「コンディショナーを使うとハゲる」「薄毛の原因になる」という話を耳にして、日々のヘアケアに不安を感じていませんか。
特に、薄毛対策を意識し始めた男性にとって、コンディショナーは使用をためらいがちなアイテムかもしれません。
しかし、結論から言えば、コンディショナーが直接的な薄毛の原因になるという説は、多くの場合、誤解に基づいています。
問題はコンディショナーという製品自体ではなく、その「使い方」と「選び方」に潜んでいます。
この記事では、コンディショナーが頭皮に与える影響を科学的な視点から解説し、薄毛を防ぎながら健康な髪を育むための正しい使用法、そして育毛を目指す男性が選ぶべき製品基準を詳しくお伝えします。
誤った情報に惑わされず、今日からできる正しいヘアケア知識を身につけ、自信を持ってコンディショナーを活用しましょう。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
コンディショナーと薄毛の関係についての結論
「コンディショナーでハゲる」説の真偽
まず、最も重要な結論をお伝えします。コンディショナーが直接的に薄毛や脱毛症を引き起こすという医学的・科学的な根拠は、現在のところ確認されていません。
この説は、「コンディショナーを頭皮につけると毛穴が詰まる」という誤解や、誤った使用法によって引き起こされる一時的な頭皮トラブルが拡大解釈された結果、広まった可能性が高いです。
コンディショナーは、髪の表面をコーティングし、水分や栄養を保持するためのものであり、髪の毛自体の健康を維持し、摩擦や乾燥から守るという重要な役割を持っています。
コンディショナーの成分は頭皮に残留すると悪影響を及ぼしますが、これは薄毛の根本原因であるAGA(男性型脱毛症)とは別の問題です。
AGAは、遺伝や男性ホルモンの影響で発症し、毛周期を乱して髪の成長を止めます。コンディショナーの使用がこのホルモン作用に直接関わることはありません。
薄毛の主な原因は別のところにある
男性の薄毛の大部分は、「男性型脱毛症(AGA)」が原因であり、これは遺伝や男性ホルモンの影響が大きく関わっています。
具体的には、テストステロンが体内の酵素によって変換された「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛母細胞の働きを抑制し、髪の成長期を短くすることで薄毛を進行させます。
コンディショナーの成分が、このホルモンバランスや遺伝的な要因に直接作用して薄毛を引き起こすことはありません。
薄毛の進行に悩むのであれば、ヘアケア製品の使用方法よりも、まずは専門家によるAGAの診断を受けることが大切です。
その他の薄毛の原因としては、過度なストレス、栄養バランスの偏り、睡眠不足といった生活習慣の乱れや、頭皮の血行不良、脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患が挙げられます。
コンディショナーの使用は、これらの本質的な原因とは切り離して考えるべきです。
なぜ「コンディショナーはげる」と言われるようになったのか
この誤解が生まれた背景には、コンディショナーが持つ成分の性質が関係しています。
一般的なコンディショナーには、髪の指通りを良くしたり、ツヤを出したりするための油分やコーティング剤が多く含まれています。
これらが頭皮に付着し、十分に洗い流されない場合に、毛穴の詰まりや炎症を引き起こす可能性があります。
毛穴の詰まりや頭皮の炎症は、一時的に抜け毛を増やしたり、髪の成長を妨げたりする原因にはなりえますが、これらは製品の特性そのものではなく、「使い方」の誤りによって生じる二次的な問題です。
誤解を生んだ要因
誤解が広まった主な要因として、以下の点が挙げられます。
特に、男性はシャンプーとコンディショナーの使い分けに対する意識が女性よりも低いことが多く、頭皮まで一律に塗布してしまうことがトラブルの元凶となります。
塗布すべきではない頭皮にコンディショナーが残留し、皮脂と混ざり合うことで、頭皮がベタつき、かゆみやフケといった頭皮トラブルが発生します。
