

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
AGA治療を始めたいけれど、費用がいくらかかるか不安で一歩踏み出せない、という方は多いのではないでしょうか。
本記事では、内服薬・外用薬・オンライン診療といった治療法ごとの費用相場を徹底比較し、あなたの薄毛の進行度や目的に合った料金の目安を明らかにします。
結論から言うと、抜け毛予防なら月額3,000円台から、発毛を目指すなら月額10,000円台からが一般的な相場です。
また、安価に見える個人輸入は偽薬や健康被害のリスクがあり推奨できません。安全かつ効果的に治療を進めるなら、医師の診断のもと国内クリニックで処方を受けるのが最善の選択です。費用を抑えるコツも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
AGA治療の費用が決まる3つの要素

AGA治療の費用はクリニックや治療法によって大きく変わりますが、その金額を左右する主な要素は「治療内容」「薄毛の進行度」「診療形態」の3つです。
どのような治療を選ぶか、どの段階で始めるか、そしてオンラインか対面かによって必要な費用は大きく異なります。
まずは、この3つが費用にどう影響するのかを押さえておきましょう。詳細は次の項目で順に解説していきます。
治療内容(内服薬・外用薬・注入治療など)
AGA治療には、抜け毛の進行を抑える「守りの治療」から、積極的に髪を増やす「攻めの治療」まで、さまざまな選択肢があります。
治療法が積極的になるほど、費用も高くなる傾向にあります。
代表的な治療内容と費用相場の関係は以下の通りです。
治療内容 | 主な目的 | 費用相場の目安 |
---|---|---|
内服薬 | 抜け毛の予防・進行抑制 | 3,000円~12,000円(月額) |
外用薬 | 発毛促進 | 5,000円~15,000円(月額) |
注入治療(メソセラピー) | 積極的な発毛促進 | 20,000円~80,000円(1回あたり) |
自毛植毛 | 薄毛部分の根本的な改善 | 500,000円~(施術範囲による) |
AGA治療の入り口となるのは、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬です。
男性ホルモンの作用を抑えることで抜け毛を防ぐ効果があり、多くの人がまず選ぶ方法です。
副作用として性機能への影響や肝機能への負担が指摘されることもあるため、医師の診察を受けながら継続する必要があります。
発毛を促したい場合はミノキシジルの外用薬が選ばれます。毛根を直接刺激して発毛を促進し、内服薬との併用でより高い効果が期待できます。
ただし、頭皮のかゆみや赤みなどの副作用が出る場合もあり、肌が敏感な方は注意が必要です。
さらに積極的な治療を望む場合は、成長因子やビタミンを頭皮に直接届けるメソセラピーが選択肢になります。
効果を実感しやすい一方で、1回数万円から10万円程度と費用は高額で、複数回施術が前提となります。
最後に、自毛植毛は後頭部の毛を移植することで半永久的に髪を取り戻せる根本的な方法です。
ただし外科手術にあたるためダウンタイムがあり、50万円以上と高額になるのが難点です。
薄毛の進行度
AGAの進行度によって、推奨される治療内容が異なるため、費用も大きく変動します。
一般的に薄毛が進んでいるほど、複数の治療を組み合わせる必要があり、費用は高額になる傾向があります。
初期段階では、「生え際が少し後退してきた」「抜け毛が増えた気がする」といった自覚症状が中心で、第三者からはあまり気づかれません。
この段階ならフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬で進行を抑えるのが基本で、比較的低コストで治療を始められます。
中等度になると、「M字部分が後退して目立つ」「頭頂部の地肌が透けて見える」といった状態になります。
いわゆるAGAの典型的な症状が外見に表れる段階で、内服薬だけでなくミノキシジル外用薬の併用が推奨されます。
薬が増える分、月々の費用は上がります。
進行が進んだ段階では、前頭部から頭頂部にかけて広範囲に薄毛が広がり、肉眼でもはっきり薄毛とわかる状態です。
この場合、内服薬と外用薬だけでは十分な効果を得られないこともあり、メソセラピー(注入治療)や自毛植毛といった積極的な治療が検討されます。
