「最近、抜け毛が急に増えた気がする」「髪全体が薄くなったように感じる」そんな悩みを抱えていませんか。もしかすると、それは「休止期脱毛症」かもしれません。
この記事では、休止期脱毛症の基本的な知識から、原因、症状、セルフチェック法、病院での治療、そして回復までの期間や予防策について詳しく解説します。
正しい知識を身につけ、過度な不安を解消し、適切な対策へとつなげましょう。
この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック 統括院長
前田 祐助
【経歴】
慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設
2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設
資格・所属学会・症例数
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
3万人以上※
※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
休止期脱毛症とは?正しく理解して不安を解消

休止期脱毛症は、何らかの原因によって髪の毛の成長サイクル(毛周期)が乱れ、通常よりも多くの髪の毛が一斉に休止期に入り、結果として抜け毛が増加する状態を指します。
多くの場合、原因が取り除かれれば回復が見込める一時的な脱毛症ですが、その症状に驚き、不安を感じる方は少なくありません。まずは、この脱毛症の基本的な特徴を理解することが、不安解消の第一歩です。
毛髪サイクルの乱れが引き起こす脱毛症
私たちの髪の毛は、一定のサイクルで成長し、自然に抜け落ち、そしてまた新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返しています。このサイクルを「毛周期」と呼びます。
休止期脱毛症は、この毛周期のバランスが崩れることで発生します。
成長期・退行期・休止期とは
毛周期は、主に以下の3つの期間で構成されています。
- 成長期:髪が活発に成長する期間。通常2~6年程度続きます。
- 退行期:髪の成長が止まり、毛球部が縮小する期間。約2~3週間です。
- 休止期:髪が抜け落ちる準備をする期間。約3~4ヶ月続き、この期間が終わると髪は自然に抜け落ちます。
健康な状態では、頭髪の約85~90%が成長期にあり、休止期にあるのは約10~15%程度です。1日に自然に抜ける髪の毛は50~100本程度と言われています。
休止期脱毛症における毛髪サイクルの変化
休止期脱毛症では、何らかのストレスや原因により、成長期にあるべき多くの毛髪が prematurely(早期に)休止期へと移行してしまいます。
その結果、通常よりも多くの毛髪(時には全体の30%以上)が同時に休止期に入り、数ヶ月後(通常2~4ヶ月後)に一斉に抜け落ちるため、抜け毛の量が急激に増加するのです。
この「時間差」で症状が現れるのが特徴の一つです。
一時的な脱毛症であることを認識する
休止期脱毛症の多くは、原因が特定され、それを取り除くことができれば、毛周期は再び正常な状態に戻り、髪の毛は回復に向かいます。
そのため、男性型脱毛症(AGA)のように進行性で永続的な脱毛とは異なる点を理解しておくことが重要です。しかし、抜け毛の量が多いため、精神的なショックを受ける方も少なくありません。
過度な心配はストレスの原因にも
抜け毛が増えること自体が新たなストレスとなり、症状を悪化させる可能性も考えられます。
休止期脱毛症は一時的なものであること、そして適切な対策や治療によって回復が期待できることを知り、冷静に対処することが大切です。
もちろん、自己判断せずに専門医に相談することも、不安を軽減し、的確なアドバイスを得るために有効な手段です。
あなたの抜け毛パターンは?休止期脱毛症の典型的な症状

休止期脱毛症の症状は、他の脱毛症と区別する上で重要な手がかりとなります。どのような抜け毛のパターンが見られるのか、具体的な症状を把握しておきましょう。
全体的に髪が薄くなるびまん性の抜け毛
休止期脱毛症の最も典型的な症状は、「びまん性脱毛」と呼ばれる、頭部全体の髪が均等に薄くなる抜け方です。特定の部位だけが禿げるのではなく、全体的にボリュームダウンしたように感じられます。
特定の部位だけでなく頭部全体の症状
男性型脱毛症(AGA)が生え際や頭頂部など特定の部位から薄くなるのに対し、休止期脱毛症ではそのような局所性はあまり見られません。
シャンプー時やブラッシング時、朝起きた時の枕など、日常生活の様々な場面で「抜け毛が増えた」と実感することが多いでしょう。
抜け毛の本数が急に増える
通常1日に50~100本程度の抜け毛は正常範囲内ですが、休止期脱毛症ではこれが200本、300本、あるいはそれ以上に増加することがあります。
