プロペシアの代わりに使えるAGA治療薬にはどんなものがある？他の選択肢について解説

AGA治療の代表的な薬であるプロペシアですが、副作用や費用面の問題で、他の選択肢を検討したいという方も少なくありません。AGA治療は、人によって適した治療法が異なります。

当記事では、プロペシアに代わるAGA治療の選択肢について解説します。

プロペシアと同等の効果が期待できる後発医薬品

プロペシアには、同等の効果が期待できる後発医薬品（ジェネリック医薬品）があります。

後発（ジェネリック）医薬品の特徴とメリット

後発医薬品は、新薬（先発医薬品）の特許期間満了後に製造・販売される医薬品です。新薬と同じ有効成分を同量含有し、同等の効果が得られるよう製造されています。

最大のメリットは、先発医薬品と比較して低価格である点です。新薬の開発費用が不要なため、製造コストを抑えられます。

項目	先発医薬品	後発医薬品
価格	高い	安い
開発期間	長い	短い
有効成分	オリジナル	同一

患者さんにとって経済的負担の軽減につながるだけでなく、長期的な治療の継続性を高める効果も期待できます。医療機関や保険者にとっても、医療費の抑制に寄与するため、使用促進が進められています。

後発医薬品の成分とプロペシアとの違い

プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、5α還元酵素阻害薬として知られています。この成分が男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン（DHT）の産生を抑制し、AGA（男性型脱毛症）の進行を防ぎます。

後発医薬品も同じフィナステリド1mgを主成分としており、基本的な作用機序はプロペシアと同一です。

一方で、添加剤や製造方法に違いがある場合があります。これらの違いが、効果や副作用の現れ方に影響を与える場合があります。

項目	プロペシア	後発医薬品
有効成分	フィナステリド1mg	フィナステリド1mg
添加剤	メーカー独自	各社異なる
製造方法	メーカー独自	各社異なる

添加剤の違いにより錠剤の色や形状が異なるものもあり、このような違いは薬効に直接影響しませんが、好みや飲みやすさに関わる要素となります。

国内で承認された後発医薬品のリスト

日本国内では、複数の製薬会社がフィナステリド製剤の後発医薬品を製造・販売しています。主な製品は以下の通りです。

• フィナステリド錠1mg「トーワ」
• フィナステリド錠1mg「クラシエ」
• フィナステリド錠1mg「サワイ」
• フィナステリド錠1mg「VTRS」

これらの製品は、いずれも厚生労働省の承認を受けており、品質、有効性、安全性が確認されています。

後発医薬品を選ぶ際の注意点

後発医薬品を選択する際は、医師や薬剤師との相談が欠かせません。状態や既往歴、併用薬などを考慮し、製品を選択する必要があります。

副作用の発現率は、先発医薬品と後発医薬品で大きな差はありません。ただし、使用開始後は体調の変化に注意を払うことが求められます。

注意点	内容
医療従事者との相談	個々の状態に合わせた選択
副作用の観察	体調変化への注意
継続的な経過観察	効果の確認と用法用量の調整

後発医薬品に切り替えた後も、定期的な通院と経過観察が重要です。効果が不十分な場合や副作用が気になる場合は、速やかに医療機関に相談しましょう。

効果と価格を比較してわかる後発医薬品の魅力

後発医薬品の最大の魅力は、先発医薬品と同等の効果を低価格で得られる点にあります。価格差は製品によって異なりますが、一般的に先発医薬品の2〜7割程度の価格設定です。

長期的な治療が必要なAGAの場合、この価格差が治療の継続性に大きく影響します。経済的負担が軽減されることで、より多くの方が必要な期間、治療を続けられます。

項目	プロペシア	後発医薬品
価格（目安）	100%	20%〜70%
有効性	基準	同等
安全性	基準	同等

市販薬から処方薬まで、プロペシアの代わりとなるAGA治療薬の入手方法

男性型脱毛症（AGA）の治療薬には、ドラッグストアで購入できるものから、医師の処方が必要なものまで様々な選択肢が存在します。

ドラッグストアで購入できるAGA治療薬

ドラッグストアでは、ミノキシジルを主成分とするAGA治療薬が販売されています。頭皮に直接塗布する薬で、毛母細胞（毛髪を生成する細胞）を刺激して発毛を促進する効果があります。

ただし、効果には個人差があり、継続的な使用が必要です。

薬剤名	主成分
ロゲイン	ミノキシジル
リアップ	ミノキシジル

ドラッグストアで入手できる薬剤は、待ち時間がなく気軽に購入できるのがメリットです。

オンラインでの購入と利便性

近年、オンラインでのAGA治療薬購入も可能になりました。自宅で気軽に治療を始められるため、オンライン購入を検討する方も多いです。

ただし、事前の検査を行えない、医師の診察を受けずに使用する、といった点には注意しなければなりません。

正しい使用法や副作用について、十分に理解した上で利用することが大切です。

医師の処方が必要なAGA治療薬

より強力な効果が期待できるのが、医師の処方が必要なAGA治療薬です。

代表的なものにデュタステリド（ザガーロ）やミノキシジル内服薬（ミノタブ）があります。デュタステリドは、男性ホルモンの働きを抑制して脱毛を防ぐ薬で、ミノキシジルは血行を促進して発毛を促す薬です。

