パーマで抜け毛がひどい…頭皮ダメージが原因？女性の頭皮を守るためにできること

パーマをかけた後、鏡や枕元の抜け毛が増えて「もしかしてパーマが原因？」と不安に感じている女性は少なくありません。

おしゃれを楽しむためだったのに、髪が抜ける量が増えると本当に心配になりますよね。その抜け毛の増加は、パーマ液が頭皮に与えたダメージのサインかもしれません。

しかし、適切な知識とケア方法を知ることで、頭皮環境を健やかに保ち、大切な髪を守ることは可能です。

この記事では、なぜパーマで抜け毛が増えるのか、その原因と頭皮を守るためにご自身でできる具体的な対策を、分かりやすく解説していきます。

パーマ後に抜け毛が増える主な理由

パーマが抜け毛を引き起こす主な理由は、施術に使用する薬剤が頭皮に刺激を与えること、そして髪の内部構造を変化させることにあります。

これらの化学的な作用が、頭皮のバリア機能を低下させたり、毛根に負担をかけたりすることで、一時的に抜け毛が増加することがあります。

パーマ液が頭皮に与える影響

パーマ液には、髪の形状を変化させるためにアルカリ剤や還元剤といった化学薬品が含まれています。

これらの薬剤が頭皮に付着すると、頭皮の保護層である皮脂膜を取り除きすぎてしまったり、角質層に浸透して刺激を与えたりすることがあります。

特に敏感肌の方や、その日の体調によっては、頭皮が炎症を起こし、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感を感じることも少なくありません。

この頭皮の炎症が、毛根の活動を弱らせ、抜け毛につながる一因となります。

アルカリ剤によるキューティクルの損傷

パーマの1剤に含まれるアルカリ剤は、髪の表面を覆うキューティクルを開かせる役割を持ちます。キューティクルが開かなければ、パーマ液の他の成分が髪の内部に浸透できません。

しかし、このアルカリ剤が必要以上に作用すると、キューティクルを過度に開かせ、損傷させてしまいます。キューティクルが傷つくと、髪の内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、髪が乾燥し、もろくなります。

結果として、髪が途中で切れやすくなる「切れ毛」が増え、これも抜け毛が増えたと感じる原因になります。

還元剤と酸化剤の化学反応

パーマは、1剤の「還元剤」で髪内部のタンパク質の結合（シスチン結合）を切り離し、ロッドなどで髪を巻いた状態で2剤の「酸化剤」を作用させ、その形で再結合させることでウェーブを作ります。

この一連の化学反応は、髪の内部構造を強制的に変化させるものです。この変化が髪にとって大きな負担となることは避けられません。

特に、施術が不適切であったり、髪がすでにダメージを受けていたりすると、髪の体力が失われ、細くなったり、切れやすくなったりします。

パーマの種類と主なダメージ要因

パーマには様々な種類があり、それぞれダメージの原因となる要素が異なります。ご自身の受けた施術がどのようなものか知っておくことも大切です。

パーマの種類	主な作用	ダメージの主な要因
コールドパーマ	常温で薬剤のみでかける	薬剤（アルカリ剤・還元剤）による化学的ダメージ
デジタルパーマ	薬剤と熱（ロッド）を併用	化学的ダメージ＋熱によるタンパク質変性（熱ダメージ）
エアウェーブ	薬剤と温風（乾燥）を併用	化学的ダメージ＋乾燥による水分バランスの乱れ

このように、熱を加えるタイプのパーマは、薬剤によるダメージに加えて熱によるダメージも考慮に入れる必要があります。

熱処理（ホットパーマ）の追加ダメージ

デジタルパーマに代表されるホットパーマは、薬剤を塗布した髪に高温の熱を加えます。この熱処理により、髪のタンパク質が「タンパク変性」を起こすことがあります。

これは、生卵を焼くと目玉焼きになるように、タンパク質の性質が元に戻らなくなる変化です。髪がタンパク変性を起こすと、硬くなり、柔軟性が失われ、水分を保持しにくくなります。

