薄毛の種類
薄毛の症状
薄毛の原因
薄毛治療
当院の薄毛治療
オンライン診療
育毛剤

薄毛治療のいろはこのサイトの目的

薄毛は多くの男性にとって深刻な悩みです。しかし、その原因や種類は多岐にわたり、自己判断での対策は難しい場合があります。

このサイトでは、男性の薄毛治療に関する基本的な知識を網羅的に解説し、専門的な治療への第一歩をサポートします。

ご自身の状態を理解し、適切な対策を見つけるための一助となれば幸いです。

薄毛(男性)の種類と概要専門医への相談が解決の糸口

男性の薄毛と一言で言っても、その背景には様々な種類が存在します。

最もよく知られているのはAGA(男性型脱毛症)ですが、それ以外にも多くの脱毛症があり、それぞれ原因や対処法が異なります。

自己判断で誤ったケアを続けると、症状を悪化させてしまう可能性も否定できません。まずはどのような種類の薄毛があるのかを理解することが大切です。

薄毛(男性)の種類と概要

薄毛の種類は非常に多岐にわたるため、正確な診断を下すには専門的な知識と経験が求められます。

以下に代表的な男性の薄毛の種類を挙げますが、これらはあくまで一部です。ご自身の症状がどれに該当するのか、または複合的な要因が絡んでいるのかを見極めるのは容易ではありません。

薄毛の種類の多様性

このように、薄毛には非常に多くの種類が存在します。それぞれの脱毛症は、原因、進行の仕方、そして推奨される治療法が大きく異なります。

例えば、AGAであれば男性ホルモンの影響が主因ですが、円形脱毛症は自己免疫疾患が関与していると考えられています。また、脂漏性脱毛症や粃糠性脱毛症は頭皮環境のトラブルが原因となることが多いです。

これだけ多くの種類があるため、「最近髪が薄くなってきた」と感じても、それがどのタイプの薄毛なのかを自分で特定するのは困難です。

薄毛治療を専門とする医療機関では、医師が問診、視診、触診に加え、必要に応じてダーモスコピー(頭皮拡大鏡検査)や血液検査などを行い、総合的に診断します。

薄毛治療を専門とする医療機関では、医師が問診、視診、触診に加え、必要に応じてダーモスコピー(頭皮拡大鏡検査)や血液検査などを行い、総合的に診断します。

近年では、郵送で行うことができる遺伝子検査キットも登場し、AGAのリスク判定などに活用されています。遺伝子検査は、AGAの発症しやすさや治療薬への反応性を予測する上で参考情報の一つとなり得ます。

しかし、遺伝子検査の結果だけで全てが決まるわけではなく、医師の診断と合わせて総合的に判断することが重要です。

薄毛の悩みを抱えたら、まずは専門家がいる医療機関を受診し、精密な検査を受けるか、あるいは遺伝子検査を通じて自身の状態を把握することが適切な治療への第一歩と言えるでしょう。

早期の対応が、より良い結果につながる可能性を高めます。

薄毛の症状とセルフチェック~早期発見が鍵~

薄毛は進行性のものが多いため、早期にその兆候に気づき、対策を始めることが重要です。しかし、毎日鏡を見ていると、わずかな変化には気づきにくいものです。

ここでは、代表的な薄毛の症状と、ご自身でできる簡単なセルフチェックの方法を紹介します。ただし、セルフチェックはあくまで目安であり、正確な診断は医療機関で行う必要があります。

薄毛の症状とセルフチェック~早期発見が鍵~

生え際の後退

生え際の後退

生え際の後退は、特にAGA(男性型脱毛症)によく見られる症状の一つです。

額の左右のそり込み部分から後退していく「M字型」や、額全体が徐々に広くなっていく「U字型」など、いくつかのパターンがあります。

以前よりも額が広くなった、生え際の毛が細く弱々しくなったと感じたら注意が必要です。

セルフチェック

定期的に鏡で生え際ラインを確認することが基本です。指で額の広さを測ってみたり(例:指4本分だったのが5本分になったなど)、過去の写真と比較してみるのも良いでしょう。

