プロテインが髪に与える効果と育毛への影響について | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

プロテインが髪に与える効果と育毛への影響について

更新日
プロテインが髪に与える効果と育毛への影響について
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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薄毛や抜け毛を気にする方のなかには、タンパク質を補給する方法としてプロテインを検討する方も多いのではないでしょうか。

髪の大部分はケラチンというタンパク質で構成されており、健康的な髪を育むには栄養バランスが欠かせません。

普段の食事だけで不足しやすい場合もあるため、上手にプロテインを取り入れることで髪の強度やツヤの維持を目指すことも可能です。

プロテインと髪の基礎知識

髪の成り立ちやタンパク質の役割を知ることは、育毛を考える上で重要です。

はじめに、プロテインと髪との基礎的な関係を整理しながら、頭髪における栄養摂取の意義を見ていきましょう。

ケラチンが中核となる髪の構造

髪は主にタンパク質で構成され、その中核を担うのが「ケラチン」です。ケラチンはアミノ酸の結合から形成され、髪の強度や弾力、ツヤなどを支えています。

外部からのダメージに強く、髪が切れにくい性質を保つためには、このケラチンの質と量が大きく関係します。

髪の内部構造を細かく見ると、メデュラ(髄質)、コルテックス(皮質)、キューティクル(表皮)の3つの層が存在し、ケラチンはコルテックスを中心に豊富に含まれています。

外側のキューティクルもケラチンの働きで保護され、髪表面の艶や滑らかさを保ちます。

ただし、過度なパーマやブリーチなどでキューティクルが損傷すると、髪の内部成分が流出しやすくなり、枝毛や切れ毛の原因となる場合があります。

ケラチンの重要性

ケラチンは体内で合成されるため、食事を通じて十分なタンパク質を摂ることが基本です。

極端にタンパク質が不足すると、身体は生命維持に必要な臓器を優先し、髪や爪など末端組織への栄養供給を後回しにします。

結果的に髪が細くなる、ハリやコシがなくなる、抜けやすくなるといったトラブルが起こるため、早めに対策を講じることが大切です。

ケラチンに含まれる主なアミノ酸

アミノ酸名特徴・役割
シスチンケラチンを安定させる硫黄結合を形成
メチオニンシスチン合成の元となる必須アミノ酸
アルギニン血流やホルモン分泌に関与し、髪の生成をサポート
リジンコラーゲン生成や髪の成長に関わる
グルタミン酸体内で他のアミノ酸やタンパク質合成を助ける

これらのアミノ酸をバランス良く摂るためにも、タンパク質を含む幅広い食品やサプリメントを取り入れることが望ましいでしょう。

頭髪の成長サイクル

髪には成長期(アナゲン)、退行期(カタゲン)、休止期(テルゲン)という成長サイクルがあります。

成長期には毛母細胞が活発に分裂し、髪がしっかりと太く伸びていきます。

退行期では毛母細胞の活動が徐々に弱まり、休止期になると髪が抜ける準備に入るのが特徴です。

項目内容期間
成長期毛母細胞が活性化し髪が伸びる約2年~7年
退行期髪の成長が停滞し、毛根が縮小する約2週間~3週間
休止期毛根の活動が止まり、抜け落ちる準備が整う約3か月~4か月

このサイクルが乱れると、髪が十分に成長しないまま抜けてしまうことがあります。

タンパク質をはじめとした栄養が不足すると、成長期が短縮される可能性が高まり、薄毛や抜け毛が目立ってくるかもしれません。

タンパク質が不足した場合に起こること

タンパク質が不足すると、身体は生存に重要な心臓や脳、肝臓などに栄養を優先的に回します。

結果として、髪や爪、肌などへの栄養が後回しとなり、以下のような症状が出やすくなります。

  • 髪が細くなる
  • ツヤやハリが失われる
  • 枝毛や切れ毛が増える
  • 抜け毛の量が増加する
  • 頭皮環境が乱れてフケやかゆみが起こる場合がある

