最近、抜け毛が増えた、髪のボリュームが減ってきたと感じていませんか。その原因は、目に見えない毛根の状態にあるかもしれません。
トリコグラムは、実際に毛髪を数本抜いて顕微鏡で毛根を詳しく調べる検査法です。
この検査により、髪の成長サイクルが正常に機能しているか、成長期と休止期の毛髪の割合はどのくらいか、といった情報を客観的なデータとして把握できます。
この記事では、トリコグラムで何がわかるのか、どのような流れで検査を行うのか、そして検査結果をどう薄毛対策に活かすのかを、専門的な視点から詳しく解説します。
トリコグラム検査の基本知識

トリコグラムとは何か?
トリコグラムは、脱毛症の診断に用いる伝統的かつ重要な検査の一つです。
具体的には、頭皮の特定部位から鉗子(かんし)などを使って約50〜100本の毛髪を意図的に引き抜き、その毛根の状態を顕微鏡で詳細に観察します。
この手法によって、毛髪一本一本が毛髪サイクルのどの段階(成長期、休止期)にあるのかを判断し、その割合を算出します。
毛根の形状や色素沈着の有無なども同時に評価することで、脱毛の原因を推定する手がかりを得ます。体に大きな負担をかけることなく、毛髪の健康状態を客観的に評価できる点がこの検査の大きな特徴です。
なぜ毛髪の状態を知ることが重要なのか
薄毛や抜け毛の悩みは、単に髪の毛が抜けるという現象だけでなく、その背景にある毛髪サイクルの乱れが本質的な問題です。健康な髪は、成長期、退行期、休止期という一連のサイクルを繰り返しています。
しかし、何らかの原因でこのサイクルが乱れると、成長期が短くなったり、休止期に移行する毛髪が増えたりして、結果的に薄毛が進行します。
トリコグラムを通じて毛根の状態を直接見ることで、このサイクルのどこに問題が生じているのかを具体的に把握できます。
正確な状態を知ることは、効果的な治療方針を立てるための第一歩であり、対策の方向性を決定づける重要な情報源となります。
毛髪サイクル各段階の概要

段階 | 期間の目安 | 特徴 |
---|---|---|
成長期 | 2年~6年 | 毛母細胞が活発に分裂し、毛髪が伸び続ける期間。 |
退行期 | 約2週間 | 毛母細胞の分裂が停止し、毛根が萎縮する期間。 |
休止期 | 3ヶ月~4ヶ月 | 毛髪の成長が完全に止まり、自然に脱毛するのを待つ期間。 |
他の薄毛検査との違い
薄毛の原因を探る検査には、トリコグラム以外にもいくつかの方法が存在します。
例えば、ダーモスコピー(頭皮マイクロスコープ)は、頭皮を拡大して毛穴の状態や炎症の有無、毛髪の密度などを観察する方法ですが、毛根の状態までは直接見ることができません。
また、血液検査はホルモンバランスや栄養状態など、体内の要因を調べるのに役立ちますが、それが直接毛髪サイクルにどう影響しているかを判断するのは難しい場合があります。
トリコグラムは、これらの検査では得られない「毛根の質」や「毛周期の割合」という直接的な情報を得られる点で、独自の位置を占めています。
原因を多角的に探るために、これらの検査を組み合わせて行うことも少なくありません。
トリコグラムで明らかになる毛髪サイクルの実態
正常な毛髪サイクルとは
私たちの頭髪は、常にすべての毛が伸び続けているわけではありません。
一本一本が独立した毛髪サイクルを持っており、全体の約85%〜90%が成長期にあり、残りの約10%〜15%が休止期にある状態が正常とされています。
成長期の毛髪は毛根がしっかりとしており、簡単には抜けません。一方、休止期の毛髪は毛根の活動が停止しており、軽い力で自然に抜け落ち、その後ろから新しい成長期の毛髪が生えてきます。
この絶え間ない入れ替わりによって、頭髪全体のボリュームが維持されています。トリコグラムでは、この成長期と休止期の毛髪の比率を調べることで、髪の健康状態のバロメーターとします。
成長期毛と休止期毛の割合

