女性の抜け毛対策サプリおすすめ。ビタミン・亜鉛・ノコギリヤシは効く?

女性の抜け毛対策サプリおすすめ。ビタミン・亜鉛・ノコギリヤシは効く?

鏡を見るたび、ブラシや排水溝にたまる髪の毛を見て、不安を感じていませんか?女性の抜け毛の悩みは深刻です。その対策として「サプリメント」が気になっている方も多いでしょう。

この記事では、女性の抜け毛対策サプリメントに焦点を当て、特に注目されるビタミン、亜鉛、ノコギリヤシといった成分が本当に効くのか、その役割や選び方、注意点までを詳しく解説します。

サプリメントはあくまで栄養補助食品であり、医薬品ではありません。しかし、食生活で不足しがちな栄養素を補うことで、健やかな髪の毛を育む土台作りをサポートしてくれる可能性があります。

ご自身の状態を理解し、適切な対策を見つけるための一助としてお役立てください。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

女性の抜け毛の原因とサプリメントの役割

女性の抜け毛対策を考える上で、サプリメントはあくまで「土台作りをサポートするもの」と捉えることが大切です。

抜け毛の原因は一つではなく、ホルモンバランスの変化、生活習慣の乱れ、ストレスなど様々です。

サプリメントは、これらの根本原因を直接治療する医薬品とは異なり、髪の毛の成長に必要な栄養素を補給し、頭皮環境を整える手助けをします。

女性の抜け毛はなぜ起こる?

女性の抜け毛には、様々な要因が複雑に関係しています。最も大きな要因の一つが、ホルモンバランスの乱れです。

妊娠・出産後や更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強くなることで、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなったりします。

この状態は「女性型脱毛症(FAGA)」とも呼ばれます。

また、過度なダイエットによる栄養不足、仕事や人間関係による精神的なストレス、睡眠不足といった生活習慣の乱れも、髪の毛の成長サイクル(毛周期)を乱す原因となります。

髪の毛は、頭皮の毛細血管から栄養を受け取って成長するため、血行不良も抜け毛を促進させる要因です。

抜け毛対策におけるサプリメントの位置づけ

抜け毛対策の基本は、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理、そして適切なヘアケアです。

しかし、忙しい現代生活の中で、食事だけで髪に必要な全ての栄養素を完璧に摂取するのは難しい場合もあります。

サプリメントは、こうした「食事だけでは不足しがちな栄養素」を手軽に補うためのものです。

例えば、髪の毛の主成分であるたんぱく質(ケラチン)の合成を助けるビタミンやミネラルを補給することで、健やかな髪の毛が育ちやすい体内環境・頭皮環境を整えるサポートが期待できます。

サプリメントは医薬品ではない

非常に重要なことですが、サプリメントは「食品」の扱いです。「病気の治療・予防」を目的とした医薬品とは明確に異なります。

そのため、「抜け毛が治る」「髪が生える」といった効果を保証するものではありません。

サプリメントは、あくまで日々の食生活の補助として、健やかな髪の毛を育むための土台作りを支える役割と理解しましょう。

もし抜け毛が急激に増えたり、頭皮に異常を感じたりする場合は、自己判断でサプリメントに頼るのではなく、早めに皮膚科や専門のクリニックに相談することが重要です。

抜け毛対策で注目される栄養素ビタミン

ビタミン類は、健康な髪の毛を育む上で欠かせない栄養素です。特にビタミンB群は頭皮の代謝や皮脂のコントロールに関わり、ビタミンCやEは頭皮の血行や酸化ストレスから守る働きをします。

これらのビタミンを食事やサプリメントで適切に補うことは、抜け毛対策のサポートになります。

ビタミンB群(ビオチン・B2・B6)の働き

ビタミンB群は、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の健康維持に深く関わる栄養素群です。中でも、ビオチン(ビタミンB7)は、皮膚や髪の毛の健康維持を助ける栄養素として知られています。

髪の主成分であるケラチン(たんぱく質)の合成にも関与していると考えられています。

また、ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、皮膚や粘膜の保護、皮脂の分泌を調整する働きがあります。

ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に重要で、アミノ酸からケラチンを合成する際にも必要とされます。これらビタミンB群は互いに協力して働くため、単体ではなくバランス良く摂取することが大切です。

ビタミンB群を多く含む食品例

ビタミンの種類主な働き多く含む食品
ビオチン皮膚や髪の健康維持を助けるレバー、卵黄、ナッツ類、きのこ類
ビタミンB2脂質の代謝、皮膚・粘膜の保護うなぎ、レバー、納豆、乳製品、卵
ビタミンB6たんぱく質の代謝を助けるかつお、まぐろ、さけ、バナナ、鶏肉

ビタミンCとEの抗酸化作用

ビタミンCとビタミンEは、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。私たちの体は、呼吸やストレス、紫外線などによって「活性酸素」を生成します。

活性酸素が増えすぎると、細胞が酸化して傷つき、老化や機能低下(酸化ストレス)を引き起こします。

頭皮も例外ではなく、酸化ストレスは毛母細胞の働きを弱め、抜け毛や白髪の原因になると考えられています。

ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、丈夫な頭皮や血管を作るのにも必要です。

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、末梢血管の血流を良くする働きがあり、頭皮の毛細血管に栄養を届けやすくします。

ビタミンCとEは一緒にとることで、互いの抗酸化作用を高め合うため、同時に摂取するのがおすすめです。

ビタミンDと毛髪サイクルの関係

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨の健康に重要なビタミンとして知られていますが、近年、毛髪との関係も注目されています。

ビタミンDは、毛包(髪の毛を作る器官)の働きに関与しており、髪の毛の成長サイクル(毛周期)の維持に重要な役割を果たしている可能性が研究で示唆されています。

ビタミンDが不足すると、毛周期が乱れ、休止期の髪の毛が増えることで抜け毛につながるのではないかと考えられています。

ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されますが、日焼け対策を徹底している方や、室内で過ごすことが多い方は不足しがちです。

食品やサプリメントでの補給も検討するとよいでしょう。

必須ミネラル「亜鉛」は抜け毛対策に重要?

亜鉛は、髪の毛の主成分であるケラチンの合成に必要不可欠なミネラルです。

不足すると髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛の一因となる可能性があります。

特に食生活が乱れがちな方や、過度なダイエットをしている方は亜鉛が不足しやすいため、意識的な摂取が重要です。

亜鉛が髪の毛に与える影響

亜鉛は、体内の様々な酵素の働きを助ける必須ミネラルです。

特に、細胞の新陳代謝やたんぱく質の合成に深く関わっています。髪の毛は、毛母細胞が分裂を繰り返すことで成長しますが、この細胞分裂にも亜鉛が必要です。

さらに、髪の毛の約90%を占める「ケラチン」というたんぱく質を合成する過程でも、亜鉛が重要な役割を担っています。

体内の亜鉛が不足すると、ケラチンの合成がスムーズに行われなくなり、髪の毛が細くなったり、成長が阻害されたり、抜け毛が増えたりする原因になると考えられています。

亜鉛不足のサインとは

亜鉛が不足すると、髪の毛のトラブル以外にも、体に様々なサインが現れることがあります。

代表的なものに、味覚障害(味がわかりにくくなる)、皮膚炎や傷の治りの遅れ、免疫力の低下(風邪をひきやすくなる)、爪の異常(白い斑点ができる)などがあります。

これらのサインは、亜鉛が細胞の新陳代謝が活発な場所(味蕾、皮膚、毛髪など)で多く必要とされるためです。

もし抜け毛と共に上記のような症状が気になる場合は、亜鉛不足の可能性も疑ってみましょう。

亜鉛の適切な摂取量と注意点

亜鉛は体内で作ることができないため、食事やサプリメントから毎日摂取する必要があります。しかし、日本の通常の食生活では、推奨量を満たしていない人も多いと指摘されています。

