紫外線による薄毛への影響|日焼け対策の重要性

紫外線による薄毛への影響|日焼け対策の重要性

太陽光を避けることが直接的な薄毛の原因になるわけではありませんが、過剰な紫外線は頭皮環境を劇的に悪化させる要因となります。

強い光線が毛根の深部まで到達し、髪の土台となる細胞や組織にダメージを与えて、健康な髪の成長が阻害されるからです。

本記事では、紫外線がもたらす光老化の仕組みと、日焼けによる抜け毛リスクを回避するための実践的な防御策を詳しく紐解いていきます。

将来の髪のボリュームを守るためには、一時的なケアではなく、一年を通した一貫性のある日焼け対策が大切です。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

日に当たらないと禿げるという誤解

日光不足が直ちに薄毛の原因とはなりませんが、極端な太陽の遮断はビタミンD欠乏を招き、髪の成長リズムを阻害する恐れがあります。

「日に当たらないとハゲる」という不安を抱く方は少なくありません。これは、日光を浴びることで生成されるビタミンDが、育毛に欠かせない要素であるという認識に基づいています。

実際にビタミンDは、髪が抜けてから新しく生えるまでの毛周期を正常に制御する役割を果たしています。そのため、極端に太陽を避けると、このサイクルが乱れる懸念が生じます。

ビタミンD生成と髪の毛の成長サイクルの関係

毛包の内部にある細胞が活発に働くためには、ビタミンDが受容体と結びつくことが必要です。このプロセスが滞ると、髪が十分に育たなくなります。

私たちの体は紫外線を肌に受けて、この栄養素を自ら作り出します。適度な露出は、毛乳頭細胞を刺激し、髪の健康を維持するためのブースターとして機能してくれます。

とはいえ、必要な日光の量は、両手の甲に15分ほど光を当てる程度で十分に満たされます。長時間の日光浴が必要なわけではない点に注意してください。

むしろ頭皮に関しては、直射日光を直接受けるメリットよりも、紫外線による炎症や組織破壊のデメリットの方がはるかに上回るのが現実です。

日に当たらないと生じる頭皮への間接的影響

日光を浴びない生活は、体内時計の乱れから睡眠の質を低下させます。良質な睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の修復と成長の源です。

日中に日光を感知することでセロトニンが生成され、それが夜間に睡眠ホルモンであるメラトニンへと変わります。このリズムが崩れると、育毛環境も悪化します。

外出を控えすぎるのは、運動不足やストレスの蓄積を招く場合も多いです。血行不良は頭皮への栄養供給を妨げるため、髪の弱体化を招く大きな要因となります。

健康な頭皮を守るためには、適度な活動を通じて全身の代謝を整えることが欠かせません。太陽とは、正しく安全な距離感を保つ姿勢が求められます。

不安からくるストレスが抜け毛を加速させる可能性

日光不足を過度に心配し、その不安がストレスとなって自律神経を乱してしまうケースもあります。精神的な緊張は血管を収縮させ、血流を滞らせます。

頭皮の毛細血管は非常に細いため、わずかな血行不良でも髪への栄養供給が途絶えてしまいます。これが原因となり、抜け毛が増加する悪循環が生まれます。

正しい知識を身につけることが、こうした無用な不安を取り除く最善の方法です。日光の恩恵は頭皮以外で受け、頭皮自体は守るという使い分けが重要です。

不足しがちな栄養素は、食事内容の工夫でも十分にカバーできます。太陽に固執しすぎず、多角的な働きかけで毛髪を守り抜きましょう。

日光不足の影響を補うための工夫

  • サーモンやサバなどの脂の乗った魚を積極的に食べる。
  • 干し椎茸などのキノコ類を副菜としてメニューに加える。
  • 室内での軽い運動を行い、全身の血流を停滞させない。

