LED育毛治療の効果と特徴|治療頻度と期待できる結果

LED育毛治療の効果と特徴|治療頻度と期待できる結果

鏡を見るたびに気になる生え際や頭頂部の薄毛。「そろそろ何か対策をしなければ」と思いながらも、投薬治療の副作用への不安や、痛みを伴う施術への抵抗感から、一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。

もし痛みを感じることなく、副作用のリスクも極めて低い方法で自身の髪が持つ本来の力を呼び覚ませるとしたらどうでしょうか。LED育毛治療は、まさにそんな希望に応える新しい選択肢です。

この記事ではLEDがなぜ髪に良い影響を与えるのか、どのくらいの頻度で通えば効果を実感できるのか、そして費用はどれくらいかかるのかまで詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、あなたにとって価値のある選択をするための判断材料としてください。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

LED育毛治療とは何か

LED育毛治療とは、発光ダイオード(LED)が放つ特定の波長の光を頭皮に照射することで、毛髪の成長を促す治療法です。

太陽光とは異なり、紫外線や赤外線をほとんど含まないため、肌へのダメージや熱による火傷の心配がありません。

医療分野ではすでに傷の治癒促進やニキビ治療などで実績があり、その技術を応用して薄毛治療にも活用されるようになりました。

身体への負担が少ないことから、男女問わず受けられる優しい治療として注目を集めています。

LED育毛治療で無痛の光照射を受ける男性のイメージイラスト

赤色LEDが髪に与える影響

育毛分野で主に用いられるのは、「赤色LED」と呼ばれる波長(およそ630nmから660nm付近)の光です。

この赤い光は皮膚の深部まで到達する性質を持っており、毛根にある毛乳頭細胞や毛母細胞に直接働きかけます。

光の刺激を受けた細胞は活性化し、髪の成長に必要なエネルギーが生み出されやすい状態になります。眠っていた髪の成長サイクルを正常に戻し、太く長く育つための土台を整える働きがあるのです。

従来の治療法との違い

投薬治療や注入治療といった従来のAGA治療とLED治療の大きな違いは、身体への侵襲性(ダメージ)がほとんどない点です。薬のような副作用のリスクが極めて低く、注射のような痛みもありません。

リラックスして光を浴びているだけで施術が完了するため、ストレスなく継続できるのが利点です。

既存の治療法で十分な効果が得られなかった方や、体質的に薬が合わない方にとっても、有力な選択肢となります。

従来治療とLED治療の比較

治療の種類主なアプローチ身体への負担感
LED治療光による細胞活性化ほぼなし(無痛)
内服薬治療ホルモンへの作用等副作用の可能性あり
注入治療成長因子の直接注入軽度の痛みや内出血

安全性と副作用について

LED治療は非常に安全性が高い治療法として知られています。使用する光はレーザーのように熱を発しないため、照射中に熱さを感じることはほとんどなく、ほんのりと温かさを感じる程度です。

施術後の赤みや腫れといったダウンタイムもほぼありません。ごく稀に光に対して過敏な反応を示す方がいますが、事前の問診やテスト照射で確認することでリスクを回避できます。

妊娠中の方やペースメーカーを使用している方など一部受けられないケースもありますが、基本的には多くの人が安心して受けられる治療です。

期待できる効果と発毛の根拠

LED照射によって期待できる主な効果は、抜け毛の減少と今ある髪を太く丈夫に育てる育毛効果です。

臨床試験においても一定期間の継続的な照射によって毛髪密度の増加や、毛の直径が太くなるといった変化を確認しています。

これは魔法のように突然髪が生えるのではなく、細胞レベルで頭皮環境が改善された結果として現れる変化です。

毛母細胞の活性化

髪の毛を作り出す工場ともいえるのが毛母細胞です。赤色LEDの光は、この毛母細胞のエネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)の生成を促進すると考えられています。

十分なエネルギーを得た毛母細胞は活発に分裂を繰り返し、髪の毛を力強く押し上げていきます。

加齢やストレスで活動が低下していた細胞が再び元気に働くことで、発毛力が底上げされるのです。

血行促進による栄養供給

頭皮の血行不良は薄毛の大きな原因の一つです。LEDの光刺激には血流を促進する作用もあります。血行が良くなると、髪の成長に必要な酸素や栄養素が血液に乗って毛根までスムーズに届くようになります。

土壌に水や肥料が行き渡るのと同じように、豊かな栄養が供給されることで、痩せてしまった髪も太く健康に育つことができるのです。

赤色LEDが毛母細胞と頭皮の血行に作用する仕組みの断面イラスト

抜け毛の抑制効果

LED治療は発毛を促すだけでなく、抜け毛の原因となる炎症を抑える効果も期待できます。

乱れてしまったヘアサイクル(毛周期)における「成長期」を長く保ち、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまう「退行期」への移行を遅らせる働きがあります。