特に、インスタント食品やファストフードの利用が多いと、亜鉛の吸収を妨げる食品添加物(ポリリン酸など)の影響で、実質的な亜鉛不足になりやすいです。

一方で、サプリメントなどによる亜鉛の過剰摂取にも注意が必要です。

亜鉛を長期間にわたって過剰に摂取すると、銅や鉄といった他の重要なミネラルの吸収を妨げてしまい、貧血などを引き起こす可能性があります。

サプリメントを利用する場合は、耐容上限量(健康被害が出ないとされる上限の量)を超えないよう、摂取量を守ることが大切です。

亜鉛の摂取目安(成人女性)

項目摂取量(mg/日)
推奨量(18~74歳)8mg
耐容上限量(18歳以上)35mg

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

亜鉛を補う食事

サプリメントに頼る前に、まずは食事から亜鉛を摂取することを心がけましょう。

亜鉛は、牡蠣(かき)に非常に多く含まれているほか、レバー、赤身の肉、魚介類、ナッツ類、大豆製品などにも含まれています。

動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると、亜鉛の吸収率が高まるといわれています。

逆に、穀類や豆類に多いフィチン酸や、加工食品に多い食品添加物は吸収を妨げるため、バランスの良い食事が重要です。

話題の成分「ノコギリヤシ」は女性の抜け毛にも効く?

ノコギリヤシは、主に男性型脱毛症(AGA)の研究で注目されてきた成分であり、女性の抜け毛(特にFAGA)に対する有効性や安全性は、現時点では十分な科学的根拠が確立されていません。

ホルモンバランスに影響を与える可能性もあるため、女性が自己判断で使用することは推奨されず、特に妊娠・授乳中の方は避けるべきです。

ノコギリヤシとはどんな成分か

ノコギリヤシ(ソーパルメット)は、北米南東部に自生するヤシ科の植物です。古くから、アメリカの先住民によって、泌尿器系の不調や滋養強壮のために利用されてきました。

現在、サプリメントとして利用されているのは、その果実から抽出されたエキスです。

男性型脱毛症(AGA)への研究

ノコギリヤシが注目されるようになったのは、男性の前立腺肥大症や、男性型脱毛症(AGA)への関与が研究され始めたからです。

AGAは、男性ホルモン(テストステロン)が「5α-リダクターゼ」という酵素によって、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体に結合することで、毛髪の成長期が短くなり、抜け毛が進行するとされています。

ノコギリヤシエキスには、この5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるのではないかと考えられ、いくつかの研究が行われています。

ただし、その効果については、まだ議論が分かれており、AGA治療薬として承認されているフィナステリドなどと比べると、作用は穏やかであるとされています。

女性の抜け毛に対するノコギリヤシの知見

女性の抜け毛(FAGA)も、男性のAGAと同様に、男性ホルモンの影響が関与している可能性が指摘されています。そのため、「ノコギリヤシが女性にも効くのではないか?」と考える向きもあります。

しかし、現時点では、女性の抜け毛に対するノコギリヤシの有効性や安全性を調べた、信頼できる大規模な研究は非常に少ないのが実情です。

ホルモンバランスに作用する可能性があるため、女性、特にホルモン感受性の高い方が安易に使用することは推奨されていません。

女性がノコギリヤシを摂取する際の注意

ノコギリヤシは、ホルモンバランスに影響を与える可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中の方、妊娠を計画している方は、胎児や乳児への影響が不明なため、摂取を避けるべきです。

また、ホルモン療法(低用量ピルや更年期障害の治療など)を受けている方や、婦人科系の疾患がある方も、治療に影響を及ぼす可能性があるため、使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

女性の抜け毛対策としてノコギリヤシを検討する際は、自己判断せず、専門家の意見を仰ぐことが重要です。

女性の抜け毛対策サプリメントの選び方

女性の抜け毛対策サプリメントを選ぶ際は、まず自分に不足している栄養素は何かを考え、それを補える成分(ビタミン、亜鉛、イソフラボンなど)が含まれているかを確認することが大切です。

