植毛の採取部分は後頭部だけ？気になる毛根移植の方法を知ろう

髪の毛の移植を考えるとき、後頭部からどのように毛を採取するかは大切な検討事項です。

後頭部は比較的健康な毛根が多く存在しやすい部位ですが、いざ植毛の手術を受けようとすると「採取後の状態はどうなるのか」「薄くならないか」などの不安を抱く方が多いです。

本記事では植毛における採取部分の仕組みや、FUT法・FUE法といった主な方法の違い、費用や術後のケアなどを解説します。

今後AGA治療を検討している方や、すでに薄毛に悩んでいる方にとって参考になる情報をまとめました。

植毛と採取部分の基本を知る

この章では植毛の概要と採取部分について整理します。治療内容や手術を受ける前に押さえておきたいポイントを理解することで、後頭部ドナーの特徴を把握しやすくなります。

植毛と薄毛治療の関係

植毛は後頭部などから毛根を採取し、前頭部や頭頂部など薄毛が目立つ部分に移植する方法です。

後頭部の毛根はAGAの影響を受けにくいと言われ、移植後も生え続ける可能性が高いです。そのため薄毛治療の選択肢として多くのクリニックが植毛手術を行っています。

• AGAの進行度合いに応じて投薬や育毛のケアだけでは効果が薄いと判断した場合に医師が提案することもあります。
• 後頭部の毛根は男性ホルモンの影響を受けにくいとされるため移植後定着しやすいことが特徴です。
• 医療行為である以上、副作用やリスクを正しく理解し、事前相談を行うことが大切です。

採取部分として後頭部が選ばれる理由

植毛における採取部分は主に後頭部から選ばれます。大きな理由として、AGA（男性型脱毛症）の進行から比較的逃れられる「健康な毛根」が集まっている点が挙げられます。

また、採取後の状態が比較的目立ちにくい点も注目されます。短期間では「スカスカになってしまわないか」と心配する方もいますが、適切な施術を行った場合は多くが自然に回復していきます。

施術後しばらくの間は傷跡が気になることがありますが、髪の毛で隠しやすいことも後頭部が採取に選ばれる背景です。

FUT法とFUE法の大まかな違い

採取方法として「FUT法」と「FUE法」が有名です。2つの方法には次のような違いがあります。

FUT法とFUE法の特徴

| 採取方法 | 特徴 | 切開の有無 | 症例数の多さ | ドナー株の利用効率 |
|—|—|—|—|
| FUT法 | 帯状に頭皮を切開し、毛根を取り出す | あり（メス使用） | 長年行われてきた実績 | 採取効率は高いが傷跡は一本線状になる場合がある |
| FUE法 | パンチブレードでひとつずつ毛根を取り出す | なし（メスは使わない） | 近年増加 | 傷跡は点状だが広範囲で採取する必要がある場合がある |

両者ともに後頭部を中心に移植に適したドナーを採取する流れです。ただし、FUT法は切開を行うため術後の傷跡が1本線状に残る可能性があります。

FUE法はメスを使わずパンチ状の器具でひとつずつ毛根を引き抜く方法なので点状の傷が生じますが、帯状の大きな傷跡ができにくいという違いがあります。

後頭部採取のリスクや悩み

後頭部から毛髪を採取する以上、多少の痛みや術後のケアが必要です。抜いた直後は一時的に髪の密度が下がったと感じる方もいます。

特にFUE法で大きく採取するケースでは薄くなった印象を受けることがありますが、時間とともに周辺の髪でカバーしやすくなります。

• 強い痛みが出ることは少ないですが、個人差があります。痛み止めの薬を処方される場合もあります。
• AGAの進行度が高い場合は複数回の手術が必要になることがあります。手術回数が増えると採取部分の負担も大きくなるので、カウンセリングで医師とよく相談すると安心です。

