育毛サプリ「リジン(L-リジン)」の効果とは?髪の主成分ケラチンの合成を助ける

育毛サプリ「リジン(L-リジン)」の効果とは?髪の主成分ケラチンの合成を助ける

育毛に関心がある方にとって、「リジン」という成分が気になっているかもしれません。「育毛にリジンが良いと聞いたけど、本当に効果があるの?」と疑問に思うこともあるでしょう。

この記事では、必須アミノ酸の一種であるリジン(L-リジン)が、育毛においてどのような役割を果たすのかを詳しく解説します。

リジンが髪の主成分「ケラチン」の合成をどのように助けるのか、また育毛剤との関係性や効果的な摂取方法、注意点までを網羅。

リジンに関する正しい知識を得て、あなたの髪の悩みに対する一つのヒントを見つけてください。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

育毛とリジン(L-リジン)の関係性とは?

リジンは、髪の主成分であるタンパク質「ケラチン」の合成をサポートする重要なアミノ酸の一種です。

私たちの体内で作り出すことができない必須アミノ酸であるため、日々の食事や必要に応じてサプリメントから摂取する必要があります。

育毛において、リジンは髪の「材料」を供給する土台作りに貢献します。

リジン(L-リジン)とは?必須アミノ酸の役割

リジン(L-リジン)は、タンパク質を構成するアミノ酸の一つです。

アミノ酸には体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、体内で合成できず食事から摂取しなければならない「必須アミノ酸」の2種類があります。リジンは後者の必須アミノ酸に分類されます。

リジンの主な働きは、体の成長や組織の修復、タンパク質の合成に関わることです。また、カルシウムの吸収を助けたり、肝臓の機能をサポートしたりと、体全体の健康維持に多岐にわたって関わっています。

育毛という観点では、特にタンパク質、つまり髪の毛の主成分である「ケラチン」の合成を助ける働きが注目されます。

髪の主成分「ケラチン」とリジン

髪の毛の約80%〜90%は、「ケラチン」というタンパク質でできています。このケラチンは、18種類のアミノ酸が結合して作られていますが、リジンもその構成アミノ酸の一つです。

リジンが体内に十分に存在することは、丈夫で健康な髪の毛を作り出すための前提条件とも言えます。

いくら育毛剤などで頭皮環境を整えても、髪の毛そのものを作るための材料(アミノ酸)が不足していては、太くしっかりとした髪は育ちにくいのです。

リジンは、この「材料」の一つとして、ケラチンの安定した合成を支える役割を担っています。

リジンが不足すると髪にどのような影響が?

リジンは必須アミノ酸であるため、食事からの摂取が不足すると、体はリジンを十分に確保できなくなります。

体がタンパク質を合成する際、優先順位が低いとされる髪の毛や爪への供給は後回しにされがちです。

もしリジンが不足した状態が続くと、髪の主成分であるケラチンの合成がスムーズに行われなくなる可能性があります。

その結果、髪の成長が妨げられたり、新しく生えてくる髪が細く弱々しくなったり、ハリやコシが失われたりする一因になると考えられます。

健康な髪を維持するためには、リジンを含む必須アミノ酸をバランス良く摂取し続けることが大切です。

育毛におけるリジンの立ち位置

育毛ケアにおいて、リジンの立ち位置は「主役」ではなく、むしろ「重要なサポート役」です。

リジンそのものに、AGA(男性型脱毛症)の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制したり、毛母細胞を直接活性化させたりするような、医薬品的な発毛効果は認められていません。