トリコグラムの最も重要な評価項目が、採取した毛髪の中に占める成長期毛と休止期毛の割合です。顕微鏡で観察すると、成長期の毛根は黒く大きく、鞘(さや)に包まれているのが特徴です。
一方、休止期の毛根は棍棒(こんぼう)のような形状をしており、小さく白いのが一般的です。
健康な状態では休止期毛の割合は10%程度ですが、この割合が20%以上に増加している場合、何らかの異常が起きている可能性が高いと判断します。
この比率の変化は、脱毛症の進行度を客観的に示す重要な指標となります。
成長期毛と休止期毛の割合比較
状態 | 成長期毛の割合 | 休止期毛の割合 |
---|---|---|
正常 | 85%~90% | 10%~15% |
異常(脱毛症の疑い) | 80%未満 | 20%以上 |
毛髪サイクルの乱れが示すこと
休止期毛の割合が増加しているという検査結果は、毛髪サイクルの乱れを直接的に示しています。
これは、本来であれば長く続くはずの成長期が短縮され、通常よりも早く休止期に移行してしまう毛髪が増えている状態を意味します。
この状態が続くと、髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、全体として細く短い毛が増え、地肌が透けて見えるようになります。
男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症、円形脱毛症など、多くの脱毛症でこの現象が見られます。トリコグラムは、こうしたサイクルの乱れを数値で可視化し、薄毛の根本原因に迫るための情報を提供します。
トリコグラム検査の具体的な流れ

事前カウンセリングの重要性
トリコグラム検査を実施する前には、専門医による詳細なカウンセリングが重要です。カウンセリングでは、患者の生活習慣、食生活、ストレスの状況、既往歴、家族歴などを詳しくヒアリングします。
これらの情報は、検査結果を解釈する上で非常に重要な背景情報となります。
例えば、最近大きなストレスを感じる出来事があったか、服用している薬があるか、といった情報は、休止期脱毛症などを判断する際の手がかりになります。
また、検査の目的や手順、痛みなどについて事前に十分な説明を行い、患者の不安を解消することもカウンセリングの大切な役割です。
毛髪の採取方法と部位

カウンセリング後、実際の検査に移ります。毛髪の採取は、脱毛が気になる部位と、比較対象として正常と考えられる部位(通常は後頭部)の2か所から行うのが一般的です。
専用の鉗子を用いて、毛の流れに沿って一定の面積から約50本ずつの毛髪を素早く引き抜きます。この際、チクッとした軽い痛みを伴うことがありますが、通常は麻酔を必要としない程度のものです。
正確な診断のためには、できるだけ毛根を傷つけずに採取する技術が求められます。採取した毛髪は、スライドガラスに並べて顕微鏡での観察に備えます。
検査前の主な注意点

- 検査数日前からの洗髪を控える(医師の指示に従う)
- 整髪料(ワックス、スプレーなど)の使用を避ける
- ヘアカラーやパーマは検査の2週間前までに済ませる
顕微鏡での詳細な分析
採取した毛髪は、顕微鏡を用いて詳細に分析します。まず、成長期毛と休止期毛を形状の違いから分類し、それぞれの本数を数えて割合を算出します。
さらに、毛根だけでなく毛幹(毛の本体部分)の状態も観察します。毛幹の太さが均一か、途中で細くなっている部分(毛髪痕)がないか、断裂や変形がないかなどをチェックします。
特に、円形脱毛症では、感嘆符(!)のような形をした特有の毛髪が見られることがあり、診断の有力な根拠となります。これらの所見を総合的に評価し、脱毛の原因を推定していきます。
顕微鏡で観察する主なポイント
観察対象 | 正常な状態 | 異常な状態の例 |
---|---|---|
毛根の形状 | 成長期毛は鞘に包まれ大きい | 萎縮、変形、棍棒状の毛根 |
毛幹の太さ | 根元から毛先までほぼ均一 | 途中で細くなっている、くびれがある |
毛の色素 | 毛球部に色素が豊富 | 色素が薄い、または欠如している |
検査結果の評価
顕微鏡での分析が終わると、得られたデータを基に総合的な評価を行います。
休止期毛の割合が基準値を超えていないか、異常な形状の毛髪がどの程度含まれているか、といった客観的なデータと、事前カウンセリングで得た情報を照らし合わせます。
これにより、脱毛症の種類(例:男性型脱毛症、休止期脱毛症、円形脱毛症など)を診断し、その進行度を判断します。検査結果は通常、報告書としてまとめられ、医師から詳しい説明があります。
この結果に基づいて、今後の治療方針や具体的なヘアケアの方法を決定していきます。
検査結果の読み解き方と薄毛タイプ
成長期毛の割合からわかること
成長期毛の割合は、毛髪の「成長力」を示す指標です。この割合が高いほど、多くの髪が活発に成長している健康な状態といえます。
逆に、成長期毛の割合が80%を下回るような場合は、成長期が短縮している可能性を示唆します。これは、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)でよく見られる特徴です。
これらの脱毛症では、ホルモンの影響などにより毛母細胞の活動が抑制され、髪が十分に育つ前に成長期を終えてしまいます。結果として、細く短い「軟毛」が増え、薄毛が進行します。
成長期毛の割合の低下は、治療介入が必要なサインと捉えることができます。
休止期毛の割合が示すリスク
休止期毛の割合が20%や25%を超えるような高い数値を示す場合、それは「休止期脱毛症」の可能性を強く示唆します。
休止期脱毛症は、出産、急激なダイエット、大きな手術、精神的ストレス、特定の薬剤の服用などが引き金となり、多くの毛髪が一斉に休止期に入ってしまうことで起こる脱毛症です。
原因がはっきりしている場合が多く、その原因を取り除くことで数ヶ月から半年程度で自然に回復することも少なくありません。
トリコグラムによって休止期毛の著しい増加が確認されれば、最近の生活環境の変化などを詳しく聞き取り、原因を特定していくことになります。
脱毛症のタイプとトリコグラムの所見

