腹を頭皮に密着させ、頭皮全体を動かすイメージで、生え際から頭頂部へ、側頭部から頭頂部へと、円を描くように優しく揉みほぐします。
痛気持ちいい程度の力加減で行い、1回あたり3分から5分程度を目安に、毎日続けることが大切です。
頭皮マッサージの主な目的
| 目的 | 期待できる効果 | 行うタイミング |
|---|---|---|
| 血行促進 | 毛根への栄養供給サポート | シャンプー時、入浴後 |
| 頭皮の柔軟化 | 健康な髪が育つ土壌作り | 育毛剤塗布後 |
| リラックス | ストレスによる頭皮緊張の緩和 | 就寝前、リラックス時 |
女性用育毛剤の選び方
自宅ケアの一環として、女性用育毛剤を取り入れるのも一つの方法です。
女性用育毛剤は、男性用とは異なり、女性の薄毛の原因(ホルモンバランスの乱れや血行不良など)に着目した成分が配合されています。
選ぶ際は、まず自分の頭皮の状態(乾燥肌、脂性肌など)や悩みに合ったものを選びましょう。
例えば、保湿成分が豊富なもの、血行を促進する成分が入ったもの、頭皮の炎症を抑えるものなど、特徴は様々です。
また、アルコールや香料などの刺激成分が少なく、毎日安心して使えるかどうかも確認ポイントです。
効果を実感するには数ヶ月単位での継続使用が必要なため、使い心地や香り、価格なども考慮して、続けやすいものを選ぶことが重要です。
頭皮環境を整える重要性
健康な髪は、健康な頭皮という「土壌」から育ちます。頭皮が乾燥しすぎたり、逆に皮脂が過剰になったり、炎症を起こしたりしている状態では、いくら良い栄養を与えても髪は健やかに成長できません。
正しいシャンプーで清潔を保つこと、頭皮マッサージで血行を良くすること、そして育毛剤などで保湿や栄養補給を行うことは、すべてこの頭皮環境を整えるために行います。
また、紫外線も頭皮にとっては大敵です。日差しの強い日は帽子や日傘で頭皮を紫外線から守る意識も持ちましょう。
地道なケアですが、頭皮環境を正常に保つことが、髪の毛を増やすための確実な一歩となります。
髪を増やすために見直したい食生活
私たちの体は、食べたものから作られています。髪の毛も例外ではなく、日々の食事が髪の健康状態に直結します。
髪の毛を増やす方法として、外側からのケアと同時に、内側から必要な栄養素を補給する食生活の見直しは非常に重要です。
髪の成長に必要な栄養素
髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質で構成されています。そのため、まずは良質なタンパク質を摂取することが基本です。しかし、タンパク質だけでは髪は作れません。
摂取したタンパク質を髪の毛(ケラチン)に再合成する過程で、様々なビタミンやミネラルが必要となります。
特に重要なのが、タンパク質の代謝を助ける「ビタミンB群」と、ケラチンの合成をサポートする「亜鉛」です。
また、頭皮の血行を良くする「ビタミンE」や、頭皮の健康を保つ「ビタミンA」、コラーゲンの生成を助ける「ビタミンC」も、健康な髪を育むために欠かせません。
髪の成長を支える主な栄養素
| 栄養素 | 主な働き | 多く含む食品例 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分(ケラチン)の材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| 亜鉛 | ケラチンの合成を助ける | 牡蠣、レバー、赤身肉、ナッツ類 |
| ビタミンB群 | タンパク質の代謝、頭皮環境の維持 | 豚肉、レバー、うなぎ、マグロ、納豆 |
積極的に摂りたい食べ物
特定の食品だけを食べれば髪が増えるわけではありませんが、髪に良い栄養素をバランス良く含む食品を意識して取り入れることが大切です。
タンパク質源としては、脂質の少ない鶏むね肉や赤身肉、魚介類、そして女性ホルモンと似た働きを持つイソフラボンも豊富な大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)がおすすめです。
亜鉛は牡蠣やレバーに豊富ですが、日常的に摂りやすいのはナッツ類やチーズです。ビタミン類は、緑黄色野菜(ほうれん草、人参、かぼちゃなど)、果物、玄米などから幅広く摂取しましょう。
特にナッツ類(アーモンドなど)は、ビタミンEも豊富で、おやつ代わりにも適しています。
避けるべき食習慣
