【医師監修】シャンプー中の抜け毛は何本まで大丈夫？正しいシャンプー方法と抜け毛の対処法

シャンプーで大量に髪が抜けると、また薄毛が悪化するのではないかと不安な気持ちになりますよね。

髪の毛は日々成長と脱毛を繰り返しているため、自然に髪が抜けていくのは仕方のないことです。しかし、抜け毛の本数が異常に多くいつまで経っても改善が見られない場合は、AGAなど何らかの脱毛症の恐れがあります。

「シャンプー中の抜け毛がひどい…」
「抜け毛は一日何本までなら大丈夫？」

このようなお悩みや疑問を解決するため、本記事ではシャンプーで抜け毛が増える原因と対策を詳しく解説していきます。

シャンプー中の抜け毛は【一日30〜60本】までなら問題なし

一日あたりの抜け毛の全本数のうち、約6割はシャンプー中に生じると言われています。

髪の毛は生える→伸びる→抜けるというサイクルを繰り返していて、寿命を迎えた髪の毛が抜け落ちるのはごく自然な現象です。

抜け毛の本数は一日あたり50〜100本までが正常な範囲です。このうちシャンプーによる抜け毛は6割程度（＝30〜60本程度）だと考えられ、この本数に男女差はありません。

シャンプー中に抜け毛が多いと感じるのは、もともと抜け落ちる予定だった髪の毛が洗髪の刺激で一気に洗い流されていくためです。また排水溝にたまった抜け毛を目で確認できてしまうことも関係しているかもしれません。

シャンプー中の抜け毛がひどい！洗髪で髪が抜ける5つの原因

シャンプー中に抜け毛が増える理由として考えられるのは次の5つです。

1. シャンプーが合っていないから
2. ストレスや生活習慣が影響しているから
3. 何らかの脱毛症を発症しているから
4. 抜け毛が増える季節だから
5. 成長期を終えて抜け落ちるサイクルだったから

それぞれの原因を詳しく解説します。

原因①シャンプーが合っていないから

洗髪で髪が抜ける原因としてまず考えられるのがシャンプーの成分です。

シャンプーには、界面活性剤という頭皮の皮脂汚れを除去するための洗浄成分が含まれます。洗浄力が強すぎると頭皮に強い刺激が加わり、かゆみやフケ、抜け毛といった頭皮トラブルを引き起こすことがあるのです。

肌に合わないシャンプーを使った時に現れる症状には次のものがあります。

• 頭皮がかゆい
• 頭皮がつっぱる・ヒリヒリする
• フケが出る
• 洗髪後すぐにベタつく
• ブツブツや頭皮湿疹ができる
• フケが出る など

とくに乾燥肌や敏感肌、アトピー体質の方はシャンプーによる刺激を受けやすいと言われています。

原因②ストレスや生活習慣が影響しているから

強いストレスを抱えている、または生活習慣が乱れている方は、抜け毛が増えやすい傾向にあります。

ストレスを感じると、頭皮の毛細血管が収縮します。髪は血液によって運ばれる酸素や栄養をもとに成長するため、血管が収縮すると髪に栄養が届きにくくなるのです。

さらに、乱れた食生活や睡眠不足も髪の成長に悪影響を与えます。頭皮環境の悪化により、シャンプー中に抜け毛が増えたと感じることは十分にあり得るでしょう。

原因③何らかの脱毛症を発症しているから

多量の抜け毛がいつまで経ってもおさまらない場合は、何らかの脱毛症である可能性が考えられます。

成人男性であれば、まずはAGAを疑います。AGAは男性ホルモンや遺伝が関与する脱毛症で、生え際と頭頂部を中心に薄毛が広がるのが特徴です。

AGA以外では特定の疾患が影響する抜け毛なども考えられます。最近はコロナの後遺症で髪が抜ける「コロナ抜け毛」に悩まされる方からもご相談をいただくこともあります。

原因④抜け毛が増える季節だから

季節の変わり目、とくに夏から秋にかけては抜け毛が増えやすくなると言われています。

抜け毛の本数は一日あたり50〜100本までが正常だとお伝えしましたが、秋になると200〜300本まで増えることもあります。

当院が行ったアンケート調査でも、季節によって抜け毛の量が増えると回答した方が全体の半数近くを占めました。（調査日：2022年4月13日、調査対象：20〜60代男性104名）

