

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
薄毛や抜け毛が気になり、「まずは近くの皮膚科でAGAの検査ができるのか知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
実際、AGAの検査や診断は多くの皮膚科で受けることができます。
ただし、皮膚科とAGA専門クリニックでは、受けられる検査の内容や治療の選択肢に違いがあります。
この記事では、皮膚科で実施されるAGA検査の具体的な内容や費用の目安、保険適用の有無をわかりやすく解説。
さらに、専門クリニックとの違いを「検査の精度」「治療薬の種類」「費用」の3つの観点から比較します。
読み終えるころには、自分の症状や希望に合わせてどちらを選ぶべきかが明確になり、安心して薄毛治療を始めるための第一歩が踏み出せるはずです。
AGA検査は皮膚科で受けられるのか

「薄毛が気になり始めたけど、いきなり専門のクリニックに行くのは少し抵抗がある…」
「まずは近所の皮膚科で相談できないだろうか?」と
感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、AGA(男性型脱毛症)の初期診察や相談には、多くの皮膚科が対応しています。
髪や頭皮のトラブルは皮膚科の診療範囲に含まれるため、薄毛や抜け毛の悩みも対象となります。
医師による問診や視診を通して、抜け毛の原因がAGAによるものなのか、あるいは円形脱毛症や脂漏性皮膚炎といった他の皮膚疾患によるものなのかを判断してもらうことができます。
まずは身近な「かかりつけ医」として皮膚科を受診し、自分の薄毛の状態を把握する第一歩とするのも良いでしょう。
ただし、すべての皮膚科がAGAの検査や治療に対応しているわけではありません。
アトピー性皮膚炎やニキビなど、一般的な皮膚疾患の治療を中心に行っているクリニックでは、薄毛治療を扱っていないケースもあります。
そのため、受診前には公式サイトで「AGA」や「薄毛治療」などの診療項目が掲載されているかを確認しておくことが大切です。
記載がない場合でも、電話で問い合わせれば対応してもらえることもあります。
また、費用面では保険の適用範囲にも注意が必要です。
AGAは病気の治療とはみなされず、美容や生活の質(QOL)向上を目的とした自由診療に分類されるため、原則として保険は適用されません。
一方で、抜け毛の原因がAGAではなく、円形脱毛症や皮膚炎など別の疾患によるものであると診断された場合には、その検査や治療に保険が適用されることもあります。
薄毛の原因を正確に見極めるためにも、まずは医師の診察を受けることが重要です。
保険診療と自由診療の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 保険診療 | 自由診療(AGA検査・治療) |
| 対象 | 病気やケガの治療(例:円形脱毛症、脂漏性皮膚炎など) | 美容目的やQOL(生活の質)の向上など |
| 費用負担 | 原則1~3割負担 | 全額自己負担(10割) |
皮膚科で対応できる一般的な検査内容

多くの皮膚科では、AGA(男性型脱毛症)の診断を目的とした基本的な検査を受けることが可能です。
専門クリニックで行われるような遺伝子検査など特殊なものを除き、医師による診察が中心となります。
ここでは、一般的な皮膚科で対応している主な検査内容について詳しく解説します。
問診|薄毛の原因を探る最初のステップ
AGAの診断において、問診は非常に重要なプロセスです。
医師は患者様との対話を通じて、薄毛の原因を探るための手がかりを得ます。
主に以下のような内容について質問されます。
- いつから薄毛が気になり始めたか
- 薄毛の進行スピードはどのくらいか
- 家族(特に父方・母方の祖父や父)に薄毛の人はいるか(家族歴)
- 現在の生活習慣(食生活、睡眠時間、喫煙・飲酒の有無)
- ストレスの状況
- 現在治療中の病気や服用している薬の有無
- 過去に受けたAGA治療の経験
これらの情報をもとに、薄毛の原因がAGAによるものなのか、あるいは他の要因が関係しているのかを総合的に判断していきます。
正確な診断のために、できるだけ詳しく正直に答えることが大切です。
視診・触診|頭皮と毛髪の状態を直接確認
問診の次に行われるのが、医師による視診と触診です。
医師が直接、頭皮や毛髪の状態を目で見て、手で触れて確認することで、脱毛のパターンや進行度を客観的に評価します。
特に、生え際の後退や頭頂部のつむじ周りの状態を重点的にチェックします。