髪の健康を妨げる食習慣も見直す必要があります。脂っこい食事(揚げ物やファストフードなど)の摂りすぎは、皮脂の過剰分泌を招き、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
また、糖分の多いお菓子やジュース、アルコールの過剰摂取は、髪の成長に必要なビタミンB群を大量に消費してしまいます。刺激物(香辛料など)の摂りすぎも、頭皮に影響を与えることがあります。
さらに、過度な食事制限を行うダイエットは、髪に必要な栄養素が慢性的に不足する状態を作り出し、薄毛の大きな原因となります。
バランスの取れた食事を三食きちんと摂ることが基本です。
サプリメントの活用法
忙しい毎日の中で、食事だけで常に完璧な栄養バランスを保つのは難しいかもしれません。特に亜鉛や一部のビタミンは、通常の食事では不足しがちです。
そのような場合、不足分を補う形でサプリメントを活用するのも一つの方法です。ただし、サプリメントはあくまで食事の補助です。
基本はバランスの取れた食事であり、サプリメントに頼りすぎるのはよくありません。また、特定の栄養素を過剰に摂取すると、かえって体に不調をきたすこともあります。
特に脂溶性ビタミン(A, Eなど)は体内に蓄積されやすいため、摂取量には注意が必要です。利用する場合は、自分に必要な成分を見極め、製品の目安量を守りましょう。
生活習慣の改善で健やかな髪を育む
髪の毛を増やす方法は、食事や直接的なヘアケアだけにとどまりません。睡眠、運動、ストレス管理といった日々の生活習慣全体が、頭皮の健康状態や髪の成長サイクルに深く関わっています。
健やかな髪を育む土台として、生活全体を見直してみましょう。
質の高い睡眠のとり方
髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」は、主に睡眠中に分泌されます。
特に、入眠後の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されるため、単に長く寝るだけでなく、「質の高い睡眠」をとることが重要です。
成長ホルモンは、細胞の修復や新陳代謝を促し、毛母細胞の働きを活発にします。
睡眠の質を高めるためには、就寝前のスマートフォンやPCの使用を控える(ブルーライトを避ける)、寝室の環境(温度、湿度、暗さ)を整える、毎日なるべく同じ時間に就寝・起床する、といった工夫が有効です。
睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が減るだけでなく、自律神経が乱れ、頭皮の血行不良にもつながります。
適度な運動のすすめ
運動不足は、全身の血行不良を招きます。頭皮は毛細血管が張り巡らされている場所であり、血行が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素が毛根まで届きにくくなります。
適度な運動は、全身の血流を改善し、頭皮への血流も促進します。また、運動はストレス解消にも効果的です。
激しい運動である必要はなく、ウォーキングやジョギング、ヨガ、ストレッチなど、自分が心地よく続けられる程度の有酸素運動を日常生活に取り入れましょう。
デスクワークが多い人は、1時間に一度は立ち上がって体を伸ばすなど、こまめに体を動かす意識も大切です。
運動が髪にもたらす好影響
| 運動の種類 | 期待できる効果 | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| 有酸素運動(ウォーキング等) | 全身の血行促進、ストレス解消 | 週に2〜3回、1回30分程度 |
| ストレッチ・ヨガ | 筋肉の緊張緩和、リラックス効果 | 毎日、数分からでも可 |
ストレス解消法を見つける
前述の通り、ストレスは自律神経のバランスを崩し、頭皮の血行を悪化させる大きな要因です。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、自分なりの解消法を見つけ、上手に付き合っていくことが重要です。
趣味に没頭する時間を作る、友人と話す、ゆっくり入浴する、アロマテラピーを取り入れる、瞑想する、あるいは適度な運動をするなど、自分が「リラックスできる」と感じる方法をいくつか持っておくと良いでしょう。
ストレスを感じたときに、「髪に良くない」とさらにストレスを溜めるのではなく、「どう解消しようか」と前向きに対処する姿勢が、髪の健康を守ることにもつながります。
専門家に相談する病院での治療