リジンの役割は、あくまで髪の毛の「材料」であるケラチンの合成を助けることです。

育毛剤やAGA治療薬が「髪を生やす・抜け毛を防ぐ」働きをするのに対し、リジンは「健康な髪を育てるための土台を整える」働きをします。

両者は役割が異なるため、リジンは他の育毛ケアと組み合わせて活用することで、その真価を発揮すると言えるでしょう。

リジンが育毛に与える具体的な効果

リジンは直接的に発毛を促すわけではありませんが、髪の成長環境を整え、ケラチンの合成を助けることで、健康的で丈夫な髪を育む土台作りを支援します。

肝機能のサポートやカルシウムの吸収促進など、間接的ながらも髪の健康に関わる複数の働きが期待されています。

髪のタンパク質「ケラチン」の合成サポート

前述の通り、リジンの最も直接的な育毛への貢献は、髪の主成分であるケラチンの合成をサポートすることです。

ケラチンは多くのアミノ酸から構成される複雑なタンパク質であり、リジンはその一部を担う重要な構成要素です。

体内に十分なリジンが供給されることで、ケラチンの合成が円滑に進み、強くしなやかな髪の毛が作られる基盤が整います。

逆にリジンが不足すれば、髪の質が低下し、細く切れやすい髪になる可能性があります。

肝機能のサポートと髪への影響

リジンには、肝臓の機能を助ける働きがあることも知られています。肝臓は体内のデトックス(解毒)や栄養素の代謝を担う重要な臓器です。

東洋医学では「髪は血の余り(血余)」とも言われ、血液の質や循環が髪の健康に深く関わると考えられています。

肝機能が低下すると、体内の老廃物がうまく処理されず、栄養素の代謝も滞りがちになります。これが結果として頭皮環境の悪化や、髪への栄養供給不足につながる可能性があります。

リジンが肝臓の働きをサポートすることで、体全体の代謝が改善し、間接的に髪の健康維持に良い影響を与えることが期待されます。

ストレスとリジンの関係

現代社会においてストレスは避けがたいものですが、過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血流を悪化させるなど、育毛にとって大敵です。

リジンは、脳内の神経伝達物質のバランスに関わり、不安やストレスを緩和する働きがある可能性が一部の研究で示唆されています。

リジンが体内で不足すると、ストレスを感じやすくなる可能性も指摘されています。

ストレス対策は育毛の基本の一つであり、リジンを適切に摂取することが、精神的な安定と、それに伴う頭皮環境の維持に役立つかもしれません。

カルシウムの吸収促進と頭皮環境

リジンには、食事から摂取したカルシウムの吸収を助け、また体内でカルシウムが尿から排出されるのを抑える働きがあります。

カルシウムは骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉の収縮や神経伝達にも関わる重要なミネラルです。

頭皮も皮膚の一部であり、その健康を維持するためにはカルシウムを含むミネラルバランスが重要です。

カルシウム不足が直接的に薄毛を引き起こすわけではありませんが、頭皮環境の維持には多様な栄養素が関わっています。

リジンがカルシウムの利用効率を高めることで、健康な頭皮環境を維持する一助となる可能性があります。

リジンと他の栄養素の相乗効果

リジンは単体で働くというよりも、他の栄養素と協力してその効果を発揮します。特に髪の健康においては、ビタミンやミネラルとの連携が重要です。

栄養素主な役割リジンとの関係性
ビタミンCコラーゲン生成、抗酸化ケラチンやコラーゲンの構造安定化を助ける
亜鉛ケラチン合成、細胞分裂リジンと共にケラチン合成のプロセスで重要
鉄分酸素運搬(ヘモグロビン)頭皮への酸素供給を助け、リジンの働きを支援

リジンと他の育毛成分(ミノキシジル・フィナステリド)との併用

リジンは、ミノキシジルやフィナステリドといった代表的な育毛成分の効果を高める可能性があるとして注目されています。

リジン単体での発毛効果は証明されていませんが、これらの医薬品と併用することで、治療の土台を支えるサポート役としての役割が期待されます。

リジンは育毛剤の吸収を高める?

一部で「リジンが育毛剤(特にミノキシジル)の吸収を高める」という情報が見られますが、これについては科学的根拠が明確に確立されているわけではありません。

リジンが頭皮のコラーゲン生成に関わることから、頭皮環境が整うことで結果的に薬剤の浸透が良くなる可能性を指摘する声もありますが、憶測の域を出ない部分も多いです。

育毛剤の吸収促進を主目的としてリジンを摂取するのは、現時点では推奨しにくいと言えます。

フィナステリド(AGA治療薬)との関係

フィナステリドは、AGA(男性型脱毛症)の主な原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する内服薬です。いわば、抜け毛の「ブレーキ」役です。

リジンとフィナステリドの間に、薬理的な相互作用は特に報告されていません。

しかし、フィナステリドが抜け毛を抑えている間に、リジンが髪の「材料」であるケラチンの合成をサポートすることで、新しく生えてくる髪の質を高め、育毛を後押しする可能性は考えられます。

