市販の育毛剤の正しい選び方|商品タイプ別の特徴と使い分け | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

市販の育毛剤の正しい選び方|商品タイプ別の特徴と使い分け

更新日
市販の育毛剤の正しい選び方|商品タイプ別の特徴と使い分け
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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市販で手に入る育毛剤には、ミストやローションなどさまざまな形状があります。

自分に合うタイプを見極めるには、成分や使い方を理解しておくことが重要です。薬局やドラッグストアで見かける多くの商品の中から、どれを選べばよいのか迷うこともあるかもしれません。

本記事では、商品タイプごとの特徴と使い分けに焦点を当て、目的に合った育毛剤を探すための考え方を詳しく紹介します。

育毛剤を市販で選ぶときに知っておきたい基本知識

育毛剤は、比較的手軽に始めやすいヘアケア方法として人気があります。

しかし、「育毛剤」「発毛剤」「AGA治療薬」といった言葉が混在しているため、市販で購入できる商品との違いがよくわからないケースもあるでしょう。

はじめに、基礎的な用語や成分を整理し、どのように育毛剤を選べばよいかを考えていきます。

育毛剤と発毛剤・AGA治療薬との違い

育毛剤は、頭皮環境のケアを目的とするケアアイテムです。髪の成長をサポートする成分を含み、薄毛や抜け毛の予防をめざす役割を担います。

市販の商品でもさまざまなものが出回っていますが、そもそも「発毛剤」や「AGA治療薬」とはどのように異なるのでしょうか。

育毛剤は髪の成長をサポートする補助的な側面が強い一方、発毛剤は有効成分が発毛に直接働きかける特徴をもつ場合が多いです。

AGA治療薬は医師の診断に基づき処方される医療用医薬品で、薄毛の原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)などを抑制する薬も含まれます。

つまり、医療用医薬品と市販育毛剤では得られる作用に違いがある点を押さえておきましょう。

市販の育毛剤の主な成分と期待できる役割

市販で流通している育毛剤には、頭皮に栄養を届けたり血行を促したりする成分が配合されていることが多いです。

代表的な成分としては、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、ピリドキシン塩酸塩などが挙げられます。

商品によっては保湿成分を豊富に含むものもあるので、敏感肌の人でも使いやすいタイプが増えています。一方で、アルコールを含む商品も多く、刺激に敏感な方には合わない場合があります。

これらの成分がどの程度含まれているかは商品によって異なるため、使用前に成分表を確認しましょう。

市販育毛剤と医療用医薬品の違い

区分購入方法主な目的成分例効果の強さ
市販の育毛剤薬局・ドラッグストア・通販頭皮環境ケア、抜け毛予防などセンブリエキス、ビタミン類などゆるやかに作用する商品が多い
医療用医薬品医師の診断後処方AGA治療や発毛促進フィナステリドなど医学的エビデンスがある治療効果

育毛剤の効果は緩やかであり、長期的に使用して頭皮環境を整えることを目指すものが多いです。

劇的な変化を求める場合には、医師の診断に基づく治療も検討してみるとよいでしょう。

購入場所ごとの特徴と選び方

市販の育毛剤は、薬局やドラッグストアだけでなく、ネット通販やコスメ専門店などさまざまな場所で手に入ります。

実店舗で買う場合は店員に相談できる安心感がある反面、ネット通販には口コミを手軽に確認できる利点があります。

また、定期購入制度を導入している公式サイトも増えており、買い忘れを防ぎやすいメリットがあります。

市販育毛剤の購入場所を選ぶうえで意識したいこと

  • 成分表の確認がしやすいか
  • アフターサービスや返品制度の有無
  • 継続購入のしやすさ
  • 口コミ情報の信頼度と使い方

どの購入場所であっても、口コミだけを鵜呑みにするのではなく、成分表や自分の頭皮状態を踏まえて判断することが大切です。

実店舗ではサンプル品を確認できることもあるので、刺激を感じやすい場合や香りが苦手な場合は試せると安心です。

ミストタイプ・スプレータイプの特徴

スプレー型やミスト型の育毛剤は、頭皮にまんべんなく噴霧しやすいという特徴があります。広い範囲に拡散させながら使いたい場合に便利で、液だれしにくいものも存在します。