セルフケアを続けても抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行しているように感じる場合は、一人で悩まず専門家に相談することも大切な選択肢です。
医療機関では、薄毛の原因を診断し、医学的根拠に基づいた治療を受けることができます。
皮膚科や専門クリニックの役割
髪の悩みは、まず皮膚科で相談するのが一般的です。皮膚科では、頭皮の状態を診察し、脂漏性皮膚炎や円形脱毛症など、何らかの皮膚疾患が原因でないかを確認します。
より専門的な診断や治療を希望する場合は、薄毛治療を専門に行うクリニック(AGAクリニックの女性外来など)を受診します。
これらのクリニックでは、血液検査や頭皮の詳しい診察を通じて、薄毛の具体的な原因(ホルモンバランス、栄養状態、遺伝的要因など)を特定し、個々の状態に合わせた治療計画を提案します。
女性の薄毛治療の種類
女性の薄毛治療には、いくつかの選択肢があります。代表的なのは「内服薬」と「外用薬」です。
内服薬としては、毛髪の成長に必要な栄養素を補うサプリメントや、血行を促進する薬、場合によってはホルモンバランスを整える薬(スピロノラクトンなど)が用いられることがあります。
外用薬としては、発毛効果が認められている「ミノキシジル」の塗布薬が一般的です。ミノキシジルは、頭皮の血流を改善し、毛母細胞の働きを活性化させることで発毛を促します。
その他、クリニックによっては、頭皮に直接成長因子などを注入する「メソセラピー」や、低出力レーザー治療なども行われています。
女性の主な薄毛治療法
| 治療法 | 特徴 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 外用薬(ミノキシジル) | 頭皮に塗布する。市販薬もある。 | 血行促進、発毛促進 |
| 内服薬 | 医師の処方が必要。 | 栄養補給、ホルモンバランス調整など |
| 注入治療(メソセラピー) | 頭皮に直接薬剤を注入する。 | 毛根の活性化、栄養補給 |
治療のメリットと注意点
病院での治療の最大のメリットは、医師の診断のもとで、自分の薄毛の原因に合った効果的な治療を受けられる点です。
特にミノキシジルのような医薬品は、育毛剤(医薬部外品)よりも高い効果が期待できます。しかし、注意点もあります。医薬品には副作用のリスクが伴う場合があります。
例えば、ミノキシジル外用薬では、頭皮のかゆみやかぶれ、初期脱毛(一時的に抜け毛が増える現象)が起こることがあります。内服薬にもそれぞれ注意すべき点があります。
治療を始める前には、医師から効果と副作用について十分な説明を受け、理解した上で判断することが重要です。
費用や期間の目安
女性の薄毛治療の多くは、健康保険が適用されない自由診療となります(一部の皮膚疾患を除く)。そのため、費用は全額自己負担となり、クリニックによっても異なります。
例えば、ミノキシジル外用薬は月額数千円から1万円程度、内服薬や注入治療が加わると、月額数万円になることもあります。
また、髪の毛にはヘアサイクルがあるため、治療効果を実感するまでには時間がかかります。一般的に、最低でも6ヶ月程度の継続治療が必要です。
治療を検討する際は、費用と期間についても事前にしっかりと確認し、無理なく続けられる計画を立てることが大切です。
髪型やスタイリングでボリュームアップ
髪の毛を増やすための根本的なケアと並行して、今ある髪を活かし、見た目の印象を変える工夫も大切です。
髪型やスタイリングを少し変えるだけで、ボリュームがあるように見せたり、薄毛を目立たなくさせたりすることができます。
薄毛を目立たせないヘアスタイル
髪のボリュームが気になる場合、一般的にロングヘアよりも、ショートやボブスタイルの方がボリュームを出しやすいとされています。
髪が長いと、その重みでトップがぺたんこになりやすく、分け目が目立ちやすくなるためです。
ショートやボブでトップにレイヤー(段)を入れると、ふんわりとした動きが出て、ボリューム感を演出しやすくなります。
また、分け目をいつも同じ場所で分けていると、その部分の頭皮が目立ちやすくなるため、分け目をジグザグにつけたり、いつもと逆側で分けたりするだけでも、印象を変えることができます。
スタイリング剤の上手な使い方
スタイリング剤は、髪をボリュームアップさせる強い味方です。ただし、使い方を誤ると逆効果になることもあります。