この急激な抜け毛の増加が、患者さんにとって最も分かりやすい症状の変化と言えます。
髪質の変化もサイン
抜け毛の量だけでなく、残っている髪の毛の質にも変化が見られることがあります。これは、毛髪サイクルが乱れ、十分に成長しきれない髪が増えることなどが影響していると考えられます。
髪の毛が細くなる、ハリやコシが失われる
以前と比べて髪の毛一本一本が細く、弱々しくなったように感じたり、髪全体のハリやコシが失われ、スタイリングがしにくくなったりすることがあります。
これは、毛根への栄養供給が滞っている可能性も示唆します。
頭皮が見えやすくなる
髪全体のボリュームが減少し、髪が細くなることで、分け目や頭頂部などで地肌、つまり頭皮が透けて見えやすくなることがあります。これも、患者さんが薄毛を実感する一因です。
症状が現れるまでの期間
休止期脱毛症の原因となる出来事(高熱、大きな手術、極度のストレス、出産など)が発生してから、実際に抜け毛が増え始めるまでには、通常2~4ヶ月程度のタイムラグがあります。
これは、原因によって成長期から休止期に移行した毛髪が、実際に抜け落ちるまでの期間に相当します。この時間差があるため、原因を特定しにくい場合もあります。
休止期脱毛症の主な症状の概要
症状のポイント | 具体的な内容 | 備考 |
---|---|---|
抜け毛のパターン | 頭部全体のびまん性脱毛 | AGAのような局所性はない |
抜け毛の量 | 1日数100本以上の急増 | シャンプー時や枕元で顕著 |
髪質の変化 | 細毛化、ハリ・コシの低下 | 頭皮が透けて見えることも |
自宅でできる!休止期脱毛症のセルフチェック法

「もしかして休止期脱毛症かも?」と思ったら、専門医の診断を受ける前に、自宅でできる簡単なセルフチェックを試してみましょう。
これにより、ご自身の状態をある程度把握し、医師に相談する際の参考情報とすることができます。
抜け毛の状態を確認する
抜け落ちた髪の毛の状態を観察することは、脱毛症の種類を見極める上で役立ちます。
毛根の形をチェック(棍棒状の毛)
休止期脱毛症で抜ける毛の毛根は、「棍棒状毛(こんぼうじょうもう)」と呼ばれる、先端が丸く膨らんだ形をしているのが特徴です。これは、自然な毛周期の休止期を終えて抜け落ちた毛髪に見られる形状です。
毛根に白い付着物(毛根鞘)が少量ついていることもあります。もし、毛根が委縮していたり、途中で切れたりしている毛が多い場合は、他の脱毛症の可能性も考えられます。
1日の抜け毛の本数を数える(目安としての本数)
正確に数えるのは難しいかもしれませんが、洗髪時や朝の枕元の抜け毛などを集めて、おおよその本数を把握してみましょう。
通常は1日50~100本程度ですが、これが200本を超える日が続くようであれば、何らかの脱毛症が疑われます。特に、以前と比較して明らかに抜け毛が増えたと感じる場合は注意が必要です。
頭皮環境をチェック
頭皮の状態は、髪の健康と密接に関連しています。頭皮トラブルが抜け毛の原因となることもあります。
頭皮の色や硬さ
健康な頭皮は青白い色をしていますが、炎症や血行不良があると赤っぽくなったり、黄色っぽくなったりすることがあります。
また、指で触れてみて、頭皮が硬く張っている感じがする場合も、血行が悪くなっているサインかもしれません。頭皮マッサージなどを試みて、柔軟性を確認しましょう。
フケやかゆみの有無
過度なフケやかゆみは、頭皮の乾燥や炎症、あるいは脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルの可能性があります。
これらの状態が続くと、毛穴が詰まったり、毛髪の成長が妨げられたりして、抜け毛の原因や悪化要因となることがあります。使用しているシャンプーが合わない可能性も考慮しましょう。
生活習慣の振り返り
休止期脱毛症の引き金となるのは、多くの場合、身体的または精神的なストレスです。最近の生活習慣を振り返ってみましょう。
最近の大きなストレスイベント
数ヶ月以内に、以下のような出来事がなかったか思い出してみてください。
- 精神的な大きなショック(身近な人との別れ、仕事上の大きな問題など)
- 身体的な大きな負担(高熱を伴う病気、大きな手術、怪我、急激なダイエット)
- 環境の大きな変化(転職、引っ越しなど)
食生活の乱れや睡眠不足
髪の毛はタンパク質を主成分とし、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素から作られます。極端な食事制限や偏った食事は、髪に必要な栄養が不足し、抜け毛の原因となります。
また、睡眠不足は自律神経の乱れや成長ホルモンの分泌低下を招き、頭皮環境や毛髪の成長に悪影響を与える可能性があります。質の高い睡眠とバランスの取れた栄養摂取は、健康な髪を育む基本です。