植毛手術の流れと術後の変化

植毛手術にはカウンセリング、採取、移植、術後のケアという流れがあります。後頭部から株を取り出した後、どのように進行していくのかを具体的に見ていきましょう。

カウンセリングから予約までの手順

植毛手術を受ける前にはカウンセリングを行います。多くのクリニックでは無料相談を受け付けており、患者さんの悩みや希望を確認します。

同時に以下のような確認事項があります。

• 現在の頭皮や薄毛の状態
• AGAの進行度合い
• 過去の頭皮ケアや治療歴
• 手術の希望時期、費用に関する予算感

医師やスタッフから施術方法の説明やメリット・リスクを聞き、納得した上で予約を行います。

植毛が本当に必要かどうか、投薬治療やヘアケアの継続で十分なのかも踏まえたうえで、自分の状況に合った決断をすることが重要です。

手術当日の流れ

予約日にクリニックに来院してから実際の手術がおこなわれるまでの流れを見てみます。

1. 当日の診察と最終確認（医師が頭皮の状態を再チェック）
2. 麻酔をかける（局所麻酔が主流）
3. ドナー採取（後頭部中心）
4. 採取した毛根を移植部分に移植
5. 術後の頭皮を確認し、帰宅の準備

FUE法の場合、パンチブレードを使用して毛根をひとつずつ採取します。FUT法では帯状に皮膚を切開して縫合する工程を含むため、多少時間が長くなります。

どちらの方法でも医療行為として頭皮を扱うため、丁寧な麻酔や厳重な感染対策がおこなわれます。

手術の所要時間

手術時間は移植する毛根数や頭皮の状態によって異なります。

大規模な手術になると1日がかりになることもあり、院によっては麻酔の追加投与を挟みながら行うことがあります。

術後のケアと定着までの過程

術後しばらくは後頭部や移植部位に赤みやかさぶたが生じることがあります。

定着率を高めるためには頭皮を清潔にし、医師やスタッフの指導のもとでケアを行うことが重要です。

洗髪のタイミングや仕方もクリニックから案内されるため、自己判断で過度に触れるのは避けてください。

移植毛は一度抜け落ちた後に新たな成長サイクルに入るため、定着が実感できるのは施術後3～6カ月程度、しっかり髪の毛が生え揃うのは約1年かかるといわれます。

採取部分に起こり得る症状と対策

後頭部で起こりやすい症状には以下が挙げられます。

• 軽度の痛みや腫れ
• つっぱり感
• 一時的な感覚の鈍さ

特にFUT法の場合は切開部を縫合するため、皮膚が突っ張る感じが出ることがあります。FUE法でも点状の出血が見られるためケアには注意が必要です。

症状が続いたり痛みが増したりした場合は気軽にクリニックへ相談することが大切です。

後頭部の症状と対処方法

FUE法とFUT法の詳細と採取部分への影響

植毛の採取部分にとってFUE法とFUT法の特徴をしっかり把握しておくことは非常に重要です。この章ではそれぞれの術式が後頭部に及ぼす影響を詳しくまとめます。

FUE法のメリットとデメリット

FUE法はメスを使わず、小さなパンチブレードで毛根をひとつずつ取り出します。帯状に切開しないため、線状の傷跡が残りにくく、髪の毛を短くしても目立ちにくいと考える方が多いです。

ただし、採取範囲が広くなる傾向があるため、一度に大量のドナーを採取する場合は施術時間が長くなるケースもあります。

• メリット
  • 切開をしないため、大きな傷跡が残りにくい
  • 比較的回復が早い傾向にある

• デメリット
  • ひとつずつ毛根を取り出すため、手術時間が長引く場合がある
  • 広範囲で点在してドナーを採取するため、短髪にするとやや薄く見えるリスク

FUT法のメリットとデメリット

FUT法は後頭部を帯状に切開して毛髪を含む皮膚を取り出してから毛根を分ける方法です。古くから多くの症例で実施されてきたこともあり、経験豊富なクリニックや医師が多いのも特徴です。

