最近、抜け毛が増えたと感じていませんか。その原因は、もしかしたら日々のストレスにあるかもしれません。
ストレスと薄毛の関連性は多くの人が感じていますが、具体的に体内で何が起きているのかを正確に知ることは困難です。
この記事では、ストレス性脱毛の評価を行う上で重要な指標となる「コルチゾール」というストレスホルモンに焦点を当てます。
コルチゾール検査を通じて、ご自身のストレスレベルを客観的に把握し、薄毛の根本原因を探るための情報を提供します。
検査の種類や結果の解釈、そして具体的な対策まで、専門的な内容を分かりやすく解説し、あなたの髪の悩みに寄り添います。
ストレス性脱毛の評価におけるコルチゾールの重要性
抜け毛や薄毛の原因は多岐にわたりますが、現代社会において見過ごせないのが「ストレス」です。
ストレスが体に与える影響は精神的なものだけでなく、ホルモンバランスの乱れを通じて身体的な症状として現れることがあります。
特に、ストレス性脱毛の評価を行う上で、ストレスホルモンであるコルチゾールの値を測定することは、非常に重要な手がかりとなります。
ストレスが毛髪に与える影響

人が強いストレスを感じると、体は防御反応としてコルチゾールを分泌します。一時的なコルチゾールの増加は、体を危険から守るために必要な反応です。
しかし、慢性的なストレスによってコルチゾールが高い状態が続くと、体のさまざまな機能に悪影響を及ぼします。毛髪も例外ではありません。
コルチゾールは毛母細胞の働きを抑制し、髪の成長期を短縮させ、休止期へと移行させやすくします。これにより、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまい、結果として薄毛が進行するのです。
この状態を正しく評価することが、ストレス性脱毛への対策の第一歩です。
ストレス性脱毛の評価基準

ストレス性脱毛を評価するには、まず他の脱毛症との鑑別が必要です。例えば、男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症など、原因が異なる脱毛症も存在します。
ストレス性脱毛の評価では、明確な原因が見当たらないにもかかわらず薄毛が進行している場合や、大きなライフイベントや環境の変化といったストレス要因と脱毛の時期が一致する場合に、その可能性を考えます。
しかし、本人の自覚症状だけでは客観的な評価が難しいため、コルチゾール検査のような科学的根拠に基づいた評価方法が求められます。
なぜコルチゾールでストレスを評価するのか
コルチゾールは「ストレスホルモン」の代表格であり、その血中濃度は身体が受けているストレスの度合いを客観的に示す指標となります。
問診やカウンセリングで心理的なストレス状況を把握することも大切ですが、コルチゾールの値を測定することで、自覚していないストレスや、体が感じている生理的なストレスレベルを数値で評価できます。
この客観的なデータは、ストレス性脱毛の評価の確度を高め、治療方針を決定する上で非常に有益な情報となるのです。
コルチゾールとは?ストレスホルモンの基本を理解する
コルチゾールという名前を聞いたことはあっても、具体的にどのような働きを持つホルモンなのか、詳しく知る人は少ないかもしれません。
ストレス性脱毛の評価を正しく行うためには、まずコルチゾールの基本的な役割を理解することが重要です。ここでは、コルチゾールの働きや特徴について解説します。
コルチゾールの主な働き
コルチゾールは、腎臓の上にある副腎という小さな臓器の皮質から分泌されるホルモンです。生命維持に欠かせないさまざまな役割を担っています。
主な働きは、ストレスへの対抗、血糖値の調整、炎症の抑制、免疫機能の調整などです。
体がストレスを感じると、脳からの指令でコルチゾールの分泌が促され、心拍数や血圧を上昇させて、体が緊急事態に対応できるようにします。
コルチゾールの機能概要
主な働き | 作用する主な器官・組織 | 体への影響 |
---|---|---|
抗ストレス作用 | 脳、心臓、血管など | 心拍数や血圧を上昇させ、体を活動的にする |
血糖値の上昇 | 肝臓、筋肉 | エネルギー源であるブドウ糖の供給を増やす |
抗炎症・免疫抑制 | 全身の細胞 | 過剰な炎症やアレルギー反応を抑える |
コルチゾールの日内変動