洗髪時やスタイリング時に、生え際の毛が以前より抜けやすくなっていないかも確認ポイントです。

頭頂部の薄毛

頭頂部の薄毛

頭頂部(つむじ周辺)の薄毛もAGAの典型的な症状で、「O字型」と呼ばれることもあります。自分では直接見えにくい部分であるため、気づくのが遅れがちです。

合わせ鏡を使ったり、家族や友人に指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。

頭頂部の髪のボリュームが減った、地肌が透けて見えるようになった、つむじが広がったように感じるなどの変化が現れます。

セルフチェック

スマートフォンで頭頂部を撮影してみるのが有効です。定期的に撮影して比較することで、変化を客観的に捉えられます。

また、枕に付着する抜け毛の量が増えていないか、特に頭頂部付近の毛が多くないかなどもチェックしてみましょう。

分け目の薄毛

分け目の薄毛

長年同じ分け目にしていると、その部分の地肌が目立ちやすくなることがあります。

これは牽引性脱毛症の一因となることもありますが、AGAやびまん性脱毛によって分け目周辺の毛髪密度が低下し、薄毛が目立つようになるケースも多いです。

分け目を変えても薄さが気になる場合は注意が必要です。

セルフチェック

鏡で分け目の地肌の透け具合を確認します。以前よりも分け目の幅が広がっていないか、分け目周辺の髪の毛が細くなっていないかなどを観察しましょう。

髪をかき上げたときに、地肌が広範囲に見えるようになってきたら、薄毛が進行している可能性があります。

円形脱毛

円形脱毛

円形脱毛症は、ある日突然、コイン大の円形または楕円形の脱毛斑が現れるのが特徴です。1箇所だけの場合もあれば、多発することもあります。

原因は自己免疫疾患と考えられており、ストレスや疲労が誘因となることもあります。

かゆみや軽い赤みを伴うこともありますが、自覚症状がない場合も多いです。

セルフチェック

頭皮全体を触って、不自然な脱毛箇所がないか確認することです。特に後頭部や側頭部など、自分では見えにくい部分も注意深くチェックしましょう。

美容室や理髪店で指摘されて気づくこともあります。

びまん性脱毛

びまん性脱毛

びまん性脱毛は、頭部全体で均等に毛髪が薄くなる状態を指します。特定の部位だけが薄くなるのではなく、全体のボリュームが失われ、地肌が透けて見えるようになります。

AGAでも進行するとびまん性の様相を呈することがありますが、女性に多いFAGA(女性男性型脱毛症)や、休止期脱毛症などでも見られます。

セルフチェック

髪全体のボリューム感を意識します。

以前と比べて髪型がまとまりにくくなった、髪を束ねたときの太さが細くなった、頭皮全体が透けて見えるようになったなどの変化がないか確認しましょう。

脂漏性脱毛

脂漏性脱毛

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰な分泌によって頭皮環境が悪化し、炎症や抜け毛を引き起こす状態です。

頭皮のベタつき、フケ(特に湿った大きなフケ)、かゆみなどが主な症状です。

毛穴が皮脂で詰まると、毛髪の正常な成長が妨げられます。

セルフチェック

頭皮の油っぽさやフケの状態を観察します。

洗髪後数時間で頭皮がベタつく、湿ったフケが多い、頭皮にかゆみや赤みがある場合は、脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症の可能性があります。

