マカではげる可能性と育毛効果の真偽について

マカではげる可能性と育毛効果の真偽について

「滋養強壮に良い」「活力が湧く」といったイメージからマカに興味を持ったものの、インターネットで「マカははげる」という気になる噂を目にして、試すのをためらっている方もいらっしゃるかもしれません。

薄毛を気にされている方にとって、良かれと思って摂取したもので逆に薄毛が進行するのではないか、という不安は当然のことです。

この記事では、マカと薄毛(はげる)の関係性について育毛効果の真偽も含めて、成分や男性ホルモンとの関連から詳しく解説します。

この記事を読むことで、マカがAGA(男性型脱毛症)に与える影響について正しい知識を得て、ご自身がマカを摂取すべきかどうかを判断する材料になるはずです。

最終的には噂に惑わされず、科学的な視点からマカと髪の健康について理解を深めましょう。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

マカを摂取すると本当にはげるのか?

結論から申し上げますと、マカの摂取が直接的な原因となって「はげる」(AGAが進行する)という明確な科学的根拠は、現在のところありません。

むしろ、マカに含まれる豊富な栄養素や血流をサポートする働きが、健康な髪を育むための頭皮環境に良い影響を与える可能性の方が考えられます。

では、なぜ「マカではげる」という噂が流れるのでしょうか。

それは、マカの持つ滋養強壮や活力アップといったイメージから、男性ホルモン(テストステロン)を増加させ、その結果、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)も増えてしまうのではないか、という連想が働いているためと推測されます。

しかし、この連想は必ずしも正しくありません。

「マカではげる」という噂の背景

この噂の根底には、AGA(男性型脱毛症)の仕組みが関係しています。

AGAは男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによって、より強力なDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで、髪の成長期を短縮させ、薄毛を引き起こします。

一方で、マカには「活力を高める」「男性機能をサポートする」といったイメージがあります。

このため、「マカを飲むとテストステロンが増える」→「テストステロンが増えれば、その分DHTも増える」→「結果として、はげるのではないか」という三段論法のような推測が生まれやすくなっています。

しかし、これはあくまでイメージに基づく推測であり、マカがDHTを増加させるという直接的な証拠はありません。

マカと男性ホルモン(テストステロン)の関係

マカの摂取が男性ホルモン、特にテストステロンの血中濃度を直接的に高めるかどうかについては多くの研究が行われていますが、一貫した結果は得られていません。

「マカを摂取してもテストステロンの数値に変動はなかった」とする研究報告もあれば、「性欲の向上は見られたが、ホルモン値への直接的な影響ではなかった」とする考察もあります。

マカの働きは特定のホルモンを増やすというよりも、体全体のバランスを整えたり、ストレスへの抵抗力を高めたりすることで、間接的に活力や性機能の維持をサポートする可能性が示唆されています。

テストステロンを直接増加させる作用が確認されていない以上、それがDHTの増加につながり、薄毛を促進するというロジックは成り立ちにくいと言えます。

AGA(男性型脱毛症)の根本原因との違い

AGAの根本的な原因は前述の通り「DHTの作用」と「遺伝的な感受性(DHTに対する反応しやすさ)」の2つが大きく関わっています。

つまり、たとえテストステロンの量が正常でも、5αリダクターゼの活性が高かったり、DHTへの感受性が高かったりすればAGAは進行します。

マカは、この「5αリダクターゼの活性」や「DHTへの感受性」に直接作用してAGAを悪化させるという報告はありません。

AGA治療薬であるフィナステリド(プロペシアなど)は、この5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成を抑えますが、マカにはそのような作用は確認されていません。

したがって、マカをAGAの根本原因と結びつけるのは早計です。

現時点での科学的な見解

現時点での科学的な知見を総合すると、「マカの摂取がAGAを誘発、または悪化させる」という直接的な因果関係を示す信頼できる証拠はありません。

むしろ、後述するようにマカに含まれる栄養素が髪の健康維持に役立つ可能性も考えられます。

「マカではげる」という噂は、ホルモンに関する誤解やイメージが先行したものであり、過度に心配する必要は低いと考えられます。

ただし、体質には個人差があるため、不安な場合は少量から試すか、専門家に相談するのが良いでしょう。

マカとは?その主な成分と働き

マカは南米ペルーのアンデス山脈、標高4000メートルから4500メートルという非常に厳しい高地に自生するアブラナ科の植物です。

カブや大根のような根菜で、その根の部分が古くから食用や薬用として利用されてきました。

「アンデスの人参」とも呼ばれ、強い紫外線、酸性の土壌、昼夜の激しい寒暖差といった過酷な自然環境を生き抜くための栄養素を豊富に蓄えています。

マカの原産地と歴史

マカの歴史は古く、数千年前にアンデス高地で栽培が始まったとされています。特にインカ帝国の時代にはその高い栄養価から特権階級の食べ物とされたり、戦士への褒美として与えられたりしたという記録も残っています。