また、安全性が確保されているか(GMPマークなど)、経済的に継続しやすい価格か、不要な添加物が含まれていないかもチェックしましょう。

自分に必要な成分が含まれているか

サプリメントは、やみくもに摂取しても意味がありません。まずはご自身の食生活やライフスタイルを振り返ってみましょう。

例えば、外食や加工食品が多い方はビタミンやミネラルが不足しがちかもしれませんし、年齢と共に女性ホルモンの減少が気になる方もいるでしょう。

自分の悩みや状態に合わせて、必要な成分が配合されているサプリメントを選ぶことが第一歩です。髪の毛の土台となるたんぱく質(アミノ酸)、その合成を助ける亜鉛やビタミンB群は基本となります。

それに加えて、ご自身の悩みに合わせた成分を検討しましょう。

抜け毛の悩みタイプ別注目成分

悩みタイプ(例)注目したい栄養素・成分
食生活の乱れが気になるビタミンB群、亜鉛、たんぱく質(アミノ酸)
頭皮の乾燥や荒れが気になるビタミンC、ビタミンE、ビタミンA
年齢による変化を感じる大豆イソフラボン、プラセンタ、コラーゲン

安全性と品質の確認方法(GMPマークなど)

毎日口にするものだからこそ、安全性と品質は重要です。サプリメントは医薬品と異なり、製造基準が厳密に定められていない場合もあります。そこで一つの目安となるのが「GMPマーク」です。

GMP(Good Manufacturing Practice)とは「適正製造規範」のことで、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための基準です。

GMP認定工場で製造された製品にはGMPマークが付与されており、品質管理の目安となります。

継続しやすい価格かどうか

サプリメントは、薬のようにすぐに効果が出るものではありません。

髪の毛には成長サイクル(毛周期)があり、新しい髪の毛が育ち、その変化を実感できるようになるまでには、最低でも3か月から6か月程度はかかるといわれています。

そのため、継続することが何よりも大切です。

どれだけ良い成分が含まれていても、価格が高すぎて続けられなければ意味がありません。ご自身の家計に負担がかからず、無理なく続けられる価格帯の製品を選びましょう。

添加物の有無をチェック

サプリメントを錠剤やカプセルにするためには、凝固剤、賦形剤(ふけいざい)、着色料、甘味料などの添加物が必要な場合があります。

これらの添加物の多くは、国の基準に基づいて安全性が確認されていますが、中には体質に合わないものもあります。

できるだけ余計なものを摂取したくないと考える方は、原材料表示をチェックし、添加物の使用が少ない、あるいは無添加の製品を選ぶとよいでしょう。

サプリメント摂取以外の基本的な抜け毛対策

サプリメントは、あくまで抜け毛対策の補助的な役割です。

健やかな髪を育むためには、栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠、ストレス管理、適切なヘアケアといった、日々の生活習慣そのものを見直すことが最も重要です。

これらがおろそかになっていては、どんなサプリメントを飲んでも期待する結果は得られにくいでしょう。

栄養バランスの取れた食事

髪の毛は「食べたもの」から作られています。特定の成分だけをサプリメントで補うよりも、まずは日々の食事バランスを整えることが基本です。

髪の毛の主成分であるたんぱく質、その働きを助けるビタミンやミネラルをバランス良く摂取しましょう。

特に、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)、亜鉛(牡蠣、レバー、赤身肉)、ビタミンB群(レバー、うなぎ、納豆)、ビタミンC・E(野菜、果物、ナッツ類)を意識して摂ることが大切です。

髪の毛の材料となる栄養素

栄養素役割多く含む食品
たんぱく質髪の毛の主成分(ケラチン)肉、魚、卵、大豆製品
亜鉛ケラチンの合成を助ける牡蠣、レバー、赤身肉、チーズ
ビタミン類頭皮環境を整え、代謝を助ける緑黄色野菜、果物、玄米

質の良い睡眠の確保

髪の毛は、私たちが寝ている間に成長します。睡眠中には、髪の毛の成長を促す「成長ホルモン」が分泌されます。特に、入眠後すぐの深い眠り(ノンレム睡眠)の際に最も多く分泌されるといわれています。

睡眠時間が不足したり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌が妨げられ、髪の毛の成長や頭皮の修復が十分に行われません。