髪の状態は日頃の栄養状態を映し出す指標にもなります。

とくに無理なダイエットや偏食をしている方はタンパク質が不足しやすく、髪が脆くなりやすい傾向があります。

プロテイン補給の仕組み

プロテインはタンパク質を効率よく摂取するために作られた食品です。

牛乳由来(ホエイ、カゼイン)や大豆由来(ソイプロテイン)などさまざまなタイプがあり、余分な脂質や炭水化物を抑え、タンパク質を高濃度で摂ることができます。

摂取後、まず胃腸で分解されてアミノ酸となり、血流に乗って全身へ運ばれます。髪の元となるアミノ酸もこの過程で供給され、ケラチン合成に役立ちます。

プロテインだけではなく、他の栄養素(亜鉛、鉄、ビタミン各種など)も合わせて摂ることで、髪の健康を支える土台を広く固めることができます。

単品で完結するものではなく、あくまで食事を補うサポートという意識を持つとよいでしょう。

プロテインが髪に与える主なメリット

髪の主成分であるケラチンはタンパク質が原料であり、プロテインの摂取は毛髪に良い影響を与える可能性があります。

髪のハリやコシの向上

タンパク質が充分に摂取されると、ケラチン合成が活発になり、髪にハリやコシが生まれやすくなります。

とくに、次のようなことで悩む方にはメリットがあるかもしれません。

  • 髪がペタンとしやすい
  • うねりや広がりが気になる
  • ブローやセットが決まりにくい

タンパク質がしっかりと供給されている髪は内部構造が整いやすく、太くて強い毛幹が育ちやすくなります。

食事からタンパク質を摂るだけで難しい場合は、プロテインを取り入れることで補いやすくなるでしょう。

頭皮環境のサポート

頭皮は肌の一部であり、細胞のターンオーバーが行われています。

タンパク質をはじめ必要な栄養が十分に行き渡ると、頭皮のバリア機能が保たれやすく、フケやかゆみを予防しやすくなります。

また、血流の改善を目的として適度な運動を取り入れる場合にも、運動後のタンパク質補給が筋肉の維持に役立ち、全身の代謝や血流の巡りを良好に保つサポートとなることがあります。

結果的に頭皮に届く栄養や酸素も増え、髪の成長を助ける土台づくりに役立つでしょう。

傷んだ髪の修復補助

過度なカラーリングやパーマ、紫外線などで髪は少しずつダメージを受けます。

いったん傷んだ髪を完全に元通りにすることは難しいものの、ケラチン合成に必要なアミノ酸が充分に供給されると、ダメージの進行を食い止める一助となります。

外部からのトリートメントも大切ですが、内部からの栄養補給を合わせて行うと、より効率的に髪の質を保ちやすくなります。

細く弱った髪へのアプローチ

髪が細くなったり、コシがなくなったりする背景には、加齢によるホルモンバランスの変化や、極端な食事制限による栄養不足などが考えられます。

プロテインによる補給は、こうした原因がタンパク質不足に起因する場合には効果を発揮する可能性があります。

要因内容
遺伝的要素AGAなどの体質により髪が細くなりやすい
ホルモンバランスの乱れ加齢やストレス、性ホルモンの変化で髪の成長サイクルが乱れる
栄養不足食事制限や偏食でタンパク質やビタミン、ミネラルが不足して髪が弱る
過剰なダメージブリーチや熱処理などでキューティクルが壊れ、髪内部のタンパク質が流出する

細毛化は放置すると改善が難しくなるため、早めに原因を探り、必要であればプロテインを含む食事改善や頭皮ケアなどを行うことが大切です。

育毛を考える際のプロテイン摂取のポイント

髪の健康や育毛を見据えるなら、プロテインの摂取量やタイミング、他の栄養素とのバランスなどに気を配る必要があります。

食事とプロテインをどのように組み合わせるかを考えながら、無理なく継続できる方法を見つけることが大切です。

1日のタンパク質摂取目安

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人男性は1日あたり約60g、成人女性は約50gのタンパク質摂取が推奨されています。