ここでは、ミストやスプレータイプならではの利点や注意点を見ていきます。

頭皮環境の広範囲ケアがしやすい理由

スプレータイプやミストタイプの育毛剤は、頭皮全体に均等に塗布しやすい点がメリットです。

ノズルの構造によって霧状に噴射されるので、気になる部分だけでなく、その周辺もまんべんなくケアできます。

また、手がベタつきにくいので、忙しい朝や外出前にさっと使いたい人に向いています。

育毛剤の噴射範囲や噴射量を調節できるタイプもあるため、自分の頭皮の広さや気になる場所に応じて使い分けしやすいです。

ただし、目や顔にかからないように注意しながら噴射する必要があります。

ミスト・スプレータイプに見られる特徴

特徴メリット注意点
広範囲への拡散が容易頭皮全体を短時間でカバーしやすい顔や目にかからないように噴霧する角度に気をつける
手のベタつきが少ない使用後すぐに他の作業に移りやすいこめかみ付近など狙った箇所への集中ケアが難しい場合がある
清涼感を得やすい夏場や運動後などリフレッシュしたい時冬場は冷たく感じるので好みがわかれる

ミストタイプ・スプレータイプが向いている人

頭皮全体が薄くなってきたと感じる人や、部分的な悩みというより全体的にボリュームダウンが気になるケースでは、スプレーやミスト型が使いやすいです。

忙しい生活の中でも、シュッとひと吹きするだけで素早くケアしやすいので、手軽さを重視する人にも向いています。

髪の毛がやや長くても、スプレーの霧なら隙間を通り抜けて頭皮に届きやすい場合があります。

頭皮の広い範囲が気になっている、あるいは一度の使用で効率的に塗布したいときに便利です。

注意したい使用時のポイント

スプレー型やミスト型は使いやすい反面、吹きかける際に頭皮から離しすぎると霧が飛び散り、必要量が頭皮に届かないおそれがあります。そのため、適切な距離を確保して、ケア成分がしっかり行き渡るようにすることが重要です。

さらに、噴射後は軽く指の腹を使ってマッサージすると、育毛剤が頭皮にしっかりなじむことが期待できます。

特に髪の生え際や分け目付近など、角度によっては届きにくい箇所があるので、噴射だけで終わらず、指で念入りに馴染ませるのがおすすめです。

ミスト・スプレータイプを使うときに意識したいこと

  • 適切な距離(商品説明にあるcm数)を守る
  • 目に入らないよう角度や向きを調整する
  • 使用後は指でマッサージしてなじませる
  • 清涼感の強い商品は好みが分かれるため注意

ローションタイプ・エッセンスタイプの特徴

育毛剤の中には、直接手やスポイトなどで頭皮に塗るローションタイプやエッセンスタイプがあります。

スプレー型よりも粘度が高い場合が多く、液だれが起こりにくい点が特徴です。

液だれしにくいメリット

ローションやエッセンスタイプは、ややとろみがある液状のものが多く、頭皮に塗布しても垂れにくい性質を持ちやすいです。そのため、気になる部分を狙ってしっかり塗り込みたい人には扱いやすいでしょう。

生え際などピンポイントの箇所に集中してつけたい場合、スプレー型よりも細かく調整しやすいメリットがあります。

ただし、全体にまんべんなく塗布するには少し時間がかかる場合があり、忙しい人には手間が増えるかもしれません。

また、手や頭皮に直接触れるので、清潔さを保つためにも使用前後に手や道具の衛生管理をおこなう必要があります。

ローション・エッセンスタイプの使い勝手

項目メリット使いづらい場合
塗布のコントロールピンポイントでのケアがしやすい頭皮全体への塗布に時間がかかる
液だれの少なさ外出前でも衣服や顔に垂れにくいスプレーよりも粘度が高い商品は、広範囲にはやや不便
使いやすさスポイトやノズル付きなど形状のバリエーションが豊富手に取る量を間違うと多すぎたり不足したりする可能性がある