フィナステリドが「守り」なら、リジンは「育てるための栄養補給」という側面で貢献するとイメージすると分かりやすいかもしれません。

ミノキシジル(発毛剤)との関係

ミノキシジルは、頭皮の血流を促進し、毛母細胞の働きを活性化させることで発毛を促す外用薬(または内服薬)です。こちらは発毛の「アクセル」役と言えます。

ミノキシジルによって毛母細胞が活性化し、髪を作ろうとする指令が出ても、その材料となるアミノ酸が不足していては、効率よく髪を育てることができません。ここでリジンの役割が重要になります。

リジンがケラチンの材料として十分に供給されることで、ミノキシジルの「発毛促進」という働きを、栄養面から強力にサポートできると期待されています。

育毛成分とリジンの役割分担

育毛ケアにおける各成分の役割を整理すると、リジンの立ち位置がより明確になります。

成分分類主なアプローチ
フィナステリド医薬品(内服)AGAの原因(DHT)抑制(守り)
ミノキシジル医薬品(外用/内服)血流促進・毛母細胞活性化(攻め)
リジン栄養素(アミノ酸)髪の材料(ケラチン)補給(土台)

併用に関する研究や見解

リジンとミノキシジルやフィナステリドの併用に関する大規模な臨床研究は、まだ十分とは言えません。しかし、いくつかの小規模な研究や専門家の間では、併用の有用性が議論されています。

例えば、AGA患者に対してフィナステリド単体で使用するグループと、フィナステリドとリジンを含むサプリメントを併用するグループを比較した研究では、併用グループの方が改善度が高い傾向が見られたという報告もあります。

ただし、これは限定的なデータであり、リジンの効果だと断定するにはさらなる検証が必要です。

現状では、リジンはあくまで「栄養補助」であり、AGA治療の基本は医薬品(フィナステリドやミノキシジル)であるという認識が一般的です。

併用を検討する場合は、AGA治療を行っている医師に相談の上、判断することが賢明です。

育毛目的でのリジンの摂取方法

育毛をサポートする目的でリジンを摂取する場合、基本は日々の食事からバランス良く摂ることです。それが難しい場合に、サプリメントを活用する方法があります。

自身のライフスタイルに合わせて、継続しやすい方法を選ぶことが大切です。

リジンを多く含む食品

リジンは必須アミノ酸であり、多くのタンパク質源に含まれています。特に動物性タンパク質(肉、魚、卵、乳製品)や、大豆製品に豊富です。

日常の食生活でこれらの食品を意識して取り入れることで、必要なリジンを摂取することは十分に可能です。例えば、鶏胸肉、かつお、チーズ、豆腐などはリジンの含有量が多いことで知られています。

リジンを豊富に含む主な食品群

日々の献立にこれらの食品を取り入れることで、リジンだけでなく他のアミノ酸や栄養素もバランス良く摂取できます。

食品カテゴリー主な食品例
肉類鶏肉(特に胸肉・ささみ)、牛肉(赤身)、豚肉(ヒレ)
魚介類かつお、まぐろ、さば、あじ、えび
乳製品チーズ(特にパルメザン)、牛乳、ヨーグルト
大豆製品きな粉、高野豆腐、納豆、豆腐、豆乳
その他卵、そば(乾麺)、レンズ豆

食事から摂取する際のポイント

食事からリジンを摂取する際は、「アミノ酸のバランス」を意識することが重要です。タンパク質の栄養価は、含まれる必須アミノ酸のうち最も少ないものの量によって制限されます(アミノ酸スコア)。

リジンだけを大量に摂っても、他の必須アミノ酸が不足していれば、体内で効率よくタンパク質(ケラチン)を合成できません。

様々な食品を組み合わせ、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事を心がけることが、結果的にリジンを効率よく活用することにつながります。

特に、穀物(米や小麦)はリジンが不足しがちなので、肉や魚、大豆製品などのおかずとしっかり組み合わせることが大切です。

育毛サプリメントとしてのリジンの選び方

食生活が不規則で、食事から十分なリジンを摂取するのが難しい場合は、サプリメントで補うのも一つの方法です。

育毛サポート目的でリジンサプリメントを選ぶ際は、以下の点に注目すると良いでしょう。

  • リジンの含有量
  • リジン以外の配合成分(亜鉛、ビタミンなど)
  • 品質管理(GMP認定工場での製造など)

