緑茶に含まれる成分がテストステロンに与える影響とは

緑茶に含まれる成分がテストステロンに与える影響とは

「緑茶は体に良い」と広く知られていますが、一方で「緑茶がテストステロンに影響する」という情報を耳にし、特にAGA(男性型脱毛症)を気にされている方にとっては不安の種になっているかもしれません。

健康のために習慣として飲んでいる緑茶が、もし男性ホルモンに予期せぬ影響を与えているとしたら…。

この記事では緑茶の主要成分、特にカテキンが男性ホルモンであるテストステロンや、AGAの主な原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)にどのような影響を及ぼすのか、現在の研究結果を基にていねいに解説していきます。

緑茶がテストステロンを「減らす」のか「増やす」のか、その真相とAGAとの関係性を明らかにします。

結論を先に言えば、日常的な範囲で緑茶を飲むことがテストステロン値に重大な悪影響を与える可能性は低いと考えられますが、摂取量やサプリメントの利用には注意も必要です。

目次

この記事の執筆者

AGAメディカルケアクリニック統括院長 前田 祐助
Dr.前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

前田 祐助

【経歴】

慶應義塾大学医学部医学研究科卒業

慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了

大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年に薄毛・AGA治療の「AGAメディカルケアクリニック」新宿院を開設

2020年に横浜院、2023年に東京八重洲院を開設

院長プロフィール

資格・所属学会・症例数

【資格】

  • 医師免許
  • ⽇本医師会認定産業医
  • 医学博士

【所属学会】

  • 日本内科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本臨床毛髪学会

【症例数】

3万人以上※

※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

緑茶とテストステロンの基本的な関係

緑茶とテストステロンの関係が議論される背景には緑茶に含まれる主要成分カテキンが、テストステロンの生成や代謝(体内で変化する)に関わる酵素の働きに影響を与える可能性が、一部の研究で示されているためです。

しかし、その影響は単純なものではありません。

テストステロンとは何か?男性ホルモンの役割

テストステロンは、主に男性の精巣で作られる代表的な男性ホルモン(アンドロゲン)の一種です。

一般的に「男性らしさ」を形成するホルモンとして知られていますが、実際には心身の健康維持に多岐にわたる重要な役割を担っています。

筋肉や骨の強度を維持し、内臓脂肪の蓄積を抑える働きや、血液を作る造血機能をサポートする役割もあります。

精神面では意欲や決断力、認知機能にも関与しており、テストステロンの値が低下すると、いわゆるやる気が出ない状態や、気分の落ち込みを感じやすくなることもあります。性機能の維持にももちろん重要です。

緑茶とテストステロン|男性ホルモンが体と心に与える影響イメージ

テストステロンの主な機能

分類主な役割影響の例
身体的側面筋肉量の増加・維持筋力トレーニングの効果を高める
身体的側面骨密度の維持骨粗しょう症のリスクを低減する
精神的側面意欲・気分の向上活動的な意欲や競争心を支える
性的側面性欲・性機能の維持性的な関心や勃起機能に関わる

緑茶の主要成分とそれぞれの特徴

緑茶には多様な成分が含まれていますが、特に注目されるのは以下の3つです。

一つ目は「カフェイン」で、覚醒作用や利尿作用が知られています。二つ目は「テアニン」で、緑茶特有のうまみ成分であり、リラックス効果をもたらすアミノ酸の一種です。

そして三つ目が、ポリフェノールの一種である「カテキン」です。緑茶の渋みの主成分であり、強力な抗酸化作用を持つことで有名です。

カテキンにはいくつかの種類があり、その中でも特に「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は含有量が多く、生理活性が高いことから多くの研究の対象となっています。

緑茶に含まれるカテキン・カフェイン・テアニンの成分イメージ図

なぜ緑茶がテストステロンと関連付けられるのか

緑茶がテストステロンと関連付けられる最大の理由は、このカテキン(特にEGCG)がホルモン代謝に関わる特定の酵素に影響を及ぼす可能性が指摘されているからです。

具体的にはテストステロンを女性ホルモン(エストラジオール)に変換するアロマターゼという酵素や、後述するAGAの原因物質DHTを作り出す5αリダクターゼという酵素の働きを、カテキンが阻害するのではないかという研究報告がいくつか存在します。