参照：PR TIMES「​​生活環境の変化で「抜け毛が増えた」と感じる人は63％以上！季節と抜け毛の関連について」

秋に抜け毛が増える原因は次の通りです。

• 夏の紫外線ダメージが秋に現れはじめるから
• ホルモンバランスや自律神経が乱れやすくなるから
• 換毛期の名残

季節的な抜け毛は一時的なものであり、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。しかしいつまで経っても本数が減らず、髪全体のボリュームも失われているようであれば別の原因を疑います。

原因⑤成長期を終えて抜け落ちるサイクルだったから

髪の毛は、①成長期②退行期③休止期という3つのサイクルによって生え変わりを繰り返します。

毛髪全体の約9割は成長期にあたりますが、毛母細胞が寿命を迎えると髪は退行期に突入します。これにより髪の成長スピードは徐々にゆるやかになり、やがて成長そのものがストップし、何をせずとも自然に抜け落ちていくのです。

シャンプー中は、一日の中で髪に触れる時間がもっとも長い時間です。髪が指に絡めば、抜け毛が増えているように感じることもあるでしょう。

適切な方法で洗髪できていれば、シャンプー中の抜け毛を必要以上に気にする必要はありません。

正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方

正常なヘアサイクルにおける抜け毛と、ヘアサイクルの乱れが引き起こす抜け毛には決定的な違いがあります。

両者を見分けるには、次の2点をチェックしてください。

1. 抜け毛の太さと長さ
2. 毛根の色と形

髪の成長期は3〜5年続くので、ヘアサイクルが正常に機能していれば抜け落ちる頃には十分な太さと長さがあるはずです。

一方、何らかの理由でヘアサイクルに乱れが生じると髪の成長期は数ヶ月〜1年と大幅に短くなります。たった数ヶ月では十分に成長しきれないため、細く短い状態で抜け落ちてしまいます。

毛根については、白っぽく丸みを帯びていれば正常です。異常な抜け毛は黒や白濁色で、形はとがっているかギザギザしています。

髪が大量に抜けると感じた時は、抜け毛と毛根をじっくりと観察してみるのがいいでしょう。

抜け毛を防ぐ正しいシャンプー方法

シャンプー中に抜け毛が気になる方は、シャンプー剤や洗い方に問題がないかも確認してみましょう。

正しい洗髪方法をまとめましたので、今日から実践してみてください。

STEP①丁寧に湯洗いする

洗髪する時は、まずお湯のみで髪と頭皮を洗います。

髪の表面についた汚れは丁寧な湯洗いで落とすことができます。シャンプーの泡立ちもよくなるので、頭皮と髪全体をしっかりと濡らしましょう。

お湯の温度は38〜40度が適温です。

STEP②シャンプーを手のひらで泡立てる

シャンプーを適量手に取ったら、お湯と混ぜて軽く泡立てます。

シャンプーは泡立ちがいいほど髪や頭皮に付着した汚れが落ちやすくなります。きめの細かい泡が汚れを絡めとるので、髪につける前にある程度泡立てておくのがおすすめです。

STEP③指の腹で優しく洗う

汚れをしっかり落としたい気持ちはわかりますが、ゴシゴシと力を入れて洗うのはNGです。

泡立てたシャンプーを頭にのせ、指の腹で頭皮をもみほぐすように洗います。髪の毛を洗うというより「頭皮を洗う」ことを意識し、髪を引っ張らないよう気をつけましょう。

短時間で手際よく、爪を立てずに洗髪することを意識してください。

STEP④念入りにすすぐ

髪と頭皮を洗ったらシャンプーをしっかりとすすぎます。この際も、ゴシゴシ洗いで不用意に髪を抜かないよう気をつけましょう。

シャンプーのすすぎ残しはニオイやかゆみ、吹き出などのトラブルにつながります。毛量が多い方や髪の長い方はとくに、生え際や耳の裏などすすぎ残しに注意してください。

STEP⑤洗髪後はすぐに乾かす

髪が濡れている時間が長いと、湿気により頭皮に雑菌が繁殖しやすくなります。

頭皮環境の悪化はフケやかゆみ、抜け毛の原因となるため、洗髪後や入浴後はすぐに髪の毛を乾かしましょう。

また、水分を多く含んだ髪はドライヤーの熱で強いダメージを受けますので、乾かす前にしっかりとタオルドライすることも大切です。

洗髪方法の見直しで改善しない抜け毛はAGAの疑いも

シャンプーの見直しで抜け毛が改善しない場合、すでにAGAを発症している可能性が考えられます。

AGAを発症すると、シャンプーのやり方を変えただけで抜け毛が劇的に減ることはありません。男性ホルモンや遺伝による影響を受けているため、根本的な解決のためにはクリニックでの治療が必要です。