粃糠性脱毛

粃糠性脱毛

粃糠性脱毛症は、乾燥した細かいフケ(粃糠様落屑)が大量に発生し、頭皮の乾燥やかゆみを伴う状態です。頭皮のターンオーバーの異常などが原因と考えられています。

乾燥によって頭皮のバリア機能が低下し、炎症や抜け毛につながることがあります。

セルフチェック

頭皮の乾燥具合やフケの質を確認します。

乾いた細かいフケが肩によく落ちる、頭皮が乾燥してつっぱる感じがする、かゆみが強いなどの症状があれば、粃糠性脱毛症の可能性があります。


主な薄毛の症状とセルフチェックポイントまとめ

症状特徴簡単なセルフチェック方法
生え際の後退M字型やU字型に額が広がる鏡で生え際ラインを定期的に確認、過去の写真と比較
頭頂部の薄毛つむじ周りが薄くなり地肌が透ける合わせ鏡やスマホで頭頂部を撮影し比較、枕の抜け毛確認
分け目の薄毛分け目の地肌が目立ち、幅が広がる分け目の透け具合、髪をかきあげて地肌の露出度を確認
円形脱毛コイン大の脱毛斑が突然出現頭皮全体を触診、美容師などに確認してもらう
びまん性脱毛頭部全体の髪が均等に薄くなる髪全体のボリューム感の変化、束ねた毛束の太さを確認
脂漏性脱毛頭皮のベタつき、湿った大きなフケ、かゆみ洗髪後の頭皮の油っぽさ、フケの質、かゆみの有無を確認
粃糠性脱毛乾燥した細かいフケ、頭皮の乾燥、かゆみ肩に落ちるフケの量や質、頭皮の乾燥感を確認

これらのセルフチェックはあくまで初期の気づきを得るためのものです。

気になる症状があれば、自己判断せずに早めに専門の医療機関を受診し、医師の診断を受けることが薄毛対策の重要な一歩となります。

薄毛の原因および医療機関での検査内容原因究明と対策

薄毛の悩みは多くの人にとって切実ですが、その原因は一つではありません。遺伝的な要因から生活習慣、頭皮環境に至るまで、様々な要素が複雑に絡み合って薄毛を引き起こします。

原因を正しく理解することは、適切な対策や治療法を選択する上で非常に重要です。ここでは、代表的な薄毛の原因と、医療機関で行われる主な検査内容について解説します。

薄毛の原因および医療機関での検査内容原因究明と対策

代表的な薄毛の原因

薄毛を引き起こす原因は多岐にわたりますが、特に男性の薄毛に深く関わると考えられている代表的なものをいくつか紹介します。

ただし、これらが全てではなく、複数の原因が複合的に作用している場合も少なくありません。

遺伝的要因

遺伝的要因

遺伝的要因は、薄毛の発生に大きく関与します。特にAGA(男性型脱毛症)は遺伝的素因が強いとされ、家族に薄毛の人がいる場合、自身も発症する可能性が高まります。

薄毛になりやすさや、男性ホルモンに対する感受性などが遺伝すると考えられています。

男性ホルモンの影響

男性ホルモンの影響

男性ホルモンの影響もAGAの主要な原因です。男性ホルモンの一種であるテストステロンが、特定の酵素(5αリダクターゼ)によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。

このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合すると、毛髪の成長期を短縮させ、毛髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう現象を引き起こします。これがAGAの進行パターンです。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れ

食生活の偏り、睡眠不足、過度なストレスなど、生活習慣の乱れは、髪の健康に多大な影響を与えます。栄養バランスの偏った食事は、髪の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの不足を招きます。

睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、毛髪の修復や成長を遅らせます。また、過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行不良や免疫力の低下を引き起こし、抜け毛を促進する可能性があります。

頭皮環境の悪化

頭皮環境の悪化

不適切なヘアケア、皮脂の過剰分泌、乾燥など頭皮環境の悪化も薄毛の重要な原因です。洗浄力の強すぎるシャンプーや間違った洗髪方法、整髪料の洗い残しなどは頭皮にダメージを与え、乾燥や炎症を引き起こします。

逆に、皮脂の過剰な分泌は毛穴を詰まらせ、脂漏性皮膚炎やそれに伴う脱毛の原因となります。健康な髪は健康な頭皮から育つため、頭皮環境を清潔で健やかに保つことが大切です。

血行不良

血行不良は、毛髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛母細胞へ十分に供給されなくなる原因となります。頭皮の血行が悪くなると、毛母細胞の活動が低下し、髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。