頭皮マッサージとの相性

ローションタイプは手や指でマッサージしながら頭皮に塗るため、頭皮マッサージとの相性が良いといえます。

マッサージを並行しておこなうことで血行を促し、リラックス効果も期待できます。髪の土台である頭皮をほぐすことは、血流を良好にして髪の成長をサポートする狙いもあります。

育毛剤を塗布してからマッサージすることで、有効成分が頭皮に行き渡りやすくなります。

ただし、過度に力を入れすぎると頭皮を傷める恐れがあるため、ほどよい圧力で指の腹を使って揉み込むようにしましょう。

ローション・エッセンスタイプでマッサージするメリット

  • 血行促進を図れる
  • 有効成分が浸透しやすい
  • 指先を使うことで塗布量や塗布箇所を細かく調整できる
  • リラックス効果でストレス緩和につながる場合がある

使い方で気をつけるべき点

ローションタイプは直に頭皮へ塗るため、容器やノズルの衛生面には気を配りましょう。

とくにスポイトや先端のノズルが頭皮と接触するタイプだと、使うたびに洗浄するか、アルコールなどで拭き取ることを推奨します。

また、つけすぎるとベタつきが残ったり、髪がペタンとしやすくなる恐れがあります。頭皮に必要な量を見極め、使用後はしっかり揉み込み、余分な液が残らないよう気をつけましょう。

商品によっては朝晩2回の使用を想定しているものもあり、スケジュールに組み込んで継続すると効果を実感しやすいです。

フォームタイプ・ムースタイプの特徴

泡状のフォームタイプやムースタイプの育毛剤も、市販の商品でよく見かける形態の1つです。

シャンプーのような泡を想起させる見た目で、頭皮に乗せたときのフィット感が特徴といえます。

頭皮への浸透のしかた

フォームタイプやムースタイプは、泡を潰しながら頭皮に塗り広げるイメージで使います。

泡がクッションのような役割を果たすので、柔らかく伸ばしやすい一方、髪の量が多いと頭皮まで泡が行き届きにくい場合もあります。

泡を直接頭皮にのせることで、有効成分を頭皮へ密着させやすいという利点もあります。指で泡を抑え込むようにマッサージすると、頭皮の隙間に入り込みやすくなるでしょう。

フォーム・ムースタイプの特徴

特徴メリットデメリット
クッション性指や頭皮への負担を和らげながらケアしやすい髪が多いと泡が消えやすく、頭皮まで浸透しにくい
均一な塗布泡をまんべんなく広げれば頭皮全体を覆いやすい塗布量の調整を誤るとベタつきやすくなる
清涼感のある商品爽快感を得やすいタイプもあるガス噴射タイプの場合、保管や飛行機での持ち運びに注意が必要

時短を目指したい人へのメリット

フォームタイプやムースタイプの育毛剤は、手に取って泡をさっと伸ばすだけで頭皮全体へ行き渡りやすい構造を持っています。

液体を広げる手間が省ける場合が多いため、時短を意識する人には取り入れやすいでしょう。

忙しい朝でも手軽に使えるほか、整髪料がわりに髪の根元を立ち上げる意味合いで利用する人もいます。

ただし、育毛剤本来の目的とは違う使い方なので、スタイリングに使う際は頭皮への負担が増えないよう注意が必要です。

スタイルとの両立はどうするか

フォームタイプやムースタイプには、ヘアスタイルをある程度キープしやすい商品も存在しますが、それほどセット力があるわけではありません。あくまで頭皮ケアがメインと考えたほうがよいでしょう。

さらに、髪型を整えるためのスタイリング剤と併用する場合は、頭皮が重くならない程度に量を調節する工夫が必要です。

フォームタイプを使いながらスタイリングする場合のポイント

  • 育毛剤を先につけたあと、ある程度乾かしてからスタイリング剤を使用する
  • 頭頂部や分け目など、ピンポイントで育毛剤を施す場所を決めておく
  • 1回の量に注意し、べたつきを防ぐ
  • 髪と頭皮の通気性を損ねないよう薄くのばす