リジン単体のサプリメントもありますが、育毛目的であれば、リジンと同様にケラチンの合成に関わる「亜鉛」や、頭皮環境を整える「ビタミンB群」などが一緒に配合された製品を選ぶと、より効率的かもしれません。

ただし、サプリメントはあくまで補助的なものです。過剰な期待はせず、食事の補助として活用しましょう。

リジンサプリメントの適切な摂取タイミング

リジンサプリメントの摂取タイミングについては、医薬品のような厳密な決まりはありません。製品に記載されている推奨のタイミング(例:食後、食間、就寝前など)に従うのが基本です。

一般的に、アミノ酸サプリメントは、他の食事と競合しにくい空腹時の方が吸収効率が良いとされることがあります。

また、髪の成長は夜間の就寝中に行われるため、「就寝前」の摂取を推奨する考え方もあります。自身の生活リズムに合わせて、忘れずに継続できるタイミングを見つけることが最も重要です。

リジン摂取の目安量と過剰摂取のリスク

リジンの1日あたりの摂取推奨量は体重によって異なりますが、WHO(世界保健機関)などの報告によれば、一般的な成人で体重1kgあたり約30mgとされています。

サプリメントで補う場合も、過剰摂取は避け、製品の推奨量を守ることが重要です。通常の食事をしている健康な人がリジン不足になることは稀ですが、過剰摂取には注意が必要です。

1日に必要なリジンの目安量

前述の通り、成人のリジン必要量は「体重1kgあたり30mg」が一つの目安です。

例えば、体重60kgの人なら「60kg×30mg=1,800mg(1.8g)」、体重70kgの人なら「70kg×30mg=2,100mg(2.1g)」となります。

日本人の平均的な食事では、1日におよそ5,000mg〜6,000mg程度のリジンを摂取していると推定されており、通常の食生活を送っていれば不足することはほとんどありません。

ただし、極端な偏食や厳しい食事制限をしている場合は、不足する可能性も否定できません。

体重別リジン摂取目安量(推定)

この目安量は、あくまで健康維持に必要な最低限のラインであり、育毛サポートを目的とする場合の最適な量とは異なる可能性があります。

体重1日あたりの摂取目安量(WHO基準)
50kg約1,500mg (1.5g)
60kg約1,800mg (1.8g)
70kg約2,100mg (2.1g)
80kg約2,400mg (2.4g)

サプリメントで摂取する場合の上限

リジンのサプリメントとしての耐容上限量(これ以上摂取すると健康被害のリスクが高まる量)については、明確な基準が設定されていません。

しかし、アミノ酸はバランスが重要であり、特定のアミノ酸だけを極端に多く摂取することは推奨されません。

育毛目的でサプリメントを利用する場合でも、食事からの摂取分も考慮し、1日の総摂取量が多くなりすぎないよう注意が必要です。

多くのリジンサプリメントは、1日あたり1,000mg〜2,000mg程度の摂取を目安にしている製品が多いようです。まずは製品の推奨量を守り、自己判断で大量に摂取することは避けてください。

過剰摂取による副作用やデメリット

リジンは比較的安全性の高い成分とされていますが、極端な過剰摂取(例えば1日に数g〜数十g)を長期間続けると、健康に悪影響をおよぼす可能性があります。

報告されている主な副作用としては、胃腸の不快感、下痢、吐き気などの消化器症状があります。

また、非常に稀ですが、腎機能への負担や、高脂血症、胆石のリスクを高める可能性を指摘する動物実験の報告もあります。

特定のアミノ酸の過剰摂取は、他のアミノ酸の吸収を妨げ、アミノ酸バランスを崩すことにもつながります。これがかえって体調不良や、髪の健康にも悪影響を与える可能性もゼロではありません。

長期摂取の安全性について

リジンは必須アミノ酸であり、本来食事から毎日摂取している成分です。そのため、食事に含まれる範囲や、サプリメントの推奨量を守っている限りにおいて、長期摂取の安全性は高いと考えられています。

