抜け毛の薬物治療における選択肢と副作用について | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

抜け毛の薬物治療における選択肢と副作用について

更新日
抜け毛の薬物治療における選択肢と副作用について
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

続きを読む

薄毛が進行すると髪型が制限されるだけでなく、日常生活にも心理的な負担がかかることがあります。

薄毛の原因は遺伝やホルモンバランス、ストレスなど多岐にわたり、それらに合わせた治療方法として薬物療法が挙げられます。

本記事では、抜け毛を抑える薬や抜け毛の予防薬に関する基本情報をはじめ、よく知られる副作用の特徴や治療を継続するポイントなどを幅広く取り上げます。

抜け毛の原因と仕組み

髪のボリュームが気になり始めたときは、まず髪が抜けるメカニズムや抜け毛を招く要因を理解しておくと、薬物治療を検討する際の方向性が見えやすくなります。

はじめに、遺伝的影響やホルモンのバランス、生活習慣など、多方面から見た抜け毛の原因を取り上げます。

遺伝的要因

遺伝的要因は、男女ともに抜け毛の大きな要素として考えられます。

男性の薄毛に多い「男性型脱毛症(AGA)」は、特定の遺伝子によってホルモン感受性が高まって進行しやすくなるケースが少なくありません。

家族の中に早期に薄毛が始まった例がある場合、自身も同様の傾向を示す可能性が高いといえます。

遺伝的要因が関与する場合でも、生活習慣の見直しや薬物療法によって抜け毛の進行を緩やかにすることが可能です。完全に抑えきれない場合があっても、早期のケアが結果を左右します。

ホルモンバランス

男性ホルモンであるテストステロンから変換されるジヒドロテストステロン(DHT)が、髪の成長サイクルを乱してしまうことがあります。

DHTは頭頂部や生え際の毛根に働きかけ、成長期を短縮させるために抜け毛を招くといわれています。

女性の場合でも、女性ホルモンの減少やバランス変化が抜け毛に影響を与える場合があります。特に更年期や出産後の時期はホルモンバランスの崩れから髪が細くなりやすく、抜ける量が増える人も多いため注意が必要です。

生活習慣

髪の成長には栄養や睡眠、血行などが大切です。偏った食事や極端なダイエットを続けると、頭皮環境が悪化するだけでなく、毛根への栄養供給が不足し、抜け毛が進行しやすくなります。

また喫煙や飲酒なども血行不良の原因となり、髪の育成を妨げるリスクがあります。

睡眠不足も要注意です。睡眠中は成長ホルモンが分泌されて細胞の修復や再生が活発に行われますので、十分な睡眠を確保しないと頭皮や毛根がダメージを回復しきれず、抜け毛が生じる可能性が高まります。

ストレス

精神的・肉体的ストレスも大きな問題です。ストレスを感じると血管が収縮しやすくなり、頭皮の血行不良につながります。これによって毛根へ必要な栄養や酸素が届きにくくなり、結果として髪が細くなったり抜け毛が増えたりします。

ストレスは自律神経やホルモンバランスにも影響するため、長期間にわたり強いストレスに晒されると抜け毛が悪化しやすくなります。

趣味や運動などで上手に気分転換を図ると良いです。

抜け毛を招く要因

要因具体的な影響予防・対策
遺伝毛根のホルモン感受性が高まる早めの診察と予防的ケア
ホルモンバランスDHTによる毛根の成長抑制ホルモン値の検査や薬物調整
生活習慣栄養不足・血行不良・睡眠不足バランスのよい食事と睡眠
ストレス血管収縮・ホルモンバランスの乱れストレス解消法の導入

薬物治療の役割

抜け毛に対する内服薬と外用薬にはそれぞれ特徴があり、医師の診察を受けると自分の状態にあった治療方法を検討できます。

内服薬と外用薬

薬物治療では内服薬と外用薬の使用が代表的です。

内服薬は体の内側からホルモンバランスに作用し、抜け毛を抑制したり、毛周期を延長して髪の成長を促したりする目的があります。外用薬は頭皮に直接作用し、血行を促進したり、毛母細胞の働きをサポートする効果を期待できます。

内服薬と外用薬を併用して、より多角的に抜け毛を改善する方法を選ぶケースもあります。ただし、併用する際には重複する副作用や相互作用に注意して医師の指示を仰ぐことが必要です。