これにより、全体的な毛量が増えたように感じられ、ボリュームアップにつながります。

治療を受ける頻度と期間の目安

LED育毛治療は1回受ければ完了するものではありません。継続的に光を浴びることで徐々に細胞が活性化していくため、一定の頻度で通院し続ける必要があります。

効果の現れ方には個人差がありますが、根気よく続けることが成功への近道です。

効果を実感するまでの期間

多くの方が効果を実感し始めるのは、治療を開始してからおよそ3ヶ月から6ヶ月後です。

最初の変化として「抜け毛が減った」「髪にコシが出た」といった実感を得る方が多く、見た目に明らかな変化が現れるまでには半年程度の期間を見込んでおくのが良いでしょう。

ヘアサイクルが正常に戻るまでには時間が必要なため、焦らずじっくりと取り組む姿勢が大切です。

治療期間と期待できる変化の目安

治療期間期待できる主な変化推奨頻度
1~3ヶ月抜け毛の減少、ハリ・コシの改善週1~2回
3~6ヶ月産毛の増加、既存毛の太さ改善週1回~2週に1回
6ヶ月以降見た目のボリュームアップ月1回~2回(維持)
LED育毛治療の治療期間と発毛変化を示すタイムラインイラスト

推奨される通院ペース

治療開始直後の数ヶ月間は、できるだけ間隔を空けずに週に1回から2回程度のペースで照射を行うのが理想的です。集中的に細胞へ刺激を与えることで、より早く頭皮環境を整えることができます。

効果が安定してきたら医師と相談しながら徐々に通院間隔を2週間に1回、月に1回と延ばしていくことが可能です。

ライフスタイルに合わせて無理なく続けられる計画を立てましょう。

自宅でのケアとの併用

クリニックでのLED治療に加え、自宅での適切なヘアケアを行うことで相乗効果が期待できます。育毛剤を使用している場合は、LED照射後に塗布することで浸透が高まる可能性もあります。

また、日々のシャンプーで頭皮を清潔に保ち、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけるといった基本的な生活習慣の改善も、治療効果を最大化するために重要な要素です。

LED治療が向いている人の特徴

LED治療は多くのメリットを持っていますが、すべての薄毛の症状に対して万能というわけではありません。ご自身の状況や希望と照らし合わせて、LED治療が適した選択肢であるかを見極めることが大切です。

特に以下のような特徴を持つ方にとっては、非常に魅力的な治療法となるでしょう。

初期段階のAGAの方

薄毛が気になり始めた初期段階の方や、将来の予防を兼ねてケアをしたい方には特におすすめです。

毛根が完全に死滅しておらず、弱っている状態であれば、LEDの光刺激によって復活する可能性が十分にあります。

完全に髪が失われてしまった部位よりも、まだ産毛が残っている部位の方が高い効果を期待できます。

薬の副作用が心配な方

フィナステリドやミノキシジルといったAGA治療薬は高い効果を持つ反面、性欲減退や動悸、多毛症といった副作用が現れる可能性があります。

持病があって薬を飲めない方や過去に副作用で辛い思いをした方にとって、副作用のリスクがほとんどないLED治療は安心して受けられる代替手段となります。

LED治療の適合性チェック

こんな方におすすめLED治療の適合性アドバイス
薬を飲みたくない非常に高い単独治療から始めてみましょう
痛みに弱い非常に高いリラックスして受けられます
進行が進んでいる補助的役割他の強力な治療との併用を推奨

他の治療と組み合わせたい方

すでに内服薬や外用薬で治療を行っている方が、さらなる効果を求めてLED治療を追加することも有効です。

作用するポイントが異なるため、組み合わせることでそれぞれの治療効果を底上げし、より効率的に発毛を目指すことができます。

現在の治療に停滞感を感じている場合の打開策としても検討できます。

治療の流れと実際の施術内容

実際にクリニックでLED治療を受ける際の一般的な流れについて解説します。特別な準備は必要なく、仕事帰りや買い物の合間などに気軽に立ち寄って受けることができます。

リラックスした状態で過ごせるため、治療というよりもエステサロンに通うような感覚に近いかもしれません。

カウンセリングと頭皮診断

最初のステップは専門医による問診とカウンセリングです。

マイクロスコープなどを使って現在の頭皮の状態や毛穴の詰まり具合、髪の密度などを詳しく確認します。薄毛の原因がどこにあるのかを特定し、LED治療が適切かどうかを判断します。

この際に、治療への不安や疑問点があれば遠慮なく相談しておきましょう。

LED照射中の過ごし方

専用の個室やブースでリクライニングチェアなどに座り、頭部にLED照射機をセットします。照射時間はクリニックの機器によって異なりますが、およそ20分前後が目安です。

