フィナステリドの初期脱毛で髪がスカスカになる理由は？気になる抜け毛と改善策

フィナステリドによるAGA治療を始めた直後に、逆に抜け毛が増えたり髪がスカスカになったように感じることがあります。これがいわゆる「初期脱毛」で、あまりの抜け毛の量に不安や心配を抱く人は少なくありません。

初期脱毛は治療を開始した人の中には起こる可能性が高く、ある意味では髪のヘアサイクルが正常に近づいているサインともいえます。ただし、正しい理解と適切な対処法を知らないと、必要以上にストレスを抱えてしまいます。

AGAとフィナステリド初期脱毛がスカスカになる理由

AGA（男性型脱毛症）の治療でフィナステリドを服用すると、治療の初期段階で抜け毛や薄毛が加速したように見える症状が起こることがあります。

「初期脱毛」と呼ばれる現象で、前髪を中心に髪の毛が急にスカスカになり、見た目に変化が出てくるケースもあります。

AGAの原因と男性ホルモンの働き

AGAは男性ホルモンが深く関係し、ジヒドロテストステロン（DHT）が毛髪の成長を阻害することが大きな要因です。

男性ホルモンが5αリダクターゼという還元酵素によってDHTに変換されると、髪の毛の成長期が短くなり、抜け毛の量が増えやすくなります。

このようなホルモン由来の影響に加え、頭皮環境の乱れや生活習慣の偏りなど複合的な理由で薄毛が進行するケースもあります。

フィナステリドが作用する仕組み

フィナステリドは、5αリダクターゼのタイプ2を抑制し、DHTの産生を抑える作用機序をもちます。DHTが減少することで、髪の毛が余計に抜け落ちる期間を長引かせないようにし、育毛を促進しやすい状態へ導きます。

代表的な製品名としてプロペシアがあり、ジェネリックやデュタステリド（ザガーロ）、ミノキシジルなどの併用できる治療薬も複数存在します。

初期脱毛が起こるタイミング

フィナステリドによるAGA治療を始めてから、早い人であれば服用後2週間前後、遅い人でも1～2か月ほどで初期脱毛を実感するケースがあります。

髪がスカスカになると感じるほど毛が抜け始めると、不安を抱く方も多いです。しかし、初期脱毛は古い毛が抜けて新しい毛髪に生え変わる移行期の一時的現象にすぎないことが大半です。

スカスカに見える理由と個人差

髪の毛が抜け落ちる量が増えて、一時的に見た目が変わるほどスカスカになるケースがあります。個人差は大きく、全員に同じように起こるわけではありませんが、生え変わりのサイクルが急激に動き出している証拠と考えられます。

前髪など目立ちやすい部分に症状が出ると、余計に進行したように感じて心配が増しますが、正しい知識を持って対処することが大切です。

初期脱毛が起こりやすい部位と特徴

部位	特徴	見られやすい変化
前髪	額の生え際の後退が顕著になりやすい	透け感が強くなりスカスカに見える
頭頂部	つむじ周辺が薄くなるケースが多い	ボリュームダウンが目立ちやすい
生え際全般	生え変わりのサイクル乱れにより抜け毛が多発	毛が短く抜ける場合もあり、地肌が見えやすい

フィナステリド初期脱毛の仕組みと対処法

ここでは、初期脱毛がなぜ起こるのかさらに深く見ながら、髪がスカスカになったときの対処法を紹介します。適切な対処を知っていれば、あまり動揺せずに治療を継続しやすくなります。

なぜ古い毛が抜け落ちるのか

フィナステリドを服用し始めると、DHTの生成が抑えられます。すると、すでに毛根に影響を及ぼしていた古い髪の毛がまとめて抜ける場合があります。これは休止期に入っていた髪の毛が一気に抜け落ちるためです。

その後は成長期を迎える新しい毛が育つスペースが確保され、髪の状態は徐々に改善へ向かいやすくなります。

不安や心配を抑えるための工夫

治療開始後に抜け毛が増えると、どうしても「このまま薄毛が進行するのでは？」という不安が募ります。医師に相談し、初期脱毛は一時的現象だと理解しておくことが重要です。次のような工夫も役立ちます。

