市販で選ぶ女性用育毛シャンプー。ドラッグストアのおすすめと選び方

市販で選ぶ女性用育毛シャンプー。ドラッグストアのおすすめと選び方

ドラッグストアで「シャンプー育毛女性」と検索するあなたへ。市販の女性用育毛シャンプーは、頭皮環境を整え、髪のハリやコシをサポートするために設計されています。

育毛剤とは異なり、シャンプー自体に直接的な発毛効果はありませんが、健康な髪を育む土台作りとして非常に重要です。

この記事では、数多く並ぶ市販品の中から、あなたの頭皮タイプや悩みに合ったシャンプーを見つけるための具体的な選び方、洗浄成分の違い、注目したい有効成分について詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、ドラッグストアでのシャンプー選びに役立てましょう。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

なぜ女性にも育毛シャンプーが必要?

女性の薄毛や抜け毛の悩みに対し、育毛シャンプーは頭皮環境を健やかに保ち、髪が育ちやすい土台を整えるために役立ちます。

一般的なシャンプーが髪の汚れやスタイリング剤を落とすことを主な目的とするのに対し、育毛シャンプーは頭皮の健康を第一に考えて作られています。

女性の薄毛や抜け毛の原因

女性の髪の悩みは、男性とは異なる要因が複雑に絡み合っています。最も大きな要因の一つが、ホルモンバランスの変化です。

特に更年期前後や産後は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少し、髪の成長サイクルに影響を与え、抜け毛が増えたり、髪が細くなったりすることがあります。

また、日常生活におけるストレスも無視できません。精神的なストレスは自律神経のバランスを崩し、頭皮の血行不良を引き起こす可能性があります。

血行が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素が毛根まで届きにくくなり、健康な髪の育成を妨げます。

過度なダイエットによる栄養不足も、髪に深刻な影響を与えます。髪は主にタンパク質(ケラチン)でできており、ビタミンやミネラルも健康な髪の維持に必要です。

これらの栄養素が不足すると、髪がやせ細り、抜けやすくなります。その他、睡眠不足、誤ったヘアケア、紫外線によるダメージなども、頭皮環境を悪化させ、薄毛や抜け毛の原因となり得ます。

一般的なシャンプーとの違い

市販されているシャンプーは、大きく「一般的なシャンプー」と「育毛シャンプー(スカルプシャンプー)」に分けられます。

一般的なシャンプーの多くは、髪の指通りを良くしたり、香りを楽しんだり、スタイリング剤をしっかり落としたりすることに重点を置いています。

洗浄力が強めな成分を使用している場合も多く、髪の汚れはすっきり落ちますが、人によっては頭皮に必要な皮脂まで取り除きすぎてしまう可能性もあります。

一方、女性用の育毛シャンプーは、髪そのものよりも「頭皮環境」を整えることを最優先に考えています。

洗浄成分はアミノ酸系などマイルドなものを採用し、頭皮のうるおいを保ちながら、余分な皮脂や汚れを優しく洗い流すように設計されています。

頭皮を清潔にし、フケやかゆみを防ぐことで、健康な髪が育つための土台作りをサポートします。

一般的なシャンプーと育毛シャンプーの目的の違い

種類主な目的特徴
一般的なシャンプー髪の汚れ・スタイリング剤の洗浄指通り、香り、泡立ちを重視。洗浄力が強めな場合がある。
女性用育毛シャンプー頭皮環境を整える頭皮の洗浄、保湿、フケ・かゆみ防止。マイルドな洗浄力。

育毛シャンプーの役割と期待できること

女性用育毛シャンプーの最も重要な役割は、「頭皮環境の正常化」です。

育毛剤のように直接発毛を促すものではありませんが、その後の育毛剤の浸透を助ける意味でも、シャンプーによる土台作りは大切です。

具体的には、まず頭皮の「洗浄」です。古くなった角質や過剰な皮脂、ホコリなどの汚れを適切に取り除き、毛穴の詰まりを防ぎます。

次に「保湿」です。頭皮が乾燥するとバリア機能が低下し、かゆみやフケの原因となります。育molシャンプーには保湿成分が含まれており、洗い上がりの頭皮の乾燥を防ぎます。