ただし、体格や年齢、運動量によって必要量は異なります。育毛を意識して髪の材料を増やしたい場合は、少し多めに摂るのも一案です。

性別年齢運動量1日あたりの推奨量
男性18~49歳普通約60g
男性50歳以上普通約60g
女性18~49歳普通約50g
女性50歳以上普通約50g
運動習慣あり全年齢・男女共通通常より+10~20g程度

激しい運動をする方は筋肉の修復や成長にもタンパク質が多く必要となるため、普段の食事だけでは足りない分をプロテインで補うケースも多いです。

これにより、髪だけでなく筋肉量や体力維持にもプラスに働くことが期待できます。

過剰摂取を避ける

プロテインを大量に飲んだからといって、その分だけ髪が急激に増えるわけではありません。

過剰なタンパク質摂取はカロリーオーバーを招き、体脂肪が増えるリスクや腎機能への負担が増すおそれがあります。

また、他の栄養素(ビタミンやミネラルなど)の摂取が疎かになると、髪にとっても逆効果になりかねません。

  • タンパク質の過剰摂取は腎臓に負担がかかる場合がある
  • 大量のプロテインでカロリーが増え、体重増加や脂肪蓄積につながることがある
  • 他の栄養素をバランス良く摂れないと、結局は髪の成長が阻害される場合がある

必要量を複数回に分けて摂ることで、吸収効率を高めながら内臓への負担を分散できるでしょう。

摂取タイミングと食事の組み合わせ

プロテインは筋トレ後の摂取が一般的なイメージですが、実際には朝食や間食、就寝前など、自分の生活スタイルに合わせて活用できます。

髪も日々の新陳代謝により作られているため、こまめなアミノ酸供給は理にかなっているといえます。

ただし、就寝直前に大量に摂ると胃に負担がかかるため、量には配慮したほうが無難です。

食事との組み合わせでは、野菜や果物、海藻などもバランス良く摂取することを心がけてください。

タンパク質合成を助けるビタミンやミネラル、抗酸化作用が期待できる食材も重要であり、単にプロテインだけに頼るのは好ましくありません。

長期的な視野で摂取を継続することが大切

髪の成長は時間がかかるため、短期間で劇的な変化を期待するのは難しいです。

プロテインを活用し、十分なタンパク質を摂り続けることで、数か月以上かけて徐々に髪の状態が改善する可能性があります。長期的に無理なく続けられる方法を模索することが大切です。

プロテインと薄毛の関係

薄毛や抜け毛が気になる方にとって、プロテインがどれほど役に立つかは気になるポイントではないでしょうか。

実際にはプロテインで補える部分と、ホルモンや遺伝といった別の要素が絡む部分を区別しなければなりません。

薄毛の主な原因

薄毛の原因は遺伝やホルモンバランス、頭皮環境、ストレス、栄養不足など多岐にわたります。

男性型脱毛症(AGA)のように、ホルモンが毛根に悪影響を及ぼす場合もあれば、食事不足や過度なダイエットが影響する場合もあります。

  • AGAなどホルモン由来の原因
  • 遺伝的要素が強いケース
  • 栄養バランスの乱れ
  • 過剰なストレスや睡眠不足
  • 過度な頭皮へのダメージ(カラー剤、パーマなど)

プロテインはタンパク質不足による薄毛や抜け毛を補う手段としては有効ですが、AGAなどホルモンが大きく絡む薄毛では、医療的な方法が必要になることが多いです。

プロテインを活かして改善が見込めるケース

タンパク質不足が要因となっている薄毛や抜け毛、あるいは無理なダイエット後の髪やせにはプロテインが有効に働く可能性があります。

食事だけで十分なタンパク質を確保できない場合、プロテインを活用すれば日々の摂取量を補いやすいからです。

  • ダイエットが原因で明らかに髪が細くなった
  • 食生活が偏りがちでタンパク質量が不足している
  • 過度な運動習慣でタンパク質消費が増えている

ただし、AGAの場合はDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの代謝物が毛根にダメージを与えているため、プロテインだけで劇的に改善することは期待しにくいとされています。

