

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
「最近抜け毛が増えた」「生え際や頭頂部が気になり始めた」など、薄毛の進行に不安を感じていませんか。
薄毛の多くはAGA(男性型脱毛症)が原因であり、何も対策をしなければ症状は進み続けます。
しかし、ご安心ください。薄毛は原因を正しく理解し、早期に適切な対策や治療を始めれば、その進行を食い止め、改善を目指すことが十分に可能です。
この記事では、ご自身でできる薄毛進行の初期サインのセルフチェック方法から、原因、今日から実践できる対策、そして専門クリニックで受けられる本格的な治療法までを網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたの悩みを解決するための具体的な一歩が明確になるはずです。
もしかして薄毛が進行中?見逃せない初期サインをセルフチェック

薄毛の進行を食い止めるには、できるだけ早い段階で変化に気づき、対策を始めることが重要です。
ここでは、ご自身で確認できる薄毛進行の初期サインを具体的に解説します。
当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
抜け毛の質と量の変化
抜け毛は誰にでも起こる自然な現象ですが、その「量」と「質」に変化が見られたら注意が必要です。
特にシャンプー時やドライヤー後、朝起きた時の枕元などを確認する習慣をつけましょう。
以前と比べて明らかに抜け毛の量が増えたと感じる場合、ヘアサイクルが乱れている可能性があります。
さらに重要なのが抜け毛の「質」です。健康な髪の毛は太く、毛根部分がふっくらとしていますが、細くて短い毛や、毛根がないまま途中で切れたような毛が目立つようになったら要注意です。
これは、髪が十分に成長しきる前に抜けてしまう「成長期短縮」が起きているサインであり、AGA(男性型脱毛症)の初期症状としてよく見られます。
頭皮の違和感やトラブル
健康な髪は、健康な頭皮という土壌から育ちます。
そのため、頭皮に現れるトラブルは薄毛進行のサインとなり得ます。
以下のような症状がないか確認してみてください。
- 頭皮のかゆみや赤み
- フケの増加(乾燥したパラパラしたもの、湿ったベタベタしたもの両方)
- 頭皮のベタつきや、それに伴うニオイ
- 頭皮が硬くなっている、指で動かしても突っ張る感じがする
これらの症状は、頭皮の皮脂バランスの乱れや血行不良、炎症などが原因で起こります。
頭皮環境の悪化は、毛根に十分な栄養が届きにくくさせ、健康な髪の成長を妨げる直接的な原因となるため、見過ごすことがないよう注意しましょう。
生え際の形が変わってきたと感じる
「おでこが広くなった気がする」「剃り込みが深くなったかも」といった感覚も、薄毛進行の重要なサインです。
特にAGAは生え際から後退していくパターンが多く見られます。
毎日鏡を見ていると変化に気づきにくいものですが、スマートフォンなどで定期的に正面や斜めから生え際の写真を撮っておき、数ヶ月前や1年前の写真と比較すると、客観的に変化を把握しやすくなります。
額のシワの一番上から生え際までの距離が、指2本分以上開いてきたら進行している可能性が考えられます。
抜け毛本数の目安
健康な人でも、1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちると言われています。
しかし、この本数を毎日数えるのは現実的ではありません。
そこで、以下の表を目安に、ご自身の抜け毛の状況をチェックしてみてください。
| チェックする場面 | 正常範囲の目安(1回あたり) | 注意が必要なサイン |
| シャンプー時の排水溝 | 30本~60本程度 | 排水溝に髪がびっしりと詰まる。明らかに以前より多い。 |
| ドライヤー後の床 | 10本~20本程度 | 床に落ちた毛を毎回掃除しないと気になるほど多い。 |
| 朝起きた時の枕元 | 5本~10本程度 | 20本以上の毛が枕やシーツについている。 |
これらの本数はあくまで目安であり、季節や生活習慣によっても変動します。
しかし、1日の合計本数がコンスタントに200本を超えるような状態が続く場合や、抜けた毛に細く短いものが多く含まれる場合は、何らかの脱毛症が進行している可能性が高いです。
そのため、専門家への相談を検討することをおすすめします。
薄毛が進行する3つの主な原因