抜け毛の薬に対する一般的なイメージ

抜け毛の薬に対して、「効果が出るのに時間がかかる」「副作用が心配」というイメージを持つ人は多いかもしれません。

確かに、毛髪の成長サイクルを考えると、薬を使ってすぐに髪が増えたり抜け毛がゼロになったりするのは難しいです。効果が現れるまでには数か月単位の期間が必要で、根気よく治療を続けることが重要です。

副作用についてもゼロとはいえないため、不安を抱える方は少なくありません。

実際には、正しい用量や用法を守り、定期的に医師の診察を受ければ重篤な副作用を回避しやすくなります。むしろ自己判断で薬をやめたり量を増やしたりするほうがリスクが高まります。

一般的なイメージ実際に考えられる状況
効果がすぐ出る毛周期の変化は時間がかかるため即効性は期待しにくい
副作用が大きい用量用法を守ると大半は軽度または起こらないことが多い
飲むだけ・塗るだけで十分生活習慣の改善や定期的な受診も並行するほうが望ましい

抜け毛の予防薬を使用する意義

抜け毛の予防薬を早めに使用すると、将来的に薄毛が進行するリスクを減らす可能性があります。特に家系に男性型脱毛症が多い場合や、頭頂部や生え際が気になりはじめた段階で治療をスタートすると、抜け毛を抑える効果が期待できるでしょう。

髪は一度大きく減ってしまうと、回復までに時間と費用がかかる場合があります。そのため、抜け毛が進行する前段階での予防的な対策が大切です。

ただし、医師の指示なしに市販のサプリメントや育毛剤だけを頼りにするのではなく、専門家のアドバイスを受けながら適切な予防薬を選ぶのが望ましいです。

医師の診察と薬選択の流れ

薬物治療を検討する際は、専門の医師の診察を受けるのが基本です。

髪や頭皮の状態、ホルモン値、生活習慣などを総合的に判断し、必要に応じて血液検査などを行います。その上で、内服薬、外用薬、生活習慣の指導などを含めた治療方針が決まります。

自己判断で始められる抜け毛の薬もありますが、個々の体質によって効果や副作用の現れ方は異なります。誤った自己判断で期待する効果が得られないばかりか、体調を崩すリスクもあるため注意が必要です。

医師に伝えておきたい情報

  • 抜け毛が気になり始めた時期と場所(前頭部・頭頂部など)
  • 家族の薄毛の傾向
  • 生活習慣(食事、睡眠、喫煙、飲酒など)
  • 現在服用している薬の有無
  • アレルギーの有無

内服薬の種類と特徴

内服薬は体の中から抜け毛の原因に働きかける手段として多くの方に利用されています。主にホルモンバランスの改善や毛母細胞の働きを強化する成分が含まれ、継続的に服用することで効果が現れるタイプが中心です。

フィナステリド系統

フィナステリドは、男性型脱毛症に広く用いられる成分です。5αリダクターゼという酵素の働きを抑制し、DHTの生成量を減らすことで抜け毛を抑えるのを目的とします。

男性ホルモンが関与する薄毛に比較的有効とされていますが、女性の使用は原則的に推奨されていません。

特徴内容
作用機序5αリダクターゼ阻害によるDHTの減少
効果が出るまでの目安3か月〜6か月程度の継続が推奨される
副作用の例性欲減退、勃起機能の低下、肝機能数値の変化など
使用上の注意女性・未成年の使用は避ける、肝機能などの定期検査が望ましい

デュタステリド系統

デュタステリドはフィナステリドよりも幅広いタイプの5αリダクターゼを抑制することで知られています。

作用がより広範囲に及ぶため、効果に期待を抱く方もいますが、副作用も含めて医師と十分に相談しましょう。

フィナステリド同様、女性の使用には慎重な姿勢が求められます。特に妊娠中や妊娠の可能性がある女性が触れることも避けるように注意書きがあるため、取り扱いには気をつける必要があります。

ミノキシジル内服薬

ミノキシジルは血管拡張作用を持ち、頭皮の血行を促進して毛根への栄養供給をサポートするといわれています。もともとは血圧を下げる薬として開発されましたが、発毛作用が認められたため薄毛治療に転用されてきました。

内服タイプのミノキシジルは、比較的早期に効果を感じることがある一方で、副作用に注意が必要です。

血圧への影響だけでなく、体毛が濃くなったり、多毛症状を引き起こす場合もあります。そのため医師が患者さんの体調を見極めた上で処方しているケースが多いです。

  • 既往症(高血圧など)がある場合は医師への相談が必須
  • 用量を誤ると血圧の過度な低下や動悸などが生じる可能性がある
  • 妊娠中や授乳中の服用は安全性の面から慎重に判断する必要がある