プロテインとAGA

AGAの発症には、テストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変換されるプロセスが深く関わっています。DHTが毛根を萎縮させることでヘアサイクルが短縮され、抜け毛が増えます。

プロテインは毛髪の材料として寄与しますが、ホルモンの生成や働きを直接抑制するわけではありません。

そのためAGAの進行を止めるには、医薬品(フィナステリドやデュタステリドなど)によるDHT抑制が有力な手段となります。

薬剤名作用機序特徴
フィナステリド5αリダクターゼⅡ型の活性を抑えるDHT生成を抑制し、抜け毛の進行を穏やかにする
デュタステリド5αリダクターゼⅠ・Ⅱの両タイプを抑制幅広くDHT生成を抑え、AGA治療薬の選択肢として注目度が高い
ミノキシジル血管拡張作用により毛母細胞への血流を改善血流増加で髪の成長を促し、育毛効果を高める

プロテイン摂取と併せて、適切な治療を並行して行うことで、抜け毛対策や育毛効果をより高められる可能性があります。

栄養バランスとヘアケアの重要性

プロテインは薄毛対策の一部分です。総合的な栄養バランス、頭皮ケア、生活習慣の見直しなどを同時に行うと、髪にとって良い環境を整えやすくなります。

  • 頭皮をマッサージするように洗い、汚れを適度に落とす
  • ヘアケア剤や整髪料は肌に合うものを選び、必要以上に使いすぎない
  • 外出時の紫外線対策で頭皮に負担をかけない
  • ストレスや睡眠不足を避け、ホルモンバランスを乱さないようにする

プロテインのみで薄毛を改善できるわけではありませんが、髪を育てるための基本的な栄養サポートとして活用すると、ヘアケアや医療的ケアの効果を後押しすることが期待できます。

AGA治療とプロテイン

AGA治療は投薬や医療機関でのケアが中心ですが、同時に食事や栄養状態を整えることも治療効果に直結します。

AGA治療における栄養面のサポート

AGA治療薬の多くはホルモンや血流に作用し、抜け毛の進行を抑制したり毛母細胞を刺激したりします。

しかし、髪を作る材料が不足していれば、新しい毛髪をしっかりと育てることは難しくなります。

プロテインを活用してタンパク質を補給し、髪の生成に必要な栄養を確保することが大切です。

投薬と併用する際の注意点

プロテインは食品としての位置づけであり、AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)との大きな相互作用はあまり報告されていません。

ただし、過度な量を摂り続けると腎臓に負担がかかり、体調を崩す可能性があります。

体調を管理しながら、プロテインの適切な量を継続的に摂るとよいでしょう。

  • 薬の吸収を阻害する成分は一般的なプロテインには少ない
  • 大量摂取による体調不良があれば早めに医師に相談
  • 投薬スケジュールとプロテイン摂取を大きくズラす必要はないが、不安なら専門家へ問い合わせる

クリニックでの栄養指導

医療機関では、AGA治療や薄毛治療の一環として栄養指導を行うことがあります。

タンパク質の具体的な摂り方や、必要に応じたサプリメントの提案、食事バランスのチェックなど、専門家の視点でアドバイスを得ると効率よく対策が進められます。

自己流で過剰摂取するリスクを避け、必要な栄養を確実に補給する上でも有益です。

AGA治療の選択肢と併用メリット

AGA治療には内服薬、外用薬、注入療法、メソセラピー、ヘアケア製品など多彩な方法があります。

これらの方法とプロテインを含む栄養補給を組み合わせることで、育毛効果を高めることが期待できます。

治療方法概要メリット
内服薬フィナステリドやデュタステリドでDHT生成を抑制抜け毛抑制効果が期待できる
外用薬ミノキシジルを頭皮に直接塗布局所的に血流を増やし、毛母細胞を刺激
注入療法頭皮に成長因子や栄養剤を注入有効成分を直接毛根付近に届けやすい
メソセラピー頭皮に細胞成長因子などを注入発毛に必要な因子を効率的に与える
ヘアケア製品シャンプーやコンディショナー、育毛トニックなど頭皮環境を整えて髪の成長を補助

