プロペシアとフィナロイドの違いを解説！効果は同じ？価格の差は？

プロペシアとフィナロイドは、ともに男性型脱毛症（AGA）の治療に用いられる医薬品で、有効成分は同じフィナステリドです。しかし、両者の価格には大きな開きがあります。

この記事では、プロペシアとフィナロイドの価格差の理由や、AGA治療薬としての特徴、服用時の注意点や副作用などを比較しながら詳しく解説します。

プロペシアとフィナロイドの価格差は？

プロペシアとフィナロイドは、男性型脱毛症（AGA）の治療に用いられる薬剤です。

主成分はどちらもフィナステリド（男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの生成を抑制する作用を持つ）ですが、価格に大きな差があると知られています。

国内での購入価格の比較

まず、プロペシアとフィナロイドの国内での購入価格を比べてみましょう。

薬剤名	1ヶ月分の価格
プロペシア	約8,000円
フィナロイド	約2,000円

上の表から明らかなように、プロペシアの価格はフィナロイドの約4倍に上ります。なぜこのような価格差が生じるのでしょうか。

価格差が生じる理由

価格差の主な理由は、プロペシアはMSD社の先発薬であるのに対し、フィナロイドはジェネリック医薬品（先発薬と同等の有効成分を含む低価格の医薬品）である点です。

先発薬とジェネリック医薬品では、開発コストや販売価格設定に差が生じるため、価格差が生じやすくなります。

長期使用時のコスト比較

AGAの治療は長期間にわたるため、コスト計算しておくと治療を続けやすいです。

薬剤名	1年間の費用	5年間の費用
プロペシア	約96,000円	約480,000円
フィナロイド	約24,000円	約120,000円

上の表から分かる通り、長く使用すればするほどプロペシアとフィナロイドの費用差は非常に大きくなります。

入手方法の違い

プロペシアとフィナロイドの入手方法にも違いがあります。

• プロペシアは医療機関の処方箋が必要
• フィナロイドは、国内未承認薬であるため、処方箋による入手は現状では難しい状況です。

AGA治療薬として見る有効成分と作用の特徴

プロペシアとフィナロイド、両薬剤の有効成分はフィナステリドで、その作用機序や効果は同じです。

フィナステリドの役割と効果

フィナステリドは5α還元酵素阻害剤として機能し、テストステロンからジヒドロテストステロン（DHT）への変換を抑えます。DHTは男性型脱毛症の主な原因となる物質で、毛包を小さくする作用があります。

フィナステリドは、変換過程を阻むことで頭皮のDHT濃度を下げます。その結果、毛包の縮小を防ぎ、健康な毛髪の成長を促進します。

作用	効果
5α還元酵素阻害	DHT生成抑制
DHT濃度低下	毛包縮小防止

プロペシアとフィナロイドの有効成分の同一性

プロペシアは米国メルク社が開発した先発医薬品で、フィナロイドはその後発医薬品（ジェネリック医薬品）です。

製品名	製造元	分類
プロペシア	メルク社（アメリカ）	先発医薬品
フィナロイド	ロイドラボラトリーズ社（フィリピン）	後発医薬品

フィナステリドは、AGAの治療において効果的な選択肢の一つです。プロペシアとフィナロイドは同じ有効成分を持ち、効果に大きな差はありません。

フィナステリドの臨床試験結果

フィナステリドの効果は、多くの臨床試験で証明されています。

1998年に公表された大規模臨床試験では、1mg/日のフィナステリド投与群と偽薬（プラセボ）群を比較しました。その結果、次のような効果が確認されました。

期間	頭頂部の毛髪数増加率
1年後	約11%
2年後	約14%

さらに、写真評価による改善率も報告されています。

• 1年後：約48%の被験者で改善
• 2年後：約66%の被験者で改善

これらの結果は、フィナステリドがAGAの進行を抑え、新たな毛髪の成長を促す効果があることを示しています。

フィナステリドの長期的な効果

フィナステリドの効果は、長期使用でより顕著になります。5年間の追跡調査では、継続的な服用により次の結果が得られました。

評価項目	結果
頭頂部の毛髪数	平均277本増加
写真評価による改善	約90%の被験者で確認

ただし、フィナステリドの効果を維持するには継続的な服用が欠かせません。服用を止めると通常6〜12ヶ月で効果が消え、脱毛が再開します。

服用時の注意点と副作用の比較

プロペシアとフィナロイドは有効成分が同一ですが、副作用の発現頻度や初期脱毛の有無には相違点があります。服用時の注意点や禁忌事項も異なるため、正しい選択と使用が求められます。