初期脱毛の不安を減らす方法

• 治療効果が出るまでの期間をあらかじめ知る
• AGAクリニックで医師とこまめに相談する
• 頭皮や髪の状態を写真やノートで記録し変化を客観的に確認する
• 生活習慣（睡眠や食事）を整えて髪が育ちやすい環境を整える

初期脱毛が起こるまでの期間や、どのくらい続くのかを理解しておけば、抜け毛が増えたときにも慌てずに済みます。

スカスカ状態への対処法

短期間で前髪や頭頂部がスカスカに見えると、外見を気にしてストレスになることもあります。以下の対処法を組み合わせて、気持ちの負担を軽減してください。

見た目の負担を減らす工夫

• ヘアスタイルを少し変えてみる
• 帽子やヘアバンドなどを活用する
• 髪色を明るめにしてコントラストを弱くする

こうしたセルフ対策でストレスを減らしながら治療を続けると、心身ともに安定しやすくなります。

一時的に治療を中止しない方が良い理由

「抜け毛が増えて怖いから治療をやめたい」という声を聞くことがあります。

ですが、初期脱毛は成長期の髪に切り替わる過程です。途中でフィナステリドの服用を中止すると、せっかく治療薬が作用し始めた効果を得られず、AGAが再び進行する可能性があります。

一時的な抜け毛の増加は治療経過における移行期と理解し、決して勝手な判断で服用をやめず、気になる場合は医師と相談するのが大切です。

フィナステリドの服用を中断することによる影響

中断期間	起こりうる変化	再開時の留意点
数日〜1週間程度	大きな変化は少ないが、治療効果の実感が遅れる場合あり	医師の指示に従い服用を続ける
1か月以上	ホルモン抑制効果が途切れ、AGAが進行する可能性が高い	初期脱毛が再び起こる場合もある
半年〜1年以上	発症前の状態に戻りやすく、抜け毛が増えるリスクが高い	改めて治療を始める際、効果を得るまでに時間がかかる

AGA治療薬の種類と併用のポイント

フィナステリド以外にも、AGAに用いられる内服薬や外用薬が存在します。それぞれの治療薬を正しく理解すると、スカスカ状態が起こる仕組みや治療方針について十分に分かり、無理なく治療を続けやすくなります。

フィナステリドとデュタステリド

フィナステリドのほかに有名な内服薬がデュタステリド（商品名ザガーロ）です。フィナステリドが5αリダクターゼのタイプ2を抑制するのに対し、デュタステリドはタイプ1とタイプ2の両方に作用します。

どちらが良いかは個人差や症状の程度、医師の判断によりますが、いずれも初期脱毛や副作用には注意しながら服用する必要があります。

フィナステリドとデュタステリドの比較

項目	フィナステリド	デュタステリド
抑制する酵素	5αリダクターゼタイプ2	タイプ1 & タイプ2
服用方法	1日1回(1mg)が一般的	1日1回(0.5mg)が一般的
初期脱毛の可能性	起こることがある	同様に起こることがある
特徴	作用範囲は限定的	広範囲に抑制効果を期待できる

ミノキシジルで発毛を促進

ミノキシジルは血管拡張作用を持ち、頭皮の血行を促進し、毛髪の成長期を延ばすのに役立ちます。

外用薬だけでなく、内服薬（ミノキシジルタブレット）として処方される場合もありますが、副作用として動悸やむくみが生じる場合があるので、必ず医師の監修のもとで使用することが大切です。

フィナステリドやデュタステリドと併用すると、相乗的に発毛効果を高める可能性があります。

併用時の注意点

複数のAGA治療薬を併用するときは、副作用や体調面を考慮して適切に行う必要があります。医師の指示を守り、自己判断で薬を増減させないようにしましょう。

治療薬併用の注意点

• 処方された用法・用量を守る
• 副作用が疑われるときはすぐ医師に伝える
• サプリや健康食品との組み合わせにも注意
• 生活習慣の改善と組み合わせるとより良い結果を得やすい

女性とFAGAのケース

女性にも女性型脱毛症（FAGA）が起こる場合がありますが、フィナステリドやデュタステリドは基本的に成人男性を対象にした治療薬です。FAGAに対しては、女性向けに使用が認められた外用薬やサプリなどが用いられます。