コンディショナータイプ・シャンプータイプの特徴

市販の育毛ケア商品には、洗髪時に頭皮をケアするコンディショナーやシャンプータイプのものもあります。日常的に使うアイテムだからこそ、洗髪をしながらケアできる点が魅力です。

ただし、育毛効果をしっかり得るためには、成分や使用方法を確認しておく必要があります。

洗髪と同時に頭皮ケアを行う利点

シャンプーやコンディショナーに育毛成分が配合されている場合、髪を洗うタイミングで頭皮環境を整えることが可能です。

継続して使用することで、不要な皮脂や汚れを落としながらケア成分を補給できるメリットがあります。

ただし、洗い流す時間が長すぎたり、すぐに洗い流しすぎると、育毛成分が頭皮に残りにくい可能性もあります。パッケージに書かれている使用方法に従って、適切な時間を確保するとよいでしょう。

シャンプー・コンディショナータイプの特徴

区分メリットデメリット
育毛シャンプー汚れを落としながら頭皮ケア成分を補給できるすすぎの際に十分に流さないと頭皮に残留物がたまる可能性
育毛コンディショナー・トリートメント髪や頭皮の保湿をしながらケア成分を浸透させやすい頭皮に付着したまま長時間放置するとベタつきの原因になる

使用者の声と見られる傾向

シャンプーやコンディショナーを育毛ケア目的で選んだ人は、頭皮のかゆみが減った、フケが気にならなくなったなど、頭皮トラブルの改善を感じることが多いようです。

一方で、髪を太くする・生やすといった直接的な変化は、比較的時間がかかると感じるケースもみられます。

髪が傷んでいると、ダメージ補修成分に注目しがちですが、育毛目的で選ぶ場合は血行促進や抗炎症成分などを含んでいるかどうかも確認すると良いでしょう。

シャンプーやコンディショナー育毛ケアで感じやすい変化

  • 頭皮のコンディション改善(かゆみ・フケの減少など)
  • 髪のハリやコシの向上
  • 香りや洗い上がりの好みは個人差が大きい
  • 長期的に続けないと効果を実感しにくい

成分表示の読み方

育毛シャンプーやコンディショナーを選ぶときは、配合成分の種類や順番をチェックしましょう。表示順は含有量が多い順に並ぶことが一般的です。

たとえば水や界面活性剤などが先頭に来ているのは通常ですが、育毛や頭皮ケアに関する成分があまりにも後ろに記載されている場合、含有量が少ない可能性があります。

また、シリコンや高濃度のアルコールが含まれている商品もあり、頭皮が敏感な人には刺激になる場合があります。

パッケージ裏の表示を読んで「自分の頭皮の状態や好みに合いそうか」を確認する手間が大切です。

市販の育毛剤を選ぶうえで見ておきたいポイント

育毛剤はさまざまな形状がありますが、どの商品が合うかは個人の悩みや好み、頭皮状態によって異なります。

ここでは、市販の商品を選ぶときに注目したい主要なポイントを整理し、長く使い続けるうえでの注意点にも触れます。

育毛剤の使用目的と期待する効果

「頭皮環境を整えて将来の薄毛を防ぎたい」「すでに抜け毛が増えているので予防したい」「フケやかゆみなどトラブルを改善したい」など、育毛剤を使う目的は人それぞれです。

自分が育毛剤に求める効果を明確にすることで、配合成分を確認しやすくなります。保湿メインのものを選ぶのか、血行促進に焦点を当てるのかなど、商品ごとに得意とする分野が異なります。