こうした施術は高額ですが、満足度を得やすい選択肢でもあります。
AGAは進行性の疾患なので、早期に治療を始めるほど効果が出やすく、結果的に費用を抑えられるのが大きなポイントです。
「少し気になる」段階でクリニックに相談することが、将来の費用負担を減らす最も確実な方法といえます。
診療形態(オンラインか対面か)
近年、AGA治療はクリニックに直接通院する「対面診療」だけでなく、スマートフォンやPCを使って診察を受ける「オンライン診療」も普及しています。
どちらを選ぶかによって、診察料や交通費といった費用面が変わるだけでなく、受けられる治療の幅や安心感にも差が出ます。
診療形態 | 特徴 | 費用の傾向 |
対面診療 | 医師による直接の触診やマイクロスコープでの頭皮診断が可能。 注入治療や植毛など、クリニックでしか受けられない施術に対応。 | 診察料(初診・再診)や交通費がかかる。薬代以外に諸経費が必要な場合がある。 |
オンライン診療 | 自宅から診察を受けられ、薬も配送されるため通院の手間や交通費が不要。 内服薬や外用薬の処方が中心。 | 診察料が無料または対面より安価なクリニックが多い。 薬代と配送料のみで始められる場合もある。 |
オンライン診療は、抜け毛が気になり始めた初期段階の患者に向いています。
内服薬や外用薬といった基本治療で対応できるため、コストを抑えながら継続しやすいのが大きなメリットです。
仕事が忙しくて通院が難しい方にも適しています。
一方、中等度以上に進行している場合や、頭頂部や前頭部の薄毛が目立つようになってきた方は、対面診療の方が安心です。
医師が直接頭皮を確認することで進行度を正確に診断でき、必要に応じて外用薬の併用や注入治療など「一歩進んだ治療」に踏み切れるからです。
さらに、重度に進行している場合は、自毛植毛など外科的な治療も選択肢になります。
これは対面診療でしか受けられないため、クリニック通院が必須です。
つまり、オンラインは「初期のAGAで基本治療を安く続けたい人」に、対面は「進行が進んでいて専門的な治療や施術が必要な人」に適しています。
自分の進行度と治療目的を踏まえて診療形態を選ぶことが、費用面でも効果面でも無駄のない判断につながります。
【目的別】AGA治療の費用相場を比較

AGA治療にかかる費用は、治療の目的によって大きく変わります。
「抜け毛を予防して現状を維持したい」のか、それとも「積極的に髪を増やしたい」のかで選ぶ治療法が異なり、月々の負担額にも差が出てきます。
予防を重視する場合は比較的低コストで始められる一方、発毛を目指す積極的な治療では、外用薬の追加や注入治療などが加わるため、費用は高くなる傾向があります。
ここでは、この2つの目的別に費用相場の目安を紹介し、それぞれに適した治療法について次の項目で詳しく解説していきます。
抜け毛予防(現状維持)にかかる費用
「最近抜け毛が増えてきた」「髪のボリュームが減った気がする」など、AGAの初期症状が気になり始めた方向けの治療が「抜け毛予防」です。
この段階での治療は、AGAの進行を抑制し、現在の毛髪の状態を維持することを主な目的とします。
治療の中心となるのは、AGAの主な原因である男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑える内服薬(フィナステリドやデュタステリド)です。
これらの薬を継続的に服用することで、ヘアサイクルの乱れを正常化し、抜け毛を減らす効果が期待できます。
費用相場は、処方される薬が先発医薬品かジェネリック医薬品かによって変動します。ジェネリック医薬品を選択することで、費用を大幅に抑えることが可能です。
治療薬 | 薬品の種類 | 月額費用の目安 |
フィナステリド | ジェネリック | 3,000円~6,000円 |
先発薬(プロペシア) | 7,000円~10,000円 | |
デュタステリド | ジェネリック | 6,000円~8,000円 |
先発薬(ザガーロ) | 9,000円~12,000円 |
上記の費用はあくまで薬代の目安です。
クリニックによっては、初診料や再診料、血液検査費用が別途必要になる場合があります。
ただし、オンラインクリニックなどでは診察料が無料のところも多く、トータルコストを抑えやすくなっています。
発毛促進(髪を増やす)にかかる費用