その他の成分

その他にも各種ビタミンやアミノ酸など、毛髪の成長をサポートする成分を配合したサプリメントや漢方薬を併用するケースがあります。

こうしたサポート成分は抜け毛の薬を補完する目的が強く、大幅な改善を単独で期待するのは難しいかもしれません。

場合によっては、血行促進や免疫バランスを整えるための漢方が処方されることもあります。副作用の可能性や体質との相性があるため、自己判断で複数のサプリや漢方を組み合わせるのは避けましょう。

主な内服薬の種類と特徴

成分名主な作用男性向けの使用女性向けの使用主な副作用の例
フィナステリド5αリダクターゼ阻害×性欲減退など
デュタステリド5αリダクターゼを広範囲で阻害×性欲減退など
ミノキシジル血管拡張、毛根への栄養供給促進〇(医師判断)〇(医師判断)血圧低下など
ビタミンサプリなど栄養サポート腹部不調など

外用薬の種類と特徴

内服薬と並んで、多くの方が手に取りやすいのが外用薬です。頭皮の特定箇所に直接塗布するので、全身への作用が比較的少ないのが特徴といえます。

ただし、外用薬は頭皮環境や血行促進などに効果が期待できる半面、ホルモンバランスを根本から変えるのは難しいため、症状によっては内服薬との併用が望ましい場合もあります。

ミノキシジル外用薬

外用薬としても有名なミノキシジル成分は、男女問わず利用されるケースが多いです。

多くの市販育毛剤にも配合されており、頭皮に直接スプレーやローションとして塗布します。頭皮の血管拡張を促進するため、毛根へ栄養を届けやすくすると考えられています。

外用のミノキシジルは、頭皮がかぶれたり赤みが出たりといった局所的な副作用が生じる場合があるため、症状がひどいときは医師に相談しましょう。

適度なマッサージと併用すると、より効果を感じやすいとの声もあります。

育毛ローションやシャンプーとの違い

市販の育毛ローションやシャンプーにもミノキシジルが配合されているものがありますが、有効成分の濃度は医療用と比べて低い傾向にあります。

市販品は手軽に購入できるメリットがある反面、症状が進行した状態だと十分な効果を得にくい場合があります。

一方、クリニックで処方される外用薬は成分濃度が高いケースが多く、医師の管理のもとで使用量や使用頻度を調整できます。育毛ローションやシャンプーを使って改善が見られない場合、医療用外用薬への切り替えを検討するのも有効です。

頭皮環境を整える成分

外用薬には、育毛成分だけでなく頭皮の炎症を抑えたり、皮脂をコントロールしたりする成分が含まれているものもあります。

頭皮のかゆみやフケが多いといった悩みを抱える方にとっては、こうした成分の有無も重要です。

頭皮環境改善に役立つ主な成分

  • 抗炎症成分(グリチルリチン酸など)
  • 保湿成分(ヒアルロン酸、コラーゲン由来成分など)
  • 皮脂コントロール成分(サリチル酸など)

併用の注意点

外用薬は自宅でのケアを行いやすい一方、内服薬や他の治療法と併用する場合はタイミングや塗布量を誤らないよう注意が必要です。

独断で薬の量を増やすと副作用のリスクが上がる場合があり、頭皮がかぶれるなどのトラブルを招きやすくなります。

専門家による診察のもと、内服薬と外用薬の相乗効果を狙うのは大切ですが、それぞれの薬が適切に機能するよう使用方法を守ることが前提です。

外用薬の特徴

成分・製品名期待される効果使用上の注意主な副作用の例
ミノキシジル外用血行促進、育毛適切な濃度と塗布量を守る頭皮のかゆみ、赤み
育毛ローション保湿・頭皮環境の安定成分を確認して選ぶかぶれ、刺激感など
医療用シャンプーフケや皮脂トラブルの改善頭皮の状態に合わせて使う乾燥、刺激感など

抜け毛の薬の副作用とリスク

薬物治療は抜け毛対策として有効な手段ですが、副作用やリスクがゼロになるわけではありません。特に内服薬は全身に作用し、外用薬も塗布部位の皮膚に影響を及ぼす場合があります。