これらのトラブルは、髪が抜ける原因につながるため、「コンディショナーを使うとハゲる」という短絡的な誤解につながってしまいました。
薄毛とコンディショナーの一般的な認識のギャップ
| 薄毛の原因(真実) | コンディショナーの役割(真実) | 誤った認識(誤解) |
|---|---|---|
| 遺伝、男性ホルモン(AGA) | 髪の表面保護、キューティクル補修 | コンディショナーの成分が毛穴を詰まらせて薄毛を引き起こす |
| 生活習慣の乱れ、頭皮の炎症 | 髪の水分保持、乾燥防止 | 油分が頭皮の皮脂過多を引き起こす |
| 栄養不足、血行不良 | 髪の静電気防止、摩擦ダメージ軽減 | 洗い残しが頭皮の炎症に直結する |
コンディショナーが頭皮に与える影響
コンディショナーの主成分と役割
コンディショナーの主要な成分は、主に以下の3種類に分類されます。これらの成分は髪にとってはプラスに作用しますが、頭皮にとっては刺激物になり得ます。
まず、油性成分(オイルやシリコン)は、髪の表面をコーティングして摩擦から守り、手触りを滑らかにする役割があります。
シリコンは髪のダメージ部分を埋め、指通りを良くしますが、これが頭皮に付着すると強い皮膜を作り、毛穴を塞いでしまいます。
次に、カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)は、髪のマイナス電荷に吸着し、静電気を防ぎ、コンディショナーの定着を助けます。
これらがトリートメント効果の中心ですが、殺菌作用や皮膚への刺激性が比較的高いものもあります。最後に、保湿成分は、髪の内部と外部に水分を閉じ込め、乾燥を防ぎます。
これらは比較的穏やかですが、過剰に頭皮に残るとベタつきの原因となります。
これらの成分の中で、特にカチオン界面活性剤は洗浄力がほとんどなく、残留しやすい性質があるため、頭皮に付着すると刺激となり得ます。
頭皮に残る成分が引き起こす問題
コンディショナーを誤って頭皮に塗布したり、すすぎが不十分だったりすると、これらの成分が頭皮に残留します。残留した油分やカチオン界面活性剤は、以下の問題を引き起こす可能性があります。
毛穴の詰まりは、頭皮の常在菌であるマラセチア菌の餌となり、炎症を伴うフケやかゆみ、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルの原因となります。
炎症が慢性化すると、毛根がダメージを受け、健康な髪の成長が妨げられ、結果的に抜け毛が増えることにつながります。
これは薄毛の直接的な原因ではありませんが、薄毛の進行を早める「悪環境」を作る要因になります。健康な髪が育つためには、頭皮が炎症を起こさず、清潔に保たれていることが必要です。
また、過酸化脂質が生成されることで、毛母細胞の働きが鈍くなり、髪の成長サイクルが乱れる可能性もあります。これが「コンディショナーはげる」という誤解の主な原因です。
健康な頭皮環境の重要性
育毛・薄毛予防において最も重要であることは、清潔で健康な頭皮環境を維持することです。
頭皮は髪の土壌であり、この土壌が汚れていたり炎症を起こしていたりすると、どんなに優れた育毛剤を使っても効果が半減してしまいます。
健康な頭皮は、適切な皮脂分泌と血行が保たれ、ターンオーバーが正常に行われています。
コンディショナーの残留物は、このターンオーバーを乱し、毛穴を塞ぐことで、髪が健やかに育つ環境を破壊してしまいます。
コンディショナーを使う際は、その役割を理解し、髪のみに使用し、頭皮への付着を徹底して避けることが大切です。
頭皮の血行不良は、髪に必要な栄養が行き届かなくなるため、薄毛の進行に大きく関わります。炎症や詰まりは血行不良を招くため、間接的に薄毛のリスクを高めることになります。
コンディショナーの主要成分と頭皮への作用
| 成分の種類 | 主な役割 | 頭皮への影響(残留時) |
|---|---|---|
| 油性成分(シリコンなど) | 髪の保護、手触り向上 | 毛穴詰まり、皮脂の過酸化 |
| カチオン界面活性剤 | 静電気防止、髪への吸着 | 刺激、炎症、かゆみの原因 |