運動不足、喫煙、ストレスなどが血行不良を引き起こす要因として挙げられます。

自己免疫疾患

自己免疫疾患

自己免疫疾患が原因で脱毛が起こることもあります。代表的なものが円形脱毛症で、免疫システムが誤って自身の毛包を攻撃してしまうことで発症します。

甲状腺疾患などの内分泌系の病気が関連している場合もあります。

これらの他にも、薬剤の副作用、過度なダイエットによる栄養失調、特定の皮膚疾患などが薄毛の原因となることがあります。

ご自身の薄毛の原因が何であるかを特定するためには、専門医による診断が重要です。

医療機関での検査内容

薄毛の原因を特定し、適切な治療法を選択するために、医療機関では様々な検査を行います。以下に主な検査内容を挙げます。

問診

問診

問診では、薄毛が気になり始めた時期、進行の程度、既往歴、家族歴、生活習慣(食事、睡眠、ストレス、喫煙・飲酒の習慣など)、使用中の薬剤、ヘアケアの方法などを詳しく聞き取ります。

これらの情報は、原因を推測する上で重要な手がかりとなります。

視診・触診

視診・触診

視診・触診では、医師が直接頭皮や毛髪の状態を観察します。

薄毛の範囲やパターン、頭皮の色、炎症の有無、フケの状態、毛髪の太さや密度などを詳細に確認します。

ダーモスコピー検査

ダーモスコピー検査

ダーモスコピー検査は、頭皮や毛穴の状態を数十倍に拡大して観察する検査です。

毛穴の詰まり具合、血管のパターン、毛髪の太さのばらつき、炎症の微細な兆候などを詳細に把握でき、AGAやその他の脱毛症の診断に役立ちます。

血液検査

血液検査

血液検査は、全身状態の把握や、薄毛の原因となり得る内科的疾患(甲状腺機能異常、貧血、自己免疫疾患など)の有無を調べるために行うことがあります。

また、ホルモンバランスの乱れが疑われる場合には、ホルモン値の測定も行います。

遺伝子検査

遺伝子検査

遺伝子検査は、主にAGAのリスクを評価するために行います。唾液や口腔内粘膜からDNAを採取し、AGAの発症に関与するとされる遺伝子(アンドロゲン受容体遺伝子など)のタイプを調べます。

これにより、AGAの発症しやすさや、特定の治療薬(フィナステリドなど)への反応性を予測する参考情報が得られます。

※遺伝子検査の結果はあくまで可能性を示すものであり、確定診断や治療方針の決定は、医師が他の検査結果や症状と合わせて総合的に判断します。

主な薄毛原因と関連する検査

主な原因関連する検査(例)検査でわかること(例)
遺伝的要因遺伝子検査AGAの発症リスク、治療薬への反応性予測
男性ホルモンの影響血液検査(ホルモン値)、遺伝子検査DHT感受性、ホルモンバランス
生活習慣の乱れ問診、血液検査(栄養状態など)栄養不足、ストレス指標、生活習慣の問題点
頭皮環境の悪化視診、ダーモスコピー頭皮の炎症、毛穴の状態、皮脂量、乾燥度
血行不良問診、視診(頭皮の色など)血行不良を示唆する所見、生活習慣
自己免疫疾患血液検査(自己抗体など)、皮膚生検(稀)自己免疫疾患の有無、炎症の程度

薄毛の原因は人それぞれであり、遺伝が関与することも少なくありません。

特にAGAは遺伝的素因が強いことが知られています。ご自身の両親や祖父母に薄毛の方がいる場合、AGAを発症するリスクが高い可能性があります。

遺伝子検査を行うことで、AGAのリスクを客観的に把握し、早期からの予防や対策を検討するきっかけになります。また、治療薬の効果予測にも役立つため、治療計画を立てる上で有益な情報となります。