脱毛症のタイプ | 主なトリコグラム所見 | 考えられる原因 |
---|---|---|
男性型脱毛症(AGA) | 成長期毛の割合低下、毛幹の軟毛化 | 男性ホルモン、遺伝 |
休止期脱毛症 | 休止期毛の割合が25%以上に増加 | ストレス、栄養障害、出産後 |
円形脱毛症 | 毛根が萎縮した毛、感嘆符毛 | 自己免疫疾患 |
毛根の形状異常と脱毛症の関係
トリコグラムでは、成長期・休止期の割合だけでなく、毛根の形状そのものも重要な診断情報となります。
例えば、成長期にもかかわらず毛根が著しく萎縮している「ジストロフィー毛」が見られる場合、円形脱毛症や抗がん剤治療による脱毛などを疑います。
これは、毛母細胞が何らかの強いダメージを受けていることを示しています。また、毛根に細菌や真菌の感染を示唆する所見が見つかることもあります。
このように、毛根の形状を詳しく観察することで、単なる毛周期の乱れだけではわからない、より深刻な病態を早期に発見する手がかりとなることがあります。
トリコグラム検査が推奨される人

最近抜け毛が増えたと感じる人
シャンプーやブラッシングの際に、以前よりも明らかに抜け毛が増えたと感じる方は、トリコグラム検査の良い適応となります。
抜け毛の増加は、薄毛の初期サインであることが多いため、早い段階でその原因を特定することが重要です。
自己判断で育毛剤などを試す前に、まずは専門医のもとで客観的な検査を受け、自分の毛髪がどのような状態にあるのかを正確に把握することをお勧めします。
特に、特定の季節だけでなく、抜け毛の増加が数ヶ月以上続いている場合は、一度検査を検討する価値があります。
薄毛治療の効果を客観的に知りたい人
すでに薄毛治療(内服薬、外用薬など)を開始している方にとっても、トリコグラムは有用な検査です。
治療を開始してから数ヶ月後に再度検査を行うことで、治療の効果を客観的な数値で評価することができます。
例えば、治療前に比べて成長期毛の割合が増加し、休止期毛の割合が減少していれば、その治療が有効であると判断できます。
逆に、数値に変化が見られない場合は、治療法の変更や追加を検討する根拠となります。治療のモチベーションを維持する上でも、こうした客観的なデータは大きな助けとなります。
治療効果判定の指標
評価項目 | 治療前 | 治療効果あり |
---|---|---|
成長期毛の割合 | 低い(例: 75%) | 増加(例: 85%) |
休止期毛の割合 | 高い(例: 25%) | 減少(例: 15%) |
遺伝以外の薄毛原因を探りたい人
薄毛の原因は、一般的に知られる遺伝や男性ホルモンだけではありません。
甲状腺機能の異常、膠原病などの自己免疫疾患、鉄分や亜鉛などの栄養素の欠乏といった、全身性の疾患が原因で脱毛が起こることもあります。
家族に薄毛の人がいないにもかかわらず脱毛が進行する場合や、全身の倦怠感など他の症状を伴う場合には、トリコグラムで毛根の状態を調べることで、内科的な疾患が隠れていないかを探るきっかけになることがあります。
異常な所見が見られた場合には、血液検査など他の検査と組み合わせて、根本的な原因を特定していきます。
検査を受ける際の費用と医療機関の選び方