これらの酵素の働きが変われば、結果として体内のテストステロンの量や、関連する他のホルモンのバランスに変動が生じる可能性があるため、注目されているのです。

緑茶成分「カテキン」がテストステロンに与える影響

緑茶カテキン、特にその主成分であるEGCGがテストステロンに与える影響は非常に複雑であり、研究のレベル(細胞、動物、ヒト)によっても異なる様相を見せます。

単純に「増やす」または「減らす」と断言できるものではなく、作用する条件や濃度に左右されます。

カテキンが持つ抗酸化作用とは

カテキンの最もよく知られた特性は、強力な抗酸化作用です。私たちの体は呼吸によって酸素を取り込みますが、その過程で一部が活性酸素という反応性の高い物質に変わります。

活性酸素は適量であれば殺菌作用など良い働きもしますが、過剰になると正常な細胞を傷つけ、老化やさまざまな病気の原因となります(これを「酸化ストレス」と呼びます)。

カテキンは、この過剰な活性酸素を捕捉し、その害から体を守る働きをします。

テストステロンを産生する精巣(睾丸)の細胞も酸化ストレスに弱いため、カテキンの抗酸化作用が精巣の機能を保護し、結果としてテストステロンの産生をサポートする可能性も考えられます。

カテキンとテストステロン産生の研究

テストステロン産生そのものに対するカテキンの影響は、研究結果が一貫していません。

実験室レベルの細胞実験では特定の濃度のカテキンが精巣の細胞(ライディッヒ細胞)に作用し、テストステロンの産生を促進したという報告があります。

一方で、非常に高濃度のカテキンを与えた場合には逆に細胞毒性を示し、テストステロン産生を抑制したという報告もあります。これは、摂取する量が非常に重要な要因であることを示唆しています。

動物実験とヒト臨床研究の違い

カテキンの影響を調べる際、マウスやラットなどの動物実験の結果を頻繁に目にします。動物実験では高濃度の成分を長期間にわたり正確に投与できるため、特定の反応を見る上では有用です。

しかし、動物実験の結果をそのまま私たちヒトに当てはめることはできません。動物とヒトでは薬物や食品成分の代謝(分解・吸収)の速さや経路、そして感受性が大きく異なるためです。

例えば、動物実験でテストステロンが減少したという結果が出たとしても、それは人間にとっては非現実的なほどの高用量を投与しているケースがほとんどです。

研究対象による結果の解釈

研究の段階主な特徴解釈の注意点
細胞実験(in vitro)特定の細胞や酵素への直接的な反応を見る生体内の複雑なホルモン調節や吸収率を反映していない
動物実験(in vivo)生体への影響を見るが、対象は動物ヒトとの「種の差」(代謝、感受性)が大きく、投与量も非現実的な場合がある
ヒト臨床研究人間への実際の影響を評価する倫理的な制約から投与量や期間が限定的。信頼性は高いが研究数が少ない
緑茶とテストステロン研究|細胞実験・動物実験・ヒト臨床試験の違いイメージ

緑茶はテストステロンを減らす?増やす?研究結果の分析

緑茶がテストステロンに与える影響について、「減らす」という情報と「増やす(あるいは影響しない)」という情報が混在しており、混乱を招いています。

これは、研究の前提条件(対象、摂取量、期間)が異なるためであり、現時点では「こうなる」という明確な一つの答えはありません。

テストステロンを「減らす」とされる研究

緑茶がテストステロンを減らすという主張の根拠の多くは、動物実験や特定の細胞実験に基づいています。

例えば、非常に高濃度のカテキンをラットに長期間投与した結果、血中のテストステロン濃度が低下したという報告があります。

また、カテキンがテストステロンの産生に関わる酵素の働きを直接阻害したとする細胞レベルの研究もあります。

しかし、これらの研究で使用されたカテキンの量は人間が日常的にお茶として飲む量をはるかに超えており、ヒトの体内で同じ現象が起きるとは考えにくいです。

テストステロンを「増やす」または「影響しない」とされる研究

一方で、カテキンの抗酸化作用が酸化ストレスから精巣を守り、テストステロン産生機能を維持・サポートするという見方もあります。また、ヒトを対象とした臨床研究に目を向けると、様相は異なります。