薄毛の進行に悩む方は少なくありませんが、その原因は一つだけではありません。
男性の薄毛で最も多いAGA(男性型脱毛症)から、日々の生活習慣、さらにはストレスまで、複数の要因が複雑に絡み合って進行することがほとんどです。
これらの主な原因についてそれぞれ解説します。
原因1 AGA(男性型脱毛症)の発症と進行
成人男性の薄毛の悩みにおいて、最も大きな割合を占めるのがAGA(Androgenetic Alopecia)、すなわち男性型脱毛症です。
これは思春期以降に発症し、徐々に進行していく脱毛症で、遺伝や男性ホルモンの影響が深く関わっていることが分かっています。
男性ホルモンと遺伝が関係するAGAの仕組み
AGAのメカニズムには、「テストステロン」という男性ホルモンと、「5αリダクターゼ」という還元酵素が関係しています。
体内のテストステロンが5αリダクターゼと結びつくことで、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という、より強力な男性ホルモンに変換されます。
このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合すると、髪の成長を抑制する信号が出され、髪の毛の成長期が極端に短くなってしまいます。
その結果、髪の毛が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、細く短い毛が増えることで地肌が透けて見えるようになるのです。
この5αリダクターゼの活性度や男性ホルモン受容体の感受性は遺伝によって決まるため、AGAは遺伝的要因が強いと言われています。
生え際や頭頂部から薄くなるのが特徴
AGAによる薄毛は、頭部全体で均一に起こるわけではありません。
特に、生え際(前頭部)や頭頂部に薄毛の症状が現れやすいのが大きな特徴です。
これは、AGAの引き金となる5αリダクターゼ(特にⅡ型)が、前頭部と頭頂部に多く存在するためです。
そのため、鏡を見た時に「おでこが広くなった気がする」「つむじ周りの地肌が目立つようになった」と感じる場合は、AGAが進行している可能性が高いと考えられます。
原因2 生活習慣の乱れによる頭皮環境の悪化
AGAだけでなく、日々の生活習慣の乱れも薄毛を進行させる重要な要因です。不健康な生活は頭皮の環境を悪化させ、髪が健やかに育つ土台そのものを揺るがしてしまいます。
栄養バランスの偏った食生活
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。
そのため、日々の食事でタンパク質が不足すると、健康な髪を作ることができません。
また、タンパク質を髪の毛に合成する過程では亜鉛が、頭皮の血行を促進し新陳代謝をサポートするためにはビタミン類が必要です。
インスタント食品や外食に偏った食生活は、これらの重要な栄養素の不足を招き、薄毛を助長する原因となります。
睡眠不足による成長ホルモンの減少
髪の毛の成長や、日中に受けた頭皮のダメージの修復は、主に睡眠中に行われます。
特に、眠りについてから最初の3時間に多く分泌される「成長ホルモン」は、毛母細胞の分裂を活発にし、髪の成長を促す上で欠かせません。
慢性的な睡眠不足は、この成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の成長サイクルを乱す直接的な原因となります。
運動不足による血行不良
髪の成長に必要な栄養素は、血液によって頭皮の毛細血管まで運ばれます。
しかし、デスクワーク中心の生活などで運動不足になると、全身の血流が悪化しやすくなります。
特に心臓から遠い頭頂部は血行不良の影響を受けやすく、毛母細胞に十分な栄養が届かなくなり、結果として抜け毛や薄毛につながることがあります。
原因3 ストレスや間違ったヘアケア
精神的な負担や、良かれと思って行っている日々のヘアケアが、かえって頭皮にダメージを与え、薄毛を進行させているケースも少なくありません。
過度なストレスによるホルモンバランスの乱れ
人間は強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れます。
交感神経が優位な状態が続くと血管が収縮し、頭皮の血行が悪化してしまいます。
また、ストレスはホルモンバランスにも影響を及ぼし、皮脂の過剰分泌を招くなど、頭皮環境を悪化させる一因となります。精神的な負担が、気づかないうちに髪の成長を妨げている可能性があるのです。