コルチゾールの分泌量は一日の中で一定ではなく、特有のリズムを持っています。これを「日内変動」と呼びます。
一般的に、コルチゾール値は早朝(午前6時〜8時頃)に最も高くなり、体を覚醒させ、日中の活動に備えます。その後、日中にかけて徐々に減少し、夜間には最も低いレベルになります。
このリズムが乱れること自体が、体がストレスにうまく対応できていないサインであり、ストレス性脱毛の評価においても重要な観察点です。
コルチゾール日内変動の一般的なパターン
時間帯 | コルチゾールレベル | 体の状態 |
---|---|---|
早朝(起床時) | ピーク | 覚醒、活動準備 |
午前〜午後 | 徐々に低下 | 日中の活動 |
夜間(就寝時) | 最低レベル | リラックス、休息 |
過剰なコルチゾールがもたらす問題
慢性的なストレスによりコルチゾールが過剰に分泌され続けると、体は常に緊張状態に置かれます。
これにより、高血圧、糖尿病、免疫力の低下、うつ症状、不眠など、さまざまな心身の不調を引き起こす可能性があります。そして、髪に対しても、成長を妨げ、脱毛を促進する要因となります。
これらの症状は、ストレス性脱毛の評価を行う際の重要な参考情報にもなります。
- 不眠や睡眠の質の低下
- 免疫機能の低下による感染症リスクの増加
- 消化器系の不調(胃痛、便秘、下痢)
ストレスホルモン検査(コルチゾール)の種類と特徴
コルチゾール値を測定する検査には、いくつかの種類があります。それぞれ採取する検体や測定できる内容に特徴があり、目的や体の状態に応じて適切な方法を選択することが大切です。
ここでは、代表的なコルチゾール検査の種類と、それぞれのメリット・デメリットを解説し、ストレス性脱毛の評価にどう活用できるのかを説明します。

唾液検査による評価
唾液中に含まれるコルチゾールを測定する方法です。最大の利点は、自宅で簡単に、痛みなく検体を採取できることです。特に、コルチゾールの日内変動を詳しく調べる際に有効です。
1日に4回(起床時、午前、午後、就寝前など)唾液を採取することで、1日のコルチゾール分泌のリズムが正常かどうかを評価できます。

ストレス性脱毛の評価では、このリズムの乱れが慢性的なストレスの証拠となるため、非常に有用な検査です。
血液検査による評価
医療機関で採血を行い、血中のコルチゾール濃度を測定する方法です。
特定の時点でのコルチゾール値を正確に測定できるため、特に早朝の値を調べることで、副腎の機能が正常に働いているかを評価するのに適しています。
ただし、採血時の緊張やストレスで一時的に値が上昇する可能性がある点や、日内変動を調べるためには複数回の採血が必要になる点を考慮する必要があります。

尿検査による評価
24時間分の尿を溜めて、その中に排泄されたコルチゾールの総量を測定する方法です。蓄尿検査とも呼ばれます。この検査では、1日を通して分泌されたコルチゾールの全体量を評価できます。
特定の時点での変動に左右されず、1日の平均的なストレスレベルを把握するのに役立ちます。ストレス性脱毛の評価において、持続的なストレス負荷の大きさを知るための指標となります。

各検査方法の比較と選び方
検査方法 | 主な特徴 | ストレス性脱毛評価での活用 |
---|---|---|
唾液検査 | 自宅で採取可能。日内変動の評価に適している。 | 慢性ストレスによる分泌リズムの乱れを評価する。 |
血液検査 | 特定の時点の値を正確に測定。副腎機能の評価。 | 朝の値で、基本的なストレス対応能力を評価する。 |
尿検査 | 1日の総分泌量を測定。平均的なストレス負荷を評価。 | 持続的なストレスの大きさを総合的に評価する。 |
どの検査が最適かは、個人の状況や知りたい情報によって異なります。専門医と相談し、自身のストレス性脱毛の評価に最も適した検査方法を選択することが重要です。
検査の準備と当日の流れ
コルチゾール検査を正確に行うためには、事前の準備と当日の正しい手順が重要です。特にコルチゾール値は、食事や運動、精神状態など、ささいなことでも変動しやすい性質を持っています。
ここでは、検査を受ける前に知っておくべき注意点や、当日の流れについて具体的に解説します。
検査前に注意すべきこと