プロテインは髪の基礎材料の補給として位置づけられ、治療との併用でより総合的な薄毛対策が行えます。

プロテインの選び方と注意点

プロテインは市販品が数多く存在し、成分や味、価格帯もさまざまです。髪の健康を意識するうえで、どのようにプロテインを選ぶかが継続のしやすさにもつながります。

種類別の特徴

主なプロテインの種類にはホエイ、カゼイン、ソイがあります。

ホエイは吸収が早く、運動直後の摂取に適しており、カゼインは吸収がゆるやかで就寝前の摂取に向いています。

ソイは植物性でコレステロールが低く、大豆イソフラボンを含むため女性にも好まれやすい特徴があります。

タイプ原料吸収速度特徴
ホエイ牛乳速い筋肉の回復を重視する人に人気
カゼイン牛乳ゆるやか腹持ちが良く、就寝前などに適している
ソイ大豆中程度植物性タンパク質で女性に人気
エッグ中程度アレルギーが少ない人には選択肢になる

髪の生成という観点では、どのタイプであってもタンパク質を効率的に摂取できれば効果に大きな差は出にくいです。

自身の好みや体質、価格帯、飲みやすさで選ぶとよいでしょう。

添加物や余分な成分に注意

プロテインの中には人工甘味料や香料などが多く配合されている製品があります。

甘みが強いフレーバーは飲みやすい反面、糖質や脂質が多い場合があり、カロリー過多になりやすいかもしれません。

髪のためとはいえ、栄養バランス全体を崩すほどの過剰摂取は望ましくないため、原材料表示をよく確認してシンプルな配合のものを選ぶのも一つの方法です。

味や溶けやすさ

プロテインは継続的に飲むことが前提となるため、味や溶けやすさも選ぶポイントになります。

まずは少量のパックや試供品などで試して、飲み続けられるかどうかを確かめると失敗が少なくなります。

日常的に飲むことを考えると、無理なく取り入れられる味やコストパフォーマンスが大切です。

価格帯と品質

高級なプロテインは原料や製造過程が丁寧で、味や溶けやすさ、添加物の少なさなどが優れている場合があります。

ただし、髪への効果はあくまで十分なタンパク質を摂取することにあるため、高価な商品だからといって育毛効果が飛躍的に変わるわけではありません。

継続できる価格と品質のバランスを見極めるとよいでしょう。

プロテイン選びで意識したい点

  • 原料(ホエイ、カゼイン、ソイなど)の違い
  • タンパク質含有率が高いか(1食あたり15~25g程度が多い)
  • 添加物や人工甘味料の種類や量
  • 飲みやすさ、味、ダマになりにくいか
  • 価格と継続のしやすさ

食生活・生活習慣との関係とクリニックの受診について

プロテインを上手に取り入れても、生活習慣が乱れていると髪の状態はなかなか改善しません。髪は身体の一部であり、総合的な健康管理が必要です。

バランスのとれた食生活の重要性

髪の成長にはタンパク質だけでなく、亜鉛、鉄、ビタミンB群、ビタミンCなど多種多様な栄養素が関わっています。

髪の生成を助けるこれらの要素が不足すると、プロテインを十分摂っていても育毛効果は限定的になる場合があります。

偏りのない食生活を心がけるとともに、必要に応じてサプリメントで補うことも検討するとよいでしょう。

栄養素役割主な食材
亜鉛毛母細胞の働きをサポートし、タンパク質合成を促す牡蠣、牛肉、ナッツ類、豆類など
酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素レバー、赤身肉、魚、ほうれん草、ひじきなど
ビタミンB群エネルギー代謝や細胞生成に重要豚肉、卵、大豆、緑黄色野菜など
ビタミンCコラーゲン合成や血管の健康維持を助ける柑橘類、いちご、キウイ、ブロッコリーなど
ビタミンE抗酸化作用や血行促進をサポートアーモンド、かぼちゃ、アボカドなど