トリコグラムの費用相場
トリコグラム検査は、脱毛症の原因診断という医療行為ですが、美容的な側面も大きいと判断されることが多く、多くの場合、健康保険が適用されない自由診療となります。
費用は医療機関によって異なりますが、一般的には1万円から3万円程度が相場です。この費用には、カウンセリング、毛髪の採取、顕微鏡での分析、結果説明などが含まれることがほとんどです。
ただし、初診料や再診料が別途必要になる場合もありますので、検査を受ける前には、総額でどのくらいの費用がかかるのかを事前に医療機関に確認しておくことが大切です。
検査を受けられる医療機関
トリコグラム検査は、皮膚科や美容皮膚科、薄毛治療を専門とするクリニックなどで受けることができます。全ての皮膚科で実施しているわけではないため、事前にウェブサイトや電話で確認が必要です。
「脱毛症 専門外来」や「頭髪外来」などを標榜している医療機関であれば、トリコグラムを含む専門的な検査や治療を行っている可能性が高いでしょう。
大学病院の皮膚科などでも、難治性の脱毛症の診断のために実施している場合があります。
専門医を選ぶ際のポイント
適切な診断と治療を受けるためには、信頼できる専門医を選ぶことが非常に重要です。
単に検査を実施するだけでなく、その結果を正確に解釈し、患者一人ひとりの状況に合わせた治療方針を提案してくれる医師が望ましいです。
日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医であるかどうかも一つの目安になります。
また、カウンセリングに十分な時間をかけ、患者の質問や不安に丁寧に答えてくれるかどうかも、医療機関を選ぶ上で大切なポイントです。
医療機関選びのチェックポイント
項目 | 確認内容 |
---|---|
医師の専門性 | 皮膚科専門医か、脱毛症治療の実績は豊富か |
説明の丁寧さ | 検査や治療について分かりやすく説明してくれるか |
費用の透明性 | 料金体系が明確で、事前に総額を提示してくれるか |
検査結果を踏まえた今後のヘアケア
生活習慣の見直しのポイント
トリコグラムで毛髪サイクルの乱れが指摘された場合、治療と並行して日々の生活習慣を見直すことも重要です。髪の健康は、体全体の健康状態を反映する鏡のようなものです。
特に、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理の3点は、健やかな髪を育むための土台となります。検査結果をきっかけに、自分の生活を振り返り、改善できる点がないか考えてみましょう。
見直したい生活習慣
- 食事(タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識)
- 睡眠(質の良い睡眠を7時間以上確保)
- ストレス(適度な運動や趣味で発散)
結果に基づいた適切な治療法の選択
トリコグラムの診断結果は、具体的な治療法を選択する上での重要な指針となります。
例えば、男性型脱毛症(AGA)と診断された場合は、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬や、ミノキシジル外用薬の使用が第一選択となります。
一方、休止期脱毛症であれば、原因となっているストレスや栄養不足を解消することが最も重要であり、積極的な薬物治療は不要な場合もあります。
検査結果に基づき、医師と相談しながら自分にとって最も効果が期待できる治療法を選択することが、改善への近道です。
定期的な検査の必要性

一度トリコグラム検査を受けた後も、治療の効果を確認したり、毛髪の状態変化を追跡したりするために、定期的に検査を受けることが推奨されます。
通常は、治療開始から半年後や1年後といったタイミングで再検査を行い、初期データと比較します。
これにより、治療が順調に進んでいるかを確認できるだけでなく、もし効果が不十分な場合には、治療計画を見直すきっかけにもなります。
定期的な検査は、長期にわたる薄毛対策において、客観的な道しるべとなってくれるでしょう。
トリコグラムに関するよくある質問
- 検査は痛いですか?
-
毛髪を数本引き抜く際に、チクッとした軽い痛みを伴います。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方は我慢できる程度のものです。
広範囲に麻酔注射をするような強い痛みはありません。
- 検査前に注意することはありますか?
-
正確な検査結果を得るために、検査の2〜3日前から洗髪を控えるよう指示されることがあります。また、当日はワックスやスプレーなどの整髪料は使用しないでください。
ヘアカラーやパーマは、少なくとも検査の2週間前までに済ませておくのが望ましいです。詳細は受診する医療機関の指示に従ってください。
- 検査結果はどのくらいでわかりますか?
-
医療機関によりますが、通常は検査当日から数週間以内に結果がわかります。
その場で顕微鏡の映像を見ながら説明を受けられる場合もあれば、後日改めて結果説明のために受診する場合もあります。
- 保険は適用されますか?
-
脱毛症の原因として、明らかな内科的疾患などが疑われる場合は保険適用となる可能性もありますが、一般的には男性型脱毛症(AGA)などの診断目的で行う場合は、自由診療となることがほとんどです。
費用については、事前に医療機関へ確認することをお勧めします。
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