その結果、髪は非常に乾燥してもろくなり、少しの摩擦や引っ張りでも切れやすくなってしまいます。

「パーマで髪が抜ける」は本当？抜け毛の種類をチェック

パーマ後に目立つ抜け毛には、毛根から抜けた「脱毛」と、髪の途中で切れた「切れ毛」の2種類があり、それぞれ原因が異なります。

ご自身の抜け毛がどちらのタイプかを知ることで、適切なケアにつながります。

毛根からの抜け毛（脱毛）

毛根から抜けた髪の毛は、根元に「毛根鞘（もうこんしょう）」と呼ばれる、白く透明なゼリー状のものが付着していることが特徴です。

これが確認できる場合、薬剤の刺激による頭皮環境の悪化や、ヘアサイクル（毛周期）の乱れによって、本来まだ成長するはずだった髪が抜けてしまった可能性が考えられます。

パーマ液による頭皮への刺激が強すぎると、毛根がダメージを受け、髪を支えきれなくなることがあります。

髪の途中からの切れ毛

一方で、毛根が付着しておらず、髪の毛が途中でブツっと切れている場合は「切れ毛」です。これは、パーマの薬剤や熱によって髪の強度が低下し、もろくなったことが主な原因です。

特にダメージが蓄積しやすい毛先部分に多く見られます。

キューティクルが剥がれ、内部のタンパク質が流出した髪は、シャンプーやブラッシングなどの日常的な摩擦にも耐えられず、簡単に切れてしまうのです。

抜け毛が増えたと感じても、実はこの切れ毛の割合が多いケースも少なくありません。

抜け毛のセルフチェック方法

お風呂の排水溝やブラシに溜まった髪の毛を数本手に取り、明るい場所で観察してみましょう。まず、毛の根元を見てください。白いものが付いていれば「脱毛」の可能性が高いです。

付いていなければ、毛先と根元両方を確認します。根元側が細く尖っておらず、明らかに途中で切れた断面になっていれば「切れ毛」です。

どちらが多いかによって、頭皮ケアを優先すべきか、髪のダメージケアを優先すべきかの判断材料になります。

正常なヘアサイクルとの比較

健康な人でも、髪にはヘアサイクルがあり、1日に50本から100本程度の髪は自然に抜け落ちています。これは「自然脱毛」と呼ばれる正常な現象です。

パーマをかけた時期が、たまたまこの抜け毛（休止期脱毛）が多い時期と重なることもあります。そのため、パーマ直後に抜け毛が増えたと感じても、数日間様子を見てみましょう。

もし100本を大幅に超えるような量が毎日続く場合や、明らかに特定の場所だけが薄くなるような場合は、注意が必要です。

頭皮ダメージのサインを見逃さないで

抜け毛以外にも、頭皮の赤み、かゆみ、フケなどは、パーマによる頭皮環境の悪化を示す重要なサインです。

これらの初期症状に早めに気づき対処することが、深刻な頭皮トラブルや抜け毛の進行を防ぐ鍵となります。

頭皮の赤みやかゆみ

パーマ液に含まれる化学物質が、ご自身の肌に合わない場合、アレルギー反応や刺激性皮膚炎を引き起こすことがあります。

施術中や施術後に、頭皮がムズムズとかゆくなったり、鏡で見ると赤みを帯びていたりする場合、頭皮が炎症を起こしているサインです。

かゆいからといって爪を立てて掻いてしまうと、頭皮が傷つき、そこから細菌が入り込んでさらに炎症が悪化するという悪循環に陥る可能性があります。

フケや乾燥の増加

パーマ液のアルカリ性が頭皮のバリア機能を低下させると、頭皮の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。頭皮が乾燥すると、角質が細かく剥がれ落ちる「乾性フケ」が増加します。

逆に、薬剤の刺激によって皮脂が過剰に分泌され、ベタベタした「脂性フケ」が増えることもあります。

どちらのタイプのフケも、頭皮環境が乱れている証拠であり、毛穴を詰まらせるなどして髪の健やかな成長を妨げる要因になり得ます。

頭皮ダメージの初期サイン

ご自身の頭皮状態をチェックしてみてください。小さな変化に気づくことが大切です。

サイン	頭皮の状態	考えられる原因
赤み	頭皮が部分的に、あるいは全体的に赤くなっている	薬剤による刺激、炎症
かゆみ	ムズムズする、チクチクとしたかゆみを感じる	薬剤へのアレルギー反応、乾燥
フケ	細かいフケ（乾燥）、またはベタついたフケ（脂性）が増える	ターンオーバーの乱れ、皮脂バランスの崩れ