例えば、健康な成人男性に緑茶抽出物を数週間摂取してもらった複数の研究において、血中の総テストステロン値に統計的に有意な変化は見られなかったと報告されています。

これらの研究結果は、日常的な緑茶の飲用や適度なサプリメントの利用が、男性のテストステロンレベルに大きな変動をもたらす可能性は低いことを示唆しています。

研究結果が一致しない理由

このように研究結果にばらつきが出る理由は多岐にわたります。まず、前述した研究対象の違い(動物かヒトか)が最も大きな要因です。

加えて、摂取するカテキンの形態(緑茶そのものか、抽出サプリメントか)や摂取量、摂取期間も結果に大きく影響します。

緑茶にはカテキン以外にもカフェインやテアニンなど多くの成分が含まれており、それらが複合的に作用する可能性もあります。

現状では、ヒトのテストステロン値に対する緑茶の影響を明確に示す、大規模で信頼性の高い研究はまだ十分とは言えない状況です。

緑茶とAGA(男性型脱毛症)の関連性

緑茶とAGA(男性型脱毛症)の関係を考えるとき、焦点となるのはテストステロンそのものではなく、テストステロンが変換されて生じる「DHT(ジヒドロテストステロン)」という、より強力な男性ホルモンです。

緑茶カテキンがこのDHTの生成に関わる可能性が指摘されています。

AGAの主な原因とDHT(ジヒドロテストステロン)

AGAは遺伝的な素因を持つ人が、男性ホルモンの影響を受けることで発症する進行性の脱毛症です。思春期以降、頭頂部や前頭部の毛髪が細く、短くなっていくのが特徴です。

このAGA発症の引き金となるのがDHTです。DHTが毛根にある毛乳頭細胞の「アンドロゲン受容体」という受け皿に結合すると、脱毛を促進するシグナル(TGF-βなど)が放出されます。

これにより、毛髪の成長期が強制的に短縮され、毛髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう軟毛化が起こり、薄毛が進行します。

5αリダクターゼとは

DHTは、もともと体内に存在するわけではなく、テストステロンが5αリダクターゼ(5-alpha-reductase)という還元酵素によって変換されることで生成されます。

つまり、テストステロンはDHTの原料であり、5αリダクターゼはDHTを生成する工場のような存在です。

AGAの治療に用いられる内服薬(フィナステリドやデュタステリド)は、この5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの生成を抑制し、AGAの進行を遅らせるものです。

5αリダクターゼの種類と特徴

酵素の型主な存在場所AGAへの主な関与
I型 5αリダクターゼ全身の皮脂腺、肝臓、頭皮(側頭部・後頭部含む)皮脂の分泌などに関与。AGAへの関与も指摘される。
II型 5αリダクターゼ前頭部・頭頂部の毛乳頭、前立腺、髭AGAの発症に強く関与すると考えられている。

緑茶カテキンは5αリダクターゼを阻害するか

緑茶カテキン(特にEGCG)がAGAに関連して注目される最大の理由が、この5αリダクターゼの働きを阻害する可能性が示唆されている点です。

いくつかの実験室レベルの研究(試験管内や培養細胞)では、EGCGが5αリダクターゼ(特に皮脂腺に多いI型)の活性を抑制することが報告されています。

もしこれが事実であれば、理論上はDHTの生成が減少し、AGAに対して有益な影響をもたらす可能性があります。しかし、これはあくまで細胞レベルでの話です。

緑茶を飲んだりカテキンを摂取したりしたときに、実際に頭皮の毛乳頭でどの程度の濃度が達成され、どの程度5αリダクターゼを阻害できるのか、そしてそれが薄毛の改善に結びつくのかについては、まだ科学的に確立された証拠(ヒトでの臨床試験データ)はありません。

テストステロンとDHT(ジヒドロテストステロン)の違い

AGAを理解する上で、テストステロンとDHTの違いを明確に区別することは非常に重要です。どちらも男性ホルモンですが、その生理作用の強さや、特に頭髪への影響において決定的な違いがあります。

テストステロン値が高い=薄毛になるというのは、よくある誤解の一つです。

テストステロンからDHTへの変換

前述の通り、DHTはテストステロンが5αリダクターゼによって変換されて生まれます。テストステロン自体が直接的にAGAを引き起こすわけではありません。

重要なのはテストステロンの絶対量よりも、5αリダクターゼの活性度(DHTへの変換しやすさ)と、毛乳頭にあるアンドロゲン受容体の感受性(DHTを受け取りやすいか)です。

たとえテストステロン値が平均的であっても、この酵素活性や受容体感受性が高ければ、AGAは進行しやすくなります。

テストステロンからDHTへの変換と5αリダクターゼ・毛根への影響イメージ(AGA)

DHTがAGAに及ぼす影響

DHTのアンドロゲン受容体への結合力は、テストステロンの数倍から10倍程度強力であるとされています。この強力な結合が毛髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を狂わせる「脱毛シグナル」の引き金となります。