女性の場合も初期脱毛が発生するケースがありますが、診療科や治療内容が異なる場合があるため、必ず医療機関に相談してください。

男性型脱毛症と女性型脱毛症の比較

項目	男性型脱毛症 (AGA)	女性型脱毛症 (FAGA)
原因	DHT（ジヒドロテストステロン）の増加など	ホルモンバランスの乱れ、加齢など
主な症状	生え際や頭頂部を中心とした進行性の薄毛	頭頂部の広い範囲が薄くなる
主な治療薬	フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど	ミノキシジル外用薬、サプリ等
初期脱毛の有無	起こりうる（特に内服薬治療で）	起こる場合もあるが治療方針は異なる

クリニックで相談するメリットと治療の流れ

初期脱毛は、正しく理解していればそれほど怖くはありませんが、実際にスカスカ状態が続くと不安が募ることもあります。ここでは専門のAGAクリニックで相談するメリットと、一般的な治療の流れを紹介します。

クリニックで相談する利点

AGA治療は長期的な継続が基本です。一人で悩まず、医師や専門スタッフと相談しながら治療計画を立てると、途中で挫折しづらくなります。

また、治療薬の処方や併用、検査、カウンセリングなどを総合的に行えるため、髪の毛だけでなく全身の健康状態も踏まえたアプローチが可能です。

AGAクリニックに相談するメリット

• 正しい診断を受けられる
• 医師やスタッフが治療経過を管理してくれる
• 治療薬の副作用が出た場合、素早く対応できる
• 自分に合った治療方針を立てやすい

一般的なAGA治療の流れ

AGAクリニックでの治療は、予約から診療、治療薬の処方までスムーズに進むことが多いです。オンライン診療に対応しているところも増え、通院が難しい人でも利用しやすくなっています。

AGAクリニックでの治療の流れ

ステップ	内容	期待できる効果
予約	電話やWEBで簡単に予約する	待ち時間を減らしスムーズに受診できる
診察	医師による問診・頭皮や髪の毛のチェック	AGAかどうか、症状の度合いを判断できる
カウンセリング	治療薬の種類や費用・期間、副作用などの説明	治療方針の理解を深められる
処方	フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどを処方	個人に合った治療薬で効果を得やすい
定期診察	数か月ごとに経過を確認し、必要に応じて薬の調整	副作用や抜け毛の状態を随時チェック

初期脱毛中の過ごし方

初期脱毛が始まり、髪がスカスカになったように感じると精神的に落ち込む人もいます。しかし、これは治療の効果が出始めたサインであり、多くの場合は3～6か月ほど継続すれば抜け落ちる量が減り、新しい毛髪が成長し始めているのを実感しやすくなります。

初期脱毛中は、生活習慣の見直しやストレス対策を行い、髪の毛と頭皮の健康を支援する心がけが大切です。

初期脱毛期間中におすすめの習慣

項目	具体的な方法	期待できる利点
生活習慣の改善	バランスの良い食事、適度な運動、禁煙など	頭皮の血行を良くし、髪の成長をサポート
ストレスケア	ヨガや瞑想、十分な睡眠など	ホルモンバランスを整え、抜け毛を抑える
正しいヘアケア	刺激の少ないシャンプーを使い、優しく洗う	頭皮トラブルを防ぎ、健康な毛根を維持
医師との連携	定期診察やオンライン診療で疑問を解消	早期に副作用に気づき、適切に対処できる

まとめ

フィナステリドの初期脱毛で、髪がスカスカになる状態を目の当たりにすると、精神的に大きなショックを受ける人は少なくありません。初期脱毛は一時的な症状であり、正しい治療を続ければ再び髪の毛は成長し、抜け毛の量も落ち着いてきます。

AGA治療は長期的な取り組みが必要ですが、医師や専門クリニックとの相談で正しい治療薬の使い方を学び、生活習慣や頭皮環境を整えることで、最終的に薄毛が改善する可能性は高まります。

一人で悩んでいても解決が難しい場合は、迷わず医療機関で相談してください。フィナステリドだけでなく、デュタステリドやミノキシジルなど多くの治療薬を組み合わせて、より髪の毛が生えやすい状態をめざすことも可能です。

ぜひ早めに行動を起こし、AGA治療を前向きに続けていきましょう。