毎日最低でも6〜7時間の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。寝る前のスマートフォン操作は、ブルーライトが睡眠の質を下げるため控えるのが賢明です。

ストレス管理とリラックス法

ストレスは、女性の抜け毛の大きな引き金の一つです。強いストレスを感じると、自律神経が乱れ、交感神経が優位になります。すると、血管が収縮し、頭皮の血流が悪化してしまいます。

血流が悪くなると、髪の毛の成長に必要な栄養素が毛母細胞まで届きにくくなり、抜け毛が増える原因となります。

ストレスをゼロにすることは難しいですが、自分なりの解消法を見つけて、上手に付き合っていくことが大切です。

適度な運動、趣味の時間、ゆっくりと入浴するなど、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。

手軽にできるリラックス法

  • ゆっくりとした深呼吸
  • 肩や首の軽いストレッチ
  • 好きな香りのアロマテラピー

適切なヘアケアと頭皮マッサージ

毎日のヘアケアが、逆に頭皮にダメージを与えている可能性もあります。

洗浄力の強すぎるシャンプー、爪を立てたゴシゴシ洗い、熱いお湯でのすすぎは、頭皮を乾燥させたり、傷つけたりする原因になります。

シャンプーはアミノ酸系などのマイルドな洗浄力のものを選び、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。すすぎは、シャンプー剤が残らないよう十分に行います。

お風呂上がりは、ドライヤーで髪の毛だけでなく頭皮もきちんと乾かすことが雑菌の繁殖を防ぐ上で重要です。

また、シャンプー時やリラックスタイムに頭皮マッサージを取り入れ、頭皮の血行を促進するのも良い方法です。

サプリメントを飲むタイミングと注意点

サプリメントは、基本的には医薬品ではないため、飲むタイミングに厳密な決まりはありませんが、消化・吸収を助けるために食後に飲むのが一般的です。

ただし、最も重要なのは、過剰摂取を避け、定められた目安量を守ることです。また、他の薬やサプリメントとの飲み合わせには注意が必要です。

いつ飲むのが効果的か

サプリメントは食品ですので、基本的にはいつ飲んでも構いません。しかし、多くのサプリメントは、胃腸が活発に動いている「食後」に飲むことが推奨されています。

食事と一緒に摂取することで、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)のように油と一緒に摂ることで吸収率が高まるものや、胃への負担を和らげることができるためです。

また、ビタミンB群やCなどの水溶性ビタミンは、一度にたくさん摂取しても体内に留めておけず、尿として排出されやすいため、1日数回に分けて飲む方が効率的とされています。

ただし、最も大切なのは「飲み忘れないこと」です。ご自身の生活リズムに合わせて、続けやすいタイミング(例えば「朝食の後」など)を決めて習慣にするとよいでしょう。

過剰摂取のリスク

「たくさん飲めば、それだけ効果が出る」というのは大きな間違いです。

特に、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)やミネラル(特に亜鉛や鉄)は、体内に蓄積しやすいため、過剰摂取を続けると健康被害を引き起こすリスクがあります。

例えば、ビタミンAの過剰摂取は頭痛や吐き気、亜鉛の過剰摂取は前述の通り、他のミネラルの吸収阻害などを引き起こすことがあります。

サプリメントに記載されている「1日の摂取目安量」を必ず守り、複数のサプリメントを併用する場合は、成分が重複していないかを確認することが重要です。

脂溶性ビタミンの過剰摂取リスク

ビタミン主な過剰症状(例)
ビタミンA頭痛、吐き気、皮膚の乾燥、脱毛
ビタミンD高カルシウム血症、食欲不振、腎障害
ビタミンE血液が固まりにくくなる(まれ)

他のサプリメントや薬との飲み合わせ

現在、何らかの病気で治療中の方や、医薬品を服用している方は、サプリメントを摂取する前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