洗浄力の強すぎるシャンプーの使用
頭皮の皮脂や汚れを気にするあまり、洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗っていませんか。
必要な皮脂まで洗い流してしまうと、頭皮は乾燥し、それを補おうとしてかえって皮脂を過剰に分泌することがあります。
このような不適切な頭皮環境は、フケやかゆみを引き起こすだけでなく、毛穴の詰まりや炎症を招き、抜け毛の原因となります。自分の頭皮タイプに合わないヘアケアは、薄毛を進行させるリスクを高めてしまいます。
薄毛進行のタイプと段階を把握する

薄毛の進行と一言でいっても、その現れ方にはいくつかの特徴的なパターンがあります。
これらは主にAGA(男性型脱毛症)の進行タイプとして知られており、自分がどのタイプに当てはまるのか、そしてどの段階にあるのかを客観的に把握することが、効果的な対策を立てるための第一歩となります。
ご自身の頭髪の状態と照らし合わせながら確認してみましょう。
M字型(生え際が左右から後退)
M字型は、額の左右の生え際、いわゆる「剃り込み」部分が後退していくタイプです。
正面から見るとアルファベットの「M」のような形に見えることからこの名前がついています。
AGAの初期段階で現れることが多く、日本人に最も多いパターンとされています。
前髪を下ろしていると隠れてしまうため、自分では進行に気づきにくく、久しぶりに髪を上げた際に「おでこが広くなった?」と感じて発覚するケースも少なくありません。
鏡で生え際のラインを定期的に確認する習慣をつけることが大切です。
進行すると、M字の切り込みがさらに深くなっていきます。
O字型(頭頂部から円形に薄くなる)
O字型は、頭頂部、いわゆる「つむじ」周辺から円形に髪が薄くなっていくタイプです。
このタイプは自分の目で直接確認することが難しいため、家族や友人など、他人からの指摘で初めて気づくことが多いのが特徴です。
合わせ鏡を使ったり、スマートフォンで頭頂部の写真を撮ったりしてセルフチェックを行うと、進行度を把握しやすくなります。
初期段階ではつむじ周辺の地肌が透けて見える程度ですが、進行すると薄い部分が徐々に拡大していきます。
U字型(前頭部〜頭頂部の広範囲)
U字型は、生え際全体が後退していくと同時に、頭頂部の薄毛も進行し、最終的に前頭部から頭頂部にかけて広範囲に地肌が露出するタイプです。
額の生え際がアルファベットの「U」のような形を描くことからU字型と呼ばれます。
M字型とO字型がそれぞれ進行し、やがて連結してU字型に至るケースも多く見られます。
この状態になると、薄毛がかなり進行している段階であり、セルフケアだけで見た目の印象を改善するのは困難になります。
そのため、より本格的な治療を検討すべきサインと言えるでしょう。
今日から実践できる薄毛進行の対策5選

薄毛の進行に気づいた時、「もう手遅れだ」と諦める必要はありません。
専門的な治療と並行して、あるいは治療を始める前段階として、日々の生活習慣を見直すことで頭皮環境を改善し、薄毛の進行を緩やかにすることが期待できます。
ここでは、誰でも今日から始められる5つの具体的な対策をご紹介します。
対策1 栄養バランスを整えた食生活
私たちの髪の毛は、日々の食事から摂取する栄養素を元に作られています。
そのため、栄養バランスの偏りは、髪の成長に直接的な影響を及ぼします。
髪の主成分であるタンパク質をはじめ、その合成を助ける亜鉛やビタミン類をバランス良く摂取することが、健やかな髪を育む土台となります。
特に意識して摂取したい栄養素と食品は以下の通りです。
| 栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
| タンパク質 | 髪の主成分「ケラチン」の材料になる | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
| 亜鉛 | タンパク質を髪の毛へ合成するのを助ける | 牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ、ナッツ類 |
| ビタミンB群 | 頭皮の新陳代謝を促し、皮脂分泌を調整する | 豚肉、レバー、うなぎ、マグロ、卵、納豆 |
| ビタミンC・E | 抗酸化作用で頭皮の老化を防ぎ、血行を促進する | パプリカ、ブロッコリー、ナッツ類、植物油 |
