「最近、抜け毛が増えてきた気がする」「シャンプー後の排水溝や枕元の髪の毛が気になる」。そんな抜け毛の悩み、一体何科を受診すれば良いのでしょうか?
自己判断で放置したり、誤ったケアを続けたりすると症状が悪化してしまうこともあります。
この記事では抜け毛の症状や原因に応じた適切な診療科の選び方、各診療科の特徴や受けられる治療について詳しく解説します。
抜け毛の悩みを抱える方が安心して適切な医療機関を選び、早期解決への一歩を踏み出すためのお手伝いをします。
もしかして病気?抜け毛が増えたと感じたら考えるべきこと
普段何気なく抜けている髪の毛も、その量や状態によっては注意が必要な場合があります。
抜け毛が増えたと感じた時にまず何を考え、どう対応すべきかを知っておくことが大切です。
抜け毛のサインを見逃さないために
日常生活の中で、抜け毛の増加を示すサインはいくつかあります。例えば朝起きたときの枕元の抜け毛の量、シャンプーやブラッシング時の抜け毛の量、髪全体のボリューム感の低下などが挙げられます。
これらの変化に気づいたら、一時的なものか、あるいは何らかの原因によるものかを見極める必要があります。
- 枕元の抜け毛の増加
- 排水溝に詰まる毛髪量の増加
- 髪のボリュームダウン
正常な抜け毛と異常な抜け毛の違い
髪の毛にはヘアサイクル(毛周期)があり、健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちています。これは「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルの一部であり、生理的な現象です。
しかし、この本数を大幅に超える抜け毛が長期間続く場合や、特定の部位だけが薄くなる、毛根の状態が異常であるといった場合は何らかの脱毛症の可能性があります。
抜け毛の状態チェックポイント
チェック項目 | 正常な状態(目安) | 注意が必要な状態(目安) |
---|---|---|
1日の抜け毛の本数 | 50~100本程度 | 200本以上が続く |
毛根の形 | 丸く膨らんでいる | 細い、萎縮している、付着物がない |
抜け毛の太さ | 太くしっかりしている | 細く短い毛が多い |
抜け毛の原因は一つじゃない?
抜け毛の原因は多岐にわたります。
最も一般的な男性型脱毛症(AGA)のほか、円形脱毛症、脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症、さらには甲状腺疾患や膠原病などの全身疾患、薬剤の副作用、栄養不足、ストレスなども抜け毛を引き起こすことがあります。
原因によって対処法や専門とする診療科が異なるため、自己判断は禁物です。
放置するリスクと早期対応の重要性
抜け毛を「たかが抜け毛」と軽視して放置してしまうと薄毛が進行して改善が難しくなったり、背景にある病気の発見が遅れたりするリスクがあります。
特にAGAのような進行性の脱毛症は早期に治療を開始することで進行を遅らせ、良好な状態を維持できる可能性が高まります。
気になる症状があれば早めに専門機関に相談することが、将来の髪を守るために非常に重要です。
抜け毛の相談ができる主な診療科とその特徴
抜け毛や薄毛の悩みで医療機関を受診しようと考えたとき、どの診療科を選べばよいか迷う方は少なくありません。
ここでは抜け毛の相談が可能な主な診療科と、それぞれの特徴について解説します。
皮膚科 一般的な皮膚疾患としての抜け毛
皮膚科は皮膚に関するあらゆる疾患を診療する科であり、髪の毛や頭皮も皮膚の一部として扱います。
円形脱毛症、脂漏性皮膚炎に伴う脱毛、接触皮膚炎による脱毛など頭皮の炎症や免疫異常が原因となる抜け毛の診断・治療を行います。
一般的な皮膚科ではAGA治療も行っている場合がありますが、専門性はクリニックによって異なります。
AGA専門クリニック 男性型脱毛症に特化した治療
AGA専門クリニックは、その名の通り男性型脱毛症(AGA)の診断と治療を専門に行う医療機関です。
AGA治療薬の処方(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)に加え、メソセラピーや自毛植毛といったより専門的な治療法も提供している場合があります。
AGAに特化しているため、豊富な症例と専門知識に基づいた診断・治療が期待できます。
主な診療科と対応可能な抜け毛のタイプ
診療科 | 主な対応症状・疾患 | 特徴 |
---|---|---|
皮膚科 | 円形脱毛症、脂漏性脱毛症、接触皮膚炎など | 保険診療が中心、AGA対応は施設による |
AGA専門クリニック | 男性型脱毛症(AGA)、女性男性型脱毛症(FAGA) | 自由診療、AGA治療に特化 |
内科・婦人科など | 全身疾患に伴う脱毛、産後脱毛など | 原因疾患の治療が優先 |