厳しい環境で暮らす人々にとって、マカは体力を維持し、活力を得るための貴重な栄養源でした。

このように、マカは伝統的に滋養強壮や栄養補給、さらには様々な健康課題のサポートのために食されてきた長い歴史を持つスーパーフードの一種です。

豊富な栄養素(アミノ酸・ミネラル・ビタミン)

マカが注目される最大の理由は、そのバランスの取れた豊富な栄養素にあります。

特にアミノ酸組成が優れており、人間が体内で合成できない必須アミノ酸9種類をすべて含んでいます。また、活力サポートで知られるアルギニンも豊富です。

ミネラル類では髪の健康にも関わる亜鉛や鉄分、カルシウムなどを、ビタミン類では、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の健康維持を助けるビタミンB群やビタミンEなどを含んでいます。

これらの栄養素が複合的に働くことで、体の調子を整えるサポートをすると考えられています。

マカに含まれる主な栄養素(髪との関連)

栄養素髪への役割(期待)備考
アミノ酸(特に含硫アミノ酸)髪の主成分「ケラチン」の材料となるアルギニンは成長ホルモン分泌や血流にも関与
亜鉛ケラチンの合成をサポートする不足すると脱毛の一因になることも
ビタミンB群頭皮の代謝を助け、皮脂バランスを整えるB2(リボフラビン)、B6(ピリドキシン)など

注目される特有成分(ベンジルグルコシノレートなど)

マカには他のアブラナ科の野菜(ブロッコリーや大根など)にも含まれるグルコシノレートという成分が含まれています。

また、マカ特有の「ベンジルグルコシノレート」や「アルカロイド(マカミド、マカエン)」といった成分も含まれています。

これらの特有成分が、マカの持つ滋養強壮やホルモンバランスのサポートといった働きに深く関わっているのではないかと研究が進められています。

ただし、これらの成分が育毛や脱毛にどのように作用するかについては、まだ解明されていない部分が多いのが現状です。

マカに期待される育毛・頭皮への好影響

マカが直接的な「発毛薬」として機能するわけではありません。AGA治療薬のミノキシジルのように毛母細胞を直接活性化させたり、フィナステリドのようにDHTを強力に抑制したりする効果は期待できません。

しかし、マカが持つ豊富な栄養素やその他の作用が健康な髪が育つための「土台」である頭皮環境を整える上で、補助的に良い影響を与える可能性はあります。

豊富な栄養素による毛髪サポート

髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質でできています。このケラチンは18種類のアミノ酸から構成されており、マカはこれらのアミノ酸、特に必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。

また、ケラチンを合成する際には、ミネラルである「亜鉛」が不可欠です。

マカにはこの亜鉛も含まれており、髪の材料となるタンパク質(アミノ酸)と、それを使って髪を作るためのサポート役(亜鉛)を同時に補給できる点で、毛髪の健康維持に役立つと考えられます。

血流改善による頭皮への栄養供給

髪の毛を育てる毛母細胞は毛細血管から血液によって運ばれてくる酸素と栄養素を受け取って活動しています。

頭皮の血流が悪化すると、どれだけ栄養を摂取しても髪の毛に届きにくくなり、健康な髪の成長が妨げられます。

マカに含まれるアミノ酸の一種である「アルギニン」は、体内で一酸化窒素(NO)を生成するのを助けます。

一酸化窒素には血管を拡張させ、血流をスムーズにする働きがあるため、アルギニンの補給が頭皮の血行促進にも間接的に寄与し、毛母細胞への栄養供給をサポートする可能性があります。

マカの血流サポートと髪への影響

マカの成分(例)期待される働き髪への好影響(間接的)
アルギニン一酸化窒素(NO)の生成サポート血管拡張による血流改善
ビタミンE末梢血管の血流サポート、抗酸化作用頭皮の血行促進、細胞の健康維持