頭皮のつっぱり感やヒリヒリ感

シャンプー後や、何もしていない時でも頭皮が突っ張るように感じる場合、それは頭皮が極度に乾燥しているサインです。

また、薬剤が強すぎた場合や、頭皮に小さな傷があった場合には、施術後にヒリヒリとした痛みが残ることもあります。

これらの違和感を放置すると、頭皮の血行不良にもつながり、毛根に十分な栄養が届かなくなる可能性があります。

パーマによるダメージを最小限に抑える美容室での工夫

美容室での施術中や事前のカウンセリングで適切な対策を講じることで、パーマによる頭皮と髪への負担を軽減できます。

信頼できる美容師さんと相談しながら、ご自身に合った方法を選ぶことが重要です。

事前カウンセリングの重要性

パーマをかける前には、必ず美容師さんに現在の頭皮や髪の状態を伝えましょう。

「最近、抜け毛が気になる」「頭皮が乾燥しやすい」といった情報を共有することで、美容師さんは薬剤の選定や施術方法を調整しやすくなります。

また、過去にパーマやカラーでかぶれた経験がある場合は、必ず申告してください。場合によっては、施術前にパッチテスト（皮膚アレルギー試験）を行うことも検討します。

頭皮保護（プロテクト）の種類

多くの美容室では、パーマ液を塗布する前に、頭皮を保護するためのオイルやクリーム（プロテクター）を塗布する処置を行っています。

この処置によって、薬剤が頭皮に直接付着するのを防ぎ、刺激を大幅に和らげることができます。特に頭皮が敏感な方は、この保護処置をしっかり行ってもらうようリクエストすると良いでしょう。

施術中も、薬剤が地肌に付きすぎていないか、美容師さんに確認してもらうと安心です。

薬剤の選定と放置時間

パーマ液には、髪質やダメージレベルに合わせて様々な強さのものがあります。健康な髪用の強い薬剤を、すでにダメージを受けている髪に使用すると、深刻な損傷につながります。

美容師さんは、お客様の髪質を見極め、できるだけ負担の少ない薬剤を選定します。また、薬剤を作用させる「放置時間」も重要です。

この時間が長すぎると、髪と頭皮へのダメージが大きくなるため、適切な時間で見極めてもらう必要があります。

美容室で相談したいこと

美容室では遠慮せず、ご自身の不安や希望を伝えることが、ダメージを最小限にする第一歩です。

相談タイミング	相談内容の例	期待できる効果
施術前（カウンセリング）	「頭皮が荒れやすい」「抜け毛が気になる」	薬剤の調整、頭皮保護の徹底
施術中	「薬剤がしみる」「かゆみを感じる」	すぐ薬剤を流す、冷やすなどの応急処置
施術後（アフターケア）	「自宅でのケア方法は？」	ダメージの進行抑制、早期回復

アフターケア（残留アルカリの除去）

パーマ施術後、髪や頭皮にはアルカリ剤や還元剤が残りやすい状態（残留アルカリ・残留薬剤）になります。これらが残っていると、帰宅後もじわじわとダメージが進行してしまいます。

多くの美容室では、シャンプー台でこの残留物質をしっかり除去するための後処理（バッファー剤の使用など）を行います。

この後処理を丁寧に行うことで、髪の状態を弱酸性（健康な状態）に素早く戻し、ダメージの進行を食い止めることができます。

パーマ後の頭皮を守る自宅でのヘアケア術

パーマ後のデリケートな頭皮と髪は、自宅での優しいケアが回復の鍵を握ります。

特に施術当日から数日間は、いつも以上に丁寧に扱う必要があります。特に当日のシャンプーは避けるべきです。

パーマ当日のシャンプーは避ける

パーマをかけた当日は、まだ髪の内部構造が不安定で、ウェーブが固定しきっていません。

また、頭皮も薬剤の刺激によって非常に敏感になっています。

この状態でシャンプーを行うと、せっかくのパーマが取れやすくなるだけでなく、頭皮の必要な皮脂まで洗い流してしまい、バリア機能をさらに低下させることになります。

美容室でシャンプーをしてもらった後は、最低でも24時間、できれば48時間はシャンプーを控えるのが理想です。

低刺激シャンプーの選び方

パーマ後の頭皮と髪には、洗浄力が強すぎるシャンプーは禁物です。

市販の高級アルコール系シャンプー（ラウリル硫酸〜、ラウレス硫酸〜などが主成分）は洗浄力が強く、必要な皮脂まで奪いがちです。

頭皮への優しさを考えるなら、アミノ酸系やベタイン系の洗浄成分を主とした、マイルドな洗い上がりのシャンプーを選びましょう。

これらは頭皮の潤いを保ちながら、汚れを優しく落とします。

低刺激シャンプーの洗浄成分例

シャンプーの裏面表示を確認してみましょう。

• アミノ酸系洗浄成分（例：ココイルグルタミン酸～、ラウロイルメチルアラニンNa～）
• ベタイン系洗浄成分（例：コカミドプロピルベタイン～、ラウラミドプロピルベタイン～）