この診察では、AGAに特徴的な薄毛のパターンである「ハミルトン・ノーウッド分類」などの指標を用いて、現在の進行度を判断することもあります。
| 確認項目 | 主なチェックポイント |
| 頭皮の状態 | 頭皮の色(赤み、炎症の有無)、フケの量、皮脂の分泌量、湿疹やかぶれの有無、硬さ |
| 毛髪の状態 | 毛髪の太さ(細く短い毛が増えていないか)、毛髪の密度、脱毛の範囲(生え際、頭頂部など)、毛穴の状態 |
血液検査|他の脱毛症との鑑別診断
AGAが強く疑われる場合でも、薄毛の原因が他の病気である可能性を排除するために血液検査を行うことがあります。
これはAGAを直接診断するための検査ではなく、他の脱毛症との「鑑別診断」を目的としています。
例えば、甲状腺機能の異常(甲状腺機能低下症・亢進症)や、鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症なども薄毛の原因となることがあります。
これらの病気が隠れていないかを確認し、もし見つかった場合はその治療を優先します。
特に、急激に髪が抜け始めた場合や、AGAの典型的なパターンとは異なる脱毛が見られる場合に提案されることが多い検査です。
皮膚科で対応が難しいケース

AGA(男性型脱毛症)の基本的な診察や治療薬の処方は多くの皮膚科で可能ですが、より専門的なアプローチが求められるケースでは対応が難しい場合があります。
一般的な皮膚科は、アトピー性皮膚炎やニキビなど多岐にわたる皮膚疾患を診療対象としているため、薄毛治療に特化した設備や知見が限定的であることが理由です。
ここでは、皮膚科での対応が難しい具体的なケースを解説します。
詳細な毛髪データ分析
皮膚科で行われるAGA検査は、主に医師による問診と視診が中心です。
頭皮の炎症の有無や毛穴の状態、毛髪の太さなどを確認し、AGAの診断を下します。
しかし、AGA専門クリニックでは、さらに一歩進んだ詳細なデータ分析を行うことが一般的です。
専用の撮影機器や画像解析システムを用いて、治療開始前後の状態を客観的な数値で比較・評価します。
| 評価項目 | 専門クリニックでの分析内容の例 |
| 毛髪密度 | 1平方センチメートルあたりの毛髪の本数を正確にカウントし、部位ごとの密度の違いを把握します。 |
| 毛髪の太さ | マイクロ単位で毛髪の直径を測定し、細く弱々しい「軟毛」の割合を算出します。 |
| 成長期の毛髪比率 | 毛髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を分析し、現在成長期にある毛髪の割合を評価します。 |
このような客観的なデータに基づいた分析は、治療効果を正確に測定し、今後の治療方針を決定するうえで非常に重要ですが、多くの一般皮膚科では対応できる設備が整っていません。
遺伝子検査や複合的な治療プランの設計
AGAの発症には遺伝的要因が大きく関わっています。
専門クリニックの中には、将来的なAGAの進行リスクや、フィナステリド(プロペシアなど)といった治療薬の効果の出やすさを予測するための「AGA遺伝子検査」を実施しているところがあります。
この検査は、個々の体質に合わせた治療計画を立てるうえでの有益な参考情報となりますが、保険適用外の検査であるため、一般的な皮膚科ではほとんど行われていません。
また、皮膚科でのAGA治療は、内服薬や外用薬の処方が基本となります。
一方で専門クリニックでは、これらの基本的な治療法に加え、以下のような多様な選択肢を組み合わせた複合的な治療プランを提案できる場合があります。
| 評価項目 | 専門クリニックでの分析内容の例 |
| 注入治療(メソセラピー) | 発毛を促進する有効成分を頭皮に直接注入する治療法 |
| 自毛植毛 | 後頭部などAGAの影響を受けにくい部位の毛髪を、薄毛が気になる部分に移植する外科手術 |
| オリジナル治療薬・サプリメント | クリニックが独自に開発した内服薬や、髪の成長に必要な栄養素を補うサプリメントの処方 |
個々の症状の進行度やライフスタイル、予算に合わせて、これらの選択肢を組み合わせたオーダーメイドの治療計画を設計することは、AGA治療に特化していない皮膚科では難しいのが現状です。
薬の効果測定や経過管理を伴う治療
AGA治療は、効果を実感できるまでに最低でも6ヶ月程度の期間が必要であり、継続的な経過観察が不可欠です。
皮膚科でも定期的な通院で医師が頭髪の状態を確認しますが、その評価は医師の視診や患者様自身の感覚に頼る部分が大きくなりがちです。
一方、AGA専門クリニックでは、前述のような詳細なデータ分析を定期的に行います。
