AGA治療薬の個人輸入…
【個人輸入で買える治療薬】
AGAの治療では、AGA治療専門のクリニックできちんとしたお薬を処方してもらうのが安心、安全ではありますが、インターネットを介して個人輸入で東南アジアやインドで作られているジェネリック医薬品を低価格で購入することも出来ます。
自分自身で手軽に購入でき、価格もお手頃な場合が多いため、個人輸入で安易に購入してしまう人がいます。しかし、これら個人輸入でAGAのお薬を購入して服用することはリスクがあります。
【AGA治療薬の個人輸入をおすすめしない3つの理由】
AGA治療専門のクリニックで処方してもらう治療薬よりも費用は安く抑えることができる海外からの個人輸入の治療薬ですが、自己判断で個人輸入したお薬を使うことは決しておすすめできません。
AGA治療の効果を全く期待できないわけではありませんが、これらの薬をおすすめできない理由は3つあります。
①全て自己責任のためリスクが大きい
クリニックで診察してもらい、原因や状況を確認した上で処方してもらう治療薬ではありません。
そのため、内服によって体に異変が起きたとしても自己責任になってしまいます。
日本では認可されていない成分が配合されている可能性もあるので、安全性は保障できません。
一方で、クリニックでは血液検査などを行って、自身の体質や症状に合った薬が処方されるので安全です。
②本当に効果のある薬を判断するのが難しい
自分で判断して薬を購入することになるので、本当に効果のある薬を選べているのか判断が難しくなります。
用量に関しても自身で決めて内服するため、正しい飲み方が出来ているのかも分かりません。
クリニックでは、自分の症状に合ったものや体質を考えた上で処方してもらえます。
しかも、症状を見ながら薬の用量や飲み方を調整してもらえるので最も効果的に内服することができます。
③副作用で健康に害を与える可能性あり
AGA治療薬を服用することは、副作用が引き起こされる可能性があります。
どんな薬でも副作用の可能性は考えられますが、個人輸入で購入した薬の場合、健康に害を与えるようなひどい副作用を引き起こす危険性があります。
【代表的なAGAの治療薬】
・プロペシア
代表的な抜け毛予防薬です。フィナステリドという有効成分が含まれています。
フィナステリドは薄毛の原因となる5αリダクターゼの働きを阻害する効果があAるため、抜け毛予防の薬を使うことで男性ホルモンによる攻撃をブロックし髪の毛が細く弱々しくなって抜けてしまうのを抑えます。
・ザガーロ
2016年に発売になった新しいタイプの抜け毛予防薬です。デュタステリドという有効成分が含まれています。
2つのタイプの5αリダクターゼの働きを抑える効果があります。基本的には男性ホルモンによる攻撃をブロックして抜け毛を予防しますが、一部の患者さんでは、若干髪の毛が生えてくる発毛効果が見られることがあります。
・ミノキシジル
元々は高血圧の薬として開発されましたが、髪の毛を生やす効果があることが分かり、AGAの発毛治療薬として用いられるようになりました。
ミノキシジルを配合した塗り薬が薬局でも販売されています。AGA治療専門のクリニックではより効果的な内服薬や、より濃度の濃い塗り薬を使うことが出来ます。
【当院の院長から】
一般的に医薬品は医療機関(クリニックや病院)で医師の診察を受けた上で、処方してもらうものです。
しかし、患者さんが自分自身の個人的な使用目的で医薬品を海外から購入することは特例として認められています(輸入可能な数量などの規制が決まっています)。
AGAの治療薬も海外の通販サイトなどから個人輸入の形で購入することが出来てしまいます。
医師の診察も要らず、インターネットのネット通販で購入できてしまうため、患者さんにとっては手軽にお薬だけを入手する手段として魅力的に思えるかもしれませんが、個人輸入で医薬品を購入することは多くのデメリットがあるため、おすすめできません。
① お薬が偽物である可能性
クリニックなどの医療機関で処方してもらったお薬ではなく、個人輸入などの不正規ルートで入手したお薬の場合、正規メーカー品を真似た偽造品である可能性があります。
ED治療薬として有名なバイアグラは、個人輸入の40%が偽物の可能性があるとも言われています。
偽のブランドバックなどと同じように、見た目では偽物であるかどうかの判断が難しいため、偽物と気がつかないで飲み続けることになります。偽物の場合はもちろん効果が出ないため、抜け毛が止まらずAGA・薄毛が進行してしまいます。
② 安全面のリスク(副作用)
どんな種類の薬でも、お薬である以上は少なからず副作用のリスクがあります。
AGAの治療薬はとても安全性の高い種類のお薬ですが、使用中は必ず副作用のチェックを行わなければいけません。
AGA治療専門のクリニックでは、医師の診察や採血での肝機能値、腎機能値、心機能値のチェックで詳しく副作用が起きていないか確認を行えますが、個人輸入では、それら副作用のチェックは行えません。いつの間にか肝障害などが進行していた、なんていうことが起こり得てしまうのです。
また、個人輸入したお薬が偽物であった場合は、不純物混入や認可されていない成分が含まれているケースもあり、その場合はより重度な副作用が生じるリスクがあります。
③適切な治療が行えないリスク
AGAの治療では、患者さんのAGAや薄毛の進行度に応じて、適切な治療法を選択することから始まります。
また、治療の途中で、患者さんの発毛の状態や程度を見ながら、薬の量を調整したり、一部薬を変更したりと少しずつ調整しながら、その患者さんひとりひとりに合った適切な治療を行う必要があります。
個人輸入の場合では、これら適切な治療の選択が行えないため、ほとんど効果がなかったり、中途半端にしか生えてこなかったといったケースも考えられます。
AGAの治療はAGA治療専門のクリニックで、専門医師の適切で安全・安心な治療を受けられることをおすすめします。