こうした栄養素を総合的に摂り、プロテインを含むタンパク質もしっかり補うと、髪や頭皮に必要な成分が滞りなく届きやすくなります。

睡眠・運動・ストレス管理

髪の生成には体全体の調子が影響します。睡眠不足やストレス過多の状態では、ホルモンバランスが乱れ、頭皮への血流も悪くなりがちです。

プロテインで必要なタンパク質を摂っていても、下記のような生活習慣が整っていなければ思うような効果が得られません。

  • 1日7~8時間の良質な睡眠を確保する
  • 適度な運動で血流を促進し、頭皮への栄養供給をサポートする
  • ストレスを溜めすぎず、リラックス方法を見つける
  • 喫煙や過度の飲酒を控え、代謝機能を保つ

生活習慣を改善しつつプロテインやサプリメントを活用すると、髪と頭皮が必要とする栄養が行き渡る環境が整いやすくなります。

クリニック受診のタイミング

プロテインを摂っていてもなかなか効果を実感できない、突然の脱毛量増加がある、頭皮に強いかゆみや炎症があるなどの場合は、医療機関を早めに受診したほうが安心です。

とくにAGAが疑われる場合は、専門のクリニックで診断を受けることで、適切な投薬や治療計画を立てやすくなります。

  • 抜け毛の増加が止まらない
  • 地肌が目立つほどの薄毛が進行している
  • 頭皮に赤みや強いかゆみ、フケの増加がある
  • 家族に薄毛の悩みを持つ人が多い

医師と相談することで、栄養補給のバランスを含めた総合的な対策を打ち出せる可能性が高まります。

クリニックで相談するメリット

AGAや薄毛治療を専門的に扱うクリニックでは、頭皮や毛髪の状態、血液検査の結果などをもとにした個別のアドバイスを行っています。

プロテインの活用方法や食事指導、投薬治療を組み合わせることで、抜け毛や薄毛に対する包括的な取り組みが可能です。

髪の悩みは早めに対処するほど良い結果を得やすいと考えられるため、不安を抱えたまま放置せず気軽に相談してみるとよいでしょう。

  • 個々の生活習慣や遺伝的要因に合わせた治療プランの立案
  • 投薬に加えて、プロテインやサプリメントの摂取方法の提案
  • 医療機関ならではの定期的な経過観察とデータ管理

自己判断だけでは改善しにくいケースも多いため、専門家の知識と経験を得られる医療機関のサポートは大きな助けになります。

参考文献

RUSHTON, D. Hugh. Nutritional factors and hair loss. Clinical and experimental dermatology, 2002, 27.5: 396-404.

GUO, Emily L.; KATTA, Rajani. Diet and hair loss: effects of nutrient deficiency and supplement use. Dermatology practical & conceptual, 2017, 7.1: 1.

GOLDBERG, Lynne J.; LENZY, Yolanda. Nutrition and hair. Clinics in dermatology, 2010, 28.4: 412-419.

FINNER, Andreas M. Nutrition and hair: deficiencies and supplements. Dermatologic clinics, 2013, 31.1: 167-172.

GLYNIS, Ablon. A double-blind, placebo-controlled study evaluating the efficacy of an oral supplement in women with self-perceived thinning hair. The Journal of clinical and aesthetic dermatology, 2012, 5.11: 28.

NATARELLI, Nicole; GAHOONIA, Nimrit; SIVAMANI, Raja K. Integrative and mechanistic approach to the hair growth cycle and hair loss. Journal of clinical medicine, 2023, 12.3: 893.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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