あらかじめ知識を持つことで、トラブルが生じても早めに対処できる可能性が高まります。

一般的に知られる副作用

抜け毛の薬の副作用としてよく知られるのは、ホルモン関連の内服薬の場合、性欲減退や勃起機能低下などが挙げられます。これらはDHTの生成を抑える機能と関連しており、男性ホルモンに影響を及ぼすためと考えられています。

外用薬では、塗布部位にかゆみや炎症、赤みが出るケースがあります。濃度が高いミノキシジル外用薬を使う場合は、特に頭皮が敏感になりやすい人は要注意です。

場合によって起こりやすい症状

個人の体質や生活習慣によって、特定の副作用が強く出る可能性があります。

たとえば、内服ミノキシジルを服用している方が運動不足で血流が滞っていると、動悸を感じたりむくみが生じやすくなることがあります。

また、肝機能が弱い方がホルモン系の薬を服用すると、血液検査の数値に変化がみられる場合があります。

  • 頭痛やめまい
  • 動悸や息切れ
  • 性機能の低下
  • 皮膚のかゆみ・赤み

副作用を和らげる方法

副作用を完全に排除するのは難しいですが、いくつかの工夫によって軽減を図れます。

まず、処方された薬を決められた用量と用法で守るのが基本です。増量すると効果が早く出ると思いがちですが、逆に副作用リスクが高まります。

また、体調面で気になる変化があれば早めに医師に相談し、必要に応じて検査や薬の変更を検討します。生活習慣を整えると身体の回復力が高まり、薬が原因の副作用が起こりにくくなるケースもあります。

副作用を軽減するためのポイント

ポイント具体的内容
用量・用法を守る医師の指示を逸脱せずに服用・塗布する
定期的な検査を受ける血液検査や肝機能検査などで早期に異常を発見
生活習慣の改善十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度な運動
気になる症状はすぐ相談症状を見過ごさず早めに専門家へ伝える

医師への相談のタイミング

小さな不調や違和感であっても、薬物治療中は医師に報告すると安心につながります。

以下のような状況が続く場合は早めの受診を検討しましょう。

  • 性欲の低下や勃起機能の変化など、日常生活に影響が出る症状がある
  • 頭皮の炎症が強く、痛みや膿が出ている
  • 動悸や息切れなど循環器系の症状が顕著に出る
  • 睡眠に支障を来すほどの体調不良がある

「抜け毛の薬の副作用かもしれない」と感じた場合は、迷わず医師に相談して安全を確保すると良いです。

効果を高めるための生活習慣の工夫

薬物治療は確かに抜け毛対策として有力な選択肢ですが、日頃の生活習慣を改善するとさらに効果を引き出しやすくなります。

髪の成長は身体全体の健康状態とも密接に関連しており、毎日の食事や睡眠、ストレス管理が大きなポイントです。

食事の見直し

髪の主成分であるケラチンはタンパク質から作られます。そのため、良質なタンパク質の摂取は欠かせません。

魚や肉、大豆製品などのタンパク質をバランスよく食事に取り入れるとともに、ビタミンやミネラルなども摂取すると良いでしょう。

髪によいとされる栄養素

栄養素食品
タンパク質魚、肉、卵、大豆製品
ビタミンB群レバー、玄米、卵黄
ミネラルカキ、ワカメ(亜鉛)
必須脂肪酸青魚、ナッツ類

ファストフードや糖質の過剰摂取は髪の育成を妨げる可能性があるため、控えめにするほうが望ましいでしょう。特にビタミンやミネラルが不足すると、細胞の代謝や修復がスムーズに進まず、抜け毛が増えやすくなります。

睡眠と休養

夜間の睡眠時には成長ホルモンが分泌され、傷んだ細胞が修復されます。

しっかりと休息を取ることで頭皮や毛根にもプラスに働き、抜け毛の進行を抑えられる可能性があります。一方で、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌量が減り、毛髪の成長が滞りやすくなります。

理想的には、日付が変わる前に就寝し、6時間から7時間程度の安定した睡眠を確保することが推奨されています。

寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、入浴やストレッチで体をリラックスさせるのもよい方法です。

髪の成長に良い生活習慣

要素理由
良質な睡眠成長ホルモンが分泌されて頭皮・毛根の修復を助ける
ストレス管理過度なストレスは血行不良を招きやすい
栄養バランス毛髪再生に必要なタンパク質・ビタミンなどを補給
適度な運動血行促進により髪への栄養供給が改善