ホルモンバランスのサポート(間接的な影響)

「マカではげる」という噂とは逆に、マカはホルモンバランスの乱れをサポートする働きが期待されています。

これはAGAの原因であるDHTを増減させるという意味ではなく、主にストレスや加齢によって乱れがちな自律神経や内分泌系全体のバランスを整える方向でのサポートです。

過度なストレスは血管を収縮させて頭皮の血流を悪化させたり、ホルモンバランスを崩して皮脂の過剰分泌を引き起こしたりと、頭皮環境に悪影響を与えます。

マカがストレスへの抵抗力を高めるサポートをすることで、間接的に頭皮環境の悪化を防ぐことにつながるかもしれません。

抗酸化作用による頭皮の健康維持

私たちは呼吸によって酸素を取り入れていますが、その一部は体内で「活性酸素」という攻撃性の高い物質に変わります。

活性酸素が増えすぎると、細胞を酸化させて(錆びさせて)傷つけ、老化や様々な不調の原因となります。

頭皮も例外ではなく、活性酸素によって毛母細胞や色素細胞(メラノサイト)がダメージを受けると、薄毛や白髪の一因になると考えられています。

マカにはビタミンEやポリフェノールといった抗酸化物質も含まれており、これらの成分が過剰な活性酸素から頭皮の細胞を守り、健康な状態を維持するのを助ける可能性があります。

マカとAGA(男性型脱毛症)の関係性

マカの摂取とAGAの進行について不安を感じる方も多いようですが、前述の通り、マカがAGAの直接的な原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させるという明確な証拠はありません。

したがって、マカを摂取したからといってAGAが悪化するという心配は、現時点では不要と考えられます。

AGAの主原因DHTとは?

AGAの仕組みをもう一度確認すると、男性ホルモンの一種であるテストステロンが頭皮(主に前頭部や頭頂部)に存在する「5αリダクターゼ(II型)」という酵素と結びつくことで、より強力な脱毛作用を持つ「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されます。

このDHTが毛根にある毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体と結合すると、脱毛シグナルが発せられ、髪の成長期が極端に短縮されます。

これにより、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、薄毛が進行します。

マカがDHTを増やすという根拠の有無

現時点において、マカに含まれる成分が「5αリダクターゼ」の働きを活性化させたり、テストステロンからDHTへの変換を促進したりするという信頼できる研究報告は見当たりません。

また、マカの摂取によって血中のDHT濃度が有意に上昇したというデータも確認されていません。

「滋養強壮」=「テストステロン増加」=「DHT増加」という連想は、非常に短絡的であり、科学的な根拠に基づいたものとは言えません。

マカの活力サポート作用はホルモン値の直接的な変動よりも、神経伝達物質や血流、栄養状態など、より複合的な要因による可能性が高いと考えられています。

むしろDHTを抑制すると期待される成分との比較

AGA対策として研究されている成分の中には、マカとは逆にAGAの原因であるDHTの生成を抑える働きが期待されているものもあります。

例えば、サプリメント成分として知られる「ノコギリヤシ(ソーパルメット)」や、一部の育毛剤に配合される「アゼライン酸」などは、5αリダクターゼの働きを阻害する可能性が示唆されています。

これらはAGAの原因に直接アプローチしようとするものですが、マカの主な働きはこれらとは異なり、栄養補給や血流サポートといった「土台作り」にあると言えます。

AGAの主な原因とマカの作用点の比較

項目AGAの主な原因マカの主な作用(期待)
ホルモンDHT(悪玉)の生成と作用全体のバランスサポート(DHTへの直接作用は不明)
血流頭皮の血流悪化血流改善サポート(アルギニンなど)
栄養毛髪の栄養不足栄養補給(アミノ酸、亜鉛など)

マカを摂取する際の注意点と副作用

マカは南米ペルーで古くから食されてきた歴史があり、適切に摂取すれば安全性の高い食品(ハーブ)の一つと考えられています。

しかし、どのような食品でも体質に合わなかったり、一度に大量に摂取したりすれば、体に不調をきたす可能性があります。

マカを初めて試す場合や、持病がある方は、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。

一般的な安全性と摂取目安量

マカは医薬品ではなく「食品」に分類されます。日本国内でもサプリメントとして広く流通しており、重大な健康被害の報告は稀です。

ただし、製品によってマカの含有量や加工方法(生マカ、糊化マカなど)が異なります。サプリメントとして摂取する場合は必ず製品に記載されている1日の摂取目安量を守るようにしてください。