すでに薄毛が進行しており、「失われた髪を取り戻したい」「毛量を増やしたい」という強い希望がある場合は、「発毛促進」を目的とした治療が必要になります。
この治療は、抜け毛を抑える「守りの治療」と、新たな髪を生やす「攻めの治療」を組み合わせるのが一般的です。
具体的には、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬で抜け毛を抑制しつつ、血行を促進して毛母細胞を活性化させる「ミノキシジル」を併用します。ミノキシジルには頭皮に直接塗布する外用薬と、より高い効果が期待できる内服薬(タブレット)があります。
複数の薬剤を組み合わせるため、抜け毛予防の治療に比べて費用は高くなります。
治療内容の組み合わせ | 月額費用の目安 |
内服薬(予防薬)+ ミノキシジル内服薬 | 10,000円~20,000円 |
内服薬(予防薬)+ ミノキシジル外用薬 | 12,000円~25,000円 |
内服薬2種 + ミノキシジル外用薬 | 15,000円~30,000円 |
これらの投薬治療に加えて、より積極的な発毛を促すために、成長因子などを頭皮に直接注入する「注入治療(メソセラピー)」や、後頭部の毛髪を移植する「自毛植毛」といった選択肢もあります。
これらの治療を行う場合、費用はさらに高額になりますが、高い効果が期待できます。
ご自身の薄毛の進行度や予算に合わせて、医師と相談しながら最適な治療プランを決定することが重要です。
AGA治療薬ごとの費用比較

AGA治療で主に用いられる薬は「内服薬」と「外用薬」の2種類です。内服薬は主に抜け毛の進行を抑える役割を、外用薬は発毛を促す役割を担っています。
代表的なのはフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種類で、いずれも先発医薬品とジェネリック(後発医薬品)があり、選ぶ種類によって月々の費用が大きく変わります。
ここでは、それぞれの費用相場を先発とジェネリックに分けて比較していきます。
内服薬(フィナステリド・デュタステリド)の費用
内服薬は、AGAの進行を抑制する「守りの治療」の基本となる薬です。
AGAの主な原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害することで、ヘアサイクルを正常化し、抜け毛を防ぎます。
主に「フィナステリド」と「デュタステリド」の2種類の有効成分が用いられます。
フィナステリドは、5αリダクターゼ(II型)という酵素の働きを阻害し、DHTの生成を抑えることで抜け毛を防ぎます。
世界で初めて承認されたAGA治療薬である先発医薬品「プロペシア」と、そのジェネリック医薬品があります。
フィナステリド(プロペシア)の費用相場は以下のとおりです。
医薬品の種類 | 1ヶ月あたりの費用相場 | 特徴 |
先発医薬品(プロペシア) | 6,500円~10,000円 | 最初に開発されたフィナステリド製剤で、豊富な臨床実績がある |
後発医薬品(ジェネリック) | 3,000円~6,000円 | 先発医薬品と同等の有効成分・効果が期待でき、費用を大幅に抑えられる |
また、デュタステリドは、フィナステリドが阻害する5αリダクターゼ(II型)に加えて、I型の働きも阻害するのが特徴です。
より強力にDHTの生成を抑制する効果が期待されています。先発医薬品は「ザガーロ」で、こちらもジェネリック医薬品が登場しています。
デュタステリド(ザガーロ)の費用相場は以下のとおりです。
医薬品の種類 | 1ヶ月あたりの費用相場 | 特徴 |
先発医薬品(ザガーロ) | 8,000円~12,000円 | フィナステリドよりも広範囲にDHT生成を抑制する効果が期待される |
後発医薬品(ジェネリック) | 5,000円~8,000円 | ザガーロと同等の効果で、費用を抑えて治療が可能 |
デュタステリドはフィナステリドよりも費用が高くなる傾向にありますが、より高い効果を求める場合や、フィナステリドで十分な効果が実感できなかった場合に医師から提案されることがあります。
どちらもジェネリック医薬品を選択することで、治療費用を半分近くに抑えることが可能です。
長期的な治療を考える上で、ジェネリック医薬品はコストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。
外用薬(ミノキシジル)の費用