さらに、多くの育毛シャンプーには、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症成分が配合されています。このため、頭皮の炎症を抑え、かゆみやフケを防ぐ効果が期待できます。

このように頭皮トラブルを予防・改善し、清潔で健やかな状態を保つことこそが、育毛シャンプーに期待できる最大の役割です。健康な髪は、健康な頭皮から育まれます。

市販・ドラッグストアで育molシャンプーを選ぶ重要ポイント

ドラッグストアで女性用育毛シャンプーを選ぶ際は、自分の頭皮の状態を理解し、それに合った洗浄成分や有効成分が配合されているかを確認することが重要です。

また、毎日継続して使用するため、価格や香りも無視できません。

自分の頭皮タイプ(乾燥肌・脂性肌・敏感肌)を知る

シャンプー選びの第一歩は、自分の頭皮タイプを把握することです。頭皮タイプに合わないシャンプーを使い続けると、かえって頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。

主な頭皮タイプは「乾燥肌」「脂性肌」「敏感肌」の3つに分けられます。

乾燥肌は、皮脂の分泌が少なく、頭皮がカサつきやすいタイプです。洗髪後に頭皮がつっぱる感じがしたり、細かい乾いたフケが出たりすることがあります。

洗浄力が強すぎるシャンプーは避け、保湿を重視した選び方が必要です。

脂性肌(オイリー肌)は、皮脂の分泌が活発なタイプです。日中になると髪がベタついたり、頭皮のニオイが気になったりします。また、ベタついた湿ったフケが出ることもあります。

余分な皮脂を適度に取り除き、さっぱりと洗い上げるシャンプーが適しています。

敏感肌は、わずかな刺激にも反応しやすいデリケートなタイプです。シャンプーがしみる、洗髪後に赤みやかゆみが出やすいなどの特徴があります。

できるだけ刺激の少ない、シンプルな処方のシャンプーを選ぶことが大切です。

頭皮タイプ簡易チェック

頭皮タイプ主な特徴・悩み
乾燥肌洗髪後につっぱる。カサカサする。乾いた細かいフケが出る。
脂性肌日中に髪がベタつく。頭皮のニオイが気になる。湿ったフケが出る。
敏感肌シャンプーがしみやすい。赤みやかゆみが出やすい。

配合されている洗浄成分(アミノ酸系・石けん系など)

シャンプーの洗浄力や使用感を決定づけるのが「洗浄成分(界面活性剤)」です。

市販のシャンプーでよく使われる洗浄成分には、主に「アミノ酸系」「ベタイン系」「高級アルコール系(硫酸系)」「石けん系」があります。

女性用の育毛シャンプーで主流となっているのは「アミノ酸系」です。ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNaなどが代表的で、マイルドな洗浄力と適度な保湿力が特徴です。

頭皮への刺激が少なく、乾燥肌や敏感肌の人にも使いやすい成分です。

「ベタイン系」は、アミノ酸系と併用されることが多く、さらに刺激を緩和する働きがあります。コカミドプロピルベタインなどがこれにあたります。

「高級アルコール系(硫酸系)」は、ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなどがあり、泡立ちが良く洗浄力が非常に強いのが特徴です。

脂性肌ですっきり洗いたい人には向いていますが、乾燥肌や敏感肌の人は必要な皮脂まで奪われ、乾燥が進む可能性があるため注意が必要です。

「石けん系」は、カリ石ケン素地などと表示され、天然由来で洗浄力は高めです。

さっぱりとした洗い上がりですが、髪がきしみやすく、弱アルカリ性のため頭皮が敏感な人はつっぱりを感じることもあります。

育毛・頭皮ケアに役立つ有効成分

育毛シャンプー(医薬部外品)には、頭皮環境を整えるための「有効成分」が配合されています。これらの成分が自分の悩みに合っているかを確認しましょう。

代表的な有効成分として、フケやかゆみ、炎症を抑える「グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)」や「ピロクトンオラミン」があります。

頭皮が荒れやすい人やフケが気になる人は、これらの成分に注目すると良いでしょう。

また、頭皮の血行を促進する成分として「センブリエキス」や「ニンジンエキス」などが配合されていることもあります。頭皮が硬いと感じる人や、髪に栄養を届けたいと考える人に向いています。