休止期脱毛症セルフチェックのポイント
チェック項目 | 確認方法 | 注意点・目安 |
---|---|---|
抜け毛の毛根 | 毛根の形状を観察 | 棍棒状か、萎縮していないか |
抜け毛の本数 | 1日の抜け毛を概算 | 200本/日以上が続く場合は注意 |
頭皮の色・硬さ | 鏡で確認、指で触診 | 赤み、硬さ、フケ、かゆみの有無 |
最近の生活 | ストレス、食事、睡眠を振り返る | 2~4ヶ月前の出来事が影響することも |
知らないと対処できない!休止期脱毛症の主な原因

休止期脱毛症は、様々な原因によって引き起こされます。原因を特定することが、適切な対策や治療への第一歩となります。ここでは、主な原因について詳しく見ていきましょう。
身体的・精神的ストレスの影響
私たちの身体は、強いストレスを受けると、生命維持に直接関わらない部分へのエネルギー供給を後回しにする傾向があります。髪の毛の成長もその一つと考えられています。
過度なストレスとホルモンバランス
精神的なストレスが長期間続くと、自律神経やホルモンバランスが乱れます。これにより、血管が収縮して頭皮への血流が悪化し、毛母細胞へ十分な栄養が届かなくなり、髪の成長が阻害されることがあります。
結果として、成長期にある毛髪が休止期へと移行しやすくなります。
大きな手術や病気、怪我
高熱を伴う感染症(インフルエンザなど)、大きな外科手術、大怪我などは、身体にとって大きな負担(ストレス)となります。これらの出来事から2~4ヶ月後に、一時的に抜け毛が増えることがあります。
これは、身体がダメージからの回復を優先するため、髪の成長サイクルが一時的に乱れるためと考えられます。
栄養状態の偏り
髪の毛は、私たちが摂取する栄養素から作られています。そのため、栄養バランスの悪い食生活は、直接的に髪の健康に影響します。
無理なダイエットと栄養不足
短期間で急激に体重を落とすような無理なダイエットは、体に必要な栄養素、特に髪の主成分であるタンパク質や、髪の成長を助けるビタミン、ミネラル(亜鉛、鉄分など)の不足を招きます。
栄養不足の状態が続くと、毛母細胞の活動が低下し、健康な髪が育たなくなり、抜け毛(休止期脱毛)の原因となります。
タンパク質や亜鉛、鉄分の重要性
髪の約80%はケラチンというタンパク質でできています。そのため、良質なタンパク質の摂取は不可欠です。また、亜鉛はタンパク質の合成を助け、新しい細胞を作り出す際に重要な役割を果たします。
鉄分は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となり、不足すると頭皮の血行不良や栄養不足につながります。これらの栄養素が不足しないよう、バランスの取れた食事が大切です。
ホルモンバランスの変化
ホルモンは、体内の様々な機能を調整する重要な物質であり、そのバランスの変化は毛髪サイクルにも影響を与えます。
産後脱毛症との関連
出産後の女性に見られる「産後脱毛症」は、休止期脱毛症の一種です。妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加し、髪の毛が成長期を長く維持し、抜けにくい状態になります。
しかし、出産後はエストロゲンの分泌量が急激に減少するため、成長期を維持していた多くの毛髪が一斉に休止期に入り、産後2~6ヶ月頃に抜け毛が増加します。
これは一時的な現象で、通常は半年~1年程度で自然に回復します。
甲状腺機能の異常
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にする働きがあり、毛髪の成長にも関わっています。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や甲状腺機能低下症(橋本病など)といった甲状腺の病気があると、毛髪サイクルが乱れ、休止期脱毛症を引き起こすことがあります。
この場合は、まず甲状腺疾患の治療が優先されます。
薬剤の影響
特定の薬剤の副作用として、脱毛が起こることがあります。これも休止期脱毛症の一形態と考えられます。
特定の薬剤の副作用としての抜け毛
抗がん剤による脱毛は有名ですが、それ以外にも、高血圧治療薬(β遮断薬など)、抗凝固薬(ヘパリン、ワルファリンなど)、一部の抗うつ薬、インターフェロン製剤などが、休止期脱毛を引き起こす可能性のある薬剤として知られています。
薬剤による脱毛が疑われる場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず処方した医師に相談してください。医師の判断により、薬剤の変更や調整が行われることがあります。
休止期脱毛症の主な原因と対策の方向性
主な原因 | 具体例 | 対策のヒント |
---|---|---|