| 保湿成分(グリセリンなど) | 水分保持、乾燥防止 | 比較的穏やかだが、過剰だとベタつきに |
シャンプーとコンディショナーの明確な違いを理解する
シャンプーの役割は「洗浄」
シャンプーは、頭皮と髪に付着した汚れ、過剰な皮脂、ホコリ、スタイリング剤などを洗い流すことを目的としています。
主要成分は「界面活性剤」であり、これは水と油を馴染ませる作用によって汚れを乳化し、水で洗い流せるようにします。
育毛を考える男性は、洗浄力が強すぎるシャンプーを選ぶと、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、かえって乾燥や皮脂の過剰分泌を招くことがあります。
そのため、アミノ酸系やベタイン系などの、洗浄力が穏やかで頭皮に優しいシャンプーを選ぶことが重要です。頭皮の汚れをしっかりと落とすことが、薄毛予防の土台となります。
シャンプーによる洗浄が不十分だと、頭皮の皮脂や汗、古い角質が毛穴に残り、コンディショナーの残留物と組み合わさって、より深刻な詰まりを引き起こします。
シャンプー前の予洗いを丁寧に行い、シャンプーをしっかり泡立てて頭皮全体を優しく洗い上げることが大切です。
コンディショナーの役割は「保護・保湿」
一方でコンディショナーの役割は、洗浄によって失われた髪のキューティクルを整え、髪の内部の水分や栄養分が流出するのを防ぎ、髪の表面を滑らかにコーティングして外部の刺激から保護することです。
シャンプー後の髪は、キューティクルが開いた状態になりやすいですが、コンディショナーに含まれるカチオン界面活性剤や油性成分がこれらを閉じ、髪を弱酸性の状態に戻す手助けをします。
これにより、髪一本一本が強くなり、切れ毛や枝毛、摩擦によるダメージを防ぐことができます。髪が物理的に丈夫になることで、ブラッシングやタオルドライ時の抜け毛(切れ毛)を減らす効果も期待できます。
コンディショナーは「髪を育てる」というより「今ある髪を守る」ための製品だと理解しましょう。
目的を間違えた使用方法の危険性
シャンプーとコンディショナーの役割を混同することが、薄毛予防を妨げる大きな要因となります。
例えば、「コンディショナーで頭皮の汚れを落とせる」と誤解してシャンプー代わりに使うと、頭皮の汚れは全く落ちずに油分だけが残留し、毛穴を確実に詰まらせます。
逆に、「シャンプーだけで十分」と誤解してコンディショナーを使わないと、髪は乾燥し、キューティクルが剥がれやすくなり、物理的なダメージで抜け毛(切れ毛)が増加する可能性があります。
この二つのアイテムは、車の運転でいうところの「アクセル」と「ブレーキ」のように、互いに補完し合う関係にあります。
それぞれの役割を意識して使い分けることが、健康な頭皮と髪を育てる上で欠かせません。
薄毛を防ぐコンディショナーの「正しい」使い方
塗布する場所を明確に区別する
コンディショナーを頭皮に付着させないことが、薄毛対策の第一歩であり最も大切なことです。コンディショナーは、髪の毛の「中間から毛先」にのみ塗布するようにします。
髪の毛の根元や、特に頭皮に近い部分の髪は、比較的ダメージが少ないため、コンディショナーによる過剰なコーティングは不要です。
手のひらに適量を取ったら、まず毛先を中心に馴染ませ、その後に手のひらに残ったわずかな量を髪の中間部分に軽く揉み込むようにして広げます。
このとき、頭皮から2〜3cmは離れた場所から塗布することを常に意識してください。また、直接ボトルから取り出す際も、頭皮に触れないように注意深く扱うことが大切です。
髪が短い男性の場合、つい頭皮全体に揉み込んでしまいがちですが、ショートヘアであってもコンディショナーは毛先にだけ馴染ませ、極力頭皮に近づけないことが重要です。
髪の長さが短いほど、少量で十分です。
必要な放置時間と適切なすすぎ方
コンディショナーの多くは、髪の表面をコーティングする作用が主であるため、トリートメントのように長時間放置する必要はありません。塗布後、数十秒から1分程度で十分な効果を発揮します。