これらの有効成分のほか、頭皮にうるおいを与える「保湿成分」(セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど)や、髪にハリ・コシを与える補修成分(加水分解ケラチンなど)が配合されていると、より多角的なヘアケアが期待できます。

継続使用できる価格と香り

頭皮環境の改善は一朝一夕にはいきません。育毛シャンプーは、最低でも3ヶ月から6ヶ月は継続して使用することが推奨されます。

そのため、無理なく続けられる価格帯であることは非常に重要です。ドラッグストアには1,000円台から3,000円台、あるいはそれ以上のものまで幅広く並んでいます。

自分の予算内で、品質に納得できるものを選びましょう。

また、シャンプーは毎日使うものなので、「香り」も大切な選択基準です。リラックスできるハーブ系、爽やかなシトラス系、華やかなフローラル系など様々です。

テスター(香り見本)があれば確認し、自分が心地よいと感じる香りを選ぶことで、毎日のシャンプータイムがより快適になります。

【頭皮タイプ別】おすすめの洗浄成分

頭皮タイプによって、適した洗浄成分は異なります。

自分の肌質に合った洗浄成分を主成分(成分表示の最初の方に記載されているもの)とするシャンプーを選ぶことで、頭皮トラブルのリスクを減らし、健やかな状態を保ちやすくなります。

乾燥肌・敏感肌向けのやさしい洗浄成分

乾燥肌や敏感肌の人は、頭皮のバリア機能が低下しがちです。必要な皮脂まで洗い流してしまうと、さらに乾燥やかゆみが悪化する可能性があります。

そのため、洗浄力がマイルドで、頭皮への刺激が少ない成分を選ぶことが最優先です。

最も適しているのは「アミノ酸系」の洗浄成分です。「ココイルグルタミン酸~」「ラウロイルメチルアラニン~」「ラウロイルアスパラギン酸~」といった表示が目印です。

これらは、皮脂を取りすぎず、頭皮のうるおいを保ちながら洗えるのが特徴です。

また、「ベタイン系」(~ベタイン)も非常にマイルドで、ベビーシャンプーにも使われるほど低刺激な成分です。

アミノ酸系と組み合わせて配合されることも多く、よりやさしい洗い心地を求める人に向いています。

脂性肌(オイリー肌)向けのさっぱり洗浄成分

脂性肌の人は、過剰な皮脂が毛穴に詰まりやすく、それがニオイやベタつきの原因となります。そのため、余分な皮脂を適度に取り除き、頭皮を清潔に保つ洗浄力が必要です。

適度な洗浄力を持つ「アミノ酸系」の中でも、比較的さっぱりとした洗い上がりのもの(ラウロイルメチルアラニンNaなど)や、「石けん系」(カリ石ケン素地、脂肪酸~)が選択肢になります。

石けん系は洗浄力が高く、洗い上がりがキュッとするのが特徴ですが、髪がきしみやすい点には留意が必要です。

洗浄力が強い「高級アルコール系(硫酸系)」は、皮脂を強力に落としますが、必要な皮脂まで奪い、かえって皮脂の過剰分泌を招く可能性もあるため、使用は慎重に判断する必要があります。

もし使用する場合は、保湿ケアをいつも以上に丁寧に行いましょう。

頭皮タイプ別洗浄成分の比較

自分の頭皮タイプにどの洗浄成分が合いそうか、以下の表で確認してみましょう。成分表示は配合量が多い順に記載されているため、水の次に何が来ているかをチェックするのがポイントです。

主な洗浄成分と頭皮タイプとの相性

洗浄成分の系統代表的な成分名相性の良い頭皮タイプ
アミノ酸系ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa乾燥肌、敏感肌、普通肌
ベタイン系コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン敏感肌(主に補助的に使用)
石けん系カリ石ケン素地、ラウリン酸K脂性肌、普通肌
高級アルコール系ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na脂性肌(使用には注意)

注目したい女性の育毛シャンプーの有効成分

女性用育毛シャンプー(医薬部外品)を選ぶ際には、洗浄成分だけでなく、頭皮の健康をサポートする「有効成分」や、その他の「保湿・補修成分」にも注目しましょう。

これらの成分が、フケ・かゆみの防止や、髪のハリ・コシの維持に役立ちます。

頭皮環境を整える成分(抗炎症・保湿)