精神的ストレス | 過労、人間関係、大きな心配事 | リラックス、十分な睡眠、趣味 |
身体的ストレス | 高熱、手術、怪我、出産 | 原因となる事象からの回復を待つ |
栄養不足 | 無理なダイエット、偏食 | バランスの取れた食事、必要な栄養素の摂取 |
ホルモンバランスの乱れ | 産後、甲状腺疾患 | 産後は自然回復、疾患は専門医の治療 |
薬剤の副作用 | 一部の降圧剤、抗凝固薬など | 処方医に相談、薬剤の変更検討 |
見分けるポイント:休止期脱毛症と他の脱毛症の違い

抜け毛が増えると「自分はどの脱毛症なんだろう?」と不安になるものです。
休止期脱毛症と、特に男性に多い男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症など、他の代表的な脱毛症との違いを知っておくことは、適切な対処法を見つける上で重要です。
男性型脱毛症(AGA)との違い
AGA(Androgenetic Alopecia)は、成人男性によく見られる進行性の脱毛症で、遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因とされています。
抜け毛のパターン(AGAは局所的)
AGAの典型的な症状は、前頭部の生え際が後退したり(M字型)、頭頂部が薄くなったり(O字型)するなど、特定の部位から薄毛が進行する点です。
一方、休止期脱毛症は頭部全体の髪が均等に薄くなる「びまん性」の脱毛が特徴です。ただし、AGAと休止期脱毛症が併発することもあります。
進行の仕方と回復の見込み
AGAは、治療を行わないと徐々に進行していくのが一般的です。完全に元の状態に戻すのは難しい場合もありますが、早期に治療を開始することで進行を遅らせたり、ある程度の改善が期待できます。
一方、休止期脱毛症は、原因が取り除かれれば数ヶ月から1年程度で自然に回復することが多い一時的な脱毛症です。この「可逆性」が大きな違いと言えます。
円形脱毛症との違い
円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられており、突然、円形または楕円形の脱毛斑(毛が抜けた部分)が現れるのが特徴です。
脱毛斑の有無
円形脱毛症の最も分かりやすい特徴は、境界がはっきりとした脱毛斑ができることです。脱毛斑は1ヶ所だけのこともあれば、複数できることもあり、時には頭部全体や全身の毛が抜ける重症型もあります。
休止期脱毛症では、このような明確な脱毛斑は通常見られません。
原因の違い(自己免疫疾患の可能性)
円形脱毛症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫細胞が誤って自身の毛根組織を攻撃してしまう自己免疫反応が関与していると考えられています。
アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持つ人に合併しやすい傾向もあります。ストレスが発症や悪化の引き金になることもありますが、休止期脱毛症とは根本的な発症の仕組みが異なります。
牽引性脱毛症やその他の脱毛症
他にも、特定の生活習慣や頭皮への物理的な負担が原因となる脱毛症があります。
生活習慣やヘアケアとの関連
牽引性脱毛症は、ポニーテールやきつい編み込みなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際などを中心に毛が薄くなる状態です。
また、不適切なシャンプーの使用や過度なブラッシング、パーマやカラーリングの繰り返しによる頭皮ダメージが原因で抜け毛が増えることもあります(これを「びまん性脱毛症」と総称することもありますが、休止期脱毛症とは区別されることが多いです)。
これらの場合は、原因となる習慣やヘアケアを見直すことが対策の基本となります。
休止期脱毛症とAGAの主な違い
比較項目 | 休止期脱毛症 | 男性型脱毛症(AGA) |
---|---|---|
主な原因 | ストレス、栄養不足、ホルモン変化、薬剤など | 遺伝、男性ホルモン(DHT) |
抜け毛のパターン | 頭部全体のびまん性脱毛 | 生え際後退、頭頂部薄毛など局所的 |
進行性 | 一時的(原因除去で回復) | 進行性(治療しないと悪化) |
毛根の状態 | 棍棒状毛(自然な抜け毛) | 軟毛化し、細く短い毛が増える |
確実な診断へ~医師が行う休止期脱毛症の検査内容
自己判断で「これは休止期脱毛症だ」と決めつけるのは早計です。
抜け毛の原因は多岐にわたるため、正確な診断と適切な治療方針のためには、皮膚科や薄毛治療専門の病院を受診し、医師による診察を受けることが重要です。
ここでは、医師が休止期脱毛症を診断するために行う主な検査内容を紹介します。

問診の重要性