ストレスケア

ストレスはホルモンバランスを乱し、血行不良を起こす原因になりやすいです。仕事や家庭の事情など完全に避けられないストレスも多いですが、自分なりのリフレッシュ方法を見つけることが大切です。

ストレスケアとしては、軽い有酸素運動やヨガ、アロマテラピーなどを定期的に取り入れる方法があります。また、趣味に打ち込む時間を作ったり、カウンセリングを受けたりするのもよいでしょう。

気分転換の方法を複数持っておくと、長期的な精神的安定につながります。

適度な運動

適度な運動は全身の血行を促し、頭皮にも酸素や栄養を行き渡らせやすくしてくれます。特に有酸素運動は血流改善やストレス解消に役立ちます。

激しすぎる運動は逆に体を疲労させ、活性酸素を増やすリスクがありますので、ウォーキングや軽いジョギングなど無理のない範囲から始めるのが望ましいでしょう。

運動をした後は十分な水分とタンパク質を補給すると良いです。運動で消耗した身体を回復させるプロセスも、髪の成長にはプラスに働きます。

  • 血流が改善され、頭皮への栄養供給が円滑になる
  • ストレス解消効果が期待できる
  • 汗をかくことで老廃物の排出が促され、頭皮環境を整えやすい

治療の継続と経過観察

抜け毛を防ぎ、髪を増やす治療は短期間で劇的に結果を出すのが難しく、一定の期間継続する必要があります。途中で効果が見えづらい時期があったとしても、根気よく取り組む姿勢が大切です。

定期的な通院のメリット

薬物治療は処方された薬を飲む・塗るだけでなく、その後の身体や頭皮の変化を確認する必要があります。定期的にクリニックを受診すると、発毛状況や副作用の有無を客観的に評価でき、必要があれば薬の種類や用量の調整が行われます。

また、頭皮や毛根の状態をスコープやカメラで観察すると、患者さん自身も客観的な視点を得られます。担当医から的確なアドバイスを受けられるため、治療のモチベーションを保ちやすいでしょう。

自己流ケアの落とし穴

市販のサプリメントや外用剤を自己流で組み合わせるなど、医療者の介入なしに試行錯誤する方もいます。

しかし、自己流ケアは費用だけかさんで十分な効果が得られなかったり、過剰な使用による副作用リスクを高めたりするケースがあります。

特に、複数の薬を同時に使用した結果、互いに作用が打ち消し合ったり、副作用を増幅させたりする例もあり得ます。こうしたリスクを避けるためにも、定期的に専門家の指導を受けるのが望ましいです。

自己流ケアで起こりがちな問題

問題説明
複数の育毛剤を同時に使用して頭皮が荒れる成分が重複し頭皮に過度な刺激を与えてしまう
サプリメントの過剰摂取ビタミンやミネラルの摂取過多で肝臓に負担がかかる可能性
自己判断で薬を中断治療効果が十分に現れる前にやめることで再び抜け毛が増えるケースがある

長期的な視点の重要性

抜け毛は進行性のものが多く、治療を始めてから一定期間で状況が好転しても、そのまま放置するとまた抜け毛が増える場合があります。

薬物療法の多くは、継続することで髪の状態を維持・改善できる設計となっているため、短期間でやめてしまうと再発リスクが高まります。

特に男性型脱毛症の場合、ヘアサイクルが正常化するまでに3か月から6か月ほどかかると言われます。その間、抜け毛の抑制と発毛の兆しを同時に確認しながら治療を続ける姿勢が求められます。

生活とのバランス

治療は大切ですが、日常生活を犠牲にしすぎるとストレスが増加し、逆に抜け毛を助長してしまうときもあります。通院や薬の費用、治療にかかる時間を考慮しながら、無理なく継続できるバランスを探ると良いです。

治療を始める前に、予算面や通いやすさ、予約の取りやすさなどをよく確認しましょう。こうした要素を見落とすと、途中で通院を断念してしまう原因になります。

治療と生活の両立で考慮したい点

  • 通院の頻度と距離
  • 予約の取りやすさ
  • 治療費用の見通し
  • 仕事や家庭とのスケジュール調整

受診の目安とクリニックの選び方

薄毛の悩みは人それぞれ異なるため、受診のタイミングも個人差があります。どの段階で病院やクリニックへ相談すればよいのか、どのようにクリニックを選べばよいのか、事前にポイントを把握しておくとスムーズに治療を始められます。

