「初期脱毛は誰にでも起こりうるの?」
「AGA治療で抜け毛が増えるって本当?」
AGA治療をはじめるにあたり、初期脱毛の心配をされる患者様は非常に多いです。一時的なものとわかっていても、これ以上薄毛が悪化するのはとても不安ですよね。
そこで今回は、
など、初期脱毛の基礎知識を解説していきます。
目次
初期脱毛とは、AGA治療をはじめてすぐの頃に見られる一時的な抜け毛のことです。
初期脱毛という現象が起こることはわかっていても、実際に抜け毛が増えると本当に薄毛が改善するのか困惑してしまう患者様もいるでしょう。
まずはAGA治療によってなぜ初期脱毛が起こるのか、そのメカニズムを説明していきます。
初期脱毛が起こるのは、AGA発症によって乱れたヘアサイクルが薬の効果によって正常化されることが主な原因です。
私たちヒトの髪の毛は、
という3つのサイクルによって、生える→伸びる→抜けるを繰り返します。
男性の正常なヘアサイクルでは、成長期が3〜5年続くと言われています。成長期の髪は全体の約90%を占めるため、このサイクルが維持できているうちは薄毛が進行することはありません。
ところが、AGAを発症すると成長期が数ヶ月〜1年ほどに短縮されます。たった数ヶ月では髪は十分な長さや太さを保てませんし、成長期が短くなればなるほど退行期や休止期が占める割合も増えていきます。
これによって髪全体のボリュームが少なくなり、薄毛が進行してしまうのです。
AGA治療薬には、
があり、初期脱毛は後者の薬を使用した場合に多く見られます。
これは、発毛にかかわる毛母細胞を刺激することで、新しい髪を成長させる機能が高まっていることが大きな理由です。
成長期においては、毛母細胞が活性されればその分健康な髪が育ちます。休止期も同様で、頭皮の下で伸びるのを待機している毛母細胞が刺激されれば、髪は太く長く成長できるのです。
ところが、退行期の場合は少し異なります。
退行期の髪は、すでに成長ペースがゆるやかになっていて、遅かれ早かれ抜け落ちるものです。このような毛に薬が働きかけると、抜け落ちる時期が早まります。
初期脱毛は、退行期、すなわち抜け落ちるのを待っている毛が薬の効果によって一気に脱毛する現象のことをいいます。
初期脱毛で抜けるのは、悪いヘアサイクルの中で育った細くて短い毛がほとんどです。黙っていても抜けますし、あくまで一時的な現象なのであまり深刻に考える必要はありません。
初期脱毛は、毛母細胞を刺激する薬の働きによって起こるものであり、治療効果が順調に現れている証拠です。
初期脱毛は必ず終わります。「効果が表れている」とポジティブに考え乗り越えましょう。
初期脱毛は、AGA治療を開始してから10日前後ではじまり、1ヶ月半ほどで終わるのが一般的です。
この期間については個人差がありますが、多くの患者様が2ヶ月頃までに抜け毛が落ち着いたことを実感されています。
ちなみに、薬の効果が実感できるまでには早い方で3ヶ月、平均では6ヶ月ほどかかります。少し時間はかかりますが、治療を継続すれば毛髪はしっかりと変化していくので、諦めずにじっくりと治療を続けていきましょう。
AGA治療薬にはいくつか種類があるのですが、その中で初期脱毛が起こりうるのは次の3つの薬です。
ミノキシジルは、髪の成長因子を産生することで発毛を促すAGA治療薬です。
この働きによってヘアサイクルが正常な状態に戻り、初期脱毛が生じます。
ミノキシジルによる初期脱毛は、悪いヘアサイクルで育った弱い毛が押し出されることで起こるものです。乱れたヘアサイクルがリセットされていると考え、抜け毛が落ち着くのを待ちましょう。
ザガーロ(デュタステリド)は、AGA発症の原因物質である5αリダクターゼという酵素を阻害し、薄毛の進行を予防する薬です。
5αリダクターゼを阻害すれば、抜け毛の直接的な原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成が抑制されます。これによってヘアサイクルが正常化され、初期脱毛が生じると考えられています。
ただし、先述のミノキシジルとは違い、ザガーロには毛母細胞を直接刺激する効果はありません。
初期脱毛は毛母細胞が活性することで起こるものなので、ザガーロだけの治療では初期脱毛が起こる可能性は低いと言えるでしょう。
プロペシア(フィナステリド)は、ザガーロと同じく5αリダクターゼを阻害し、DHTの生成を抑制することで薄毛の進行を予防するAGA治療薬です。