診断の第一歩は、詳細な問診です。患者さんからの情報が、原因を特定する上で非常に重要な手がかりとなります。
生活習慣や既往歴、ストレス状況の確認
医師は、最近の生活習慣(食事、睡眠、喫煙・飲酒の有無など)、過去の病歴や現在治療中の病気、服用中の薬剤、家族歴(遺伝的要因の確認)、そして精神的なストレスの状況などについて詳しく質問します。
特に、休止期脱毛症は原因となる出来事から数ヶ月遅れて発症することが多いため、2~4ヶ月前の生活状況や健康状態についても尋ねられることがあります。
抜け毛が始まった時期や状況
いつ頃から抜け毛が気になり始めたか、どのような状況で抜け毛が多いと感じるか(シャンプー時、朝起きた時など)、1日の抜け毛のおおよその本数、抜け毛以外の症状(頭皮のかゆみ、フケ、痛みなど)の有無なども重要な情報です。
事前にメモしておくと、スムーズに伝えられます。
視診・触診
問診に続いて、医師が直接頭皮や毛髪の状態を観察します。
頭皮や毛髪の状態を直接確認
頭皮の色、炎症の有無、乾燥状態、皮脂の量、毛穴の状態などを視診で確認します。また、髪の毛の太さ、密度、抜け方(びまん性か局所性か)なども観察します。
触診では、頭皮の硬さや弾力性を確かめます。
マイクロスコープによる詳細な観察
ダーモスコピー(マイクロスコープ)という拡大鏡を使って、頭皮や毛穴、毛髪の状態をより詳細に観察することもあります。
これにより、毛髪の太さの変化、毛穴の詰まり具合、炎症の程度などを客観的に評価できます。休止期脱毛症では、細くなった毛髪や成長途中の短い毛髪が混在している様子が観察されることがあります。
血液検査
全身状態や栄養状態、ホルモンバランスなどを調べるために、血液検査を行うことがあります。これは、休止期脱毛症の原因となりうる内科的な問題をスクリーニングする目的があります。
栄養状態やホルモンバランスのチェック
鉄欠乏性貧血(鉄分不足)、亜鉛不足などの栄養障害は、抜け毛の原因となります。
また、甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能亢進症や低下症)も休止期脱毛症を引き起こすことがあるため、甲状腺機能検査(TSH、FT3、FT4など)を行うことがあります。
必要に応じて、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)の値を調べることもあります。
甲状腺機能や貧血の有無
特に女性の場合、貧血や甲状腺疾患が隠れていることが少なくありません。これらの疾患が原因であれば、その治療を行うことで抜け毛の改善が期待できます。
引っ張り試験(Pull Test)
比較的簡単に行える検査で、脱毛の活動性を評価するのに役立ちます。
抜け毛の量や状態を評価
医師が、患者さんの頭髪の数カ所(通常20~60本程度)を軽く引っ張り、その際に抜ける毛髪の本数や毛根の状態を調べます。
健康な状態では数本程度しか抜けませんが、活動性の高い脱毛症の場合、多くの毛髪が容易に抜けます。休止期脱毛症では、棍棒状の休止期毛が多く抜けるのが特徴です。
これらの検査結果を総合的に判断し、他の脱毛症(AGA、円形脱毛症など)との鑑別を行いながら、休止期脱毛症の診断を確定します。原因が特定できれば、それに応じた治療方針が立てられます。
効果的な対策は?休止期脱毛症の治療方法
休止期脱毛症の治療は、まず原因を特定し、それを取り除くことが基本です。原因が解消されれば、多くの場合、毛髪サイクルは自然に正常化し、抜け毛は減少し、新しい髪が生えてきます。
ここでは、具体的な治療アプローチについて解説します。
原因の特定と除去

前述の通り、休止期脱毛症は様々な要因によって引き起こされます。したがって、最も重要なのは、問診や検査を通じて個々の患者さんの原因を突き止めることです。
ストレス管理と生活習慣の改善
精神的・身体的ストレスが原因である場合、ストレスを軽減するための対策が必要です。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、リラックスできる趣味の時間を設けるなど、生活習慣全体を見直すことが大切です。必要であれば、カウンセリングを受けることも有効な手段です。
過度なダイエットが原因であれば、適切な栄養指導を受け、健康的な食生活に戻すことが治療となります。
基礎疾患がある場合の治療優先
甲状腺疾患や鉄欠乏性貧血など、何らかの基礎疾患が原因で休止期脱毛症が起きている場合は、まずその疾患の治療を優先します。
基礎疾患がコントロールされれば、抜け毛の症状も改善に向かうことが期待できます。薬剤の副作用が疑われる場合は、処方医と相談の上、可能であれば薬剤の変更や中止を検討します。
栄養バランスの取れた食事
髪の毛はタンパク質を主成分とし、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素から作られます。健康な髪を育むためには、バランスの取れた食事が不可欠です。