製品によっては推奨される放置時間があるため、パッケージの記載を確認し、それを守るようにしましょう。
最も重要なのは、その後の「すすぎ」です。薄毛を防ぐための正しい使い方のうち、すすぎは9割を占めると言っても過言ではありません。
コンディショナーの残留は、薄毛を引き起こす「頭皮環境の悪化」に直結します。ぬめり感がなくなるまで、念入りに、そして時間をかけてすすぐことが必要です。
髪だけでなく、頭皮全体にシャワーを当て、指の腹で優しくマッサージするように洗い流してください。特に、耳の後ろや襟足の生え際は、すすぎ残しが発生しやすい場所なので、特に注意深く確認します。
頭皮用トリートメントとの使い分け
近年は、頭皮と髪の両方に使える「スカルプトリートメント」や「頭皮用コンディショナー」といった製品も増えています。
これらの製品は、頭皮に付着しても問題が起きにくいように成分が調整されていますが、一般的なコンディショナーとは分けて考えるべきです。
正しいコンディショナー使用のポイント
| アクション | 目的 | 薄毛予防への影響 |
|---|---|---|
| 塗布位置を毛先に限定 | 頭皮への残留を防ぐ | 毛穴詰まりによる炎症を防止 |
| 放置時間は短めに | 過剰なコーティングを避ける | 頭皮への刺激を最小限にする |
| 徹底的なすすぎ | カチオン成分の残留防止 | 健康な頭皮のターンオーバー維持 |
薄毛の原因になりやすい「間違った」コンディショナーの使い方
頭皮へ直接擦り込む行為の危険性
コンディショナーを頭皮に擦り込む行為は、薄毛を招くリスクを高めます。
コンディショナーの主成分である油性成分やカチオン界面活性剤は、非常に粘度が高く、毛穴の出口に付着すると、シャンプーだけでは落ちにくい強固なバリアを作ってしまいます。
これにより、毛穴が物理的に塞がれてしまい、皮脂が適切に排出できなくなり、酸化して過酸化脂質へと変化します。この過酸化脂質が毛母細胞にダメージを与え、健全な発毛を妨げることになります。
特にマッサージをするように頭皮に塗り込む行為は、毛穴の奥深くまで成分を押し込んでしまうことになるため、絶対に避けるべきです。
頭皮をマッサージしたい場合は、シャンプー中またはシャンプー前の予洗いの際に行い、コンディショナーは必ず髪の毛のみに使用しましょう。
髪を洗う際は、頭皮を傷つけないように指の腹を使い、爪を立てないように注意します。
すすぎ残しがもたらす頭皮環境の悪化
たとえ髪だけに塗布したとしても、すすぎ残しがあれば、水と一緒に流れ落ちる過程でコンディショナー成分が頭皮に付着してしまいます。すすぎ残しは、前述したように頭皮トラブルの大きな原因です。
特に、シャワーの勢いが弱い、または水温が低すぎると、粘度の高いコンディショナーは流れ落ちにくくなります。
適切な水温は、38℃から40℃程度のぬるま湯です。熱すぎるお湯は頭皮の乾燥を招き、必要な皮脂まで洗い流してしまいますが、冷たすぎると洗浄力・すすぎ力が低下します。
指の腹を使って頭皮を優しく洗いながら、コンディショナーのぬるつきが完全になくなるまで、通常のシャンプーのすすぎ時間よりも長く、念入りにすすぎを行うことが重要です。
特に髪の量が多い方や長い方は、内側までしっかりシャワーを当てる必要があります。
すすぎ不足による皮脂の過酸化は、頭皮の酸化ストレスを高め、これも間接的に薄毛のリスクを増大させる要因となります。
自分に合わない製品を使い続けること
コンディショナーの成分構成は製品によって大きく異なります。
特に、安価な製品や洗浄力が弱いシャンプーとセットで使うことを前提とした製品の中には、非常に強い皮膜力を持つシリコンや、刺激性の高いカチオン界面活性剤を多量に含むものがあります。
これらの成分が体質や肌質に合わない場合、使用を続けることで慢性的なかゆみ、赤み、フケなどのアレルギー反応や刺激性の皮膚炎を引き起こす可能性があります。
少しでも頭皮に異常を感じた場合は、すぐにそのコンディショナーの使用を中止し、成分がシンプルな製品や、育毛サロンなどで推奨されている頭皮に優しい製品に切り替えることが大切です。