正確な検査結果を得るために、検査の数日前から生活習慣に注意を払う必要があります。特に、普段と大きく異なる行動は避けるべきです。
例えば、激しい運動や過度の飲酒、睡眠不足はコルチゾール値に影響を与える可能性があります。また、服用している薬がある場合は、事前に医師に伝え、指示を仰ぐことが大切です。
ステロイド系の薬剤などは検査値に直接影響することがあります。
検査値に影響を与える可能性のある要因
項目 | 理由 | 具体的な対策 |
---|---|---|
激しい運動 | 身体的なストレスとなり、一時的に値を上昇させる。 | 検査前日は軽いストレッチ程度に留める。 |
特定の薬剤 | ステロイド薬などがコルチゾール値に影響する。 | 事前に医師や検査機関に相談する。 |
睡眠不足・ストレス | ホルモンバランスを乱し、正確な値を測定できない。 | 検査前夜はリラックスして十分な睡眠をとる。 |
検査当日の具体的な手順
検査当日は、検査機関の指示に従って行動します。血液検査の場合は、指定された時間に医療機関を訪れ、採血を行います。早朝の値を測定することが多いため、朝食を摂る前に採血することが一般的です。
唾液検査の場合は、自宅で指定された時間に唾液を専用の容器に採取します。採取前30分程度は飲食や歯磨きを避けるよう指示されることが多いです。
尿検査(蓄尿)の場合は、開始時間を記録し、そこから24時間分の尿をすべて専用の容器に溜めます。
検査結果が出るまでの期間
採取した検体は専門の分析機関で分析されます。結果が出るまでの期間は、検査の種類や医療機関によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度が目安です。
結果は、検査を受けた医療機関で医師から説明を受けるか、郵送で送られてきます。この結果をもとに、ストレス性脱毛の具体的な評価と今後の対策を検討していくことになります。
コルチゾール検査結果の解釈とストレス性脱毛の評価
検査結果の通知を受けても、そこに並んだ数値の意味を正しく理解するのは難しいものです。
ここでは、コルチゾール検査の結果をどのように解釈し、それがストレス性脱毛の評価にどう結びつくのかを解説します。ただし、最終的な診断は必ず専門医の判断を仰いでください。
基準値と自分の結果の見方

コルチゾールの値には、健康な人の数値を基にした「基準値」が存在します。この基準値は、検査方法や検査機関、測定する時間帯によって異なります。
検査結果の報告書には、通常、測定された自分の値と基準値の範囲が併記されています。自分の値がこの基準値の範囲内にあるか、それとも高いのか低いのかを確認することが、結果解釈の第一歩です。
コルチゾール基準値の一般的な目安
検査方法 | 時間帯 | 基準値の目安 |
---|---|---|
血液検査 | 早朝(午前8-9時) | 4.5~21.1 μg/dL |
唾液検査 | 就寝前 | 0.1 μg/dL 未満 |
24時間蓄尿検査 | – | 8.6~73.9 μg/day |
高値が示すストレス状態と脱毛リスクの評価
コルチゾール値が基準値よりも高い場合、体が慢性的なストレスにさらされている可能性を示唆します。
これは、仕事や人間関係などの精神的ストレス、あるいは過労や睡眠不足といった身体的ストレスが原因であると考えられます。
この状態が続くと、前述の通り、毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増加しやすくなります。したがって、コルチゾール高値は、ストレス性脱毛のリスクが高い状態であると評価できます。
低値が示す副腎疲労と脱毛リスクの評価
意外に思われるかもしれませんが、コルチゾール値が基準値よりも低い場合も注意が必要です。
これは、長期間にわたる過度なストレスによって、コルチゾールを分泌する副腎が疲弊してしまっている状態(一般に「副腎疲労」と呼ばれる)を示している可能性があります。
副腎が十分にホルモンを分泌できなくなると、体はストレスに適切に対応できなくなり、強い倦怠感や無気力感、そして脱毛といった症状が現れることがあります。
この場合も、ストレスが根本的な原因であり、脱毛のリスクがあると評価します。
検査結果を踏まえた専門家への相談
検査結果は、あくまで現時点での体の状態を示す一つの指標です。コルチゾール値の異常が、即座に特定の病気を示すわけではありません。
しかし、その結果はあなたの体が発している重要なサインです。基準値を外れていた場合は、自己判断で不安を募らせるのではなく、薄毛治療の専門医や内分泌系の専門医に相談することが重要です。
医師は、検査結果と問診、視診などを総合的に判断し、あなたのストレス性脱毛を評価し、適切なアドバイスや治療法を提案します。
コルチゾール値を安定させるための生活習慣