内科・婦人科 全身疾患やホルモンバランスとの関連
甲状腺機能異常(バセドウ病や橋本病など)や膠原病、鉄欠乏性貧血といった内科的疾患が原因で抜け毛が起こることがあります。
また、女性の場合は産後のホルモンバランスの急激な変化や、更年期における女性ホルモンの減少なども抜け毛の原因となり得ます。
これらの場合はまず原因となる疾患の治療やホルモンバランスの調整を内科や婦人科で行うことが優先されます。
精神科・心療内科 ストレスが原因の場合
過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血行不良を引き起こすなどして抜け毛の原因となることがあります。
また、自分で髪の毛を抜いてしまう抜毛症(トリコチロマニア)も精神的な要因が関与していると考えられています。
このような状況の場合は精神科や心療内科でカウンセリングや薬物療法など心の問題に対するアプローチが必要となることがあります。
【症状別】あなたに合った診療科の選び方ガイド
抜け毛の症状や原因は人それぞれです。ご自身の状態を把握し、どの診療科を受診するのが適切かを見極めるためのガイドラインを示します。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、最終的には医師の診断が必要です。
徐々に薄毛が進行している男性の場合(AGAの疑い)
生え際が後退してきた(M字型)、頭頂部が薄くなってきた(O字型)、またはその両方が見られるなど、徐々に薄毛が進行している男性の場合は、男性型脱毛症(AGA)の可能性が高いと考えられます。
この場合は、まずAGA専門クリニックへの相談を検討しましょう。皮膚科でもAGA治療を行っている場合がありますが、専門クリニックの方がより詳細な診断や多様な治療選択肢を提示できることが多いです。
急に円形の脱毛斑ができた場合(円形脱毛症の疑い)
ある日突然、コイン程度の大きさの円形または楕円形の脱毛斑ができた場合は、円形脱毛症の可能性が高いです。
単発で自然に治癒することもありますが、多発したり、脱毛範囲が拡大したりすることもあります。
円形脱毛症の診断・治療は、主に皮膚科で行います。自己免疫疾患の一つと考えられており、ステロイド外用薬や局所注射などの治療が一般的です。
頭皮にかゆみやフケ、湿疹がある場合
抜け毛とともに頭皮にかゆみ、大量のフケ、赤み、湿疹などの症状がある場合は、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎など、頭皮の炎症が原因である可能性があります。
この場合はまず皮膚科を受診し、頭皮の炎症を抑える治療を行うことが先決です。頭皮環境が改善することで、抜け毛が軽減されることもあります。
症状と推奨される主な診療科
主な症状 | 考えられる主な原因 | 推奨される診療科 |
---|---|---|
男性の生え際後退・頭頂部薄毛 | 男性型脱毛症(AGA) | AGA専門クリニック、皮膚科 |
円形・楕円形の脱毛斑 | 円形脱毛症 | 皮膚科 |
頭皮のかゆみ・フケ・湿疹と抜け毛 | 脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎など | 皮膚科 |
女性のびまん性の薄毛、産後の抜け毛 | FAGA、休止期脱毛、ホルモンバランスの乱れ | 皮膚科、AGA専門クリニック(女性対応)、婦人科 |
全体的に髪が細く薄くなった女性の場合
特定の部位だけでなく、髪全体が均等に薄くなったり、髪の毛が細くなったりする「びまん性脱毛症」は、女性に多く見られます。原因は加齢、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、栄養不足など様々です。
女性男性型脱毛症(FAGA)の可能性も考えられます。この場合は皮膚科や女性の薄毛治療に対応しているAGA専門クリニック、場合によっては婦人科への相談を検討しましょう。
皮膚科を受診するメリット・デメリット
抜け毛の悩みで医療機関を受診する際、まず選択肢として挙がるのが皮膚科です。皮膚科を受診することにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
皮膚科で受けられる検査と治療法
皮膚科では視診や問診に加え、必要に応じてダーモスコピー(拡大鏡)による頭皮観察、血液検査、皮膚生検(組織検査)などを行い、抜け毛の原因を特定します。
治療法としては、円形脱毛症に対するステロイド外用・局所注射、脂漏性皮膚炎に対する抗真菌薬やステロイド外用薬、AGAに対する内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や外用薬(ミノキシジル)の処方などが行われます。
ただし、AGA治療薬の取り扱いや種類はクリニックによって異なります。