頭皮も肌の一部であり、炎症や乾燥は大敵です。頭皮が荒れている状態では、健康な髪は育ちません。そのため、多くの女性用育毛シャンプーには、頭皮の炎症を抑える「抗炎症成分」が配合されています。

代表的な有効成分は「グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)」です。これは甘草(カンゾウ)由来の成分で、肌荒れを防ぐ目的で化粧品にも広く使われています。

頭皮のかゆみや赤みが気になる人におすすめです。

また、フケの原因菌(マラセチア菌)の増殖を抑える「ピロクトンオラミン」や「ミコナゾール硝酸塩」なども、フケ・かゆみ防止の有効成分として配合されることがあります。

同時に「保湿成分」も重要です。「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」「リピジュア®(ポリクオタニウム-51)」などが配合されていると、シャンプーによる乾燥を防ぎ、頭皮のうるおいバリアをサポートします。

血行を促進する成分

髪の毛は、毛根にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長します。そのエネルギー源となる栄養素は、血液によって毛細血管を通って運ばれます。

頭皮の血行が悪いと、毛母細胞に十分な栄養が届かず、髪が細くなったり、成長が妨げられたりする原因になります。

そのため、育毛シャンプーには頭皮の血行を促進する目的で、植物由来のエキスが配合されることがあります。

「センブリエキス」「ニンジンエキス(オタネニンジン根エキス)」「ショウガ根茎エキス」などが代表的です。

これらの成分は、育毛剤にもよく使われる成分であり、シャンプーと合わせて頭皮マッサージを行うことで、より効果的なケアが期待できます。

髪にハリ・コシを与える成分

年齢とともに髪が細くなり、ボリュームが出にくくなったと感じる女性も多いでしょう。育毛シャンプーには、頭皮ケアだけでなく、髪そのものをケアする成分が配合されている製品もあります。

髪の主成分であるケラチンを補う「加水分解ケラチン」や「加水分解シルク」などのタンパク質由来の成分は、髪の内部に浸透し、ダメージを補修してハリやコシを与える効果が期待できます。

また、「パンテノール(プロビタミンB5)」は、髪にうるおいを与え、強度を高めるのに役立ちます。

これらの成分は、髪のボリュームアップをサポートし、見た目の印象を若々しく保つのに貢献します。

女性の頭皮悩みに役立つ成分一覧

期待できる役割代表的な成分名
抗炎症・フケかゆみ防止グリチルリチン酸ジカリウム、ピロクトンオラミン
保湿セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、リピジュア®
血行促進サポートセンブリエキス、ニンジンエキス、ショウガ根茎エキス
ハリ・コシ(毛髪補修)加水分解ケラチン、加水分解シルク、パンテノール

市販シャンプー選びで避けたい注意成分

頭皮環境を健やかに保つためには、自分の肌に合わない成分や、刺激となる可能性のある成分を避けることも大切です。特に敏感肌の人は、成分表示をよく確認する習慣をつけましょう。

刺激が強い可能性のある洗浄成分

前述の通り、「高級アルコール系(硫酸系)」と呼ばれる洗浄成分は、泡立ちが良く洗浄力が高い反面、脱脂力も強力です。代表的な成分に「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」があります。

これらが必要な皮脂まで奪ってしまうと、頭皮のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみを引き起こすことがあります。

また、失われた皮脂を補おうと、かえって皮脂が過剰に分泌される「インナードライ」状態を招くこともあります。

乾燥肌や敏感肌の人は、これらの成分が主成分(成分表示の上位)となっているシャンプーは避けた方が賢明です。

脂性肌の人であっても、毎日使用すると刺激が強すぎる場合があるため、アミノ酸系シャンプーと使い分けるなどの工夫を推奨します。

頭皮の負担になり得る添加物

シャンプーには、品質を保持したり、使用感を良くしたりするために、様々な添加物が含まれています。しかし、中には頭皮の刺激となる可能性があるものも存在します。

例えば、防腐剤として使用される「パラベン(メチルパラベンなど)」や「フェノキシエタノール」は、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