オイルやワックスなどの油分が多いスタイリング剤は、つけすぎると髪が重くなり、かえってボリュームダウンしてしまいます。
トップにボリュームを出したい場合は、髪の根元を立ち上げるようにドライヤーで乾かした後、スプレータイプのワックスや、パウダータイプのスタイリング剤を根元中心に軽くつけるのがおすすめです。
髪全体ではなく、ボリュームが欲しい部分にピンポイントで使うことがコツです。
ボリュームアップのためのスタイリング術
| テクニック | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| ドライヤーのかけ方 | 髪の根元を起こすように下から風を当てる | 熱の当てすぎによる乾燥に注意 |
| 分け目を変える | いつもの分け目から少しずらす | 定期的に変えると癖がつきにくい |
| スタイリング剤 | 根元用のスプレーやパウダーを活用 | 油分の多いものは根元を避ける |
髪に負担をかけないアレンジ
髪を結ぶ際、毎日強く引っ張り続けると「牽引性(けんいんせい)脱毛症」といって、生え際や分け目の髪が抜けてしまう原因になることがあります。
ポニーテールやきついお団子ヘアなどを長期間続けるのは避け、結ぶ位置を変えたり、シュシュなどの柔らかい素材でゆるめに結んだりする工夫をしましょう。
また、エクステンション(つけ毛)も、長期間の使用は地毛や頭皮に負担をかける可能性があります。髪を休ませる日を作ることも大切です。
ヘアアレンジを楽しむ際は、頭皮や髪に過度な負担がかからないよう意識することが、将来の髪を守ることにつながります。
髪を増やすために知っておきたいこと
髪の毛を増やすためのケアや治療を始める前に、基本的な知識を持っておくことは、現実的な期待値を持ち、ケアを継続する上で助けとなります。
言葉の定義や、効果が現れるまでの時間について理解しておきましょう。
育毛と発毛の違い
「育毛」と「発毛」は似ているようで、意味が異なります。「育毛」とは、現在生えている髪を健康に育てること、または抜け毛を防ぐことを指します。
頭皮環境を整えたり、髪に栄養を与えたりするヘアケア製品(育毛剤やシャンプーなど)の多くは、この「育毛」を目的としています。
「発毛」とは、髪が抜けてしまった毛穴から、新しい髪を再び生やすことを指します。
これには毛母細胞の活性化などが必要であり、一般的に「発毛効果」が認められているのは、ミノキシジルなどの「医薬品」に限られます。
自分の目的が「今ある髪を元気にしたい(育毛)」なのか、「失った髪を生やしたい(発毛)」なのかを明確にすることが大切です。
「育毛」と「発毛」の比較
| 項目 | 育毛 | 発毛 |
|---|---|---|
| 目的 | 今ある髪の成長促進、抜け毛予防 | 髪が抜けた毛穴から新たに生やす |
| 主な手段 | 育毛剤(医薬部外品)、ヘアケア | 発毛剤(医薬品:ミノキシジル等) |
| 分類 | 「防ぐ」「育てる」 | 「生やす」 |
効果を実感するまでの期間
髪の毛には「ヘアサイクル(毛周期)」があり、1本の髪が成長し、抜け落ちるまでには数年の時間がかかります。育毛ケアや治療を始めても、すぐに髪がフサフサに増えるわけではありません。
新しい健康な髪が成長し、見た目にも変化として現れるまでには、時間がかかります。
一般的に、セルフケアであれ病院での治療であれ、何らかの効果を実感し始めるまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月は必要とされます。
短期間で結果が出ないからといって諦めず、根気強くケアを続けることが何よりも重要です。すぐに結果を求めすぎない心構えも、髪を増やすためには必要です。
継続ケアの大切さ
髪の毛を増やすための取り組みは、一度やれば終わり、というものではありません。生活習慣の改善、正しいヘアケア、バランスの取れた食事は、すべて「継続」することで初めて意味を持ちます。
たとえ病院での治療によって髪の状態が改善したとしても、その後の生活習慣が乱れたり、ヘアケアを怠ったりすれば、再び薄毛が進行する可能性があります。
髪の健康は、日々の地道な努力の積み重ねによって支えられています。
自分に合った無理のないケア方法を見つけ、それを生活の一部として習慣化することが、長期的に健やかな髪を保つための鍵となります。
継続すべき基本的なケア
- バランスの取れた食事
- 質の高い睡眠
- 正しいシャンプーと頭皮ケア
よくある質問
- 髪の毛を増やす食べ物で即効性はありますか?