紫外線のA波とB波が毛髪に与えるダメージの正体

紫外線は髪のタンパク質を破壊し、内部のスカスカな状態を招くことで、髪本来の太さや強度を奪い去る要因となります。

私たちの髪に届く光線には、波長の長いA波(UVA)と、エネルギーが強力なB波(UVB)の二種類があります。これらは異なる仕組みで髪を傷つけます。

太陽光の下で長時間過ごした後の髪が、ゴワゴワしたり色が薄くなったりするのは、これらの光線が髪の構造を根底から変質させてしまった結果です。

髪の表面を保護するキューティクルへの影響

紫外線のB波は、髪の表面を鎧のように守っているキューティクルを直撃します。この層が剥がれると、髪を健康に保つための潤いが逃げ出してしまいます。

キューティクルが損傷すると、髪の毛同士の摩擦が増え、ブラッシングなどの些細な動作でも髪が切れやすくなります。これが枝毛や断毛の大きな原因です。

一度剥がれたキューティクルは自然に修復されることはありません。外部の刺激から髪の内部を守る盾が失われると、さらなる劣化を招きます。

パサつきが目立つ髪は見た目の清潔感も損なうため、第一印象にも影響を与えます。表面の平滑性を保つためには、日差しを直接浴びない工夫が必須です。

髪の内部構造であるコルテックスの破壊

A波は髪の深部まで到達し、髪の質量の大部分を占めるケラチンタンパク質を変質させます。この現象は髪の骨組みが崩れるようなものです。

内部構造がスカスカになった髪は、水分を蓄える力を失い、コシのない細い毛へと変わっていきます。これが進行すると、髪全体のボリュームが著しく低下します。

特に加齢とともに髪の水分保持力が低下している場合、紫外線による内部破壊の影響はさらに深刻になります。ハリを失った髪はセットもしにくくなります。

髪を構成するシスチン結合が酸化によって切断されると、元に戻ることはありません。強靭な髪を維持するためには、この内部破壊を未然に防ぐしかありません。

髪の色の正体であるメラニン色素の脱色

髪の毛の黒さを形作るメラニン色素は、紫外線を吸収して頭皮を守る盾の役割を担っていますが、その過程で自らも分解され、色が抜けていきます。

夏場のレジャー後に髪が明るい茶色に変わるのは、メラニンが破壊された証拠です。これは単なる色の変化ではなく、防御機能が弱まった危険なサインです。

このようにして、頭皮を守る力が失われ、さらなるダメージを呼び込む隙が生まれます。

紫外線種別による髪への影響比較

紫外線主な作用髪への具体的な変化
A波 (UVA)深部浸透タンパク質変性・コシの消失
B波 (UVB)表面照射キューティクル損傷・乾燥
複合影響色素分解変色・バリア機能の低下