治療開始前の写真や測定データと比較することで、どの程度毛髪が改善したのかを客観的に評価します。
これにより、治療効果が思うように出ていない場合には、薬の種類の変更や追加治療の検討など、より的確なアプローチへ修正することが可能です。
また、治療薬の副作用に対するフォローアップ体制も異なります。
専門クリニックでは、定期的な血液検査で肝機能などの数値をチェックし、身体への影響をモニタリングしながら安全に治療を進める体制が整っていることが多いです。
こうしたAGA治療に特化したきめ細やかな経過管理は、皮膚科では十分に対応できない場合があります。
皮膚科でAGA検査を受ける費用の目安

皮膚科でAGA(男性型脱毛症)の検査や相談をする際、どのくらいの費用がかかるのかは多くの方が気になるところです。
一般的に、AGAの検査や治療は生命に関わる病気とはみなされないため、保険が適用されない「自由診療」となります。
自由診療は医療機関が独自に料金を設定できるため、同じ検査内容でも費用に差があるのが特徴です。
ただし、薄毛の原因がAGAではなく、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など他の皮膚疾患の可能性がある場合は、その診察や一部の検査に保険が適用されることもあります。
初診時の医師の判断によって、保険診療か自由診療かが決まるケースが多いため、事前に確認しておくと安心です。
自由診療として行われるAGA検査の費用は、一般的に以下のような内訳になります。
| 項目 | 費用相場 | 備考 |
| 初診料・再診料 | 1,000~3,000円程度 | 自由診療のため、医療機関ごとに異なります。 専門クリニックでは無料のこともあります。 |
| 血液検査 | 5,000円~10,000円程度 | AGA治療薬(特に内服薬)を処方する前に、肝機能などに問題がないかを確認するために行います。 |
これらを合わせると、初回の診察・検査にかかる費用はおおむね5,000〜15,000円程度が目安です。
なお、遺伝子検査などの詳細な検査は対応していない皮膚科が多く、実施できる場合も別途高額になることがあります。
検査の結果、AGAと診断され治療を希望する場合には、上記の初期費用に加えて薬代が毎月かかります。
代表的な治療薬の相場は次の通りです。
| 治療薬の種類 | 費用相場(1ヶ月あたり) | 概要 |
| 内服薬(フィナステリド) | 3,000円~10,000円程度 | AGAの進行を抑制する効果が期待できます。 ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選ぶと費用を抑えられます。 |
| 内服薬(デュタステリド) | 5,000円~12,000円程度 | フィナステリドと同様にAGAの進行を抑制する薬です。 こちらもジェネリックが存在します。 |
| 外用薬(ミノキシジル) | 7,000円~15,000円程度 | 頭皮に直接塗布し、発毛を促進する効果が期待できます。 濃度によって価格が異なります。 |
AGA治療は継続が重要なため、初回の検査費用だけでなく、月々の薬代を含めたトータルコストを見据えることが大切です。
無理のない範囲で続けられるかを考え、受診前に公式サイトで料金を確認したり、直接問い合わせたりして目安を把握しておきましょう。
皮膚科と専門クリニックの違い

AGAの検査や治療を考えたとき、多くの人が「皮膚科」と「AGA専門クリニック」のどちらを受診すべきか迷います。
それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが異なります。
ここでは「費用」「検査の精度」「治療の選択肢」「通いやすさ」の4つの観点から、両者の違いを詳しく比較解説します。
費用
費用面では、保険適用の有無が大きな違いとなります。
皮膚科では一部保険が適用される可能性がありますが、AGA専門クリニックは基本的に自由診療です。
皮膚科では、薄毛の原因がAGAではなく他の皮膚疾患(円形脱毛症など)の可能性を調べる場合、その診察や検査に保険が適用されることがあります。
しかし、AGAと診断され治療を開始する場合、その治療薬の処方は自由診療となるのが一般的です。
一方、AGA専門クリニックは初めからAGA治療を目的としているため、カウンセリング、診察、検査、治療のすべてが自由診療となります。
一見、専門クリニックの方が高額に思えますが、初診料無料のキャンペーンや、月々の費用が明確なサブスクリプション形式のプランを提供している場合も多く、トータルコストでは大差ないケースもあります。