ただし、遺伝子検査の結果に一喜一憂するのではなく、専門医と相談しながら、ご自身に合った対策を見つけていくことが大切です。

男性の薄毛治療段階的なアプローチ

男性の薄毛治療には様々な選択肢があり、症状の進行度や原因、個人の希望に応じて治療法を検討します。

一般的には、まず手軽に始められる対策からスタートし、効果が見られない場合に専門的な治療へと移行していく段階的なアプローチが推奨されます。

ここでは、代表的な薄毛治療の流れと、それぞれの治療法について解説します。また、よく話題に上がる自毛植毛についても、その特性と注意点を説明します。

男性の薄毛治療段階的なアプローチ

Step1

初期段階市販育毛剤での対策

初期段階市販育毛剤での対策

薄毛が気になり始めた初期段階では、まず市販の育毛剤(薬用育毛剤、ヘアトニックなど)を使用してみる方が多いでしょう。

これらの製品は、主に頭皮環境を整え、血行を促進し、毛髪にハリやコシを与えることを目的としています。有効成分としては、センブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウム、ビタミンE誘導体などが配合されていることが多いです。

市販育毛剤は、医薬品ではなく医薬部外品に分類されるものがほとんどで、その効果は「抜け毛予防」や「育毛(今ある髪を健康に育てる)」、「頭皮環境の改善」が中心です。

新たに髪を生やす「発毛」効果を謳えるのは、医薬品として承認された成分を含む製品に限られます。

育毛剤を使用する際は、説明書をよく読み、正しい方法で継続的に使用することが大切です。また、頭皮マッサージを併用することで、血行促進効果を高めることが期待できます。

数ヶ月使用しても効果を実感できない場合や、薄毛が進行していると感じる場合は、次の段階の治療を検討する必要があります。

Step2

進行した場合発毛剤(ミノキシジル外用薬)の使用

進行した場合発毛剤(ミノキシジル外用薬)の使用

市販の育毛剤で十分な効果が得られない場合や、ある程度薄毛が進行している場合には、発毛効果が認められている医薬品の使用を検討します。その代表的なものが「ミノキシジル外用薬」です。

ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用されました。日本では、ミノキシジルを配合した外用薬が第一類医薬品として市販されており、薬剤師の指導のもとで購入できます。

ミノキシジルには、毛母細胞を活性化させ、毛髪の成長期を延長し、休止期から成長期への移行を促進する作用があります。

これにより、細く短くなった毛髪を太く長く成長させ、発毛を促します。濃度によって効果や副作用のリスクが異なるため、専門医や薬剤師に相談の上、適切な製品を選択することが重要です。

効果が現れるまでには通常3~6ヶ月程度の継続使用が必要とされ、使用を中止すると再び薄毛が進行する可能性があります。副作用としては、頭皮のかゆみ、発疹、接触皮膚炎などが報告されています。

Step3

内服薬(医薬品)による治療

内服薬(医薬品)による治療

ミノキシジル外用薬でも効果が不十分な場合や、より積極的な治療を希望する場合には、医療機関で処方される内服薬による治療が選択肢となります。

AGA治療の内服薬として代表的なものに、「フィナステリド」と「デュタステリド」があり、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで抜け毛を防ぎ、AGAの進行を遅らせる効果があります。

フィナステリドは5αリダクターゼ(II型)を阻害し、デュタステリドは5αリダクターゼ(I型およびII型)の両方を阻害します。デュタステリドの方がより強力にDHTの生成を抑制するとされています。

これらの内服6薬は医師の処方が必要であり、定期的な診察のもとで使用します。効果を実感するまでには通常6ヶ月程度の継続服用が必要で、服用を中止すると効果は失われます。

副作用としては、性機能障害(性欲減退、勃起機能不全など)や肝機能障害などが報告されていますが、頻度は低いとされています。また、女性や未成年者は服用できません。

医療機関によっては、ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット、通称ミノタブ)を処方する場合もあります。

ミノキシジル内服薬は外用薬よりも血中濃度が高くなりやすく、全身の多毛や動悸、むくみなどの副作用のリスクも高まるため、医師の厳格な管理下で使用する必要があります。

日本ではAGA治療薬として未承認であり、その使用は医師の裁量に委ねられています。

Step4

自毛植毛についての注意点

自毛植毛についての注意点

自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自身の毛髪を毛組織ごと採取し、薄毛の気になる部分に移植する外科的な治療法です。