また、色をつける「合成着色料」や、強い「合成香料」も、敏感肌の人にとっては刺激となることがあります。

「エタノール(アルコール)」は、清涼感を与えたり、成分を溶かしやすくしたりするために配合されますが、揮発性が高く、頭皮の水分を奪って乾燥させる可能性があります。

特にアルコールに敏感な人は注意が必要です。「無添加」や「フリー処方」を謳う製品は、これらの特定の成分を配合していないことを示しているため、選ぶ際の参考になります。

注意したい可能性のある成分例

分類代表的な成分名起こり得る懸念
洗浄成分ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na洗浄力が強く、乾燥や刺激の原因になる可能性
防腐剤パラベン、フェノキシエタノールアレルギーや刺激の可能性
その他合成香料、合成着色料、エタノール刺激、乾燥の可能性

シリコン(ジメチコンなど)の考え方

「シリコン(ジメチコン、シクロペンタシロキサンなど)」は、髪のキューティクルをコーティングし、指通りを滑らかにしたり、摩擦によるダメージを防いだりする目的で配合されます。

「ノンシリコンシャンプー」が流行したことで、シリコンは頭皮に悪い、毛穴に詰まる、というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、現在のヘアケア技術において、シリコンは安全性が高く、髪を保護するために有用な成分とされています。毛穴に詰まって直接的に薄毛の原因になるという科学的根拠は乏しいです。

むしろ、ノンシリコンシャンプーで髪がきしみ、無理に指を通すことで髪が切れたり抜けたりする方が問題です。

ただし、シリコンが頭皮に残り続けるとベタつきの原因になる可能性はあります。

大切なのは、シリコンの有無よりも、シャンプーの際に頭皮までしっかり、かつ優しく洗い、すすぎ残しがないようにすることです。髪のきしみが気になる人は、無理にノンシリコンにこだわる必要はありません。

成分表示の確認方法

商品の裏側や箱に記載されている「全成分表示」は、配合量の多い順に記載されています(ただし、1%以下の成分は順不同)。

最初に「水」が来ることがほとんどで、その次に記載されているのが、そのシャンプーのベースとなる洗浄成分です。

ドラッグストアで選ぶ際は、まずこの「水」の次に何が書かれているかをチェックしましょう。

「ココイルグルタミン酸Na」などアミノ酸系の名前があればマイルド、「ラウレス硫酸Na」などがあれば洗浄力が高め、と判断できます。

自分の頭皮タイプに合った洗浄成分が上位に来ているかを確認する癖をつけると良いでしょう。

女性用育毛シャンプーの正しい使い方と頭皮ケア

どんなに良い育毛シャンプーを選んでも、使い方が間違っていては効果が半減してしまいます。頭皮を傷つけず、成分の効果を最大限に引き出すためには、シャンプーの手順を見直すことが重要です。

毎日の積み重ねが、未来の髪の健康につながります。

シャンプー前のブラッシングと予洗い

シャンプーを始める前に、まずは乾いた髪の状態でブラッシングを行います。この作業によって、髪の絡まりをほどき、ホコリや頭皮のフケなどをあらかじめ浮き上がらせることができます。

また、頭皮への適度な刺激が血行促進にもつながります。

次に行うのが「予洗い(よあらい)」です。シャンプー剤をつける前に、38度程度のぬるま湯で髪と頭皮をしっかりと濡らします。

1分から2分ほどかけて丁寧に予洗いをすることで、髪や頭皮の汚れの7割程度は落ちると言われています。

予洗いをしっかり行うことで、シャンプーの泡立ちが格段に良くなり、少ない量のシャンプーで効率的に洗えるため、頭皮への負担軽減にもなります。

泡立て方と頭皮マッサージの方法

シャンプー剤は、直接頭皮につけるのではなく、必ず手のひらで軽く泡立ててから髪に移します。泡立てが不十分だと、原液が頭皮に集中して刺激になったり、洗いムラの原因になったりします。

洗う際は、髪の毛同士をこすり合わせるのではなく、「頭皮を洗う」ことを意識します。指の腹(指紋のある部分)を使い、頭皮を優しく掴むようにしてマッサージしながら洗います。