医薬品の中には、特定のサプリメント成分(例えばビタミンKと血液凝固防止薬など)と相互作用を起こし、薬の効果を強めたり弱めたりするものがあるからです。

また、複数のサプリメントを併用する場合も注意が必要です。先述の通り、同じ成分を重複して摂取し、過剰摂取にならないよう確認しましょう。また、成分同士の相性もあります。

併用時に注意したい組み合わせ例

成分A成分B起こりうること(例)
亜鉛鉄、カルシウム互いの吸収を妨げる可能性
ビタミンE血液をサラサラにする薬薬の作用を強める可能性

体調に異変を感じたら

サプリメントは食品ですが、体質や体調によっては、まれにアレルギー反応や胃腸の不調(下痢、便秘、胃痛など)を引き起こすことがあります。

もしサプリメントを飲み始めてから、何らかの体調不良を感じた場合は、すぐに摂取を中止しましょう。

症状が軽いものであっても、我慢して飲み続けることはせず、中止して様子を見るか、必要であれば医師に相談してください。

その際は、摂取していたサプリメントのパッケージを持参すると、原因の特定に役立ちます。

Q&A

女性の抜け毛対策サプリメントに関して、多くの方が抱く疑問や不安についてお答えします。ご自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてください。

サプリメントを飲み始めてどれくらいで変化を感じますか?

サプリメントは医薬品ではないため、飲んですぐに髪の毛が増えたり、抜け毛が劇的に減ったりすることはありません。

髪の毛には「毛周期」という成長サイクルがあり、新しい髪の毛が生まれてから成長し、抜け落ちるまでには数年の時間がかかります。

サプリメントは、この毛周期の土台となる栄養状態を整えるものです。

そのため、体感としては、まずは体調の変化(例えば、肌の調子が良くなった、疲れにくくなったなど)が先に現れることが多いかもしれません。

髪の毛の変化を実感するには、個人差が非常に大きいですが、一般的には最低でも3か月から6か月程度は、生活習慣の見直しと並行して気長に継続することが必要と考えられています。

複数のサプリメントを併用しても大丈夫ですか?

基本的には可能ですが、注意が必要です。最も気をつけたいのは「成分の重複による過剰摂取」です。

特に、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)やミネラル(亜鉛、鉄など)は、複数のサプリメントに含まれていることが多く、知らず知らずのうちに1日の耐容上限量を超えてしまう可能性があります。

また、成分によっては互いの吸収を妨げ合う組み合わせ(例えば、亜鉛と鉄を同時に大量に摂取するなど)もあります。

併用する場合は、それぞれの製品の成分表示をしっかりと確認し、どの成分をどれだけ摂取することになるのかを把握することが重要です。

不安な場合は、薬剤師やサプリメントアドバイザーなどの専門家に相談することをおすすめします。

妊娠中や授乳中に飲んでもよいですか?

妊娠中や授乳中は、お母さん自身の体調だけでなく、胎児や乳児への影響も考慮しなければならない、非常にデリケートな時期です。

この時期は、通常の摂取目安量とは異なる、特別な基準(付加量)が設けられている栄養素もあります。

一方で、サプリメントに含まれる成分の中には、ノコギリヤシのように妊娠中・授乳中の摂取が推奨されないものや、安全性が確立されていないものもあります。

自己判断での摂取は絶対に避け、必ずかかりつけの医師や産婦人科医に相談してください。

基本的には、サプリメントに頼るよりも、まず主治医の指導のもと、バランスの良い食事を心がけることが最優先です。

サプリメントをやめるとまた抜け毛は増えますか?

サプリメントは、あくまで「不足している栄養素を補う」ものです。

もし、抜け毛の原因が特定の栄養素の不足であり、サプリメントでそれが補われていた場合、摂取をやめれば、また元の栄養不足の状態に戻るため、抜け毛が再び目立つようになる可能性はあります。

しかし、抜け毛の原因は様々です。

サプリメントを摂取している間に、食事や睡眠、ストレス管理などの生活習慣全体が改善されていれば、サプリメントをやめても良い状態を維持できるかもしれません。

サプリメントを「きっかけ」として生活習慣を見直し、栄養バランスの取れた食事を続けることができれば、それが一番の対策となります。

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