外用薬(塗り薬)は、頭皮に直接塗布することで血行を促進し、毛母細胞を活性化させる「攻めの治療」に用いられます。代表的な有効成分が「ミノキシジル」です。
内服薬で抜け毛を抑制しつつ、外用薬で発毛を促す併用療法が一般的です。
ミノキシジル外用薬は、クリニックで処方される医療用医薬品のほか、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(第一類医薬品)もあります。
ここではクリニックで処方される場合の費用相場を解説します。
クリニックで処方される外用薬は、市販薬よりも高濃度のミノキシジルを含んでいたり、他の有効成分が配合されていたりする場合があります。
ミノキシジル濃度 | 1ヶ月あたりの費用相場 | 備考 |
5%~8%程度 | 7,000円~10,000円 | 多くのクリニックで処方される一般的な濃度 |
10%~15%程度 | 10,000円~15,000円 | より高い発毛効果を期待する場合に用いられる高濃度タイプ |
ミノキシジル外用薬の費用は、主に配合されている濃度によって変動します。
濃度が高くなるほど価格も上がる傾向にあります。
医師が頭皮の状態や薄毛の進行度を診断した上で、患者一人ひとりに合った最適な濃度のものを処方します。
個人輸入は本当に安い?AGA治療を医療機関で受けるべき理由

AGA治療の費用を抑えたいと考えたとき、「海外からの個人輸入」を検討する方も少なくありません。
確かに代行サイトなどではクリニックより安い価格が表示されており、手軽に見えるかもしれません。
ですが、その安さの裏には見過ごせないリスクが潜んでいます。
金銭的な損失にとどまらず、健康被害や法的な問題につながる可能性もあるため、安易に選ぶのは危険です。
なぜAGA治療は医療機関で受けるべきなのか、次の項目で個人輸入との違いを整理しながら詳しく解説していきます。
偽物や健康被害のリスク
個人輸入で手に入るAGA治療薬には、一見すると正規品と区別がつかないほど精巧に作られた偽造品が紛れ込んでいることが少なくありません。
厚生労働省も繰り返し注意を促しており、安さや手軽さを理由に安易に利用することは極めて危険です。
偽造医薬品の問題は多岐にわたります。
有効成分がまったく含まれていないものでは、治療の効果が得られず、その間に薄毛が進行してしまう恐れがあります。
逆に成分量が表示よりも過剰な場合には、予期せぬ強い副作用を引き起こすリスクがあります。
さらに、製造環境が不衛生だったり、本来含まれるはずのない不純物や有害物質が混入していたりするケースも報告されており、肝機能障害や重篤な健康被害につながる危険性が指摘されています。
加えて、国内で医師の処方を受けずに個人輸入した医薬品は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外です。
正規のルートで処方された薬による副作用であれば救済を受けられる一方、自己判断で輸入した薬による被害は補償がなく、治療費や入院費をすべて自己負担しなければなりません。
結果的に「安く手に入れたつもりが、後に高額な医療費を支払う」という本末転倒な事態に陥る可能性もあります。
見た目や価格だけでは安全性を判断できないのが医薬品です。
安価に入手できるように見えても、健康や命にかかわるリスクは計り知れないため、必ず医師の診断のもとで正規ルートから処方を受けることが大切です。
医師の診断がある安心感とアフターケア
医療機関でAGA治療を受ける最大のメリットは、医師による専門的なサポートを受けられる点にあります。
自己判断で治療を進める個人輸入にはない、大きな安心感が得られるのです。
まず大切なのは、薄毛の原因を正しく診断してもらうことです。
ひと口に「薄毛」といっても、AGAのほかに円形脱毛症、脂漏性皮膚炎、生活習慣やホルモンバランスの乱れによるものなど原因はさまざまです。
原因が異なれば治療法もまったく違うため、医師の診察を受けることで無駄のない、的確な治療を選ぶことができます。
さらに治療開始後も、医師は体質や既往歴、副作用の有無を継続的にチェックしてくれます。
薬の効き目や副作用の出方には個人差があり、頭痛や肝機能への影響などが見られる場合もありますが、定期的な診察を通じて早期に対応できるのは大きな安心材料です。
必要に応じて減薬や薬の変更、生活習慣改善のアドバイスなどを受けられるため、治療を安全に継続できます。