髪の成長に必要な栄養素の摂取
特に重要なのは、髪の主成分であるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)、タンパク質の代謝を助けるビタミンB群(レバー、魚介類、緑黄色野菜など)、頭皮の血行を促進するビタミンE(ナッツ類、植物油など)、そしてミネラルの中でも特に亜鉛(牡蠣、レバー、牛肉など)や鉄分(レバー、赤身の肉、ほうれん草など)です。
これらの栄養素を意識して摂取しましょう。
髪に良いとされる栄養素と食材
栄養素 | 主な働き | 多く含む食材の例 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分(ケラチン)を作る | 肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品 |
亜鉛 | ケラチンの合成を助ける、細胞分裂を促す | 牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類 |
鉄分 | 頭皮への酸素供給を助ける | レバー、赤身の肉、ほうれん草、ひじき |
ビタミンB群 | タンパク質の代謝、頭皮環境の維持 | レバー、うなぎ、マグロ、カツオ、納豆 |
ビタミンC | コラーゲン生成、鉄分の吸収促進 | 果物(柑橘類、いちご)、野菜(ピーマン、ブロッコリー) |
頭皮環境の改善
健康な髪は健康な頭皮から育ちます。頭皮環境を整えることも、抜け毛対策には重要です。
適切なシャンプー選びと洗髪方法
自分の頭皮タイプ(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)に合ったシャンプーを選びましょう。洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮を乾燥させ、逆に皮脂の過剰分泌を招くこともあります。
アミノ酸系など、マイルドな洗浄成分のシャンプーがおすすめです。洗髪時は、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流しましょう。
シャンプーの頻度は、頭皮の状態に合わせて調整します。
頭皮マッサージのすすめ
頭皮マッサージは、頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。リラックス効果もあり、ストレス軽減にもつながります。
指の腹を使って、頭全体を優しく揉みほぐすように行いましょう。入浴時など、体が温まっている時に行うとより効果的です。
- 頭皮ケアのポイント
- 適切なシャンプー選び
- 正しい洗髪方法の実践
- 定期的な頭皮マッサージ
- 紫外線対策(帽子や日傘)
薬物治療の選択肢
休止期脱毛症の治療は、主に原因除去と生活習慣の改善が中心ですが、場合によっては薬物治療が補助的に用いられることもあります。ただし、自己判断での使用は避け、必ず医師の指示に従ってください。
ミノキシジルの外用(医師の指導のもと)
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、発毛効果があることが分かり、現在は薄毛治療薬として広く用いられています。
頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促すと考えられています。休止期脱毛症に対しても、回復を早める目的で使用されることがありますが、その効果や適応については医師の判断が必要です。
特に女性の場合、使用できる濃度に制限があるなど注意点があります。
サプリメントの活用(補助として)
食事だけでは不足しがちな栄養素を補うために、亜鉛や鉄分、ビタミンB群などのサプリメントを利用することも一つの方法です。
ただし、サプリメントはあくまで食事の補助であり、過剰摂取はかえって健康を害することもあるため、医師や管理栄養士に相談の上、適切に活用しましょう。
休止期脱毛症の治療は、原因や症状の程度によって異なります。焦らず、専門医と相談しながら、自分に合った対策を進めていくことが大切です。
多くの場合、原因が取り除かれれば自然に回復するため、過度に悲観的になる必要はありません。

いつまで続く?休止期脱毛症の回復までの期間
「この抜け毛はいつまで続くのだろう…」休止期脱毛症と診断された方が最も気になることの一つが、回復までにかかる期間でしょう。
原因や個人の状態によって差がありますが、一般的な目安と影響する要因について解説します。
原因除去後の回復プロセス

休止期脱毛症は、原因が特定され、それが取り除かれるか、あるいは影響がなくなれば、毛髪サイクルは徐々に正常な状態へと戻り始めます。