ただし、切開後に縫合するため、線状の傷跡が残るリスクを理解する必要があります。

• メリット
  • 帯状にまとめて採取するので、一度に多くの毛根を効率的に取り出しやすい
  • 医療現場での実績が多い

• デメリット
  • 切開と縫合を行うため、術後の痛みや腫れがFUE法より大きい場合がある
  • 傷跡が残る可能性がある

FUT法とFUE法の費用相場の違い

費用はクリニックや移植する株数、髪の毛の状態などで大きく変わります。

必ずしも「FUE法は高い、FUT法は安い」というわけではないので、カウンセリングや料金表などで確認したうえで選択してください。

採取部分がスカスカに見える原因

術後すぐはドナーを抜いた部分が若干スカスカに感じられるかもしれません。FUE法の場合は点々と抜けた状態、FUT法の場合は縫合線に沿って毛がない帯状の痕が残ることがあります。

いずれも時間とともに周辺の髪の毛が伸びたり、隠れたりすることで目立ちにくくなるケースがほとんどです。

採取部分が落ち着くまでの目安

後頭部が薄くならないための対策と手術後のケア

採取部分の後頭部が薄くならないためには正しいケアと医師の指導が欠かせません。

頭皮環境を整えることで移植部分だけでなく、後頭部の健康を守ることにつながります。

術後の頭皮をいたわる方法

術後は頭皮に負担がかかっているため、シャンプーや整髪料の使用には注意してください。術後数日は髪の毛を濡らす程度にして、ゴシゴシ洗わないことが大切です。

クリニックから洗髪方法の詳細な指示がある場合が多いので、それに従うのが安全です。自己流で触りすぎて傷を刺激しないように気をつけましょう。

頭皮ケアの実践例

• 指の腹でやさしく洗い、爪を立てない
• 洗髪後はドライヤーを使い、頭皮を清潔に保つ
• 術後1～2週間は激しい運動や飲酒を避ける
• 医師から処方された薬は指示通りに飲む

AGA治療薬の活用

植毛手術の後もAGAの進行を抑えるために治療薬を処方されるケースがあります。

代表的な内服薬としてフィナステリドやデュタステリドがあり、抜け毛を抑制する効果が期待されます。また、ミノキシジル外用薬を併用して育毛をサポートする方もいます。

主なAGA治療薬と特徴

ただし、治療薬がすべてのケースに有効というわけではありません。副作用や体調面を考慮しながら医師と相談して進めることをおすすめします。

生活習慣の見直しと頭皮マッサージ

生活習慣の乱れが頭皮に影響することは多いです。睡眠不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなどが続くと血行不良を招いて毛髪の成長を阻害する原因になり得ます。

植毛後も以下の点を意識すると頭皮や毛髪の状態を保ちやすくなります。

• 睡眠時間をしっかり確保して頭皮の回復を促す
• バランスのよい食生活で髪の成長をサポート
• 喫煙や過度なアルコール摂取を控える
• ストレスを溜め込まず、適度に運動やリラックス時間を取り入れる

後頭部が再び薄くなるのを防ぐ考え方

植毛は後頭部の健康な毛根を移植する手術ですが、AGAの進行や加齢によって周囲の髪が薄くなる可能性は残ります。

そのため術後も定期的に頭皮や髪の毛の状態をチェックし、必要があれば追加治療やメンテナンスを行うことが重要です。

定期検診を受けられるクリニックを選び、継続的に相談できる環境を整えると安心です。

費用とクリニック選びのコツ

植毛の大まかな費用は数十万円から百数十万円まで幅がありますが、これは移植株数や技術内容、クリニックによって異なります。

安いから良い、高いから良いというわけではなく、総合的に判断することが求められます。

費用の目安と内訳

植毛の費用には以下のような項目が含まれる場合があります。

• 基本手術料金
• 1株あたりの移植費用
• 麻酔や薬代
• 術後のフォロー費用（診察、抜糸など）

植毛費用の内訳例

一見、安いプランに見えても株数が増えると高額になる可能性があります。

また、アフターケアの診療が別料金になっていることもあるため、カウンセリング時にトータルの費用を確認すると良いでしょう。

クリニックの選び方

信頼できる医師やスタッフがいるクリニックを選ぶと術前・術後の説明が十分にあり、疑問や悩みを解消しやすくなります。

口コミや症例数だけでなく、以下のような点にも注目してください。

• カウンセリングで医師がしっかりと頭皮を診療するか
• 同意を得られない過剰な治療を勧めてこないか
• 術後のフォロー体制が整っているか
• 通院しやすい立地や診療時間であるか