本来なら数年間続くはずの毛髪の成長期が、DHTの影響によって数ヶ月から1年程度に短縮されてしまいます。

その結果、毛髪は太く長く成長する機会を失い、細く短いうぶ毛のような状態(軟毛化)になってしまうのです。

緑茶成分がDHTレベルに与える影響の可能性

緑茶カテキンが5αリダクターゼを阻害するという仮説に基づけば、緑茶の摂取はDHTレベルを低下させる方向に働く可能性があります。

しかし、ヒトが緑茶を飲んだ場合に血液中や頭皮でDHTレベルが有意に低下したことを示す信頼できるデータは、現時点では非常に限定的です。

AGA治療薬のようにDHTレベルを明確に低下させるほどの強力な作用は通常の飲用では期待できません。

むしろ、緑茶を飲むことによる全体的な健康(抗酸化など)の維持が間接的に頭皮環境によい影響を与える、という程度の期待に留めておくのが現実的です。

ホルモンバランスへの影響概要

ホルモン主な生成場所AGA(頭髪)への主な関与
テストステロン精巣(大部分)、副腎DHTの原料。直接的な脱毛作用は小さい。
DHTテストステロンから変換(毛乳頭、前立腺など)AGA発症の主要な引き金。成長期を短縮させる。

緑茶の摂取量とテストステロンへの影響

緑茶の成分が体に与える影響は「何を摂取するか」だけでなく、「どれくらいの量を摂取するか」によって大きく変わります。

湯呑みで飲む緑茶と高濃度に抽出されたサプリメントとでは体に取り込まれる成分量が桁違いに異なるため、分けて考える必要があります。

日常的な飲用量(1日数杯)の場合

日本人が日常的に湯呑みやペットボトルで飲む量(1日に3〜5杯程度)の緑茶であれば、そこから摂取されるカテキンの量は、テストステロンやDHTのレベルに臨床的に意味のある大きな変動を引き起こす可能性は極めて低いと考えられます。

この程度の摂取量であれば、ホルモンバランスへの懸念よりもカテキンの抗酸化作用やカフェインによるリフレッシュ効果など、一般的な健康上のメリットを享受できるでしょう。

AGAを気にしているからといって、日常的な緑茶の飲用を神経質に避ける必要はないと言えます。

サプリメントなどによる高濃度摂取の場合

一方で注意が必要なのは、緑茶カテキン(EGCG)を高濃度に抽出したサプリメントや、特定の健康効果をうたった高濃度緑茶飲料を大量に摂取する場合です。

これらの製品を利用すると、通常の飲用ではあり得ない量のカテキンを一度に摂取することになります。

高濃度のカテキン摂取に関しては、ホルモンバランスへの未知の影響もさることながら、特に欧米では肝機能障害のリスクが指摘されています。

特に空腹時に高濃度カテキンサプリを摂取すると肝臓への負担が大きいとされており、海外では注意喚起がなされています。

健康のために良かれと思って摂取したサプリが、予期せぬ健康被害につながるリスクも考慮する必要があります。

過剰摂取のリスクと注意点

緑茶にはカテキンだけでなくカフェインも含まれています。高濃度の緑茶やサプリメントを多用すると、カフェインの過剰摂取にもつながりやすいです。

カフェインの摂りすぎは不眠、頭痛、めまい、胃腸の不調、心拍数の増加などを引き起こす可能性があります。

カテキンもカフェインも適量であれば有益な作用が期待できますが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。

摂取形態によるカテキン量の目安

摂取形態1回あたりのカテキン目安量摂取時の特徴・注意点
緑茶(急須で淹れた湯呑1杯)約50mg〜100mg最も一般的。カフェイン、テアニンも含む。
高濃度緑茶飲料(500ml)約500mg〜1000mg手軽に多量摂取可能。カフェインも高濃度。
緑茶カテキンサプリメント1日目安 300mg〜1000mg超製品差大。高濃度摂取による肝機能への注意が必要。

AGAを気にする人のための緑茶との付き合い方

AGAやテストステロンへの影響を気にされている方にとって、緑茶はAGA治療にとって「敵」でも「味方」でもありません。

日常の生活習慣の一つとして、その特性を理解してバランス良く取り入れることが重要です。神経質になりすぎる必要はありません。

緑茶を飲むことのメリットとデメリットの整理

AGAの観点から緑茶を評価すると、メリットとしてはカテキンの抗酸化作用による頭皮環境のサポート(可能性)や5αリダクターゼ阻害によるDHT生成抑制(限定的な可能性)が挙げられます。