正しいシャンプーの手順

シャンプーの方法も見直しましょう。まず、お湯（38℃程度のぬるま湯が理想）で頭皮と髪をしっかりと予洗いします。これだけで汚れの7割程度は落ちると言われています。

次に、シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、髪ではなく頭皮につけます。指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗います。

この時、絶対に爪を立ててはいけません。パーマがかかっている髪の毛自体は、泡で包み込むように優しく洗う程度で十分です。

すすぎは、シャンプー剤が残らないよう、時間をかけて念入りに行います。

パーマ後のシャンプー手順

毎日のケアこそが、頭皮環境改善の近道です。

手順	ポイント	目的
1. 予洗い	ぬるま湯で1～2分かけ、頭皮までしっかり濡らす	汚れの大半を落とす、泡立ちを良くする
2. 泡立て	シャンプーを手のひらで泡立ててから頭皮につける	摩擦の軽減、頭皮への刺激を減らす
3. 洗う	指の腹で頭皮をマッサージするように洗う	頭皮の汚れを落とす、血行促進
4. すすぎ	シャンプー剤が残らないよう、念入りにすすぐ	薬剤残りによる頭皮トラブル防止

トリートメントと頭皮用美容液の活用

シャンプー後は、髪のダメージケアが重要です。パーマで失われたタンパク質や水分を補うため、トリートメント（またはコンディショナー）を使用します。

この時、トリートメントは毛先を中心にもみ込むように付け、頭皮には直接付かないように注意しましょう。頭皮に付くと、毛穴詰まりの原因になることがあります。

髪を補修した後は、タオルドライを優しく行い、ドライヤーで髪を乾かします。濡れたまま放置するのは、雑菌の繁殖やダメージの進行につながるため厳禁です。

髪を乾かした後、頭皮が乾燥している場合は、頭皮専用の保湿美容液やローションを使用して、潤いを補給することも有効です。

頭皮環境を内側から整える生活習慣

健康な髪を育むためには、ヘアケアだけでなく、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理といった内側からのケアも重要です。

パーマによるダメージからの回復力を高めるためにも、生活習慣を見直してみましょう。

髪の成長に必要な栄養素

髪の毛は主に「ケラチン」というタンパク質でできています。そのため、良質なタンパク質（肉、魚、卵、大豆製品など）を摂取することは非常に重要です。

また、タンパク質の合成を助ける「亜鉛」（牡蠣、レバー、ナッツ類など）や、頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届ける「ビタミンE」（アーモンド、アボカドなど）、頭皮環境を整える「ビタミンB群」（豚肉、マグロ、バナナなど）も積極的に摂りたい栄養素です。

髪に良いとされる主な栄養素

バランスの取れた食事が、健やかな髪の土台を作ります。

栄養素	主な働き	含まれる食品例
タンパク質	髪の主成分（ケラチン）の材料となる	肉、魚、卵、大豆製品
亜鉛	タンパク質の合成を助ける	牡蠣、レバー、ナッツ類
ビタミンB群	頭皮の新陳代謝を促す、皮脂バランスを整える	豚肉、マグロ、レバー、納豆

質の良い睡眠の確保

髪の成長や頭皮の修復は、私たちが眠っている間、特に成長ホルモンが活発に分泌される時間帯に行われます。

睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が減少し、頭皮のターンオーバー（新代謝）が乱れたり、ダメージの修復が追いつかなくなったりします。

この影響で、抜け毛が増える可能性があります。毎日6～8時間程度の十分な睡眠時間を確保し、特に「睡眠の質」を高めることが大切です。

寝る前のスマートフォン操作を控える、リラックスできる環境を整えるなど、工夫をしましょう。

ストレス管理とリラックス法

過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させます。血管が収縮すると、頭皮の血行が悪くなり、毛根に必要な栄養や酸素が届きにくくなります。

これが抜け毛や髪の成長不良につながることがあります。「パーマで抜け毛が増えた」という不安自体が新たなストレスとなり、悪循環を生むことも。

ご自身なりのリラックス法を見つけることが重要です。趣味の時間を持つ、ゆっくりお風呂に浸かる、アロマを焚く、軽い運動をするなど、心身ともにリフレッシュできる時間を作りましょう。

適度な運動と血行促進

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、全身の血行、特に頭部への血流が悪くなりがちです。

ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの適度な運動を日常に取り入れることで、全身の血行を促進できます。