保険診療と自由診療の範囲
皮膚科での診療は原因や治療法によって保険診療となる場合と自由診療となる場合があります。
例えば、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎の治療は基本的に保険診療の対象です。一方、AGA治療は美容目的と見なされることが多く、原則として自由診療となります。
このため、同じ抜け毛の悩みでも診断名によって費用が大きく変わることがあります。
皮膚科における診療範囲の例
疾患・症状 | 診療の範囲(一般的) |
---|---|
円形脱毛症 | 保険診療 |
脂漏性皮膚炎に伴う脱毛 | 保険診療 |
男性型脱毛症(AGA) | 自由診療(一部保険適応薬なし) |
皮膚科選びのポイント
一口に皮膚科といっても、得意とする分野や診療方針は様々です。抜け毛の相談で皮膚科を選ぶ際は以下の点を参考にするとよいでしょう。
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が在籍しているか
- 脱毛症の診療経験が豊富か(ホームページなどで確認)
- AGA治療薬の取り扱いがあるか(AGAを疑う場合)
- 説明が丁寧で、相談しやすい雰囲気か
AGA専門医との連携の可能性
皮膚科でAGAと診断された場合でも、より専門的な治療を希望する場合はAGA専門クリニックを紹介してもらえることがあります。
また、逆にAGA専門クリニックで皮膚疾患が疑われた場合には皮膚科への受診を勧められることもあります。
診療科間で連携を取りながら、患者さんにとって最善の治療法を探っていくことが大切です。
AGA専門クリニックを選ぶべきケースとは?
抜け毛の原因が男性型脱毛症(AGA)である可能性が高い場合、あるいはより専門的で多様な治療選択肢を求める場合には、AGA専門クリニックが有力な選択肢となります。
AGA専門クリニックの強みと特徴
AGA専門クリニックはAGAの診断と治療に特化しているため、医師やスタッフがAGAに関する深い知識と豊富な経験を持っています。
最新の治療情報にも精通しており、個々の患者さんの症状や希望に合わせたオーダーメイドに近い治療プランを提案できる点が強みです。
また、AGA治療薬の種類も豊富に取り揃えている場合が多いです。
最新のAGA治療法と豊富な選択肢
AGA専門クリニックでは、内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や外用薬(ミノキシジル)といった標準的な治療に加え、頭皮に直接有効成分を注入する「メソセラピー」や「HARG療法」、低出力レーザー治療、さらには「自毛植毛」といった外科的治療など、幅広い選択肢を提供していることがあります。
このように多くの治療法があるため、薬物療法だけでは効果が不十分だった方や、より積極的な発毛を望む方への対応が可能です。
AGA専門クリニックで提供される治療例
治療法の種類 | 概要 | 期待される効果 |
---|---|---|
内服薬・外用薬 | DHT抑制、毛母細胞活性化 | 抜け毛抑制、発毛促進 |
注入治療 | 成長因子などを頭皮に直接注入 | 発毛促進、頭皮環境改善 |
自毛植毛 | 自分の毛髪を薄毛部に移植 | 永続的な発毛効果 |
専門医による詳細な診断とカウンセリング
AGA専門クリニックではマイクロスコープを用いた頭皮診断や血液検査などを行い、AGAの進行度や頭皮の状態を詳細に評価します。
その上で治療法のメリット・デメリット、期待できる効果、副作用、費用などについて、時間をかけて丁寧にカウンセリングを行います。
患者さんが納得して治療に臨めるよう、十分な情報提供と説明を重視しています。
プライバシーへの配慮と通いやすさ
多くのAGA専門クリニックでは患者さんのプライバシーに配慮した空間づくりを心がけています。
完全予約制や個室でのカウンセリング・診療、他の患者さんと顔を合わせにくい動線など、安心して通院できる環境が整えられていることが多いです。
また、駅からのアクセスが良い場所に立地しているクリニックも多く、忙しい方でも通いやすい工夫がされています。
AGAの進行を確実に食い止めたい、多様な治療法から選びたいと考えるなら、AGA専門クリニックが適しています。
「抜け毛くらいで病院は…」その迷いが分かれ道~専門家が伝えたい早期相談の価値~
「最近抜け毛が気になるけど、病院に行くほどではないかな」「もう少し様子を見てから…」そう考えて、なかなか医療機関への一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしその迷いが将来の髪の状態を左右する大きな分かれ道になるかもしれません。
専門家として早期相談の重要性とその価値をお伝えしたいと思います。
抜け毛の悩みを一人で抱え込んでいませんか?