爪を立ててゴシゴシ洗うのは、頭皮を傷つけ、炎症を引き起こす原因となるため絶対にやめましょう。

マッサージは、生え際から頭頂部へ、襟足から頭頂部へと、下から上に向かって行うと効果的です。頭皮全体を動かすようなイメージで、リラックスしながら行いましょう。

頭皮マッサージ洗いのポイント

部位洗い方のポイント
生え際・前頭部指の腹をジグザグに動かしながら、生え際から頭頂部に向かう。
側頭部(耳の上)両手で頭を包み込むようにし、円を描きながら引き上げるように動かす。
後頭部・襟足襟足から頭頂部に向かって、指を交差させるように洗い上げる。
頭頂部最後に頭頂部を優しく押し、全体の血行を促す。

すすぎ残しを防ぐポイント

シャンプーで最も重要な工程が「すすぎ」です。

シャンプー剤やコンディショナーが頭皮に残ると、毛穴詰まりや雑菌の繁殖、かゆみ、フケ、ニオイの原因となります。洗うのにかけた時間の「2倍」の時間を目安に、徹底的にすすぎましょう。

特にすすぎ残しやすいのは、耳の後ろ、生え際、襟足の部分です。シャワーヘッドを頭皮に近づけ、指の腹で頭皮を軽くこするようにしながら、ぬるま湯(38度~40度)で洗い流します。

髪のヌルつきが完全になくなり、頭皮がキュッとする感覚になるまで、念入りにすすいでください。

シャンプー後の保湿とドライヤー

シャンプー後の頭皮は、水分が蒸発しやすく、乾燥しやすい状態です。タオルで髪をゴシゴシこするのではなく、頭皮を優しく押さえるようにして水分を吸い取ります(タオルドライ)。

その後、頭皮用の保湿ローションや、女性用の育毛剤を使用するのも良い方法です。頭皮が清潔な状態は、これらの成分が最も浸透しやすいゴールデンタイムです。

ドライヤーは、頭皮や髪から20cm以上離し、同じ場所に熱が集中しないように小刻みに動かしながら乾かします。まずは頭皮と根元を中心に乾かし、毛先は最後で十分です。

髪が濡れたまま寝てしまうと、雑菌が繁殖しやすく、頭皮トラブルやニオイの原因になるため、必ず寝る前に頭皮までしっかり乾かしきることが重要です。

ドラッグストアでの賢い探し方

いざドラッグストアに行くと、膨大なシャンプーの棚を前に圧倒されてしまうかもしれません。女性用育毛シャンプーを効率良く見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが賢明です。

男性用との違いを理解し、表示をチェックする目を養いましょう。

女性用と男性用の違いを理解する

育毛シャンプーのコーナーには、男性用(メンズ)と女性用(レディース)が並んでいます。男性と女性では、薄毛の原因や頭皮の特性が異なるため、シャンプーの処方も変えられています。

男性は皮脂分泌量が女性より多いため、男性用シャンプーは洗浄力が強く、清涼感(メントールなど)が強い製品が多い傾向にあります。

一方、女性は皮脂量が少なく、頭皮が乾燥しやすいため、女性用シャンプーは洗浄力がマイルドで、保湿成分や髪の補修成分を重視した処方になっています。

女性が男性用シャンプーを使うと、洗浄力が強すぎて頭皮が乾燥し、かえって状態を悪化させる可能性があります。必ず「女性用」または「レディース」と明記された製品を選びましょう。

男性用と女性用シャンプーの主な違い

項目男性用(メンズ)女性用(レディース)
洗浄力強め(皮脂対策重視)マイルド(保湿重視)
配合成分の傾向清涼成分、殺菌成分保湿成分、毛髪補修成分
香り爽快感のあるシトラス系、ミント系リラックスできるフローラル系、ハーブ系

パッケージや表示で確認すべき点

ドラッグストアの棚では、まずパッケージの表示を確認します。以下のキーワードが、女性用育毛シャンプーを見つけるヒントになります。

  • スカルプケア(ScalpCare)
  • 薬用(医薬部外品)
  • 頭皮ケア、地肌ケア
  • ハリ・コシ、ボリュームアップ
  • アンチエイジングケア(エイジングケア)