光老化が頭皮環境を悪化させる具体的理由

頭皮の老化は紫外線によって加速され、肌の柔軟性を奪うことで、新しい毛髪が成長するための土壌を痩せ細らせてしまいます。

顔のシワやたるみの原因として知られる「光老化」ですが、実は頭皮で最も顕著に進行しています。髪があるために気づきにくいだけで、蓄積は確実に進みます。

太陽光を浴び続けると頭皮の細胞が劣化し、弾力を失った硬い肌へと変わっていきます。この変化こそが、薄毛を招く隠れた大きな原因となっているのです。

真皮層のコラーゲンとエラスチンの変質

頭皮を柔軟に保っているコラーゲンやエラスチンが紫外線の影響で変質すると、皮膚は厚みを失い、弾力のないゴムのような状態に陥ります。

こうした状態の頭皮は毛細血管を圧迫し、髪に必要な酸素や栄養の運搬を著しく妨げます。栄養が届かない毛根は、次第に活動を停止し、髪が細く短くなります。

本来であればふっくらとした厚みのある頭皮が理想ですが、光老化が進むと頭蓋骨に張り付いたような薄い皮膚になってしまいます。これが育毛の壁となります。

一度失われたコラーゲン構造を再構築するには、気の遠くなるような時間と労力が必要です。早めの段階で老化の進行を食い止める取り組みが、将来の豊かさを守ります。

皮脂の酸化と毛穴の詰まりによるトラブル

強い紫外線を浴びた頭皮では、皮脂が急速に酸化して過酸化脂質へと変化します。この物質は、毛穴にこびりつく強力な汚れとなり、炎症を引き起こします。

酸化した皮脂が毛穴の奥深くに入り込むと、毛根にある髪の製造工場を攻撃し始めます。その結果、髪を生み出す力が衰え、一本一本の髪が細くなっていきます。

ベタつきや頭皮のニオイが気になる場合、それは皮脂が酸化している合図かもしれません。これを放置すると、毛穴周辺の皮膚が炎症を起こし、抜け毛が急増します。

毛穴が健やかな状態を保てなければ、どんなに優れた育毛剤を使っても効果は期待できません。清潔で酸化していない頭皮を維持しましょう。

活性酸素の大量発生と細胞への攻撃

紫外線が頭皮に当たることで体内に大量の活性酸素が発生します。この過剰な酸素は、髪を育てる司令塔である毛乳頭細胞に致命的なダメージを与えます。

細胞が攻撃を受けると、髪の成長を促す命令が出せなくなります。本来なら成長し続けるはずの髪が、途中で成長を止めて抜け落ちる現象が頻発し始めます。

こうした細胞レベルの破壊は、痛みや自覚症状を伴わずに静かに進行していきます。気がついた時には全体の毛量が減っている、という状況になりかねません。

抗酸化力を高める対策を行いながら、物理的に紫外線から細胞を守ることが重要です。日々の防御の積み重ねが、髪の生存率を大きく変えるきっかけとなります。

光老化が頭皮に与える変化のまとめ

  • 皮膚の弾力が失われ、血流を阻害する「硬い頭皮」へと変質する。
  • 毛穴の周囲に炎症が起きやすくなり、髪の成長が阻害される。
  • 毛母細胞の機能が低下し、一本一本の髪が細く脆くなる。