抜け毛が気になる時期や症状

シャンプー後の排水口や枕元に抜け毛が増えたと感じる、髪のハリやコシが急に弱くなった、頭皮が見えやすくなったなどの自覚症状があれば、早めの受診を考えるほうがよいでしょう。

抜け毛が増え始めた初期段階で対処するほど、髪の回復は見込みやすいです。

男性の場合は生え際や頭頂部の後退、女性の場合は頭頂部を中心とした薄毛が代表的なパターンです。部分的に髪のボリュームが減ってきた場合でも油断は禁物です。

症状が軽度でも、専門家に相談して適切な薬物治療や予防策を取り入れることが重要となる場合があります。

カウンセリングで確認すべき点

クリニックで行われるカウンセリングでは、頭皮の状態や生活習慣の聞き取りを行い、今後の治療方針をすり合わせます。

この段階で疑問点や不安なことは遠慮せず確認しておきましょう。治療にかかる期間や費用、副作用の可能性や対処方法などをしっかりと聞くと安心です。

診療科と専門スタッフの存在

薄毛治療を専門的に行っているクリニックは、皮膚科医や美容皮膚科医などの専門知識を持つ医師が在籍しているところが多いです。

また、カウンセラーや看護師など、頭皮ケアに精通したスタッフがそろっているかどうかも選ぶ際の指標のひとつです。

専門スタッフの存在によって細やかなフォローアップが期待でき、薬物治療だけでなく頭皮マッサージや生活習慣のアドバイスなども受けられます。こうした総合的なサポート体制は治療の継続に役立つでしょう。

クリニック選びで重視したいポイント

ポイント理由
専門医の在籍薄毛治療の実績や専門的知見を持つ医師がいる
スタッフの対応カウンセリングやフォローアップが丁寧なことが多い
設備や検査体制頭皮・毛根の状態を正確に診断するための機器がある
費用やアクセス通いやすい場所と料金体系で治療を継続しやすい

治療費用と通いやすさ

薄毛治療はある程度の期間をかけて継続することが多いため、費用面やクリニックへのアクセスは重要な要素となります。

治療費は保険適用外となるケースが多く、内服薬と外用薬の併用や検査などを含めると毎月それなりの金額が発生するかもしれません。

自宅や職場から通いやすい立地かどうか、予約の取りやすさや診察時間帯も治療継続において見逃せないポイントです。

はじめから無理のある通院計画を立てると、途中で挫折してしまうリスクが高まるため、自分の生活スタイルと合ったクリニックを選びましょう。

クリニック選びの最終チェック項目

  • 自宅や職場からの距離
  • 診察時間や予約システム
  • 料金の明瞭性(薬代や診察料など)
  • 継続しやすい治療プランかどうか

治療は焦らずに取り組むことが大切です。抜け毛や薄毛の悩みはデリケートでありながら、適切なタイミングと方法で対処すれば、進行を遅らせたり改善を感じたりできる可能性があります。

まずは情報を正しく把握し、信頼できるクリニックで医師の診察を受けながら、自分に合った抜け毛の薬や副作用のケア方法を検討してみましょう。

参考文献

VAÑÓ-GALVÁN, S.; CAMACHO, F. New treatments for hair loss. Actas Dermo-Sifiliográficas (English Edition), 2017, 108.3: 221-228.

PRICE, Vera H. Treatment of hair loss. New England Journal of Medicine, 1999, 341.13: 964-973.

MITEVA, Mariya; TOSTI, Antonella. Treatment options for alopecia: an update, looking to the future. Expert opinion on pharmacotherapy, 2012, 13.9: 1271-1281.

MESSENGER, A. G.; RUNDEGREN, J. Minoxidil: mechanisms of action on hair growth. British journal of dermatology, 2004, 150.2: 186-194.

KAUFMAN, Keith D., et al. Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. Journal of the American Academy of Dermatology, 1998, 39.4: 578-589.

KELLY, Yanna; BLANCO, Aline; TOSTI, Antonella. Androgenetic alopecia: an update of treatment options. Drugs, 2016, 76: 1349-1364.

VAROTHAI, Supenya; BERGFELD, Wilma F. Androgenetic alopecia: an evidence-based treatment update. American journal of clinical dermatology, 2014, 15: 217-230.

MEIDAN, Victor M.; TOUITOU, Elka. Treatments for androgenetic alopecia and alopecia areata: current options and future prospects. Drugs, 2001, 61: 53-69.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

詳しくはこちら