合わない製品を使い続けることは、薄毛対策という目標から遠ざかってしまいます。製品選びの際は、成分表をよく確認し、自分の頭皮と肌の反応を常に観察することが大切です。
間違ったコンディショナー使用法と頭皮への影響
| 間違った使用法 | 結果として起こる頭皮の問題 | 薄毛への間接的な影響 |
|---|---|---|
| 頭皮全体への塗布 | 毛穴詰まり、皮脂の酸化 | 毛母細胞の活動低下、抜け毛増加 |
| すすぎ時間が短い | 成分の残留、雑菌の繁殖 | 頭皮の炎症、慢性的なかゆみ |
| 合わない高刺激製品の使用 | アレルギー、接触性皮膚炎 | 髪の成長期短縮、薄毛の進行 |
育毛を考える男性が選ぶべきコンディショナーとは
頭皮に優しい低刺激な成分を選ぶ
薄毛対策に取り組む男性がコンディショナーを選ぶ際は、髪への効果だけでなく、間接的に頭皮に影響を与えないかどうかという視点が大切です。
特に注目すべきは、「カチオン界面活性剤」の種類です。
刺激の強いものは避け、ベヘントリモニウムクロリドやステアルトリモニウムクロリドといった、比較的刺激性が低いとされる成分が主体のものを選ぶと安心です。
また、香料や着色料、パラベンなどの防腐剤についても、極力少ないか、天然由来のものを使用している製品を選ぶことが推奨されます。
これらの添加物は、頭皮が敏感な人にとっては刺激となりやすく、炎症の原因となるリスクがあるため、成分表を確認し、シンプルな配合の製品を選ぶことが大切です。
頭皮を刺激から守ることで、健康な状態を保ち、育毛剤などの効果が浸透しやすい環境を整えます。低刺激な製品を選ぶことは、薄毛対策の土台作りに大きく貢献します。
シリコンや油分の含有量を確認する
シリコンは髪のコーティング剤として非常に優秀であり、一概に悪者ではありません。しかし、多量に含まれていると、残留しやすくなり、薄毛対策にはマイナスに働く可能性があります。
特に「ノンシリコン」と謳われている製品でなくても、シリコン成分(例:ジメチコン、シクロメチコンなど)が成分表のかなり下の方に記載されている、つまり含有量が少ない製品を選ぶのが賢明です。
また、天然オイル成分(例:ホホバオイル、アルガンオイルなど)が配合されている場合も、その油分が頭皮に付着しないように使用方法を徹底することが重要です。
油分は髪には大切ですが、皮脂分泌傾向にある男性の頭皮にとっては、更なる負担になる可能性があるため、バランスを見極めることが大切です。
髪の軽さや仕上がりを重視し、重すぎる感触の製品は避ける方が良いでしょう。
育毛効果をサポートする成分の知識
コンディショナーはあくまで「髪の保護」が主目的ですが、頭皮への配慮として、頭皮環境を整える成分を配合している製品を選ぶと、間接的に育毛をサポートします。
具体的には、以下の成分に注目すると良いでしょう。
頭皮の血行を促す成分や、抗炎症作用を持つ植物エキス(例:センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウムなど)が配合されている製品は、もしすすぎの際にわずかに頭皮に触れても、刺激を緩和したり、健康な頭皮状態を維持する手助けをしたりする可能性があります。
ただし、これらの成分の主な役割は、別途使用する育毛剤やシャンプーに求められます。コンディショナーにおいては、あくまで「頭皮に悪影響を与えないこと」を最優先に考えましょう。
育毛対策のためのコンディショナー成分選びのヒント
薄毛予防のために、コンディショナーの成分表をチェックする際のポイントをまとめました。
- 刺激性の低いカチオン界面活性剤(ベヘントリモニウムクロリドなど)を選ぶ
- 防腐剤や香料などの添加物が少ない製品を選ぶ
- シリコンの含有量が少ないもの(成分表の下位に記載)を選ぶ
育毛対策で避けるべき・推奨されるコンディショナー成分
| カテゴリー | 避けるべき成分の例 | 推奨される成分の例 |
|---|---|---|
| カチオン活性剤 | セチルトリメチルアンモニウムクロリド | ベヘントリモニウムクロリド |