ただし、肝臓や腎臓に持病がある人は、タンパク質やアミノ酸の摂取制限が必要な場合があります。そのような方がサプリメントでリジンを追加摂取すると、臓器に負担をかける恐れがあります。

持病がある方や、他の薬を服用中の方は、リジンサプリメントを使用する前に、必ずかかりつけの医師に相談してください。

リジンと併せて摂りたい育毛サポート成分

丈夫な髪を育むためには、リジンだけでなく、他の栄養素もバランス良く摂取することが求められます。特に亜鉛やビタミン群は、リジンと同様に髪の健康と深く関わっており、互いに協力し合って働きます。

亜鉛の役割とリジンとの関係

亜鉛は、リジンと並んで育毛ケアにおいて非常に重要視されるミネラルです。亜鉛の主な役割は、タンパク質の合成や細胞分裂のサポートです。

髪の毛は毛母細胞が分裂し、ケラチンというタンパク質が作られることで成長します。

亜鉛は、このケラチンの合成プロセスにおいて、酵素の働きを助ける補酵素として機能します。

リジンがケラチンの「材料」であるとすれば、亜鉛は「材料を組み立てるための道具(または職人)」のような役割を担います。材料(リジン)と道具(亜鉛)がそろって初めて、効率よく髪の毛が作られます。

亜鉛が不足すると、リジンが十分にあってもケラチン合成が滞る可能性があります。

ビタミンB群(特にビオチン)

ビタミンB群は、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の健康維持に欠かせない栄養素群です。特に育毛との関連では、ビタミンB2、B6、ビオチン(ビタミンB7)が重要です。

  • ビタミンB2:頭皮の皮脂バランスを整え、健康な頭皮環境を維持します。
  • ビタミンB6:アミノ酸の代謝(タンパク質の合成や分解)をサポートします。リジンなどのアミノ酸がケラチンに再合成される際に必要です。
  • ビオチン:皮膚や髪の健康を保つ働きがあり、ケラチンの生成にも関与すると言われています。

これらのビタミンB群は、リジンが効率よく利用されるためにも、また健康な頭皮環境を維持するためにも重要です。

ビタミンCの重要性

ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持つことで知られていますが、育毛においても重要な役割を果たします。ビタミンCは、頭皮の弾力や血管の強度を保つ「コラーゲン」の生成に必要です。

頭皮の血流が良く、弾力がある状態は、髪の成長にとって良い環境です。また、ビタミンCはストレスへの抵抗力を高める働きや、鉄分の吸収を助ける働きもあります。

リジンもコラーゲンの構成要素の一つであり、ビタミンCとリジンがそろうことで、より強固なコラーゲンが生成され、頭皮の健康維持に貢献します。

髪の健康に関わる主な栄養素の連携

育毛をサポートする栄養素は、それぞれが独立して働くのではなく、オーケストラのように連携して機能します。

栄養素主な役割リジンとの関係
亜鉛ケラチン合成、細胞分裂リジン(材料)と共にケラチン合成(製造)を担う
ビタミンB6アミノ酸代謝リジンなどのアミノ酸が利用されるのを助ける
ビタミンCコラーゲン生成、抗酸化頭皮環境の土台(コラーゲン)作りを助ける

リジンサプリメントの注意点と限界

リジンサプリメントは、あくまで栄養補助食品であり、AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症などの脱毛症を直接治療する医薬品ではありません。

髪の材料を補給するという面でのサポートは期待できますが、育毛効果を期待するあまり、過度な期待は禁物です。

リジンだけで髪は生える?

結論から言うと、リジンサプリメントを飲むだけで髪が生えてくる、あるいは抜け毛が劇的に減る、ということは期待できません。リジンは髪の「材料」の一つに過ぎません。

もし抜け毛の原因がAGAである場合、その原因(DHT)にアプローチしなければ、抜け毛は進行してしまいます。

また、食生活が極端に偏っていない限り、現代の日本人が深刻なリジン不足に陥っているケースは稀です。

リジンが足りている状態の人がサプリメントで追加摂取しても、育毛効果が明確に現れるとは考えにくいです。

リジンは、あくまでAGA治療や育毛剤の使用、生活習慣の改善といった「主軸となるケア」を補助するものと理解しましょう。

医薬品(育毛剤・AGA治療薬)との違い

リジンサプリメントと医薬品には、明確な違いがあります。最大の違いは、リジンが「食品」であるのに対し、フィナステリドやミノキシジルは「医薬品」である点です。

医薬品は、多くの臨床試験(治験)を経て、脱毛症に対する有効性(発毛効果や脱毛抑制効果)と安全性が国によって承認されています。

一方、リジンサプリメント(食品)は、病気の治療を目的としたものではなく、有効性を謳うこともできません。

AGAのように明確な原因がある脱毛症に対しては、まずは医学的根拠のある医薬品による治療を検討し、リジンはその治療効果を栄養面からサポートする脇役として位置づけるのが適切です。