一方、個人輸入では副作用や体調の変化が起きても相談先がなく、自分ひとりで不安を抱え込むことになりかねません。
長期的に見れば、医師のフォローを受けながら治療を続けることこそが、心身の負担を減らし、結果的に費用対効果の高い選択肢になるといえるでしょう。
費用対効果が高い
一見すると、薬代だけを比べれば個人輸入の方が安く感じられるかもしれません。しかし、安全性や効果の確実性、万が一の際のリスクまで含めた「トータルコスト」で考えると、医療機関での治療の方が圧倒的に費用対効果が高いといえます。
以下の表は、医療機関での治療と個人輸入のメリット・デメリットを比較したものです。
比較項目 | 医療機関(クリニック) | 個人輸入 |
安全性 | 国内で承認された正規品のみを処方するため、非常に高い | 偽造医薬品や不純物混入のリスクがあり、安全性が低い |
効果の確実性 | 医師の診断に基づき、症状に合った治療薬が処方されるため効果を期待できる | 偽物の可能性があり、効果がない、または不安定な場合がある |
副作用への対応 | 医師にすぐ相談でき、診察や薬の変更など適切な処置を受けられる | すべて自己責任。相談相手がおらず、健康被害が悪化するリスクがある |
公的救済制度 | 「医薬品副作用被害救済制度」の対象となる | 対象外。健康被害の治療費は全額自己負担となる |
トータルコスト | 初期費用はかかるが、安全かつ確実な効果が期待でき、長期的に見て費用対効果が高い | 薬代は安いが、効果がなければ無駄になり、健康被害が出れば高額な医療費がかかる可能性がある |
個人輸入は、見た目の費用を安く抑えられるように感じても、偽造薬による副作用や効果不十分といったリスクを考えると「安物買いの銭失い」になりかねません。特に副作用による健康被害が出れば、治療費はすべて自己負担となり、結果的に医療機関で治療するよりもはるかに高額な出費につながる可能性があります。
一方で、クリニックでの治療は初期費用や診察料がかかるものの、医師による診断とフォローアップが受けられ、効果を実感しやすく安全性も担保されています。
大切なお金と身体を守るためには、最初から専門の医療機関で治療を始めることが、長期的に見て最も賢い選択だといえるでしょう。
賢くAGA治療を始めるための費用節約術

AGA治療は効果を実感し、それを維持するために長期的な通院や服薬が欠かせません。
だからこそ、短期的な安さではなく、継続できるかどうかを見据えた費用管理が重要になります。
無理なく続けるためには、治療費を抑える工夫を取り入れることがポイントです。
ここからは、実際に多くの患者が取り入れている代表的な節約方法を3つご紹介します。
ジェネリック医薬品の活用
AGA治療の費用を抑える最も効果的な方法の一つが、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の活用です。
ジェネリックは先発医薬品と同じ有効成分を含み、効果や安全性も同等と認められています。
それでいて新薬のように莫大な研究開発費がかからないため、低価格で提供されているのが特徴です。
有効成分 | 先発医薬 | ジェネリック医薬品 | 費用相場(ジェネリック) |
フィナステリド | プロペシア | フィナステリド錠 | 月額3,000円~6,000円 |
デュタステリド | ザガーロ | デュタステリドカプセル | 月額6,000円~8,000円 |
AGA治療で広く用いられるフィナステリドやデュタステリドには、いずれもジェネリックが存在します。たとえばフィナステリドの場合、先発薬「プロペシア」と比べて半額近くまで抑えられるケースもあり、長期にわたる治療費の負担を大きく軽減できます。
クリニックによって取り扱う製薬会社や価格設定は異なるため、カウンセリング時に「ジェネリック希望」と伝えることが大切です。
また、同じジェネリックでもメーカーによって剤形(錠剤の大きさや飲みやすさ)が異なることもあり、実際に処方を受けながら自分に合うものを選ぶと安心です。
AGA治療は年単位で継続するのが基本だからこそ、ジェネリックを活用して費用を抑えつつ、無理なく続けられる環境を整えることが結果的に効果を高める近道といえるでしょう。
多くのクリニックで取り扱いがありますが、取り扱う製薬会社や価格はクリニックによって異なるため、カウンセリング時に確認することをおすすめします。