「多く飲めばそれだけ効果が出る」というものではなく、過剰摂取はかえって体調を崩す原因にもなりかねません。

体質によるアレルギーや胃腸症状

マカはアブラナ科の植物です。そのため、キャベツやブロッコリー、大根など他のアブラナ科の植物にアレルギーがある方は、マカに対してもアレルギー反応(かゆみ、発疹など)を示す可能性があります。

また、マカには食物繊維も含まれているため、体質によっては一度に多く摂取すると腹痛、下痢、腹部膨満感といった胃腸症状が出ることがあります。

胃腸が弱い方は少量から始める、あるいは食後に摂取するなどして様子を見るのが良いでしょう。

過剰摂取によるリスク

前述の胃腸症状のほか、マカを過剰に摂取した場合のリスクについては、まだ十分に解明されていない点もあります。

どのような栄養素もバランスが重要であり、特定の成分だけを極端に多く摂ることは推奨されません。

マカにはミネラルも含まれているため、他のサプリメントとの組み合わせによっては、特定のミネラルの過剰摂取につながらないかどうかも考慮する必要があります。

サプリメントはあくまで食事の補助として、バランスを考えて利用することが重要です。

マカ摂取で注意したい初期症状

症状例原因(可能性)対処法
胃痛・下痢・腹部膨満感消化器への刺激、食物繊維、体質摂取量を減らす、食後に摂る、中止する
肌荒れ・ニキビ好転反応(稀)、または体質に合わない様子を見るか、続くなら中止する
かゆみ・発疹アブラナ科アレルギーの可能性直ちに中止し、皮膚科医に相談する

持病や服用中の薬との相互作用

マカのホルモンバランスへの間接的な影響が示唆されています。

そのため現在、乳がんや子宮内膜症、前立腺がんなどでホルモン治療を受けている方や、甲状腺疾患のある方はマカの摂取が治療に影響を与える可能性もゼロではありません。

摂取を開始する前に必ず主治医に相談してください。また、他の医薬品を服用中の方も念のため医師や薬剤師に相談し、飲み合わせに問題がないか確認するとより安心です。

育毛目的でのマカの賢い選び方と活用法

もしマカを育毛をサポートする(健康な髪を育む土台作り)ための一環として取り入れるのであれば、その品質や他の栄養素とのバランスを考えて選ぶことが大切です。

マカだけに薄毛改善のすべてを期待するのではなく、あくまで総合的なヘアケア戦略の一部として位置づけるのが賢明な活用法と言えます。

マカサプリメントの選び方(品質と含有量)

マカのサプリメントは多種多様です。選ぶ際のポイントとしては、まず「原産地」が挙げられます。

マカは本来、ペルーのアンデス高地という厳しい環境で育つことでその栄養価を高めると言われており、「ペルー産」であることが一つの目安になります。

また、「有機JAS認定」など、オーガニック認証を受けているものは、栽培時の農薬や化学肥料のリスクが低減されます。

さらに、マカの含有量が明確に記載されているか、余計な添加物が少なく、シンプルな配合であるかも確認しましょう。吸収率を高めるために「糊化(こか)マカ」という加工が施されている製品もあります。

他の育毛サポート成分(亜鉛・ノコギリヤシなど)との併用

育毛サポートを目的とする場合、マカ単体よりも他の成分と組み合わせることも考えられます。

例えば、マカにも含まれますが、特に髪の合成に重要な「亜鉛」を別途補給したり、AGAの原因であるDHTへのアプローチを期待して「ノコギリヤシ」のサプリメントと併用したりする方法です。

ただし、サプリメントの併用は成分の重複や過剰摂取につながる可能性もあるため、ご自身の食生活や体調を考慮し、必要であれば専門家のアドバイスを求めましょう。

育毛サポートにおける主な成分の役割(例)

成分例期待される主な役割AGAへのアプローチ
マカ栄養補給、血流サポート、滋養強壮間接的(土台作り)
亜鉛ケラチン合成のサポート間接的(材料供給)
ノコギリヤシ5αリダクターゼ阻害(DHT生成抑制)期待直接的(守り)