反対に、脂質や糖質の多い食事は皮脂の過剰分泌を招き、頭皮環境を悪化させる原因になります。
外食やインスタント食品に偏らず、バランスの取れた食事を1日3食しっかり摂ることを心がけましょう。
対策2 質の高い睡眠を確保する
睡眠中には、髪の毛の成長や頭皮のダメージ修復に欠かせない「成長ホルモン」が分泌されます。
睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長サイクルが乱れて薄毛につながる可能性があります。
特に重要なのが、入眠後最初に訪れる最も深いノンレム睡眠です。
この時間帯に成長ホルモンが最も多く分泌されるため、寝始めの3時間の睡眠の質を高めることが鍵となります。
質の高い睡眠のために、就寝1〜2時間前にはスマートフォンやPCの使用を控え、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする習慣を取り入れましょう。
対策3 正しいシャンプー選びと洗い方
毎日行うシャンプーは、頭皮環境を左右する重要なケアです。
しかし、間違った方法ではかえって頭皮にダメージを与えてしまいます。
洗浄力の強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで奪い、頭皮の乾燥やフケ、あるいは皮脂の過剰分泌を招く恐れがあります。
頭皮への刺激が少ない「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分を配合したシャンプーを選ぶのがおすすめです。
また、洗い方にも注意が必要です。
洗髪前にはブラッシングで髪の絡まりを解き、ぬるま湯で十分に予洗いします。
シャンプーは手のひらでよく泡立て、爪を立てずに指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗い、すすぎ残しがないよう丁寧に洗い流してください。
対策4 運動で血行を促進する
頭皮の毛母細胞に栄養と酸素を届けているのは血液です。
運動不足によって全身の血行が悪くなると、頭皮への血流も滞り、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなります。
全身の血行を促進し、頭皮の隅々まで栄養を届けるためには、継続的な運動が非常に効果的です。
激しい運動である必要はなく、ウォーキングやジョギング、サイクリングといった有酸素運動を週に2〜3回、30分程度行うだけでも十分です。
日常生活の中でエレベーターを階段に変える、一駅手前で降りて歩くなど、少しの工夫で運動量を増やすことができます。
対策5 育毛剤で頭皮ケアを始める
セルフケアの仕上げとして、育毛剤を取り入れるのも有効な手段です。
育毛剤は医薬品である「発毛剤」とは異なり、主に医薬部外品に分類されます。
その目的は、AGAの進行を止めるといった直接的な治療ではなく、頭皮の血行を促進したり、炎症を抑えたり、保湿したりすることです。
育毛剤は、頭皮環境を整え、抜け毛を予防し、今ある髪を太く長く育てるサポートをするものです。
センブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムといった有効成分が含まれているかを確認し、自分の頭皮の状態に合ったものを選びましょう。
ただし、AGAが原因の薄毛の場合、育毛剤だけで進行を完全に食い止めるのは困難です。
本格的な改善を目指すのであれば、次のステップとして専門クリニックへの相談を検討しましょう。
本気で薄毛進行を止めたいなら専門クリニックへの相談が最善策

育毛剤などのセルフケアは、あくまで頭皮環境を整え、今ある髪を健やかに保つための「予防」や「補助」が主な役割です。
しかし、薄毛の進行が始まっている場合、特にAGA(男性型脱毛症)が原因であれば、セルフケアだけで進行を食い止めることは極めて困難です。
本気で薄毛の進行を止め、改善を目指すのであれば、医学的根拠に基づいた治療を行う専門クリニックへの相談が最も確実な方法と言えるでしょう。
クリニックでは、専門医の診断のもと、薄毛の原因を特定し、一人ひとりの症状や進行度に合わせた最適な治療法を選択できるため、効果を実感しやすいのが最大のメリットです。
内服薬(フィナステリド・デュタステリド)による進行抑制
AGA治療の基本となるのが、内服薬による進行抑制です。