照射中は痛みや熱さを感じることはなく、読書をしたり、スマートフォンを見たり、仮眠をとったりして自由に過ごせます。

まぶしさを防ぐために専用のゴーグルを着用する場合もあります。

施術後のアフターケア

照射が終われば、すぐに帰宅できます。ダウンタイムがないため、洗髪やスタイリングの制限もありません。いつもの生活に戻れる手軽さが魅力です。

次回の予約を取り、定期的に通う習慣をつけましょう。治療期間中は定期的に頭皮の撮影を行い、効果の現れ方を客観的に確認していくクリニックが多いです。

費用相場とクリニック選びのポイント

自由診療であるLED治療の費用は、クリニックによって大きく異なります。継続することが前提の治療であるため、無理なく支払いを続けられる料金設定のクリニックを選ぶことが重要です。

見かけの安さだけでなく、トータルでかかる費用をしっかりと把握しておきましょう。

1回あたりの料金目安

LED治療単独での1回あたりの料金相場は、おおよそ3000円から8000円程度です。使用する機器の性能やクリニックの立地、付帯サービスによって幅があります。

初回はお試し価格で安く受けられるキャンペーンを行っているところも多いため、まずは体験してみるのも良い方法です。

費用の目安比較

費用項目相場の目安備考
1回ごとの都度払い4000円~8000円自分のペースで通いやすい
月額定額コース15000円~30000円通い放題などお得な場合も
回数券(6回・12回等)1回あたりが割安に有効期限に注意が必要

コース料金や総額の考え方

都度払いだけでなく、複数回のコース契約や月額制のサブスクリプションプランを用意しているクリニックもあります。

コース契約の方が1回あたりの単価は安くなる傾向にありますが、最初から高額な長期ローンを組むことは慎重になるべきです。

まずは数ヶ月試してみて、効果や通いやすさに納得してから長期の契約を検討することをおすすめします。

信頼できるクリニックの見極め方

安心して治療を続けるためには、クリニック選びが非常に大切です。以下のようなポイントをチェックしてみましょう。

  • 料金体系が明確で、追加費用の説明が事前にあるか
  • LED治療のメリットだけでなく限界も説明してくれるか

強引な勧誘がなく、患者さんの希望を尊重してくれる医師やスタッフがいるクリニックであれば、信頼関係を築きながら治療を続けていけるはずです。

自宅用LED機器と医療用LEDの違い

近年では、自宅で手軽にケアができる家庭用のLED育毛機器も販売されています。ヘルメット型やキャップ型など様々な形状があり、通院の手間が省ける点が魅力です。

しかし、クリニックで使われる医療用LED機器とは性能面で明確な違いが存在します。

出力の強さと波長の違い

最も大きな違いは光の出力(パワー)です。医療機関で使用される機器は高出力で均一な光を広範囲に照射できるように設計されています。

一方、家庭用機器は安全性を考慮して出力が抑えられているものが大半です。

また、医療用は発毛に効果的な波長が厳密に管理されていますが、家庭用では製品によって精度にばらつきがあることも否定できません。

期待できる効果の差

出力の違いは、そのまま期待できる効果の差につながります。医療用LEDの方が短時間で効率的に必要なエネルギーを深部まで届けることができるため、より確実な変化を期待しやすいと言えます。

家庭用機器はあくまで日々の補助的なケア、または現状維持を目的として使用するのが現実的です。

家庭用と医療用の比較

比較項目医療用LED機器家庭用LED機器
光の出力(パワー)高出力低~中出力
照射の均一性非常に高い製品によりばらつきあり
導入コスト通院費用がかかる初期購入費用のみ
医療用LED機器と家庭用LED育毛機器の違いを比較したイメージイラスト

コストパフォーマンスの比較

家庭用機器は数万円から十数万円程度の初期投資が必要ですが、一度購入すれば長く使えるため、長期的に見れば割安になる可能性があります。

しかし、十分な効果が得られなければ、その投資が無駄になってしまうリスクもあります。

まずはクリニックで効果を体験し、ご自身の髪に合うかを確認してから、維持のために家庭用機器を導入するという使い方も賢い選択です。

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よくある質問

LED治療はやめると元の状態に戻ってしまいますか?

治療を完全にやめてしまうと、AGAの進行因子が再び優位になり、徐々に元の薄毛の状態に戻っていく可能性があります。ある程度効果が出た後も、頻度を減らしながらメンテナンスとして継続することをおすすめします。

治療中に痛みを感じることは本当にないのですか?

はい、痛みはほぼありません。LEDの光は熱を持たないため、照射中にじんわりと温かさを感じる程度です。痛みに敏感な方でもリラックスして受けていただけます。

かつらやウィッグを使用していても治療は可能ですか?

可能ですが、照射時はかつらやウィッグを外す必要があります。光を直接頭皮に届ける必要があるためです。着脱可能なタイプであれば問題なく治療を受けられます。

白髪を黒くする効果はありますか?

残念ながら、現在のところ白髪を黒髪に戻す直接的な効果は医学的に証明されていません。LED治療はあくまで毛母細胞を活性化させ、発毛・育毛を促す治療です。

どのような服装で通院すれば良いですか?

普段通りの服装で構いません。頭部に機器を装着するため、整髪料などで髪を固めすぎない状態で来院いただくと、よりスムーズに施術を受けられます。

記事のまとめ
参考文献

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