医療機関を直接受診して処方箋を発行してもらうだけでなく、スマートフォンやパソコンを利用したオンライン診療による処方も可能です。

市販薬と処方薬の安全性と効果の違い

市販薬と処方薬では、安全性と効果に違いがあります。

区分	安全性	効果
市販薬	△	△
処方薬	○	○

処方薬は医師の診察を受けた上で使用するため、より安全で確実な効果が期待できます。一方、市販薬は手軽に購入できる反面、効果は限定的な場合があります。

個人輸入する際のリスクと注意点

個人輸入でAGA治療薬を購入する選択肢もあります。ただし、以下の点に注意が必要です。

• 偽造品や粗悪品のリスク
• 正しい使用法が分からない
• 副作用が生じた際の対処法

安全性が確認された正規品を購入し、医師に相談しながら使用するようにします。また、信頼できる購入先を選びも大切です。

ミノキシジルを含む外用薬でプロペシアの代わりになる薬剤

ミノキシジルを含む外用薬は、プロペシアの代替として男性型脱毛症（AGA）治療に用いられます。

ミノキシジルの作用機序とAGAへの効果

ミノキシジルは、当初血圧降下剤として開発された薬剤です。しかし、副作用として多毛症が確認されたことから、薄毛治療薬としての研究が進められ、外用薬として男性型脱毛症（AGA）の治療に効果があると判明しました。

外用薬と内服薬が存在するミノキシジルの作用機序は、主に以下の3つの効果によるものと考えられています。

• 血管拡張作用による頭皮の血流改善
• 毛乳頭細胞（毛髪の成長を支える細胞）の活性化
• 毛周期の延長

これらの効果により、ミノキシジルは薄毛の進行を抑制し、新しい毛髪の成長を促進します。特に、初期から中期のAGAに対して効果が期待できます。

ミノキシジルの主な効果	詳細
血流改善	頭皮の血管を拡張し、栄養供給を促進
毛乳頭細胞活性化	毛髪の成長を支える細胞の機能を向上
毛周期延長	成長期を延ばし、毛髪の太さと長さを増加

ミノキシジル配合の外用薬の種類と使用方法

リアップやリゲインといったミノキシジル配合の外用薬には、主に液剤とフォーム剤の2種類があります。

液剤は、一般的に1mlあたり1%または5%のミノキシジルを含有しています。使用方法は、1日2回、朝晩に頭皮に直接塗布します。

塗布量は、症状や範囲によって異なりますが、通常1回あたり1ml程度です。

フォーム剤は、液剤と比べて使用感が良く、頭皮への浸透性も高いとされています。ミノキシジルの含有量は5%が一般的です。使用方法は液剤と同様で、1日2回の塗布が推奨されます。

剤形	特徴	使用方法
液剤	浸透性が高い	1日2回、1回1ml程度を頭皮に塗布
フォーム剤	使用感が良い	1日2回、適量を頭皮に塗布

いずれの剤形も、継続的な使用が重要です。効果が現れるまでには通常3〜6ヶ月程度かかるため、根気強い継続が大切です。

プロペシアとの併用による相乗効果の可能性

プロペシアとミノキシジルは作用機序が異なるため、併用することで相乗効果が期待できます。

プロペシアは、5α還元酵素を阻害してDHT（男性型脱毛の原因となる男性ホルモン）の産生を抑制してAGAの進行を食い止めます。一方、ミノキシジルは前述の通り、血流改善や毛乳頭細胞の活性化などの効果があります。

• AGAの進行抑制と新しい毛髪の成長促進
• 効果の発現時期の短縮
• より高い治療効果の実現

ただし、併用するときはそれぞれの薬剤の副作用に注意して、医師の指導のもとで正しく使用することが大切です。

ミノキシジル使用時に注意すべき副作用

ミノキシジルは比較的安全性の高い薬剤ですが、いくつかの副作用に注意します。

副作用	症状	対処法
頭皮の刺激	かゆみ、赤み、乾燥	低刺激の製品に変更、使用頻度を減らす
多毛症	顔や体の不要な部分の毛が濃くなる	使用を中止し、医師に相談
血圧低下	めまい、ふらつき	使用を中止し、医師に相談

副作用のほとんどは、使用を中止すると改善します。重度の症状や長期間続く場合は、速やかに医師に相談してください。

外用薬と内服薬の選択基準の違い

AGAの治療において、外用薬と内服薬の選択は、症状の程度や患者さんの希望、副作用のリスクなどを考慮して決定されます。

外用薬（ミノキシジル）の特徴は、以下の通りです。

• 局所的な作用で全身への影響が少ない
• 比較的安全性が高い
• 効果の発現に時間がかかる場合がある
• 毎日の塗布が必要で手間がかかる

内服薬（プロペシア、デュタステリドなど）の特徴は、以下の通りです。

• 全身的な作用で効果が出やすい
• 性機能関連の副作用のリスクがある
• 服用が簡単で継続しやすい
• 妊娠中の女性や小児には禁忌

選択基準としては、初期から中期のAGAでは外用薬から始めるケースが多く、効果が不十分な場合や進行が速い場合に内服薬を検討します。

また、副作用のリスクを懸念する方には外用薬が選択されることが多いです。

最終的な治療法の選択は医師との相談のうえで決定するのが大切で、状況に応じて治療法を選択するとAGAの効果的な管理につながります。