それぞれの費用の目安は以下のとおりです。治療や検査内容によって費用は変わってくるので、初診無料のクリニックで相談してみるのがおすすめです。
| 項目 | 皮膚科 | AGA専門クリニック |
| 診察料 | 保険適用:数百円~3,000円程度 自由診療:3,000円~5,000円程度 | 無料~10,000円程度 (初診料無料の場合も多い) |
| 検査料 | 保険適用:数千円程度 自由診療:5,000円~10,000円程度 | 無料~20,000円程度 (遺伝子検査などは高額になる傾向) |
| 治療薬代(1ヶ月) | 6,000円~15,000円程度(自由診療) | 5,000円~30,000円程度 (オリジナル治療薬など選択肢による) |
| 診療形態 | 保険診療(一部)、自由診療 | 自由診療のみ |
検査の精度と専門性
AGA診断の根幹となる検査内容と、医師やスタッフの専門性にも違いが見られます。
専門クリニックは、よりAGAに特化した詳細な検査が可能です。
皮膚科での検査は、主に医師による問診と視診が中心です。マイクロスコープ(ダーモスコピー)を用いて頭皮の状態や毛髪の太さを確認できる皮膚科は少なく、基本的には薄毛の状態からAGAかどうかを判断します。
対してAGA専門クリニックでは、問診・視診に加えて、より多角的な検査を実施します。
高倍率のマイクロスコープによる詳細な頭皮・毛髪診断、治療薬の選択に役立つ血液検査、そしてAGAの発症リスクを評価する遺伝子検査など、科学的根拠に基づいた診断が可能です。
長年にわたりAGA治療を専門に扱ってきた医師が多いため、症例経験が豊富で、個々の進行度に合わせた的確なアドバイスが期待できます。
治療の選択肢の多さ
治療法のバリエーションは、専門クリニックの方が圧倒的に豊富です。
皮膚科は基本的な投薬治療が中心となります。
皮膚科で処方されるAGA治療薬は、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)といった内服薬、ミノキシジル外用薬が基本です。
これらは厚生労働省に承認された効果的な治療法ですが、選択肢が限られる場合があります。
AGA専門クリニックでは、これらの基本的な治療薬に加え、より発毛効果を高めるための多様な選択肢が用意されています。
例えば、クリニックが独自に有効成分を配合したオリジナル治療薬、発毛効果が高いとされるミノキシジル内服薬(ミノタブ)、頭皮に直接有効成分を注入するメソセラピーや注入治療、さらには根本的な解決を目指す自毛植毛といった外科手術まで対応しているクリニックもあります。
症状の進行度や患者の希望、予算に応じて、最適な治療プランを組み合わせられるのが最大の強みです。
| 治療法 | 皮膚科 | AGA専門クリニック |
| 内服薬 | 〇(プロペシア、ザガーロなど) | ◎(承認薬に加え、オリジナル治療薬、ミノキシジルタブレットなど |
| 外用薬 | 〇(ミノキシジル外用薬など) | ◎(高濃度ミノキシジル、オリジナル外用薬など) |
| 注入治療 | ×(ほとんど対応なし) | 〇(メソセラピーなど) |
| 外科手術 | × | △(自毛植毛に対応するクリニックもある) |
| その他 | △(サプリメントの紹介など) | 〇(オリジナルサプリ、シャンプーなど) |
通いやすさとプライバシー
継続的な治療が必要なAGAにとって、通院のしやすさやプライバシーへの配慮も重要な選択基準です。
皮膚科のメリットは、クリニック数が多く、自宅や職場の近くで見つけやすい点です。
また、待合室にはアトピーやニキビなど様々な皮膚疾患の患者さんがいるため、「薄毛治療で通っている」と周囲に知られにくいという心理的な安心感があります。
AGA専門クリニックは、ターミナル駅周辺など主要都市に集中している傾向がありますが、近年はオンライン診療に力を入れているクリニックが急増しています。
初診からオンラインで完結し、薬を自宅に配送してくれるため、遠方に住んでいる人や忙しくて通院時間が取れない人でも治療を始めやすくなっています。
また、多くのクリニックは完全予約制で、待合室から診察室、会計まで他の患者と顔を合わせないようプライバシーに最大限配慮した設計になっているのも特徴です。
皮膚科と専門クリニックで迷ったら

AGAの検査や治療を考えたとき、身近な皮膚科に行くべきか、それともAGA治療を専門とするクリニックを選ぶべきか、迷う方は少なくありません。
これまでの情報を踏まえ、どちらが自分に合っているのかを判断するためのポイントを解説します。