日焼けした頭皮で起こる微小な炎症と抜け毛の関係

頭皮の日焼けによる赤みは組織がダメージを受けている証拠であり、これが長期化するとヘアサイクルを狂わせ、抜け毛を誘発します。

日焼けを「ただの肌の変色」と考えてはいけません。医学的には軽度の火傷と同じ状態であり、頭皮の深部では免疫システムがパニックを起こしています。

この混乱の中で放出される物質が、髪を育てるプロセスを妨害し、本来抜けるべきでない健康な髪まで巻き込んで脱毛を加速させてしまうのです。

炎症細胞の活性化と育毛信号の阻害

ダメージを受けた部位を修復しようと免疫細胞が活発になりますが、その副作用として育毛に必要な化学信号をかき消してしまいます。髪の成長は一時停止します。

炎症が起きている間は、体は育毛よりも組織の修復を優先します。この優先順位の変更が長く続くと、新しい髪が生えてこない「空白の期間」が生まれます。

頭皮がヒリヒリする場合や、常に赤みを帯びている場合は、髪の成長がストップしている可能性が高いです。早急に炎症を鎮め、育毛環境を正常に戻さねばなりません。

目に見えない微細な炎症こそが、現代人の薄毛を進行させている隠れた要因です。頭皮の「静かな悲鳴」に耳を傾けることが、抜け毛対策の基本となります。

頭皮のバリア機能の低下と乾燥のスパイラル

日焼けは頭皮を保護するバリア機能を破壊します。水分が急激に蒸発すると砂漠のような乾燥状態に陥り、外部からのわずかな刺激にも敏感になります。

乾燥した頭皮は、潤いを補おうとして過剰な皮脂を分泌するときがあります。これが再び酸化し、さらなる炎症を招くという負のスパイラルが形成されます。

バリア機能が失われると、普段使っているシャンプーや整髪料さえも頭皮を傷つける刃に変わります。保湿を徹底し、肌の防御力を回復させることが不可欠です。

潤いを保てる柔軟な頭皮こそが、力強い髪を育むための最低条件です。日差しによる脱水症状を防ぐことは、髪の寿命を延ばすことと直結しています。

毛周期の乱れと早期の脱毛

慢性的な炎症は、髪の寿命であるヘアサイクルを短縮させます。数年続くはずの成長期が、わずか数ヶ月で終わってしまうという恐ろしい現象を引き起こします。

未熟なまま抜け落ちる髪が増えると、頭皮の透け感が目立つようになります。こうした抜け毛は毛先が細く尖っており、寿命を全うしていないのが特徴です。

短縮されたサイクルを元に戻すには、頭皮環境の劇的な改善が求められます。炎症を未然に防ぎ、髪が安心して育てる時間を確保してあげましょう。

一回の強烈な日焼けが、その後数ヶ月にわたる抜け毛のピークを招くケースも珍しくありません。一瞬の油断が、髪の長期的な減少へと繋がってしまうのです。

炎症を放置した場合の頭皮状態の変化

段階頭皮の見た目育毛への悪影響
初期わずかな赤み・熱感一時的な成長停止
中期乾燥・パラパラしたフケヘアサイクルの短縮
末期硬化・茶褐色に変色毛包のミニチュア化

頭皮の日焼けを防ぐための具体的な対策手法

薄毛リスクを抑えるには、物理的な遮断と専用アイテムによる保護を組み合わせ、頭皮へ届く光線量を極限まで減らす努力が必要です。

私たちの頭頂部は、顔の他の部位に比べて垂直に日差しを受けやすいため、同じ時間外出していてもダメージは数倍に跳ね上がります。無防備でいるのは危険です。

今日から始められる簡単な工夫を積み重ねると、頭皮の「貯金ダメージ」を大幅に減らせます。

帽子や日傘による物理的カットの効果

最も確実で強力な対策は、物理的に影を作ることです。帽子を被るだけで、頭皮に到達する紫外線のほとんどをカットでき、直接的な熱による炎症も防げます。

選ぶ際は、UVカット加工が施されたものや、空気の通り道があるメッシュ素材が重宝します。蒸れによる雑菌の繁殖を防ぐため、こまめな着脱を心がけましょう。

また、最近では日傘を愛用する男性も増えています。帽子のように髪型を崩す心配がなく、頭部の温度上昇も劇的に抑えてくれるため、育毛にとって非常に有益です。

日傘が生み出す木陰のような涼しさは、頭皮の血行を正常に保つ助けにもなります。周囲の目を気にせず、実利を取る勇気が髪の未来を左右すると言えます。

頭皮専用の日焼け止めスプレーの活用

髪の毛があるためクリームが塗りにくい部位には、ミストやスプレータイプの日焼け止めが活躍します。外出前の数秒で、頭皮をコーティングできるのが利点です。

髪にツヤを与える成分や、育毛をサポートする成分が含まれた製品も多く市販されています。ベタつきが少ないサラサラしたものを選べば、不快感もありません。

一度塗れば終わりではなく、汗で流れるのを考慮して数時間おきに付け直すのが理想です。特に髪の薄い部分には重点的に吹きかけるよう意識してください。

こうした細かいケアの継続が、数年後の「額の広さ」や「つむじの密度」に明確な差を生みます。バッグに一本忍ばせておく習慣が、最強の防衛策となります。

分け目を変える習慣によるダメージ分散

毎日同じ分け目を作っていると、その部分の皮膚だけが過剰に焼けてしまい、周辺の毛根が集中攻撃を受けます。これを避けるため、定期的に分け目を変えましょう。

分け目を左右に入れ替えたり、少しだけ位置をずらしたりするだけで、ダメージを一箇所に集中させずに済ます。これだけで抜け毛を減らす効果があります。

鏡を見て自分の頭皮を確認した際、分け目だけが他の部分より白くなかったり、赤みを帯びていたりする場合は注意が必要です。そこは既に老化が始まっています。

ヘアスタイルのバリエーションを楽しみながら、頭皮を休ませてあげる時間を作ってください。分散はリスク回避の基本であり、育毛における重要な戦術です。

おすすめの対策アイテム一覧

  • UVカット機能付きのハット(麦わら帽子など通気性の良いもの)
  • 頭皮・頭髪兼用のノンシリコン日焼け止めスプレー
  • UVカット率99%以上の男性用日傘(折りたたみ式が便利)