有効成分として、センブリエキスやピロクトンオラミン、ショウキョウエキスなどが配合されている場合は、頭皮の環境改善や抗炎症作用が期待できます。

目的別に成分の効果を調べてみると、より自分に合った市販の育毛剤を見つけやすいでしょう。

市販育毛剤に多い主要成分の特徴

成分名おもな働き代表的な効果
センブリエキス血行促進髪の成長をサポートしやすい
グリチルリチン酸ジカリウム抗炎症頭皮の炎症やかゆみを抑える
ピロクトンオラミン抗菌・抗真菌フケやかゆみの原因となる菌の繁殖を抑える
ビタミンE誘導体抗酸化作用・血行促進頭皮の老化を防ぎ、血流を良好に保ちやすい

アルコールや香料などの添加物

多くの市販育毛剤には、成分の安定化や浸透を助けるためにアルコールが含まれている場合があります。

アルコール刺激に敏感な方は、低アルコール処方のものやアルコールフリーのものを選ぶと頭皮トラブルを回避しやすいでしょう。

また、香料や着色料も商品によっては使用されており、頭皮に負担をかけるかどうかは個人差があります。

添加物に注目するときに気をつけたい点

  • 自分の頭皮トラブルの原因になりそうな成分は含まれていないか
  • 香りの好みや強さ(合わない香料はストレスになる場合がある)
  • 敏感肌なら無添加や低刺激をうたう商品を中心に検討する

パッケージに描かれるうたい文句への注意

市販の育毛剤には、目を引くキャッチコピーが書かれていることも珍しくありません。

「短期間で抜け毛改善」「髪が〇倍増える」というような表現があっても、医薬品ではなくあくまで医薬部外品や化粧品であることが多い点に留意してください。

誇大な広告表現だけでなく、実際の有効成分や口コミ、根拠などを総合的に見て判断しましょう。

テレビCMや雑誌広告で人気を集めている商品でも、必ずしも自分の頭皮の状態に合うとは限りません。あくまで参考情報として捉え、自分の頭皮状態や目的に合わせて吟味する姿勢が大切です。

広告を鵜呑みにしないために

チェック項目内容
科学的根拠の有無成分や効果に関して研究データや第三者評価が示されているか
商品カテゴリの確認医療用医薬品なのか、市販の医薬部外品や化粧品なのか
過度な期間限定・数量限定の表現刺激的な言葉で不安をあおって購入を急がせていないか
実績の裏付け「〇万人突破」「リピート率〇%」などの根拠があいまいでないか

複数商品を併用する場合の考え方

市販の育毛剤には多様な形状や成分があるため、人によっては複数の商品を組み合わせて使おうと考えることもあるでしょう。

相乗効果を狙う場合は、成分の重複や使用タイミングなど、いくつかのポイントに注意する必要があります。

成分の重複によるリスク

複数の育毛剤を使う場合、同じ有効成分が重複して含まれていると、過度な刺激や副作用を引き起こす可能性があります。

アルコール含有量が多い商品を複数使うと頭皮が乾燥しやすくなる、抗炎症剤を過剰に使うと頭皮の常在菌バランスが崩れるなど、意外なデメリットが発生することもあります。

複数の育毛剤を併用する際のデメリット

  • アルコール過剰使用で頭皮が荒れやすくなる
  • 抗菌成分の重複で頭皮の常在菌環境に悪影響が出る
  • 塗布回数や塗布手順が増え、継続しにくくなる

ライン使いによる相乗効果の可能性

一方で、同じブランドやシリーズのライン使いをすることで、シャンプーやコンディショナー、育毛剤が互いの力を補い合い、相乗効果を期待する考え方もあります。

たとえば、頭皮をしっかり洗い流してから育毛剤を塗ると成分が浸透しやすくなるなど、商品同士が組み合わさることでメリットを得やすいケースもあるでしょう。

シャンプー・コンディショナーと育毛剤

組み合わせ主な狙い注意点
育毛シャンプー+育毛剤頭皮を清潔に保ちつつ、育毛成分をしっかり補給アルコールや香料などが重ならないようチェック
育毛コンディショナー+ローションタイプ育毛剤髪と頭皮の保湿を重視しながら有効成分を浸透させるコンディショナーが頭皮に残らないようしっかりすすぐ
スプレータイプ+エッセンスタイプ育毛剤広範囲用とピンポイント用を目的別に使い分ける使用回数やタイミングが複雑になるため、継続のしやすさを考慮