「薬用」と表示されているものは、厚生労働省が許可した有効成分(グリチルリチン酸2Kなど)が一定濃度配合されている「医薬部外品」です。

フケやかゆみ、ニオイの防止といった具体的な効果を期待する場合は、この「薬用」表示があるものを選ぶと良いでしょう。

また、「アミノ酸系洗浄成分使用」「ノンシリコン」「無添加(パラベンフリー、無着色など)」といった表示も、自分のこだわりや肌質に合わせてチェックするポイントです。

薬剤師や登録販売者に相談する

多くのドラッグストアには、薬剤師や登録販売者といった専門知識を持つスタッフがいます。シャンプー選びに迷ったら、勇気を出して相談してみるのも一つの手です。

その際は、「最近、頭皮が乾燥してかゆい」「抜け毛が増えて、髪のボリュームが減った気がする」「フケが気になる」など、自分の具体的な悩みを伝えるとスムーズです。

「シャンプー育毛女性市販」といったキーワードで探している背景をそのまま伝えても良いでしょう。

あなたの頭皮タイプや悩みに合わせて、どの洗浄成分や有効成分が適しているか、プロの視点からアドバイスをもらえる可能性があります。

迷った時の選び方のヒント

成分や効能を見ても決めきれない場合は、最終的に「自分が継続できるか」という視点で選びましょう。

先に述べた通り、価格が予算内であることはもちろん、ボトルのデザインが洗面所にあっても気にならないか、香りが自分の好みか、といった感覚的な部分も大切です。

また、多くのブランドでは、シャンプーとコンディショナー(またはトリートメント)がセットで販売されています。

ライン使いすることで、メーカーが意図した頭皮ケアや仕上がりを実感しやすくなるため、最初はセットで試してみることをおすすめします。

まずは1本使い切り、頭皮の状態や髪の変化を見ながら、自分との相性を判断していきましょう。

Q&A

育毛シャンプーを使えば髪は生えますか?

育毛シャンプーは医薬部外品(または化粧品)であり、医薬品である「発毛剤」とは異なります。シャンプーの主な役割は、頭皮環境を清潔にし、健やかに整えることです。

直接的に髪を生やす(発毛させる)効果はありません。しかし、頭皮が荒れていたり、毛穴が詰まっていたりする状態では健康な髪は育ちません。

育毛シャンプーは、髪が育ちやすい土台を作るための「守りのケア」と位置づけると良いでしょう。

効果はどれくらいで実感できますか?

フケやかゆみ、頭皮のベタつきといった頭皮環境の変化については、使用開始から数日~数週間で改善を感じる場合があります。

一方で、髪のハリやコシ、ボリューム感の変化については、すぐに実感するのは難しいです。

髪には成長サイクル(ヘアサイクル)があり、今生えている髪がシャンプーによって太くなるわけではありません。

頭皮環境が整った結果、新しく生えてくる髪が健康になることを目指すため、最低でも3ヶ月から6ヶ月は継続して使用し、様子を見ることが重要です。

家族(男性)と一緒に使えますか?

女性用育毛シャンプーは、洗浄力がマイルドで保湿を重視しています。皮脂分泌の多い男性が使用すると、洗浄力が物足りず、皮脂が十分に落としきれない可能性があります。

逆に、女性が男性用シャンプーを使うと、洗浄力が強すぎて乾燥を招くことがあります。

先に解説した通り、性別によって頭皮の特性が異なるため、基本的にはそれぞれ専用のものを使用することを推奨します。

高いシャンプーほど効果がありますか?

価格が高いシャンプーは、洗浄成分の品質にこだわっていたり、高価な美容成分や保湿成分を豊富に配合していたりする傾向があります。

そのため、使用感や仕上がりが良いと感じる可能性はあります。しかし、最も重要なのは「自分の頭皮タイプに合っているか」です。

高価なシャンプーでも、肌に合わなければ頭皮トラブルの原因になります。価格だけで判断せず、成分や自分の頭皮との相性を第一に選びましょう。

使用をやめるとどうなりますか?

育毛シャンプーの使用をやめて、洗浄力の強い一般的なシャンプーに戻したり、自分の頭皮に合わない製品を使ったりすると、再び頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、乾燥などのトラブルが再発する可能性があります。

育毛シャンプーで頭皮の状態が安定しているのであれば、それはそのシャンプーがあなたの頭皮に合っている証拠です。

無理に使用をやめる必要はなく、健やかな頭皮を維持するために継続することをおすすめします。

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