移植した毛髪はその場で生着し、成長を続けることが期待できます。見た目の改善効果が高い治療法の一つですが、いくつかの注意点があります。

まず、自毛植毛は「髪の毛の引越し」にすぎず、全体の毛髪の総量が増えるわけではありません。ドナーとなる毛髪(採取できる毛髪)には限りがあり、広範囲の薄毛を完全にカバーできない場合もあります。

また、植毛した毛髪はAGAの影響を受けにくいですが、既存の毛髪(植毛していない部分の毛髪)はAGAの影響を受け続けるため、薄毛の進行を止めるわけではありません。

したがって、自毛植毛後も、AGAの進行を抑制するために内服薬(フィナステリドやデュタステリド)やミノキシジル外用薬による治療を継続することが一般的に推奨されます。

これを怠ると、植毛した部分だけが残り、周囲の毛髪が薄くなって不自然な状態になる可能性があります。

自毛植毛は根本的な薄毛対策ではなく、あくまで薄くなった部分を視覚的に改善する手段の一つと理解することが重要です。費用も高額になる傾向があり、手術であるためダウンタイムやリスクも伴います。

これらの点を十分に理解し、医師とよく相談した上で検討する必要があります。

主な薄毛治療法とその特徴

治療法主な目的・作用期待できること・注意点
市販育毛剤(医薬部外品)頭皮環境改善、血行促進抜け毛予防、育毛。発毛効果は限定的。
ミノキシジル(医薬品)毛母細胞活性化、成長期延長発毛促進。継続使用が必要。かゆみ等の副作用の可能性。
フィナステリド・デュタステリド内服薬(医薬品)DHT生成抑制AGA進行抑制、抜け毛減少。医師の処方が必要。副作用の可能性。
自毛植毛(外科手術)自身の毛髪を薄毛部位に移植視覚的な改善。根本治療ではなく、術後も薬物治療の継続が推奨されることが多い。

男性の薄毛治療は、一つの方法だけで解決するとは限りません。個々の状態や進行度、原因に合わせて、これらの治療法を単独で、あるいは組み合わせて行うことが一般的です。

どの治療法がご自身に適しているかについては、必ず専門の医師に相談し、十分な説明を受けた上で決定するようにしましょう。早期に適切な治療を開始することが、より良い結果につながります。

Reference

YORK, Katherine, et al. A review of the treatment of male pattern hair loss. Expert opinion on pharmacotherapy, 2020, 21.5: 603-612.

VILA-VECILLA, Laura; RUSSO, Valentina; DE SOUZA, Gustavo Torres. Genomic Markers and Personalized Medicine in Androgenetic Alopecia: A Comprehensive Review. Cosmetics, 2024, 11.5: 148.

LOLLI, Francesca, et al. Androgenetic alopecia: a review. Endocrine, 2017, 57: 9-17.

CRANWELL, William; SINCLAIR, Rodney. Male androgenetic alopecia. 2015.

HO, Chih-Yi, et al. Female pattern hair loss: an overview with focus on the genetics. Genes, 2023, 14.7: 1326.

ŚLIWA, Karol, et al. The diagnosis and treatment of androgenetic alopecia: a review of the most current management. In: Forum Dermatologicum. 2023. p. 99-111.

ANASTASSAKIS, Konstantinos; ANASTASSAKIS, Konstantinos. Hormonal and genetic etiology of male androgenetic alopecia. Androgenetic Alopecia From A to Z: Vol. 1 Basic Science, Diagnosis, Etiology, and Related Disorders, 2022, 135-180.

TRÜEB, Ralph M. Understanding pattern hair loss—hair biology impacted by genes, androgens, prostaglandins and epigenetic factors. Indian Journal of Plastic Surgery, 2021, 54.04: 385-392.

ASFOUR, Leila; CRANWELL, William; SINCLAIR, Rodney. Male androgenetic alopecia. Endotext [Internet], 2023.

記事一覧

薄毛の種類 症状から調べる 原因から調べる