ご自身の症状の進行度や治療に対する希望、ライフスタイルに合わせて最適な選択をしましょう。
皮膚科が向いている人
薄毛や抜け毛が気になり始めた段階で、「まずはどこに相談すればいいのか」と迷う方も多いでしょう。
もし、まだ症状が軽く、「AGAかどうかを診断してほしい」「抜け毛の原因を知りたい」といった初期段階であれば、まずは身近な皮膚科を受診してみるのも一つの方法です。
皮膚科では、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など、AGA以外の原因が関係していないかを含めて確認してもらえます。
また、治療を始めるにしても、皮膚科では主にプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)といった内服薬を用いた基本的な治療が中心のため、専門クリニックに比べて費用を抑えられるケースもあります。
薄毛の進行が初期で、まずは無理のない範囲で試してみたい方には向いているでしょう。
さらに、頭皮のかゆみやフケ、炎症など、他の皮膚トラブルを併発している場合にも皮膚科は適しています。
薄毛の悩みだけでなく、頭皮全体の健康状態を診てもらえる点は大きな安心材料です。
全国に数多くあるため、自宅や職場の近くで見つけやすく、通院しやすいのも皮膚科のメリットです。
定期的に薬の処方を受けながら様子を見たい方にとっては、気軽に相談できる身近な存在と言えるでしょう。
専門クリニックが向いている人
一方で、より専門的で積極的な治療を希望する方には、AGA専門クリニックが適しています。
すでに薄毛が進行しており、「現状維持ではなく発毛を実感したい」と考えている場合、専門クリニックの方が効果的な治療プランを立てやすいでしょう。
豊富な症例データと経験に基づき、個々の進行度や体質に合わせた最適な提案を受けられるのが大きな強みです。
また、治療方針を科学的根拠に基づいて決めたい方にも専門クリニックは向いています。
マイクロスコープによる頭皮チェックに加えて、血液検査や遺伝子検査を行うことで、薄毛の原因を多角的に分析することが可能です。
こうしたデータをもとに、内服薬・外用薬の処方だけでなく、頭皮への有効成分注入(メソセラピー)や自毛植毛といった多様な治療法を組み合わせた“オーダーメイド治療”を受けられるのが特徴です。
さらに、プライバシーへの配慮を重視する方にも専門クリニックはおすすめです。
来院者の多くが同じ悩みを抱えているため周囲の目を気にせず通えますし、完全予約制や個室対応を採用しているクリニックも少なくありません。
最近ではオンライン診療を取り入れる施設も増えており、通院の手間を省きたい方にも便利です。
最後に、皮膚科とAGA専門クリニックの特徴を整理した比較表を示します。
ご自身の症状や希望に合わせて、どちらがより適しているか判断する参考にしてください。
| 比較項目 | 皮膚科 | AGA専門クリニック |
| 向いている症状 | 初期症状、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合 | 進行した症状、積極的な発毛を希望する場合 |
| 検査の専門性 | 視診・問診が中心 (一部マイクロスコープ導入院あり) | 血液検査、遺伝子検査など詳細な検査が可能 |
| 治療の選択肢 | 内服薬・外用薬の処方が中心 | 投薬治療に加え、メソセラピーや自毛植毛など多彩 |
| 費用 | 比較的安価に始められる傾向(自由診療) | 治療内容により高額になる場合もある(自由診療) |
| プライバシー | 他の疾患の患者もいるため、配慮は限定的 | 完全予約制や個室対応など、配慮が行き届いている |
| 通いやすさ | 全国に点在し、近所で見つけやすい | 主要都市に集中しているが、オンライン診療も充実 |
検査の流れと所要時間

AGA検査を皮膚科で受ける際は、あらかじめ流れを知っておくと安心です。
初診はおおむね次の手順で進みます。
まずは電話やウェブサイトから予約を取り、AGAの相談であることを伝えます。
来院後は受付を済ませ、問診票に薄毛の悩みや発症時期、家族の薄毛の有無、生活習慣などを記入します。
その内容をもとに医師による問診が行われ、悩みや経過を詳しくヒアリングされます。
次に、頭皮や毛髪の状態を医師が直接確認します。炎症やフケ、毛髪の太さや密度などをチェックします。
必要に応じてマイクロスコープで詳細を観察することもありますが、一般皮膚科では未導入の院も多いのが現状です。
また、薬の副作用リスクを確認するために血液検査を行う場合もあります。 診察後は結果をもとに、フィナステリドやデュタステリドなどの治療薬、ミノキシジル外用薬といった治療方針が提案されます。