しかし、すぐに抜け毛が止まり、髪が元通りになるわけではありません。
毛髪サイクルの正常化にかかる時間
原因によって休止期に入ってしまった毛髪は、その休止期間(通常3~4ヶ月)を経て自然に抜け落ちます。その後、毛穴からは新しい髪の毛が成長を始めます。
この新しい髪が目に見える長さまで成長し、全体のボリューム感が回復したと実感できるようになるまでには、さらに数ヶ月から半年程度の時間が必要です。
つまり、原因が除去されてから抜け毛が減少し始め、新しい髪が生え揃うまでには、ある程度の期間がかかることを理解しておく必要があります。
一般的な回復期間の目安(数ヶ月から1年程度)
多くの場合、原因が解消されれば、抜け毛は3~6ヶ月程度で減少し始め、半年から1年程度で元の毛量に回復すると言われています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個人差が大きいのが実情です。
産後脱毛症のように、ホルモンバランスが自然に整うのを待つ場合は、1年程度かかることも珍しくありません。
個人差と影響する要因
回復までの期間には、いくつかの要因が影響します。
年齢や健康状態
一般的に、若い人の方が細胞の代謝が活発であるため、回復が早い傾向にあります。また、全身の健康状態が良いほど、毛髪の再生もスムーズに進みやすいと考えられます。
基礎疾患がある場合は、そのコントロール状況も回復期間に影響します。
原因の深刻度と対策の早さ
原因となったストレスの度合いや期間、栄養不足の深刻さなどによって、毛髪サイクルが受けるダメージの大きさが異なります。ダメージが大きいほど、回復には時間がかかる可能性があります。
また、原因を早期に特定し、適切な対策を早く始めるほど、回復も早まる傾向があります。放置期間が長いと、回復が遅れたり、慢性化したりするリスクも考えられます。
焦らず気長に治療を続ける大切さ
抜け毛が続くと不安になり、すぐにでも効果を実感したいと思うのは自然なことです。しかし、毛髪の成長には時間がかかります。
焦って様々な治療法に手を出したり、途中で諦めてしまったりせず、医師の指示に従い、生活習慣の改善や必要な治療を気長に続けることが、確実な回復への近道です。
精神的なストレスも回復を妨げる要因となるため、あまり神経質になりすぎず、リラックスして過ごすことも大切です。
回復期間に影響を与える可能性のある要素
影響因子 | 内容 | 回復への影響 |
---|---|---|
年齢 | 若いほど代謝が活発 | 若い方が回復が早い傾向 |
原因の深刻度 | ストレスの強さ、期間など | 深刻なほど回復に時間がかかる可能性 |
対策開始時期 | 早期発見・早期対策 | 早いほど回復も早い傾向 |
基礎疾患の有無 | 甲状腺疾患、貧血など | 疾患のコントロール状況が影響 |
栄養状態 | バランスの取れた食事 | 良好な栄養状態は回復を助ける |
再発を防ぐ!日常生活で実践できる予防策
休止期脱毛症は一度回復しても、原因となるような状況が再び起これば再発する可能性があります。日頃から健康的な生活習慣を心がけ、髪と頭皮に良い環境を維持することが、再発予防につながります。
ストレスを溜めない生活
ストレスは休止期脱毛症の大きな引き金の一つです。現代社会でストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、上手にコントロールする方法を見つけることが重要です。
リラックス方法を見つける
自分に合ったリラックス方法を日常生活に取り入れましょう。例えば、趣味に没頭する時間を作る、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを試す、瞑想やヨガを行うなどが挙げられます。
友人や家族と会話を楽しむことも、ストレス発散に役立ちます。
十分な睡眠と休息
質の高い睡眠は、心身の疲労回復だけでなく、ホルモンバランスを整え、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌にも不可欠です。毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
また、疲れを感じたら無理をせず、適度に休息を取ることも大切です。
バランスの取れた食生活の維持
髪の健康は、日々の食事から作られます。一度回復しても、栄養バランスの偏った食生活に戻ってしまっては、再発のリスクを高めます。
継続的な栄養管理
髪の主成分であるタンパク質、髪の成長を助けるビタミンB群、亜鉛、鉄分などをバランス良く摂取することを継続しましょう。特定の食品に偏るのではなく、様々な食材を組み合わせることがポイントです。
インスタント食品やファストフードの摂りすぎは避け、野菜や果物も積極的に取り入れましょう。過度なダイエットも禁物です。