日焼けしてしまった後のアフターケアと頭皮修復

万が一、頭皮を焼いてしまった場合は、早期の冷却と徹底した保湿ケアを行うと、抜け毛の連鎖を最小限に食い止められます。

日焼け後の72時間は「修復のゴールデンタイム」と呼ばれます。この期間の対応がずさんだと、数週間後にごっそりと髪が抜ける原因になりかねません。

火傷の処置と同じ優先順位で、頭皮を労わる必要があります。決して放置せず、適切なアフターケアを施して細胞の死滅を防ぎ、再生を促しましょう。

冷水や冷たいタオルによる徹底した冷却

まずは頭皮の温度を下げることから始めてください。冷水で濡らしたタオルや、保冷剤を薄い布で包んだものを優しく当てて、内部の熱を取り除きます。

直接氷を当てたり、長時間冷やし続けたりするのは逆効果になるため注意してください。血行が止まらない程度の温度で、心地よいと感じるケアがベストです。

熱を奪うと、炎症を広げる原因物質の放出を抑えられます。この初期消火がスムーズにいくほど、毛根へのダメージは軽微なもので済みます。

頭皮がヒリヒリしている間は、絶対にマッサージなどをしてはいけません。静かに冷やし、炎症が鎮まるのを待つ忍耐強さが、その後の育毛に大きく貢献します。

低刺激なシャンプーと保湿ローションでの保護

日焼け直後の頭皮は極限まで薄くなっており、非常にデリケートです。洗浄力の強いアルカリ性シャンプーは避け、肌に優しい弱酸性のものを選びましょう。

指の腹を使って、泡だけで洗うようなイメージで優しく汚れを落とします。お湯の温度もぬるめに設定し、頭皮を刺激しないよう細心の注意を払ってください。

洗髪後は、頭皮専用の保湿ローションをたっぷりと馴染ませます。アルコール無添加で、ヒアルロン酸などの保湿成分が豊富な製品が再生を力強く助けてくれます。

砂漠のような頭皮に潤いを与えれば、壊れたバリア機能を補強できます。これを数日間続けるだけでも、フケやかゆみを劇的に軽減可能です。

十分な睡眠と抗酸化物質を含む食事

外からのケアだけでなく、内側からのリカバリーも並行して進めるべきです。細胞の修復が最も活発に行われる睡眠時間を、いつもより長く確保してください。

食事では、日焼けによって発生した活性酸素を除去してくれる抗酸化成分を意識して摂りましょう。具体的にはビタミンCを多く含む果物や野菜がおすすめです。

体内の抗酸化レベルが上がれば、頭皮の毛根細胞が受ける攻撃も和らぎます。トマトのリコピンや緑茶のカテキンなども、優れた修復サポート役として働きます。

十分な水分補給も忘れずに行ってください。体全体の水分量が足りなければ、末端である頭皮の潤いはいつまで経っても回復しません。内側から潤しましょう。

日焼け後のケアステップ

タイミング最優先事項意識すべきポイント
当日中アイシング熱を取り除き、炎症を広げない
翌日〜3日目高保湿ケア低刺激なローションでバリア補強
1週間後栄養補給ビタミン摂取と十分な睡眠で再生