| 油分・皮膜剤 | 鉱物油を多量に含むもの | 天然由来の保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸) |
| 刺激物 | 人工的な強い香料、着色料 | 抗炎症成分(グリチルリチン酸2K) |
薄毛を防ぐための総合的なヘアケアルーティン
シャンプー・コンディショナー以外のケアの重要性
薄毛対策は、シャンプーやコンディショナーの使用方法だけで完結するものではありません。特に男性の薄毛の主要因であるAGAに対応するためには、育毛剤の使用が非常に重要です。
育毛剤は、頭皮の血行促進や毛母細胞の活性化、DHTの生成抑制など、薄毛の進行を食い止めるための有効成分を頭皮に直接届けます。
正しいケアの順序は、シャンプーで頭皮を清浄にし、コンディショナーで髪を保護した後、タオルドライで水気を拭き取ってから、有効成分が浸透しやすい状態の頭皮に育毛剤を塗布することです。
育毛剤の効果を最大限に引き出すためにも、コンディショナーによる毛穴詰まりを防ぐ「正しい使い方」は土台として非常に大切です。
育毛剤を選ぶ際は、自分の薄毛の進行度や原因に合わせて、適切な成分が配合されているかを確認しましょう。
また、週に一度程度のスペシャルケアとして、頭皮のディープクレンジングを行うこともお勧めします。これにより、毛穴に詰まった頑固な皮脂やコンディショナーの残留物を除去し、頭皮をリセットできます。
生活習慣と薄毛予防の関係
どんなに高価なヘアケア製品を使っても、生活習慣が乱れていれば薄毛の進行を食い止めることは困難です。薄毛予防は、体の中から行うアプローチも大切です。
薄毛予防に大切な生活習慣の要素
特に重要な生活習慣の要素として、以下の3点が挙げられます。
まず、十分な睡眠です。髪の成長を促す成長ホルモンは、主に深い睡眠時に分泌されます。夜更かしはホルモンの分泌を妨げ、髪の成長を遅らせます。
次に、バランスの取れた食事です。髪の毛の主成分であるタンパク質をはじめ、亜鉛、ビタミン類などの栄養素が不足すると、健康な髪が育ちません。最後に、ストレス管理です。
過度なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良を招くため、適度な運動やリラックスできる時間を持つことが重要です。
これらの生活習慣を整えることが、体全体の健康を保ち、結果的に健康な毛髪を育むための環境を内側から作り上げます。外側からのケアと内側からのケアを両立させることが、薄毛対策を成功に導きます。
専門家への相談のタイミング
自己流のヘアケアや市販の育毛剤で効果が見られない場合、または急激に抜け毛が増えたと感じた場合は、皮膚科や薄毛治療専門のクリニックなど、専門家への相談を検討すべきタイミングです。
特にAGAは進行性の脱毛症であり、早期に治療を開始するほど、薄毛の改善や維持の効果が高まります。
専門家は、薄毛の原因を正確に診断し、内服薬や外用薬、生活指導など、その人に合った治療法を提案してくれます。
コンディショナーの使い方を改善しても抜け毛が減らない場合は、より専門的なアプローチが必要であるサインかもしれません。
薄毛治療は時間との勝負なので、「まだ大丈夫」と自己判断せずに、少しでも不安を感じたら一度プロに相談することをお勧めします。早期発見と早期対応が、将来の髪の状態を大きく左右します。
薄毛予防のための総合的な習慣チェックリスト
| 習慣のカテゴリー | 実践すべきこと | 薄毛予防への効果 |
|---|---|---|
| ヘアケア | 正しい位置にコンディショナーを塗布 | 頭皮環境の正常化、抜け毛の減少 |
| 栄養 | タンパク質、亜鉛、ビタミンB群を摂取 | 健康な髪の毛の生成を促進 |
| 生活 | 毎日7時間以上の質の高い睡眠を確保 | 成長ホルモンの分泌促進 |
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よくある質問
コンディショナーと薄毛に関する疑問は多くの方が抱えています。ここでは、特によく聞かれる質問とその回答をまとめます。
- リンス、トリートメント、コンディショナーの違いはなんですか?