サプリメント摂取で注意すべき人

ほとんどの人にとってリジンサプリメントは安全に使用できますが、一部の人は摂取に注意が必要です。

前述の通り、肝機能障害や腎機能障害のある方は、アミノ酸(タンパク質)の摂取が制限される場合があります。自己判断での摂取は避け、必ず主治医に相談してください。

また、妊娠中・授乳中の方、他のサプリメントや医薬品を服用中の方も、飲み合わせの問題がないか、医師や薬剤師に確認するとより安心です。

アレルギー体質の方も、リジン以外の含有成分(添加物など)に注意してください。

効果を実感するまでの期間の目安

リジンサプリメントは栄養補給が目的であり、その効果の現れ方には個人差が非常に大きいです。医薬品のような即効性はありません。

髪の毛は1ヶ月に約1cmしか伸びません(ヘアサイクル)。もしリジンの補給によって髪質に良い変化が起こるとしても、それを実感できるまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月といった長期間の継続が必要です。

短期間で効果が出ないからといってやめてしまうのではなく、生活習慣改善の一環として気長に続ける姿勢が大切です。

もし数ヶ月続けても何の変化も感じられない場合は、そもそもリジン不足が原因ではなかった可能性も考えられます。

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Q&A

リジンは女性の薄毛にも関係がありますか?

リジンは男女問わず髪の主成分であるケラチンの材料となるため、女性の髪の健康にも重要です。

タンパク質不足や栄養バランスの乱れが薄毛の一因となっている場合には、リジンの摂取がサポートになる可能性があります。

ただし、女性の薄毛の原因はホルモンバランスの変化、ストレス、過度なダイエットなど多様であるため、リジンだけで解決するわけではありません。

リジンサプリメントはいつ飲むのが効果的ですか?

リジンサプリメントの摂取タイミングに厳密な決まりはありません。

アミノ酸の吸収効率を考慮し、他の食事と競合しにくい空腹時(食間など)や、髪の成長が促されると言われる就寝前などを推奨する製品が多いようです。

最も大切なのは継続することですので、製品の指示に従いつつ、ご自身のライフスタイルの中で忘れにくい時間を見つけるのが良いでしょう。

リジンを食事から十分摂れていればサプリは不要ですか?

はい、その通りです。日々の食事で肉類、魚介類、大豆製品、乳製品などをバランス良く摂取できていれば、必須アミノ酸であるリジンが極端に不足する可能性は低いです。

その場合、あえてサプリメントで追加する必要性は低いと考えられます。

食生活が偏りがちな方や、外食が多く栄養バランスが気になる方が、補助的に活用するのがサプリメントの本来の姿です。

リジンとアルギニンの関係について教えてください?

リジンとアルギニン(同じくアミノ酸の一種)は、体内で吸収される際に同じ経路(トランスポーター)を利用すると言われています。

そのため、一説には、どちらかを極端に大量に摂取すると、もう一方のアミノ酸の吸収が妨げられる「拮抗(きっこう)関係」にあるとされています。

ただし、通常の食事や標準的なサプリメントの摂取量であれば、過度に心配する必要はないと考えられます。何事もバランスの取れた摂取が大切です。

リジンサプリメントの摂取をやめるとどうなりますか?

リジンサプリメントは栄養補給が目的のため、摂取をやめたからといって、直ちに髪の状態が悪化したり、抜け毛が増えたりするものではありません。

医薬品の離脱症状のようなことも起こりません。

ただし、サプリメントの摂取をやめた後も、食事からのリジン摂取が不十分な状態が続くと、再び髪の材料が不足しやすくなる可能性は考えられます。

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