プロペシアとフィナロイドの服用方法

プロペシアとフィナロイドは、1日1回の服用が基本となります。どちらも食事の有無に関わらず服用できる薬です。

服用時間は、忘れにくい時間帯を選ぶとよいでしょう。例えば、朝食後や就寝前など、日課の一部として組み込みやすい時間を設定すると効果的です。

薬剤名	服用回数	服用タイミング
プロペシア	1日1回1錠	食事の有無を問わない
フィナロイド	1日1回1錠	食後30分以内

服用を忘れた場合、気づいたときにすぐに服用することが望ましいです。ただし、次の服用時間が近い場合は2回分を一度に服用せず、通常の服用スケジュールに戻ります。

プロペシアとフィナロイドの副作用の種類

プロペシアとフィナロイドは同じ有効成分（フィナステリド）を含むため、副作用の種類は類似しています。とはいえ、体質や状態によっては副作用の現れ方や程度には差異が生じます。

副作用の分類	具体的な症状
性機能関連	勃起不全、性欲減退、射精障害
精神面	うつ症状、不安感
皮膚関連	発疹、かゆみ
その他	めまい、頭痛、胸の痛み、乳房の腫れや痛み

ほとんどの方で、副作用は服用を中止すると改善します。ただし、長期服用後に中止した場合、一時的に脱毛が進行するため注意します。

プロペシアとフィナロイドの副作用の発現頻度

副作用の発現頻度は、プロペシアとフィナロイドで若干の差異があります。これは、両薬剤の製造過程や添加物の違いによるものと考えられています。

プロペシアは、性機能関連の副作用は約1-2%の患者で報告されています。対してフィナロイドでは、これらの副作用の発現頻度がやや高く、約2-3%程度とされています。

薬剤名	性機能関連副作用の発現頻度
プロペシア	約1-2%
フィナロイド	約2-3%

これらの数値は平均的なものであり、実際の発現頻度は個人差があります。また、長期服用による副作用の累積的な影響については、さらなる研究が必要です。

初期脱毛の有無とその対応方法

初期脱毛は、薬剤の効果が現れ始める段階で一時的に脱毛が増加する現象を指します。プロペシアとフィナロイドでは、この初期脱毛が起こるケースがあります。

AGA治療を始めても抜け毛が増えると効果を疑ってしまいがちですが、新しい髪が成長する準備段階であり、正常な反応ですので心配は必要ありません。

初期脱毛が生じた場合の対応方法は以下の通りです。

• 服用を継続する：初期脱毛は一時的な現象であり、通常2-3ヶ月程度で改善します。
• 頭皮ケアを行う：シャンプーやマッサージなどで頭皮環境を整えます。
• 栄養バランスに気をつける：タンパク質やビタミンを十分に摂取します。

初期脱毛が長期化するときや脱毛が著しく進行するときは、医師に相談します。

服用時の注意点と禁忌事項

両薬剤とも女性や18歳未満の男性は服用できません。妊娠中の女性や妊娠の可能性がある女性が触れると男性胎児に悪影響を及ぼすため、特に厳重に注意します。

肝機能障害のある方や前立腺がんの方も服用を避けます。また、アレルギー体質の方は、事前に医師に相談します。

禁忌対象	理由
女性・18歳未満の男性	胎児への影響や成長への影響の可能性
肝機能障害患者	薬物代謝への影響
前立腺がん患者	PSA値への影響

服用中は定期的な血液検査が推奨されます。特に、PSA検査（前立腺特異抗原検査）の結果に影響を与える可能性があるため、前立腺がんのスクリーニングを受ける際は服用していることを医師に伝えるようにしてください。

また、アルコールは薬の吸収や代謝に影響を与える可能性があるため、プロペシアやフィナロイドの服用中は控えめにするのが無難です。

効果の持続には継続的な服用が不可欠です。ご自身に合った薬を選び、効果的にAGA治療を行っていきましょう。