健やかな頭皮環境の維持

頭皮は髪が育つ土壌です。常に清潔で健康な状態に保つことが、抜け毛予防には欠かせません。
定期的な頭皮ケア
自分に合ったシャンプーで丁寧に洗髪し、頭皮を清潔に保ちましょう。ただし、洗いすぎは頭皮の乾燥を招くため注意が必要です。定期的な頭皮マッサージで血行を促進することも、健康な髪の育成に役立ちます。
また、紫外線は頭皮にダメージを与えるため、外出時には帽子や日傘で頭皮を守ることも忘れずに行いましょう。
休止期脱毛症予防のための生活習慣
習慣のポイント | 具体的な実践例 | 期待できる効果 |
---|---|---|
ストレス管理 | 趣味、リラックス、十分な睡眠 | 自律神経・ホルモンバランスの安定 |
バランスの取れた食事 | タンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取 | 毛髪への十分な栄養供給 |
適切な頭皮ケア | 正しいシャンプー、頭皮マッサージ、紫外線対策 | 健やかな頭皮環境の維持、血行促進 |
適度な運動 | ウォーキング、ジョギングなど | 血行促進、ストレス解消 |
これらの予防策は、休止期脱毛症だけでなく、全身の健康維持にもつながります。日々の生活の中で少しずつ意識して取り組んでいくことが大切です。
もし、再び抜け毛が増えるなどの兆候が見られた場合は、早めに専門医に相談しましょう。
専門医に相談すべき状況とタイミング

休止期脱毛症は原因が取り除かれれば自然に回復することも多いですが、自己判断せずに専門医に相談することが望ましいケースもあります。
どのタイミングで病院を受診すべきか、その目安について解説します。
セルフケアで改善が見られない場合
生活習慣の見直しや市販の育毛剤などでセルフケアを試みても、抜け毛の症状が改善しない、あるいは悪化するような場合は、専門医の診察を受けることを強く推奨します。
抜け毛が3ヶ月以上続く
一時的な抜け毛であれば、原因が解消されてから数ヶ月で落ち着くことが多いです。
しかし、明らかな抜け毛の増加が3ヶ月以上続くようであれば、原因が特定できていないか、あるいは休止期脱毛症以外の脱毛症である可能性も考えられます。病院で正確な診断を受けることが重要です。
脱毛の範囲が広がる、または急激に進行する
最初は気にならない程度だった抜け毛が、徐々に範囲が広がったり、短期間で急激に髪全体のボリュームが失われたりする場合は、何らかの活動性の高い脱毛症が進行している可能性があります。
早期の対応が求められます。
- 専門医への相談を検討するタイミング
- 抜け毛が3ヶ月以上改善しない
- 脱毛範囲が拡大、または急激に進行
- 原因が全く思い当たらない
- 強い不安を感じている
- 頭皮に炎症や痛みなど他の症状がある
原因が特定できない不安がある場合
自分で原因を推測してみても、はっきりとした心当たりがない場合や、複数の要因が絡み合っているようで判断が難しい場合も、専門医に相談しましょう。
他の病気の可能性も考慮
抜け毛は、甲状腺疾患や膠原病、鉄欠乏性貧血など、全身性の病気の一症状として現れることもあります。
特に、抜け毛以外にも体調不良(倦怠感、体重減少、発熱など)がある場合は、内科的な疾患が隠れている可能性も否定できません。
皮膚科や薄毛専門クリニックでは、必要に応じて血液検査などを行い、これらの疾患のスクリーニングも行います。
早期発見・早期対策の重要性
どのような脱毛症であっても、早期に原因を特定し、適切な対策や治療を開始することが、回復への近道であり、症状の悪化を防ぐ上で非常に重要です。
病院での的確な診断と治療計画
専門医は、問診、視診、触診、必要な検査を通じて、脱毛の原因を総合的に判断します。休止期脱毛症と診断された場合でも、その原因に応じた具体的なアドバイスや、必要であれば治療法を提案してくれます。
例えば、栄養不足が原因であれば食事指導、ストレスが原因であればその対処法、薬剤が原因であれば薬剤の調整など、的確なアプローチが期待できます。
ミノキシジルなどの薬物治療を検討する場合も、医師の指導のもとで安全かつ効果的に行うことが大切です。
抜け毛の悩みは一人で抱え込まず、不安を感じたら早めに専門医に相談する勇気を持ちましょう。それが、健やかな髪を取り戻すための第一歩となります。
よくある質問
休止期脱毛症に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
抜け毛の具体的な症状や、ご自身でできるチェック方法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
Reference
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