内容に納得したうえで治療を開始し、最後に会計と次回予約をして終了です。
所要時間の目安は以下の通りです。
| 項目 | 所要時間の目安 | 備考 |
| 受付・問診票記入 | 10分~15分 | 来院してから診察が始まるまでの時間です。 |
| 医師の診察(問診・視診・触診) | 10分~20分 | 相談したい内容が多い場合は、長くなることもあります。 |
| マイクロスコープ検査 | 5分~10分 | 診察と同時に行われることがほとんどです。 |
| 血液検査(実施する場合) | 5分程度 | 採血のみの時間です。 検査結果は後日となります。 |
| 会計・処方 | 5分~15分 | 院内処方か院外処方か、また混雑状況により変動します。 |
上記の時間を合計すると、初診時の全体の所要時間は、待ち時間を除いておよそ30分から1時間程度が目安となります。
ただし、人気のクリニックや時間帯によっては待ち時間が長くなる可能性もあるため、予約時に確認しておくと良いでしょう。
受診時の持ち物・注意点

AGA検査を受けることを決めたら、当日に慌てないよう持ち物と注意点を確認しておきましょう。
事前の準備を整えておくことで、診察がスムーズに進み、正確な診断にもつながります。
皮膚科でAGA検査を受ける際に必要な持ち物は、一般的な受診とほとんど変わりません。
以下の表で確認しておきましょう。
| 持ち物 | 説明 |
| 健康保険証 | AGA以外の皮膚疾患の可能性も考慮して診察する場合があるため、必ず持参しましょう。本人確認書類としても必要です。 |
| 診察券(再診の場合) | 同じ皮膚科を再度受診する場合に必要です。 |
| お薬手帳 | 現在服用中の薬がある場合は必ず持参してください。 薬の飲み合わせや副作用の観点から、医師が治療方針を決めるうえで重要な情報となります。 |
| 現金・クレジットカード | AGAの検査や治療は基本的に自由診療となるため、費用が高額になる可能性があります。 事前にクリニックのウェブサイトで支払い方法を確認しておくと安心です。 |
| 過去の健康診断の結果など | 血液検査の結果など、健康状態がわかるものがあれば持参すると診察の参考になる場合があります。 |
診察当日は、頭皮の状態を正確に確認するため、整髪料の使用は避けましょう。
ワックスやスプレーが付着していると、マイクロスコープでの観察がしにくくなります。髪は清潔な状態であれば十分です。
また、問診では薄毛の経過や生活習慣など、医師が多角的に情報を確認します。
スムーズに答えられるよう、いつから抜け毛が気になり始めたか、家族の薄毛の有無、服用中の薬や睡眠・食生活の状況などをあらかじめ整理しておくと良いでしょう。
メモにして持参しておくのもおすすめです。
前日のシャンプーは普段通りで構いませんが、当日は育毛剤やスカルプケア用品の使用を控え、自然な頭皮状態で受診するのが理想です。
直前のカラーリングやパーマも刺激になるため避けてください。
最後に、費用面の確認も大切です。AGA検査・治療は原則として保険適用外の自由診療ですが、原因が円形脱毛症など他の皮膚疾患と診断された場合は保険が使えることもあります。
支払い方法(現金・カードなど)はクリニックによって異なるため、事前にウェブサイトで確認しておくと安心です。
まとめ

AGAの検査は、身近な皮膚科でも受けることが可能です。
しかし、皮膚科で対応できるのは主に視診や問診による基本的な診察であり、AGA以外の皮膚疾患との鑑別が目的となる場合が多いです。
そのため、AGAと断定するための詳細な検査や、専門的な治療を希望する場合には限界があることを理解しておく必要があります。
一方で、AGA専門クリニックでは、遺伝子検査や詳細な頭皮診断など、薄毛の原因を深く特定するための精密な検査が可能です。
その結果に基づき、内服薬や外用薬、注入治療といった多彩な選択肢の中から、一人ひとりの症状や希望に合わせた最適な治療プランを提案してくれます。
費用は自由診療となりますが、より確実な効果を求めるのであれば専門クリニックが適していると言えるでしょう。
ご自身の薄毛の進行度や、どこまで詳しい検査・治療を希望するのかによって、皮膚科と専門クリニックのどちらを選ぶべきかは異なります。
より専門的な検査や、発毛効果をしっかり実感できる治療を希望する方は、AGAメディカルケアクリニックの無料カウンセリングを活用してみてください。
医師による丁寧な診察と、症状や体質に合わせた治療提案を通して、無理のないペースで改善を目指すことができます。