こちらも毛母細胞に働きかける薬ではないので、ミノキシジルに比べて初期脱毛が起こる可能性は低いと考えられています。
初期脱毛は、AGA治療をはじめてから1ヶ月半ほどで治まりますが、それ以上抜け毛が続く場合は次の3つの原因が考えられます。
優れた発毛作用のあるミノキシジル外用薬では、まれに頭皮のかゆみやかぶれが生じることがあります。
頭皮の炎症は肌が弱い方に起こりやすいので、かゆみやかぶれが見られた時はすぐに担当医までご相談ください。
AGA治療は薄毛改善のもっとも有効な方法ですが、だからといって睡眠や食事などの生活習慣をおろそかにしてはいけません。
睡眠時間が極端に短かったり、栄養バランスの悪い食生活を続けていると、せっかくの治療効果が十分に発揮できない可能性が考えられます。
初期脱毛が続く時は、日々の生活習慣に問題がないか見直してみることが大切です。
2020.09.07
AGA・薄毛は睡眠で改善・対策できる?生活習慣や運動・ストレスと抜け毛の関係
2ヶ月を過ぎても抜け毛がおさまらない場合、その抜け毛は初期脱毛によるものではなく、AGA以外の脱毛症が原因で起きている可能性が考えられます。
AGA以外の脱毛症には、
などの種類があります。
それぞれの脱毛症によって治療法はまったく異なりますので、AGA以外の脱毛症にAGA治療を行なっても抜け毛を改善することはできません。
治療開始からいつまでも抜け毛がおさまらない場合は、AGA以外の脱毛症を疑うべきです。
ここからは、初期脱毛に関して当院によくいただくご質問にお答えしていきます。
初期脱毛を育毛剤で改善することはできません。
初期脱毛は、悪いヘアサイクルの中で成長した毛が一時的に抜け落ちる現象です。薬の効果によって治療開始後にまとめて抜けてしまいますが、遅かれ早かれ抜ける予定だったものです。
育毛剤を使ったところで、もともと抜ける予定だった毛が抜けないようにすることはできません。初期脱毛が起きたからといって、育毛剤で対処するのはほとんど意味のないことだと理解しましょう。
前提として、初期脱毛はAGA治療によって一時的に生じる副作用です。それ自体を改善する治療法はありませんので、ここでは髪の成長を促す3つの方法をご紹介します。
健やかな髪は、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きによって育ちます。就寝時間を定め、まとまった睡眠を確保することは大きな育毛効果をもたらします。
また、髪の毛は日々の食事から摂取した栄養からつくられるので、育毛効果の高い食品を意識して取り入れるといいでしょう。
もう一つおすすめしたいのが、投薬治療とあわせてメソセラピーという治療を受けることです。
メソセラピーは、発毛効果のある薬液を直接頭皮に注入するAGA治療法の一つで、投薬治療よりも早く治療効果が実感できます。初期脱毛自体は回避できませんが、できるだけ早く発毛させたい人におすすめの治療法です。
初期脱毛は、悪いヘアサイクルで育った細く短い毛が抜け終わる頃に終了します。
目で見てわかる兆候と言われると難しいのですが、期間の目安としては初期脱毛がはじまって1ヶ月半ほどを目安にしてください。
初期脱毛は女性でも起こります。
ただし、男性に比べて抜け毛の量が少なく、初期脱毛がないまま薄毛が改善するケースが多いようです。
初期脱毛を繰り返す場合、AGAではなく他の脱毛症を発症している可能性が考えられます。
初期脱毛が2ヶ月以上終わらない場合も含め、まずは担当医にご相談ください。
います。
治療開始後すぐに抜け毛が増加する方もいれば、まったく抜け毛が増えなかったという方もいます。
初期脱毛による抜け毛の程度には個人差があり、初期脱毛が起きたからといって治療効果が出にくくなることはありませんのでご安心ください。
AGA治療では初期脱毛が起こりうるとわかっていても、実際に抜け毛が増えるのを見ると誰しも不安な気持ちが強くなるものです。
初期脱毛は治療効果がではじめているサインですから、決して慌てる必要はありません。時間の経過とともに必ず落ち着くので、焦らずじっくりと治療を継続しましょう。
もし治療開始後の抜け毛について気になることがあれば、遠慮なく担当医までご相談ください。患者様が安心して治療を続けられるよう、しっかりとしたご説明をさせていただきます。
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