コルチゾール検査によって自身のストレス状態を客観的に把握したら、次に行うべきは具体的な対策です。
コルチゾール値を正常な範囲に安定させることは、ストレス性脱毛の改善だけでなく、心身全体の健康を維持するためにも重要です。ここでは、日常生活の中で実践できるセルフケアの方法を紹介します。
食生活の見直しによる評価改善
食生活はホルモンバランスに直接的な影響を与えます。
特に、血糖値の急激な変動はコルチゾールの分泌を乱す原因となるため、精製された炭水化物(白米、白いパン、お菓子など)や糖分の多い飲み物の摂取は控えめにすることが賢明です。
一方で、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することは、副腎の機能をサポートし、ストレスへの抵抗力を高めます。
コルチゾール値の安定に役立つ栄養素
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食材 |
---|---|---|
ビタミンC | 副腎でのホルモン合成を助ける。 | パプリカ、ブロッコリー、キウイ |
マグネシウム | 神経の興奮を抑え、リラックス効果を高める。 | ナッツ類、海藻、ほうれん草 |
トリプトファン | 精神を安定させるセロトニンの材料となる。 | 大豆製品、乳製品、バナナ |
質の高い睡眠をとるための工夫
睡眠不足は、コルチゾールの日内変動リズムを乱す最大の要因の一つです。質の高い睡眠を確保することは、副腎を休ませ、ホルモンバランスを整える上で非常に大切です。
毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、体内時計を整えましょう。
- 就寝前のスマートフォンやPCの使用を控える
- 寝室を暗く、静かで快適な温度に保つ
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする
適度な運動の重要性
ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなどの有酸素運動は、ストレス解消に効果的であり、コルチゾール値を正常化する助けとなります。運動によって心身がリフレッシュされ、夜の寝つきも良くなります。
ただし、過度に激しい運動はかえって体にストレスを与える可能性があるため、「心地よい」と感じる程度の強度を継続することがポイントです。
ストレスとの上手な付き合い方
現代社会でストレスを完全になくすことは不可能です。大切なのは、ストレスを溜め込まず、上手に発散する方法を見つけることです。
趣味に没頭する時間を作ったり、自然の中で過ごしたり、信頼できる友人と話したりするなど、自分なりのリラックス方法をいくつか持っておくと良いでしょう。
瞑想や深呼吸も、手軽にできて効果の高いストレス管理法です。
ストレスホルモン検査に関するよくある質問
- コルチゾール検査はどこで受けられますか?
-
薄毛治療を専門とするクリニックや、内科、内分泌内科、心療内科などで受けることができます。
また、最近では人間ドックのオプション検査や、自宅で唾液を採取して郵送する形式の検査キットを提供している民間企業もあります。
まずはかかりつけ医や専門クリニックに相談してみることをお勧めします。
- 検査に痛みはありますか?
-
検査の種類によります。唾液検査や尿検査には全く痛みを伴いません。血液検査の場合は、採血の際に注射針を刺す一般的な痛みが伴います。
痛みに不安がある方は、唾液検査を選択すると良いでしょう。
- 検査費用はどのくらいかかりますか?
-
費用は、検査の種類や医療機関によって大きく異なります。
保険適用の有無によっても変わってきます。一般的に、病気の診断目的で行う場合は保険が適用されることがありますが、健康診断やセルフチェック目的の場合は自費診療となります。
自費の場合、数千円から数万円程度が目安です。事前に検査を受ける機関に確認してください。
- コルチゾール値が正常なら、ストレス性脱毛の可能性は低いですか?
-
必ずしもそうとは言い切れません。コルチゾール値はストレス評価の重要な指標ですが、それが全てではありません。
ストレスの感じ方には個人差があり、コルチゾール値に現れにくいタイプのストレスも存在します。また、検査した特定の日の値がたまたま正常範囲内だったという可能性もあります。
検査結果はあくまで参考情報の一つとし、他の所見と合わせて総合的に評価することが大切です。
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