一方、デメリット(リスク)としては、高濃度サプリメントによる肝機能障害やホルモンバランスへの未知の影響が挙げられます。

これらを天秤にかけると、日常的な飲用(1日数杯)の範囲内であれば、デメリットよりも一般的な健康メリット(生活習慣病予防など)の方が大きいと考えられます。

テストステロン値を意識した生活習慣

テストステロン値を健康的なレベルに維持するためには、緑茶の飲み方を気にする以上に、基本的な生活習慣を見直すことの方がはるかに重要です。

テストステロンは夜間の睡眠中に多く分泌されるため、質の良い十分な睡眠を確保することが第一です。

また、過度なストレスはテストステロンの産生を抑制します。適度な運動、特にスクワットなどの下半身や体幹部を使う筋力トレーニングは、テストステロンの分泌を促すことが知られています。

食事面ではタンパク質、良質な脂質、そしてテストステロンの合成に必要な亜鉛(牡蠣、赤身肉など)やビタミンD(魚、キノコ類、日光浴)を不足なく摂取することが大切です。

ホルモンバランスを整える生活習慣

  • 質の良い睡眠(7時間以上を目安)
  • 定期的な運動(特に筋力トレーニング)
  • 栄養バランスの取れた食事(タンパク質、亜鉛、ビタミンD)
  • ストレスマネジメント(趣味、リラクゼーション)
  • 過度なアルコール摂取を控える

専門家への相談の重要性

もしAGAの進行が実際に気になっているのであれば、緑茶の摂取量を見直すといった自己流の対策(それはAGAの本質的な対策ではありません)に時間を費やすよりも、速やかにAGAを専門とするクリニックや皮膚科の医師に相談することが最も確実な道です。

専門医であれば、現在の頭皮の状態を正確に診断し、必要に応じて5αリダクターゼ阻害薬(内服薬)やミノキシジル(外用薬)といった、科学的根拠に基づいた標準治療を提案してくれます。

テストステロン値の低下による体調不良(LOH症候群など)が疑われる場合は、泌尿器科での相談が適切です。

記事のまとめ

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緑茶とテストステロン、AGAに関するよくある質問

緑茶とテストステロン、そしてAGA(男性型脱毛症)に関する特によく寄せられる疑問についてお答えします。

緑茶を飲むとAGAが悪化しますか?

いいえ、現在のところ日常的な量の緑茶を飲むことでAGAが顕著に悪化するという科学的な証拠はありません。

むしろ、一部の実験ではカテキンにAGAの原因酵素(5αリダクターゼ)を阻害する可能性も示唆されていますが、これも飲用によるAGA予防・改善効果を保証するものではありません。

AGAを気にされている方が、一般的な健康習慣として緑茶を飲むことを控える必要はないと考えられます。

緑茶カテキンのサプリメントは飲んでも大丈夫ですか?

慎重に判断する必要があります。

高濃度の緑茶カテキンサプリメントは特に空腹時に摂取した場合、肝機能に負担をかける可能性が指摘されています。AGAへの有効性も科学的に確立されていません。

もし何らかの健康目的で摂取を考える場合でも、自己判断で安易に高用量を摂取することは避け、かかりつけの医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

テストステロン値が低いとどうなりますか?

テストステロン値が年齢の基準値を下回って低下すると、心身にさまざまな不調が現れることがあります。これを「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ぶこともあります。

具体的な症状としては、性欲の減退、勃起障害(ED)、説明のつかない疲労感、筋力の低下、内臓脂肪の増加、気分の落ち込み(抑うつ)、睡眠障害など多岐にわたります。

AGAとは異なるアプローチでのケアが必要です。

緑茶以外にテストステロンに影響する食品はありますか?

テストステロンの産生に良い影響を与えるとされる栄養素としては、亜鉛(牡蠣、赤身肉、レバー)、ビタミンD(青魚、キノコ類)、良質な脂質(オリーブオイル、ナッツ類)などが知られています。

逆に、アルコールの過剰な摂取は、長期的にはテストステロンの産生を抑制する可能性があるため注意が必要です。バランスの取れた食事がホルモンバランスの維持にも重要です。

DHT値を下げる食べ物とサプリメント

DHTを減らすために緑茶をたくさん飲むべきですか?

いいえ、その目的で緑茶を大量に飲むことは推奨できません。

緑茶カテキンがヒトの頭皮においてDHTを有意に減少させるという強力な証拠はありませんし、過剰摂取はカフェインの摂りすぎや、まれに肝機能への負担となるリスクを伴います。

AGAの進行を抑えるためにDHTを確実に減少させたい場合は、AGA専門クリニックで処方される内服薬(5αリダクターゼ阻害薬)が、医学的に確立された標準的な方法となります。

参考文献

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