-
一般的に、リンスは髪の表面を滑らかにする効果が主であり、コンディショナーとほぼ同等の役割を持ちます。
トリートメントは、髪の内部にまで浸透してダメージを補修し、栄養を与えることに重点を置いており、コンディショナーよりも高い補修力が期待できます。
薄毛対策においては、髪のダメージ補修に特化したトリートメントも、頭皮に付着させないよう注意して使う分には有効です。
根本的な使い方の違いは、リンスとコンディショナーは「髪の表面」、トリートメントは「髪の内部」に作用する点にあります。
- コンディショナーを使わない方が薄毛予防になりますか?
-
必ずしもそうとは言い切れません。コンディショナーを使わないと、髪の表面にあるキューティクルが開きっぱなしになり、髪の内部の水分や栄養が流出しやすくなります。
その結果、髪は乾燥し、パサつき、切れ毛や枝毛といった物理的なダメージが増える可能性があります。
特に長めの髪やパーマ・カラーリングをしている髪は、コンディショナーによる保護が大切です。
薄毛予防のためにコンディショナーを完全にやめるのではなく、正しい使い方(頭皮につけない、徹底的にすすぐ)を実践することが大切です。
- 薄毛に悩む場合、朝シャンは避けた方が良いですか?
-
薄毛対策において、シャンプーの回数や時間帯よりも、頭皮を清潔に保つことが重要です。
朝シャン自体が薄毛の原因になるわけではありませんが、夜の間に分泌された皮脂や汚れをそのままにして寝るのは衛生的ではありません。
また、朝シャンをした後に髪を完全に乾かさずに出かけると、雑菌が繁殖しやすい環境を作り出し、頭皮トラブルの原因となります。
もし朝シャンをする場合は、必ず夜にもシャンプーを行い、頭皮を清潔に保ち、洗髪後は完全に乾燥させることが大切です。
- 男性は女性用のコンディショナーを使っても問題ありませんか?
-
成分構成に大きな違いがあるわけではないため、一概に問題があるわけではありません。
しかし、女性用の製品は、髪の長さや乾燥対策を重視して、より油分や皮膜成分が多く配合されている傾向があります。
皮脂分泌量が多い男性の頭皮にとっては、これらの成分が過剰となり、毛穴詰まりのリスクを高める可能性があります。
薄毛対策を考える男性は、できるだけ油分が控えめで、さっぱりとした使用感のコンディショナー、または男性の頭皮環境を考慮して開発された製品を選ぶのが無難です。
- コンディショナーで頭皮がべたつく場合、どう対処すべきですか?
-
そのべたつきは、主に二つの原因が考えられます。一つは「すすぎ残し」、もう一つは「製品の成分が肌質に合っていない」ことです。
まずは、すすぎ時間を倍にして、指の腹で頭皮全体を洗い流すことを徹底してください。
それでも改善しない場合は、現在使用しているコンディショナーが、あなたの皮脂分泌量に対して油分が多すぎる可能性があります。
油分やシリコンの配合が控えめな、よりライトなコンディショナー、または頭皮ケアに特化したスカルプトリートメントへの切り替えを検討してください。
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