モニターやキャンペーン情報をチェック
多くのAGAクリニックでは、新規患者向けに割引キャンペーンやモニター制度を設けています。
これらをうまく活用すれば、治療開始時にかかる初期費用を大幅に抑えることが可能です。
たとえば「初回限定割引」では、初診料や血液検査が無料になったり、初月の薬代が割安になったりするケースが多く見られます。
さらに、治療経過の写真提供やアンケート協力を条件に通常より安価に治療を受けられる「モニター制度」も一般的です。
ただし、写真の公開範囲やプライバシーへの配慮はクリニックによって異なるため、事前に条件をよく確認しておく必要があります。
また、他院から転院する際に適用される「乗り換え割」や、内服薬と外用薬、あるいは注入治療をまとめて契約することで料金が割安になる「セットプラン割引」も見逃せません。
こうした制度は、公式サイトやSNSで定期的に告知されることが多く、タイミングを逃さず情報収集することが節約の鍵となります。
ただし注意したいのは、割引が適用されるのは数ヶ月間など期間限定である場合が少なくない点です。
割引終了後の通常料金が家計に無理なく継続できる水準かどうかを必ず確認しましょう。
キャンペーンはあくまで治療開始のハードルを下げるきっかけに過ぎず、最終的には「続けられるかどうか」が治療成果を左右します。
医療費控除の申請方法
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から差し引かれて税金の一部が戻ってくる制度です。
申請は確定申告で行い、対象となる医療費の領収書や明細書を添付する必要があります。
ただし、AGA治療に関しては注意が必要です。
薄毛治療は「容姿を美化し、容ぼうを変えるための費用」とみなされるため、原則として医療費控除の対象外とされています。
つまり、フィナステリドやデュタステリドといったAGA治療薬の費用や、発毛を目的とした外用薬・注入治療などは、たとえ医師の処方であっても控除には含められません。
一方で、原因がAGAではなく、疾患に伴う脱毛症(例:円形脱毛症や膠原病に伴う脱毛など)と診断された場合は扱いが異なります。
病気治療の一環として処方された薬や通院費用であれば、医療費控除の対象となる可能性があります。
この判断は自己判断では難しいため、まずは診療を受けている医師に確認すること、または最寄りの税務署に問い合わせることが大切です。
もし医療費控除の対象になると確認できた場合は、必ずクリニックからの領収書を保管しておきましょう。加えて、薬代や通院交通費などをまとめた「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告の際に添付します。
申請はe-Taxを使ったオンライン申告でも可能で、還付を受けられるのは翌年3月15日までの申告分となります。
まとめると、AGA治療の多くは医療費控除の対象外ですが、他の疾患による治療であれば控除を受けられる場合があります。
どこまでが対象かを早めに確認し、必要な領収書や記録を準備しておくことが、後々のトラブルを防ぐポイントです。
まとめ

本記事では、AGA治療にかかる費用について、治療内容や薄毛の進行度、診療形態などの要素から幅広く解説しました。
AGA治療の費用は、抜け毛の進行を抑えるだけなら月々数千円から始められ、発毛促進を目指す場合は1万円台が相場です。治療の基本は、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬に加え、ミノキシジル配合の外用薬を組み合わせることにあります。
一方で、安さを優先して個人輸入に手を出すのは非常に危険です。
偽造薬や不純物の混入による健康被害のリスクが高く、万が一の際にも救済制度が適用されません。正規のクリニックで医師の診断を受け、適切な処方を受けることが、安全性と費用対効果の両面で最も確実な方法といえます。
費用負担を抑える方法としては、ジェネリック医薬品の利用や、各クリニックが実施する初回割引・モニター制度・セットプラン割引などを活用するのが有効です。
こうした制度を賢く取り入れることで、無理なく治療を続けやすくなります。 AGA治療は継続することで初めて効果が見えてくるものです。
まずは無料カウンセリングなどを利用して現状を把握し、医師と相談しながら自分に合った治療法と費用感を見極めていきましょう。