抜け毛や薄毛の悩みは非常にデリケートな問題です。誰にも相談できず、一人でインターネットの情報だけを頼りに悩みを深めてしまう方も少なくありません。
しかし、抜け毛の原因は多岐にわたり、自己判断でのケアはかえって症状を悪化させる可能性もあります。「自分だけが悩んでいるのではないか」という孤独感も、精神的な負担を大きくします。
自己判断によるケアの限界とリスク
市販の育毛剤やシャンプー、サプリメントなども多くありますが、それらが必ずしもご自身の抜け毛の原因に合致しているとは限りません。
特にAGAのような進行性の脱毛症の場合、医学的根拠に基づいた治療を行わなければ薄毛は着実に進行してしまいます。
間違ったケアを続けることで時間とお金を無駄にするだけでなく、貴重な治療のタイミングを逃してしまうリスクがあります。
注意:科学的根拠の乏しい情報や誇大な広告には十分注意しましょう。
専門医だからこそできる的確な診断
専門医は問診、視診、触診に加え、必要に応じてマイクロスコープでの頭皮観察や血液検査などを行い、抜け毛の根本原因を突き止めます。
AGAなのか、円形脱毛症なのか、あるいは他の皮膚疾患や全身疾患が関わっているのか。この最初の診断が、その後の適切な治療方針を決定する上で最も重要です。
的確な診断なくして効果的な治療はあり得ません。
専門医に相談するメリット
メリット | 具体的な内容 |
---|---|
正確な原因特定 | 症状や検査に基づいた診断 |
適切な治療法の提案 | 医学的根拠のある治療選択 |
精神的な安心感 | 専門家のアドバイスによる不安軽減 |
早期相談がもたらす精神的な安心感と将来への希望
抜け毛の原因がはっきりし、適切な対処法が分かると、それだけで精神的な不安は大きく軽減されます。
「このまま薄毛が進行したらどうしよう」という漠然とした恐怖から解放され、前向きに治療に取り組むことができます。
そして何より、早期に専門医に相談して適切な治療を開始することは、将来の髪の状態をより良く保つための最も確実な一歩となるのです。
「あの時相談して良かった」と思える日が来るよう、勇気を出して専門機関の扉を叩いてみてください。
受診前に準備しておくと良いこと
抜け毛の悩みで医療機関を受診する際には事前にいくつかの情報を整理しておくと、診察がスムーズに進み、より的確な診断と治療につながります。
伝えたい症状や経緯の整理
いつ頃から抜け毛が気になり始めたか、どの部分の抜け毛が多いか、抜け毛の量に変化はあるか、他に自覚症状(かゆみ、痛み、フケなど)はあるかなどを具体的に伝えられるようにしておきましょう。
スマートフォンのカメラで頭部の状態を定期的に撮影しておくのも、変化を客観的に示すのに役立ちます。
既往歴や服用中の薬、アレルギー情報
現在治療中の病気(既往歴)や日常的に服用している薬(サプリメントや漢方薬も含む)、過去にアレルギー反応を起こしたことのある物質など、ご自身の健康状態に関する情報は正確に医師に伝える必要があります。
これらの情報は抜け毛の原因を探ったり、治療薬を選択したりする上で非常に重要です。
- いつからどの程度の抜け毛か
- 持病やアレルギーの有無
- 服用中の薬(市販薬、サプリ含む)
質問したいことのリストアップ
診察の短い時間の中で聞きたいことを全て思い出すのは難しいものです。事前に医師に質問したいこと(治療法の詳細、副作用、費用、期間など)をメモしておくと、聞き忘れを防ぐことができます。
疑問点を解消し、納得して治療に進むために大切な準備です。
普段のヘアケア用品や生活習慣の把握
使用しているシャンプーやトリートメント、スタイリング剤などのヘアケア用品や食生活、睡眠時間、喫煙・飲酒の習慣、ストレスの状況なども抜け毛と関連している場合があります。
医師から尋ねられた際にスムーズに答えられるよう、普段の生活を振り返っておくと良いでしょう。
抜け毛治療にかかる費用と期間の目安
抜け毛治療を検討する上で費用や治療期間は多くの方が気になる点です。ここでは一般的な目安について解説します。
ただし、症状や治療法、医療機関によって異なりますので、詳細は必ず受診する医療機関にご確認ください。
診療科による費用の違い
皮膚科での保険診療が適用される疾患(円形脱毛症など)の場合、自己負担額は比較的抑えられます(通常3割負担)。