正しい日光浴のやり方と健康的な育毛環境の維持

太陽光とは正しく向き合うと、ビタミンDを生成しつつ、頭皮のダメージを回避するという「良いとこ取り」の育毛習慣を確立できます。

日光は決して敵ではありません。骨や筋肉を強くし、髪の健康を支えるために必要なエネルギー源でもあります。大切なのは「どこに」「どれだけ」当てるかです。

頭皮を鉄壁の防御で守りつつ、体の他の部位を使って太陽の恩恵を受けるという賢いテクニックを身につけましょう。これが生涯フサフサな髪を保つ秘訣です。

時間帯と露出時間のコントロール

紫外線の強さは時間帯によって大きく変動します。最も凶暴になる午前10時から午後2時の外出は避け、涼しい時間帯に日光を浴びるのが賢い選択です。

必要なビタミンDを得るには、夏季であれば木陰で15分ほど過ごすだけで十分です。わざわざ直射日光の下で頭をさらす必要はどこにもありません。

「今日は日光が足りないな」と感じたら、手のひらを太陽に向けるだけで十分な効果が得られます。手のひらはメラニンが少なく、効率的に光を吸収してくれます。

頭は帽子で完璧に守り、腕や足の皮膚で日光を受けるという分業体制を整えてください。このバランス感覚が、頭皮の光老化を確実に防ぐことに繋がります。

反射光による「照り返し」への警戒

紫外線は空から直接降ってくるものだけではありません。アスファルトの照り返しや、建物の壁による反射は、私たちの顎の下や顔の側面を絶えず狙っています。

特に水辺や砂浜では反射率が極めて高く、帽子を被っているだけでは不十分な場合があります。下からの光によるダメージも無視できない蓄積となります。

こうした環境では、日焼け止めスプレーを顔の下部や耳の後ろ、そして頭頂部の薄い部分まで入念に吹きかけておくことが、予想外のダメージを防ぐ手立てとなります。

周囲が明るい場所は、それだけ「全方位からの攻撃」があると考えましょう。隙のない防御こそが、過酷な環境下でも髪を守り抜くための唯一の方法です。

季節ごとの紫外線量の変化に合わせた対策

夏が終わったからといって日焼け対策をやめてしまうのは危険です。肌の奥深くまで入り込むA波は、冬場でもピーク時の半分以上の量が降り注いでいます。

特に春先は要注意です。肌や頭皮が紫外線に慣れていない時期に急激に光線量が増えるため、一年の中で最も大きなダメージを受けやすいと言われています。

「まだ涼しいから大丈夫」という油断が、秋口の大量の抜け毛を招くきっかけとなるのです。四季を問わず、外出時には薄くても良いので保護膜を作ってください。

一年中安定したケアを行うと、頭皮のコンディションも一定に保たれます。季節の変動に左右されない強い頭皮が、生涯続く豊かな毛髪を支える土台となります。

理想的な日光浴の条件

  • 時間:早朝または午後4時以降の穏やかな日差し。
  • 部位:頭頂部は隠し、手のひらやふくらはぎで光を受ける。
  • 頻度:毎日短時間、無理のない範囲で継続する。

よくある質問

日陰にいても日焼け対策は必要ですか?

日陰にいても紫外線対策は重要です。紫外線は空気中の微粒子に反射して四方八方に散らばる「散乱光」という性質を持っているからです。

直射日光が当たらない場所でも、晴天時の約半分の紫外線が届いています。建物の陰にいるからといって安心せず、帽子やUVケア用品の使用が大切です。

特にアスファルトやビルの窓からの照り返しが強い都会では、日陰でも頭皮がじわじわとダメージを受けています。油断は禁物だと考えておきましょう。

髪の毛が濃い人は日焼け対策をしなくても大丈夫ですか?

毛量が多い方は、確かに地肌への直撃はある程度避けられます。しかし、髪の毛自体が紫外線を吸収するとタンパク質が破壊され、パサつきや断毛の原因になります。

また、髪の毛の隙間を縫って届く紫外線もゼロではありません。将来の毛質低下を防ぐためにも、毛量にかかわらず表面のケアは行うべきです。

髪が長い、または多い場合でも、髪専用のUVカットスプレーなどを使うと、髪全体の艶を維持しつつ頭皮を間接的に守ることが可能になります。

雨の日や曇りの日でも日焼け止めは塗るべきですか?

曇りの日でも、快晴時の6割から9割ほどの紫外線が降り注いでいます。特に光老化の原因となるA波は雲を通り抜けやすいため、油断はできません。

雨の日でも3割程度の紫外線は届いています。一日の大半を屋外で過ごす予定があるならば、天候にかかわらず軽い対策をしておくのが育毛における鉄則です。

「今日は太陽が出ていないから」と対策を怠った日のダメージが、数年後の頭皮の硬化を招きます。毎日の歯磨きのように習慣化してしまうのが理想的です。

育毛剤を使用している場合、日焼け止めを塗る順番はどうすればいいですか?

まず育毛剤を清潔な頭皮に直接塗布し、指の腹で馴染ませます。成分がしっかりと浸透して頭皮が乾いたのを確認してから、日焼け止めスプレーを使用してください。

この順番を守ると、育毛剤の浸透を妨げずに、表面を紫外線から保護するバリアを張れます。製品同士が混ざらないよう注意が必要です。

もし頭皮が日焼けして赤くなっている場合は、刺激を避けるため育毛剤の使用を数日間中止してください。まずは炎症を鎮めることが育毛への最短ルートです。

海やプールでの日焼け対策で気をつけることはありますか?

水辺では水面からの反射が加わるため、通常よりも格段に紫外線量が増えます。また、濡れた髪は通常時よりもダメージを受けやすい状態にあります。

耐水性の高いウォータープルーフタイプの日焼け止めスプレーを、髪と頭皮の両方にたっぷりと使用し、こまめに塗り直すことが毛根を守ることに繋がります。

海から上がった後は、塩分や塩素を早めに洗い流し、冷水で頭皮をクールダウンさせてから保湿することを忘れないでください。この手間の差が髪を残します。

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参考文献

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