摂取のタイミング(食後など)

マカのサプリメントは食品ですので、基本的にいつ摂取しても構いませんが、胃腸への負担を軽減する観点からは食後の摂取を推奨する製品が多いです。

食事と一緒に摂ることで、他の栄養素とともに吸収されやすくなるという利点も考えられます。

また、毎日継続して摂取することが重要ですので、朝食後や夕食後など、ご自身のライフスタイルに合わせて飲み忘れのないタイミングを決めておくと良いでしょう。

マカ以外の薄毛対策と生活習慣

マカはあくまで栄養補助食品であり、薄毛対策の主役ではありません。

もしAGA(男性型脱毛症)が進行していると感じる場合、マカの摂取と並行して、あるいはそれ以上に、科学的根拠に基づいた対策や、髪の成長を支える基本的な生活習慣の改善に取り組むことが非常に重要です。

マカに期待しすぎて、本来必要な対策が遅れてしまうことは避けるべきです。

バランスの取れた食事の重要性

髪は「食べたもの」から作られます。マカで特定の栄養素を補うことも一つですが、基本となるのは日々の食事です。

髪の主成分であるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)、ケラチンの合成を助ける亜鉛(牡蠣、レバー、赤身肉)は積極的にとるように心がけましょう。

また、ビタミンB群(豚肉、マグロ、ナッツ類)、頭皮の健康を保つビタミンA・C・E(緑黄色野菜、果物、ナッツ類)などもバランス良く摂取することが、健康な髪を育む土台となります。

薄毛対策における優先度の例

優先度対策内容主な理由
専門医によるAGA診断薄毛の原因を特定することが対策の第一歩
AGA治療薬(内服・外用)AGAの進行抑制と発毛に医学的根拠がある
生活習慣の改善(食事・睡眠・運動)髪が育つための基本的な土台作り
マカなどのサプリメントあくまで食事で不足する栄養の補助的な役割

質の良い睡眠とストレス管理

髪の毛は私たちが寝ている間に分泌される「成長ホルモン」によって成長が促されます。睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が妨げられる可能性があります。

毎日6~7時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。

また、過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させて頭皮の血流を悪化させます。リラックスできる時間を持つ、適度な運動をするなど、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。

適切な頭皮ケアとシャンプー方法

頭皮環境の悪化も薄毛の原因となります。皮脂や汚れが毛穴に詰まると炎症を引き起こす可能性がありますが、逆にシャンプーで皮脂を取りすぎると頭皮が乾燥し、バリア機能が低下します。

1日1回のシャンプーで指の腹を使って優しく頭皮をマッサージするように洗い、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流すことが基本です。

ご自身の頭皮タイプ(乾燥肌、脂性肌など)に合ったシャンプーを選ぶことも重要です。

正しいシャンプーの手順

  • 1. ブラッシングで髪のもつれを解き、汚れを浮かす
  • 2. ぬるま湯で髪と頭皮を十分に予洗いする
  • 3. シャンプーを手のひらで泡立て、頭皮を指の腹で優しく洗う
  • 4. すすぎ残しがないよう、時間をかけて丁寧に洗い流す

AGAが疑われる場合の専門クリニックへの相談

もし、抜け毛の増加や生え際の後退、頭頂部の地肌の透けなどが明らかに進行している場合、それはAGAである可能性が高いです。

AGAは進行性の脱毛症であり、マカや生活習慣の改善だけで進行を止めることは困難です。「マカを飲んでいるから大丈夫」と自己判断して様子を見ている間に、薄毛がさらに進行してしまう恐れがあります。

薄毛が気になり始めたら、できるだけ早めにAGA専門のクリニックや皮膚科を受診し、医師の診断を受けることを強く推奨します。

適切な診断のもと、必要であればフィナステリド内服薬やミノキシジル外用薬といった、医学的根拠のある治療を開始することが、将来の髪を守る上で最も確実な方法の一つです。

自分でできる育毛ケアに戻る

育毛ガイドTOP

マカではげる可能性に関するよくある質問

マカを飲んだら抜け毛が増えた気がします?