AGAには、生え際の後退や頭頂部（つむじ）の薄毛など特徴的な進行パターンがあります。

以下に当てはまるものがある方は、AGAの可能性が疑われます。

• 生え際が剃り込みのように後退しM字型をしている
• 正面から見たときに頭頂部の皮膚が透けて見える
• 前髪やつむじ周辺の髪が細いor短い
• サイドや後頭部は目立った薄毛が見られない

AGAは、進行すればするほど治療に時間がかかります。以前と比べて明らかに抜け毛の本数が増えたと感じる方は、まず一度クリニックを受診することをおすすめします。

• 新宿院：新宿西口駅から徒歩2分
• 横浜院：横浜駅から徒歩4分
• 東京院：東京駅から徒歩6分

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急に抜け毛が増えた時に行うべき3つの対処法

シャンプー中の抜け毛が気になる場合の対処法は次の3つです。

1. シャンプーを変える
2. 生活習慣を見直す
3. 医療機関を受診する

それぞれの方法を詳しく解説します。

対処法①シャンプーを変える

シャンプー中の抜け毛が気になる方には、洗浄成分の刺激が少ないシャンプーをおすすめします。

具体的にはアミノ酸やノンシリコン、無添加などと明記されているものがいいでしょう。

かゆみやフケなどの頭皮トラブルがある方は、有効成分が配合された薬用シャンプーを使うのもいいですね。

クリニックで抗真菌薬「ケトコナゾール」を配合したシャンプーを処方している場合もあります。抜け毛やフケにお悩みの方はクリニックでシャンプーを購入するのも1つです。

ただし、シャンプーを変えたからといってすぐに抜け毛が減ったり増えたりすることはないので、長期的に使い続けて効果を見る必要があります。
なお、洗いすぎは必要な皮脂を落とし頭皮の乾燥やかゆみにつながるため、洗髪は一日1回までとしましょう。

対処法②生活習慣を見直す

すぐにできる抜け毛対策としては、生活習慣の見直しも有効です。

具体的には髪の主成分であるタンパク質中心の食生活やストレス予防、睡眠不足を解消するなどの方法が効果的です。

栄養が偏りがちな方はサプリメントを活用するのもいいでしょう。適度な運動は気分転換にもなりますし、快眠を促す効果も期待できます。

無理なくはじめられるものからで構いませんので、抜け毛対策の一環として「健康的な生活」を心がけることをおすすめします。

対処法③医療機関を受診する

セルフケアで改善しない髪のお悩みは、医療機関に相談するのも一つの方法です。

抜け毛の増加だけでなく、髪全体のボリュームが失われているような状態は何らかの脱毛症である可能性があります。成人男性に多く見られるAGAは医療機関での治療が可能です。

原因が特定できれば、抜け毛を予防することはもちろん減ってしまった毛量を回復させることもできます。

治療開始が早ければ早いほど効果を実感しやすいので、抜け毛の増加でお悩みの方は専門医に相談してみるのがいいでしょう。

シャンプーと抜け毛にまつわるよくある質問

シャンプーと抜け毛について患者様から多く寄せられる質問にお答えします。

シャンプーによる抜け毛が気になる方は当院までご相談ください

シャンプーによる抜け毛は、ある程度の本数ならば仕方がないことです。

ヘアサイクルによって髪は日々生まれ変わっていますから、正常な範囲内であれば深く悩む必要はありません。

注意すべきは、以前と比べて抜け毛の本数が増えている場合と、生え際や頭頂部の薄毛が進行している場合です。両方に当てはまる方はAGAの可能性が疑われますので、できるだけ早くクリニックを受診すべきです。

当院は、20〜30代の薄毛治療に特化したクリニックで、これまでに3万人（2018年5月～2022年12月実績）以上の患者様のお悩みを解決してきました。