これは、AGAの根本原因である男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑えることで、抜け毛を減らし、薄毛の進行を食い止める「守りの治療」と位置づけられています。
代表的な治療薬には「フィナステリド」と「デュタステリド」の2種類があり、どちらも医師の処方が必要です。
| 項目 | フィナステリド(プロペシアなど) | デュタステリド(ザガーロなど) |
| 作用 | II型5αリダクターゼのみ抑える | I型・II型どちらも抑える(広く強力) |
| 効果 | 抜け毛を防ぎ、進行を止める | DHT抑制が強力で、発毛効果も期待できる |
| 特徴 | 長年使われており実績が豊富 | 生え際(前頭部)にも効きやすい |
| 注意点 | 性機能低下・肝機能への影響がまれにある | フィナステリドと同様 |
これらの内服薬は、AGAの進行が始まった初期段階から服用を開始することで、より高い効果が期待できます。
自己判断で服用を中止すると再び薄毛が進行する可能性があるため、継続的な服用が重要です。
外用薬(ミノキシジル)による発毛促進
内服薬が「守りの治療」であるのに対し、外用薬の「ミノキシジル」は、毛母細胞を活性化させ、新たな髪の毛を生やす「攻めの治療」です。
ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用として多毛が認められたことから、発毛剤として転用されました。頭皮の血行を促進し、毛根にある毛母細胞に直接働きかけることで、ヘアサイクルを正常化させ、発毛を促します。
市販の育毛剤にもミノキシジル配合の製品はありますが、クリニックではより高濃度のものを処方してもらえるため、高い効果が期待できます。
内服薬と併用することで、抜け毛を抑えながら発毛を促すという相乗効果が見込めるため、多くのクリニックで標準的な治療法として採用されています。
注入治療(メソセラピー等)
AGAメソセラピーとも呼ばれる注入治療は、内服薬や外用薬だけでは効果を実感しにくい方や、よりスピーディーな改善を求める方に向けた選択肢です。
注射や特殊な医療機器を使い、ミノキシジルや髪の成長に不可欠な成長因子(グロースファクター)、ビタミン、ミネラルなどをブレンドした薬剤を、頭皮に直接注入します。
この治療法の最大のメリットは、有効成分を毛根にダイレクトに届けることで、薬の吸収率を高め、より高い発毛効果が期待できる点にあります。
内服薬や外用薬と組み合わせることで、治療効果をさらに高めることが可能です。
自毛植毛という選択肢
自毛植毛は、他の治療法とは一線を画す外科的な治療法です。
AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の毛髪を、皮膚組織ごと(毛根を含めて)採取し、薄毛が気になる生え際や頭頂部に移植します。
最大のメリットは、移植した髪は元の性質を保ったまま半永久的に生え続ける点です。
薬物治療では改善が難しいほど進行してしまったケースや、生え際のラインをデザインしたい場合に非常に有効な手段となります。
ただし、外科手術であるため費用が高額になり、術後には一時的なダウンタイムが必要となる点を理解しておく必要があります。
後悔しないクリニックの選び方

AGA(男性型脱毛症)による薄毛進行の治療は、効果を実感し維持するために、継続することが何よりも重要です。そのため、長く付き合える信頼できるクリニックをパートナーとして選ぶことが、治療成功の鍵を握ります。
ここでは、数あるクリニックの中から自分に合った場所を見つけるために、必ず確認しておきたい4つのポイントを詳しく解説します。
これらの基準を参考に、後悔のないクリニック選びをしましょう。
治療方針が明確か
まず確認すべきは、クリニックの治療方針です。
無料カウンセリングなどを利用して、医師があなたの頭皮や髪の状態をしっかりと診察し、薄毛の原因や進行度を的確に診断してくれるかを見極めましょう。
その上で、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療プランを具体的に提案してくれるかが非常に重要です。
単に薬を処方するだけでなく、なぜその治療が必要なのか、どのような効果が期待できるのか、そして考えられる副作用やその対策についてまで、納得できる言葉で丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。