-
残念ながら、特定の食べ物を食べたら翌日や数日後に髪がすぐに増える、といった即効性のある食べ物は存在しません。
髪の毛は、日々の食事から摂取した栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)を材料にして、ゆっくりと成長します。
髪の成長には時間がかかるため、バランスの取れた食事を「継続する」ことが重要です。即効性を求めるのではなく、長期的な体質改善、頭皮環境改善の一環として食生活を見直しましょう。
- 20代でも育毛剤は使っていいですか?
-
はい、20代の女性でも育毛剤を使用することに問題はありません。
薄毛や抜け毛の原因は加齢だけでなく、ストレス、生活習慣の乱れ、誤ったヘアケアなど様々であり、20代でも頭皮環境が乱れている場合があります。
女性用の育毛剤は、頭皮環境を整え、フケやかゆみを防ぎ、健康な髪を育てることを目的としたものがほとんどです。
将来の髪の健康のために、早めに頭皮ケアを始めるという意味で、育毛剤を取り入れるのは良い選択肢の一つです。
ただし、肌に合わない場合もあるため、使用上の注意をよく読んでから使い始めてください。
- 自宅ケアだけで髪は増やせますか?
-
自宅でのセルフケアによって、髪の状態が改善する可能性は十分にあります。
特に、薄毛の原因が生活習慣の乱れや誤ったヘアケア、栄養不足などにある場合、それらを改善する(正しいシャンプー、頭皮マッサージ、食生活の見直し、十分な睡眠など)ことで、頭皮環境が整い、抜け毛が減ったり、髪にハリやコシが戻ったりすることが期待できます。
これは「髪が育ちやすい環境」を作ることであり、結果として髪のボリュームアップにつながります。
ただし、すでに進行した薄毛や、特定の疾患が原因の場合は、セルフケアだけでは限界があることも事実です。
- 病院での治療はどのくらい通いますか?
-
治療内容や個人の状態によって大きく異なりますが、一般的に薄毛治療は長期間の継続が必要です。
前述の通り、ヘアサイクルを考慮すると、効果を判定するまでに最低でも6ヶ月程度はかかります。
そのため、治療を始めた場合、まずは6ヶ月間は継続して通院することが推奨されるケースが多いです。通院の頻度も、治療法によります。
内服薬や外用薬の処方のみであれば、初めは1ヶ月に1回、状態が安定すれば2〜3ヶ月に1回、といったペースになることもあります。
注入治療などを行う場合は、より頻繁な通院が必要になることもあります。治療開始前に、医師と治療計画や通院頻度についてよく相談することが大切です。
- 市販の育毛剤と病院の薬はどう違いますか?
-
市販されている「育毛剤」の多くは「医薬部外品」に分類されます。
これは、主に「予防」や「衛生」を目的としており、頭皮環境を整え、抜け毛を防ぎ、今ある髪を健康に育てる(育毛)効果が期待されるものです。
一方、病院で処方される「発毛剤」(例えばミノキシジル)は「医薬品」です。
これは「治療」を目的としており、毛母細胞に働きかけて新しい髪を生やす(発毛)効果が医学的に認められています。
どちらが良いというわけではなく、ご自身の目的(予防・育毛か、積極的な発毛か)によって選ぶべきものが異なります。
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