また、シャンプー時の頭皮マッサージも有効です。指の腹で頭皮全体を優しく動かすようにマッサージすることで、頭皮の血流を直接的に促し、毛根の活性化を助けます。

ただし、強くこすりすぎないよう注意が必要です。

抜け毛が続く場合の対処法

セルフケアを続けても抜け毛が改善しない場合や、頭皮の異常が続く場合は、一人で悩まず専門家に相談することを検討しましょう。

原因に応じた適切なアドバイスや治療を受けることが、早期解決につながります。

セルフケアの見直しのタイミング

パーマ後の抜け毛は、一時的なものであることが多いです。まずは、これまで紹介したような頭皮に優しいシャンプーや生活習慣の改善を1～2ヶ月程度続けてみてください。

それでも抜け毛の量が減らない、むしろ増えているように感じる場合や、頭皮の赤み、かゆみ、痛みが悪化する場合は、セルフケアの範囲を超えている可能性があります。

その際は、専門家への相談を考えましょう。

美容師への再相談

まずは、施術を担当してくれた美容師さんに相談するのも一つの方法です。

頭皮の状態を直接見てもらい、パーマ液が合わなかった可能性や、現在の手入れ方法が適切かどうかのセカンドオピニオンをもらうことができます。

美容室によっては、頭皮ケアの専門知識（ヘアケアマイスター、毛髪診断士など）を持つスタッフが在籍している場合もあり、より専門的なアドバイスや、頭皮を鎮静させるためのヘッドスパなどを提案してくれるかもしれません。

皮膚科専門医への相談

頭皮に明らかな炎症（強い赤み、湿疹、痛み）がある場合や、抜け毛が非常に多い場合、円形脱毛症のように局所的に髪が抜ける場合は、美容室ではなく皮膚科を受診してください。

パーマ液による「接触性皮膚炎（かぶれ）」や、他の原因（脂漏性皮膚炎、AGA/FAGA、自己免疫疾患など）が隠れている可能性もあります。

医師の診断のもと、適切な治療（塗り薬や飲み薬など）を受けることが、頭皮環境の正常化と抜け毛の改善への最短距離となります。

相談先の比較

お悩みの状況に応じて、相談先を選びましょう。

相談先	主な相談内容	特徴
美容師	施術後の状態確認、ヘアケア方法のアドバイス	施術内容を把握しており、髪のダメージケアに詳しい
皮膚科専門医	頭皮の炎症（赤み、かゆみ）、異常な抜け毛	医学的診断と治療（投薬など）が可能
毛髪診断士	頭皮や毛髪の状態チェック、総合的なアドバイス	毛髪に関する専門知識に基づいたケアを提案

よくある質問

パーマと抜け毛に関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。

パーマをかけると将来薄毛になりますか？

パーマ自体が、直接的に薄毛（AGA/FAGAなど）の進行原因になることはありません。薄毛の多くは、ホルモンバランスや遺伝的要因が関係しています。

ただし、パーマ液が頭皮に合わず、慢性的な炎症を繰り返していると、頭皮環境が悪化し、健康な髪が育ちにくい状態になる可能性はあります。

頭皮に異常を感じたら放置せず、適切なケアを行うことが重要です。

どのくらいの期間パーマを休むべきですか？

頭皮や髪のダメージ度合いによります。

強いダメージや抜け毛が気になる場合は、最低でも3ヶ月から半年程度はパーマを休み、頭皮環境の改善と髪のダメージケアに専念することをおすすめします。

髪は1ヶ月に約1cmしか伸びないため、根本の健康な髪が一定の長さになるまで待つことも大切です。美容師さんと相談し、頭皮の状態が回復してから再開を検討しましょう。

抜け毛がひどい時、市販の育毛剤を使っても良いですか？

抜け毛の原因がパーマによる一時的な頭皮の炎症やダメージである場合、まずは頭皮を「保湿」し「鎮静」させることが最優先です。

アルコール（エタノール）が多く含まれる育毛剤や、血行促進効果が強い育毛剤は、かえって敏感な頭皮に刺激となる場合があります。

まずは低刺激の頭皮用保湿ローションなどを使用し、頭皮環境が落ち着いてから、ご自身の目的に合った育毛剤（女性用のもの）を選ぶことをおすすめします。

パーマとヘアカラーは同時に行っても大丈夫ですか？

パーマとヘアカラーを同時に行うことは、髪と頭皮にとって非常に大きな負担となります。どちらもアルカリ剤や化学薬品を使用するため、ダメージが倍増してしまうからです。

美容室では同日施術可能な場合もありますが、髪の健康を第一に考えるのであれば、最低でも1～2週間は間隔を空けることを強く推奨します。

特に抜け毛や頭皮ダメージが気になる方は、絶対に避けるべきです。