AGA専門医や皮膚科の知識が豊富な医師が在籍しているかどうかも、信頼性を判断する上での一つの目安となります。
費用の透明性(薬代・診察料の明確化)
AGA治療は基本的に健康保険が適用されない自由診療のため、費用はクリニックによって大きく異なります。
後から予期せぬ出費で慌てたり、治療の継続を断念したりすることがないよう、費用の透明性は必ずチェックしてください。公式サイトやカウンセリングの段階で、月々にかかる費用の総額が明確に提示されるかを確認しましょう。
特に、薬代以外に診察料や検査費用などが別途必要なのか、あるいはすべて含まれた料金体系なのかは重要なポイントです。
下記の表を参考に、初診時だけでなく、治療を継続していく上で発生する可能性のある費用を事前に把握しておきましょう。
| 費用項目 | 確認すべきポイント |
| カウンセリング・初診料 | 無料か有料か。有料の場合、いくらかかるのか。 |
| 再診料 | 通院の都度発生するのか、あるいは薬代に含まれているのか。 |
| 薬代 | 内服薬・外用薬それぞれの1ヶ月あたりの料金。 ジェネリック医薬品の取り扱いの有無。 |
| 血液検査費用 | 治療開始前や治療中に必要な場合、料金はいくらか。 |
| その他 | 注入治療や植毛など、他の治療法を提案された場合の料金体系。 |
通いやすさ・オンライン対応
治療効果を維持するためには、最低でも数ヶ月から1年以上の継続的な通院が必要になることがほとんどです。
そのため、クリニックの「通いやすさ」は非常に重要な判断ポイントとなります。
自宅や職場からアクセスしやすい立地か、土日や夜間も診療しているかなど、ご自身の生活リズムに合わせて無理なく通えるクリニック選びが重要です。
また、近年ではオンライン診療(遠隔診療)を導入しているクリニックも増えていますが、AGAは頭皮や毛髪の状態を直接確認しながら進める治療です。
特に初診時や治療方針を決める段階では、医師による対面診療を受けられる体制が整っているかが重要といえるでしょう。
そのうえで、通院が難しい場合のフォローや継続治療の一部として、オンライン対応が可能かどうかを確認しておく、という考え方がおすすめです。
予約の取りやすさ(Web予約の有無など)も含め、無理なく通い続けられる環境かを総合的に判断しましょう。
生活習慣や頭皮環境のアドバイスまで丁寧か
薄毛進行の治療は、薬を飲むだけで完結するわけではありません。
より高い効果を得るためには、頭皮環境や生活習慣の改善といった総合的なアプローチが不可欠です。
薬の処方だけでなく、食事や睡眠、運動、ストレス管理といった生活全般にわたるアドバイスや、日々のシャンプー方法など頭皮ケアに関する指導まで丁寧に行ってくれるクリニックが理想的です。
医師やカウンセラーが親身になって相談に乗ってくれるか、ささいな疑問や不安にも快く答えてくれる雰囲気かどうかも、安心して治療を続ける上で大切な要素です。
カウンセリングは、治療内容だけでなく、クリニック全体の雰囲気やスタッフの対応を知る絶好の機会と捉え、積極的に活用しましょう。
まとめ

この記事では、薄毛の初期サインから主な原因、そして自分でできる対策から専門的な治療法までを網羅的に解説しました。薄毛進行のサインに気づいたら、早期に行動を起こすことが何よりも重要です。
食生活の改善や正しいシャンプー、育毛剤の使用といったセルフケアは、頭皮環境を整える上で有効な手段です。
しかし、日本人男性の薄毛の主な原因であるAGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症であり、セルフケアだけで進行を完全に食い止めることは極めて難しいのが現実です。
本気で薄毛進行をストップさせ、改善を目指すのであれば、医学的根拠に基づいた治療が最も確実な方法と言えます。
専門クリニックでは、進行を抑制するフィナステリドやデュタステリドの内服薬、発毛を促進するミノキシジル外用薬など、個々の症状に合わせた最適な治療法を提案してくれます。
後悔しないためにも、まずは専門医に相談することから始めてみましょう。
AGAメディカルケアクリニックでは、初回のカウンセリングから治療方針の提案まで丁寧にサポートしてくれるため、「今の状態を知りたい」「自分に合う治療を試したい」という方でも安心して相談できます。
薄毛に不安を感じている方は、この機会に一度相談してみてはいかがでしょうか。