複数のクリニックを比較する意義

初回の相談は無料のクリニックが多いので複数の候補をリストアップし、実際にカウンセリングを受けて比較検討するのも方法です。

それぞれのクリニックで提案される手術法や費用は違いがあり、担当医師との相性もあるため自分に合うところを見つけるには実際に足を運ぶのが近道です。

クリニック比較の観点

後頭部以外の採取や女性の植毛事情

植毛は主に後頭部からドナーを採取するイメージが強いですが、人によっては側頭部から毛根を採るケースもあります。

また、男性のAGAに限らず、女性の薄毛治療として自毛植毛を受ける方も増えています。

側頭部の採取が検討される場合

後頭部の毛髪密度が十分でない方や後頭部の皮膚状態に問題がある場合には側頭部からドナーを採取することがあります。

ただし、側頭部もAGAの影響を受ける可能性があり、十分な量を確保できないケースもあるため、医師の診断が不可欠です。

女性の植毛事情

女性の植毛は男性型脱毛症ほど広範囲な薄毛ではないケースが多いですが、分け目や生え際など特定の部分が薄くなることが特徴です。

女性の場合も後頭部の髪の毛を採取して移植する方法が多く、FUE法を選ぶ例が増えています。

女性特有のホルモンバランスやヘアスタイルへの配慮から、目立たない施術法が求められる傾向にあります。

女性植毛における注意点

よくある質問とまとめ

最後に、多くの患者さんが感じやすい疑問や術後の不安を取り上げ、全体を整理します。

植毛は薄毛を根本的に解決できる可能性がある一方、施術後の痛みや費用面での負担など気になる点が数多くあります。正しい情報を得て、納得のいく治療を受けるために参考にしてください。

よくある質問

• Q：採取後の後頭部に痛みはどのくらい続きますか？
  A：個人差がありますが、FUE法で採取した場合は数日程度でほとんど気にならなくなる方が多いです。FUT法では切開と縫合を行うため、突っ張る感じが1～2週間続くことがあります。

• Q：後頭部の傷跡はどれくらいで目立たなくなりますか？
  A：FUE法なら点状の痕が数カ月ほどで気にならなくなることが多いです。FUT法の場合は縫合線が残る可能性がありますが、髪が伸びると目立ちにくくなります。

• Q：植毛後にドナーが足りなくなることはありますか？
  A：何度も植毛を繰り返すと後頭部の採取量が減り、十分なドナーを確保できないケースがあり得ます。そのため、医師と相談しながら計画的に行うことが大切です。

• Q：術後の通院はどれくらい必要ですか？
  A：初期の経過観察で数回、抜糸が必要ならその時期に通院します。術後の状態が安定してからも、定期的に頭皮や髪の成長をチェックするために通うことをおすすめします。

まとめ

植毛手術で後頭部から採取した髪の毛はAGAの影響を受けにくく移植先でも生え続ける可能性が高いです。しかし、手術方法によって術後の傷跡や痛み、費用が異なります。

FUE法は線状の傷跡を避けやすい一方で採取範囲が広くなりやすく、FUT法は短時間で大量の株を取りやすい代わりに縫合線が残るリスクがあります。

いずれの方法も術後の頭皮ケアや生活習慣の見直しが必要で、定期的に医師の指導を仰ぐことが大切です。

自毛植毛は薄毛の悩みを根本的に改善する治療法の一つですが、手術に踏み切る前に自分の頭皮状態やAGAの進行度合いを正確に把握することが重要です。

カウンセリングでは費用や術後の経過について具体的なイメージをつかみ、疑問があればしっかり質問することでより納得したうえで治療を受けられます。

後頭部の毛髪を健やかに保つためにも適切なケアと治療環境を整えていきましょう。

以上

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