マカが直接の原因で抜け毛が増える(脱毛を促進する)という科学的根拠はありません。AGA治療薬のミノキシジル使用時に見られる「初期脱毛」のような作用も、マカには報告されていません。

抜け毛が増えたと感じる場合、季節の変わり目(換毛期)、ストレス、疲労、生活習慣の乱れ、あるいはAGAが進行しているなど、他の要因が影響している可能性が高いです。

また、「はげるかも」という不安から、抜け毛を過度に意識してしまっている(気のせい)という場合もあります。

抜け毛が続くようであれば、マカの摂取を一度中止して様子を見るか、専門の医師に相談してください。

マカとプロペシア(フィナステリド)は併用できますか?

マカは「食品(サプリメント)」、プロペシア(有効成分フィナステリド)は「医薬品」であり、その働きかける仕組みは全く異なります。

マカは栄養補給や滋養強壮、プロペシアはAGAの原因であるDHTの生成を抑える働きを持ちます。

現時点では両者を併用することで重大な健康被害や副作用が起きたという報告は特になく、理論上は併用しても問題ないと考えられます。

ただし、プロペシアは医師の処方が必要な医薬品ですので、併用する(している)場合は、念のため担当医にマカを摂取している(したい)旨を伝えておくと、より安心です。

育毛目的ならマカより亜鉛の方が良いですか?

どちらが一方的に優れているとは一概に言えません。両者の役割が異なるためです。

亜鉛は、髪の主成分であるケラチンを合成する際に必須のミネラルであり、これが不足していると健康な髪が作られにくくなります。

食生活が偏っており、亜鉛不足が疑われる場合には、亜鉛の補給が有効な場合があります。

一方、マカは亜鉛も少量含みますが、それ以上にアミノ酸やビタミン、アルギニンなどによる複合的な栄養補給や血流サポートが期待されます。

ご自身の食生活や体調を考慮し、不足していると思われる方を補うか、バランスよく両方を取り入れることを検討するのが良いでしょう。

マカの摂取をやめると薄毛は進行しますか?

マカの摂取がAGAの進行を止めていたわけではないため、マカをやめたからといって急に薄毛が進行するとは考えにくいです。

もし、マカによる栄養補給や血流サポートがご自身の頭皮環境に良い影響を与えていた場合、その補助的なサポートがなくなる可能性はあります。

しかし、AGAの根本的な原因(DHTの作用や遺伝的感受性)は、マカの摂取とは関係なく存在し続けます。

もしAGAが進行中であれば、マカを飲んでいてもやめても医薬品などによる適切な対策をしなければ進行していきます。

女性がマカを飲んでも髪に良い影響はありますか?

女性の場合、マカは主にホルモンバランスのサポート(特に更年期障害の緩和など)の目的で注目されることが多いです。

女性の薄毛(FAGA/FPHL)の原因は、男性のAGAとは異なり、ホルモンバランスの乱れ、血流の悪化、栄養不足、ストレスなど、より複合的な要因が関わっているとされます。

マカに含まれる豊富な栄養素(アミノ酸、ミネラル、ビタミン)や血流サポート、ストレス緩和のサポートといった働きは、性別を問わず健康な髪を育むための土台作りとして、良い影響を与える可能性があります。

ただし、こちらも医薬品ではなく、あくまで食品(サプリメント)としての補助的な役割です。

参考文献

WEI, Grace; MARTIROSYAN, Danik. Hair loss: A review of the role of food bioactive compounds. Bioactive Compounds in Health and Disease-Online ISSN: 2574-0334; Print ISSN: 2769-2426, 2019, 2.5: 94-125.

DELL’ACQUA, Giorgio; RICHARDS, Aleksander; THORNTON, M. Julie. The potential role of nutraceuticals as an adjuvant in breast cancer patients to prevent hair loss induced by endocrine therapy. Nutrients, 2020, 12.11: 3537.

SAHELIAN, Ray. Natural Sex Boosters: Supplements That Enhance Stamina, Sensation, and Sexuality for Men and Women. Simon and Schuster, 2012.

YANG, Jae Chan; KIM, Bo Ae. In vivo and In vitro hair growth promotion effects of extract from Glycine soja Siebold et Zucc. J. Appl. Biol. Chem, 2016, 59.2: 137-143.

HERMAN, Anna; HERMAN, Andrzej Przemysław. Biological activity of fermented plant extracts for potential dermal applications. Pharmaceutics, 2023, 15.12: 2775.

JAGDALE, Yash D., et al. Nutritional profile and potential health benefits of super foods: a review. Sustainability, 2021, 13.16: 9240.

目次