一方、AGA治療など自由診療となる場合は全額自己負担となり、費用は高くなる傾向があります。AGA専門クリニックは基本的に自由診療となります。
保険診療と自由診療の費用感
保険診療の場合、初診料・再診料、検査料、薬剤費などがかかります。自由診療の場合、カウンセリング料、初診料、検査料、薬剤費、施術料などが医療機関ごとに設定されています。
内服薬治療であれば月数千円~1万数千円程度、注入治療などになると1回数万円~十数万円程度かかることもあります。
治療費用の目安(一般的なケース)
診療内容 | 費用区分 | 費用の目安 |
---|---|---|
円形脱毛症の治療(皮膚科) | 保険診療 | 数千円/月(薬剤費含む、3割負担の場合) |
AGA内服薬治療(ジェネリック) | 自由診療 | 5,000円~10,000円/月(薬剤費) |
AGA注入治療 | 自由診療 | 20,000円~/回から(内容による) |
自由診療の場合、費用はクリニックによって大きく異なるため事前にしっかり確認しましょう。
一般的な治療期間と通院頻度
抜け毛治療の効果を実感するまでには通常3ヶ月~6ヶ月程度かかると言われています。
AGA治療の場合、効果を維持するためには継続的な治療が必要です。
通院頻度は治療法や症状の安定度によって異なり、初期は月1回程度、安定すれば数ヶ月に1回程度となることが多いです。
医療費控除の対象になるか
医師による診療行為であれば、原則として医療費控除の対象となります。これには保険診療だけでなく、AGA治療のような自由診療も含まれます。
ただし、美容目的とみなされる一部の施術や、医薬品ではない育毛剤などは対象外となる場合があります。
確定申告の際には医療機関から発行された領収書が必要になりますので、大切に保管しておきましょう。詳細は税務署や税理士にご確認ください。
抜け毛に関するよくある質問
抜け毛や薄毛治療に関して、患者様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。受診前の不安解消にお役立てください。
- 抜け毛は何本くらいから心配すべきですか?
-
健康な人でも1日に50~100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちます。
しかしこの本数を明らかに超える状態が長期間続いたり、以前よりも明らかに抜け毛が増えたと感じたり、特定の部位だけが薄くなったりするようであれば、一度専門医に相談することをおすすめします。
抜け毛の本数だけでなく、毛質(細くなった、短くなったなど)や頭皮の状態も重要な判断材料となります。
- 女性の抜け毛もAGAクリニックで相談できますか?
-
クリニックによりますが、女性の薄毛(FAGA:Female Androgenetic Alopecia やびまん性脱毛症など)の診療を行っているAGA専門クリニックも増えています。
女性の薄毛は男性とは原因や治療法が異なる場合があるため、女性の薄毛治療に特化したメニューや経験豊富な医師が在籍しているかを確認すると良いでしょう。
まずはクリニックのウェブサイトを確認したり、電話で問い合わせてみたりすることをおすすめします。
- 治療を始めたらすぐに効果は出ますか?
-
抜け毛治療の効果が現れるまでには、ある程度の時間が必要です。
ヘアサイクルを考慮すると、多くの場合で治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の増加などの初期変化を感じ始め、より明確な効果を実感するには6ヶ月以上の継続治療が一般的です。
焦らず医師の指示に従って根気強く治療を続けることが大切です。
- 遺伝的な薄毛でも治療法はありますか?
-
はい、遺伝的な要因が強いとされる男性型脱毛症(AGA)に対しても、有効な治療法があります。
フィナステリドやデュタステリドといった内服薬はAGAの原因となる男性ホルモンの働きを抑制し、薄毛の進行を遅らせる効果が医学的に認められています。
また、ミノキシジル外用薬や注入治療、自毛植毛など様々なアプローチがあります。
遺伝だからと諦めずに、まずは専門医にご相談ください。
以上
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