自己判断だけで続ける際の限界

複数の商品を使い分けることは可能ですが、自己判断であまりにも多くの成分を重ねてしまうと、頭皮に思わぬトラブルが起きたり、経済的負担も大きくなったりします。

育毛剤の効果を実感するには数か月単位の継続が必要な場合が多く、欲張りすぎると途中で挫折するおそれもあります。

抜け毛や薄毛の進行が顕著な場合、クリニックで診察してもらうほうが安心なケースもあるため、自分でのケアに限界を感じたら医療機関の受診を検討しましょう。

自己流ケアにおける落とし穴

  • 複数成分を過剰使用して頭皮トラブルを招く
  • 費用がかさみ継続困難になる
  • 育毛剤本来の使い方を守れず効果を感じにくい
  • 発毛に医療的な方法が必要なのにケアが遅れる

クリニックで相談するタイミングと目安

市販の育毛剤は、頭皮環境を整えるための有効な手段となり得ますが、人によっては思うような効果を実感できなかったり、進行が止まらなかったりすることもあります。

市販の育毛剤を試した期間と効果の感じ方

薄毛や抜け毛は短期間で急激に変わるものではない場合が多いため、市販の育毛剤を試すなら少なくとも3か月~6か月程度は続けることが多いです。

その間に「抜け毛の量が減った」「髪が太くなった気がする」などの変化を感じられるなら継続する価値があるでしょう。

一方で、半年以上使っても全く変化が見られない、むしろ進行しているといった場合は、AGAや別の頭皮トラブルが潜んでいる可能性があります。

必要に応じて医師の診察を受け、根本的な原因を探ってみると安心です。

育毛剤使用期間と感じやすい変化

期間感じやすい兆候次のアクション
1か月目~3か月目フケやかゆみの減少、抜け毛の本数がやや減る継続して使用し、頭皮環境の改善を進める
3か月目~6か月目髪のハリ・コシの向上や抜け毛減少を実感する人も効果が出始めているなら、そのまま継続
6か月以上明らかな効果が見られない場合医療機関での検査や治療を検討する

気になる症状があるときに受診したい理由

頭皮の赤みや湿疹、強いかゆみなどのトラブルがあるときは、自己流で育毛剤を使い続けるとかえって悪化させるリスクがあります。

また、抜け毛が急激に増えた、円形脱毛症のように特定の部分だけ髪が抜け落ちているなどの症状を放置すると、進行度合いによっては回復に時間がかかるケースがあります。

クリニックでの受診では、医師が頭皮や髪の状態を診察し、必要に応じて血液検査や頭皮検査を行います。

自己判断では見落としていた原因が見つかる可能性があるので、思い当たる症状があるときは早めに受診するほうが安全です。

早期受診が望ましい症状

  • 強い炎症・かゆみ・頭皮のただれ
  • 急激に増えた大量の抜け毛
  • 生え際や頭頂部が短期間で目立つほど後退した
  • 円形脱毛症と思われる脱毛箇所の発生

受診すると治療の選択肢が広がる

医療機関で診察を受けると、医療用医薬品(内服薬や外用薬)を使用した治療や、メソセラピーなど専門的な施術を受けることが視野に入ります。

市販の育毛剤とは異なる作用で薄毛・抜け毛対策を行えるため、悩みが深刻化している場合は一度検討するとよいでしょう。

クリニック治療で期待できること

  • 医療用医薬品(内服・外用)による薄毛改善
  • 頭皮状態に応じたオーダーメイドの治療プラン
  • 生活習慣のアドバイスやカウンセリングによる総合サポート
  • 市販育毛剤との併用方法のアドバイス

クリニックでの治療と並行して市販の育毛剤を補助的に使う選択肢もあります。

医師に相談しながら適切な組み合わせを行うと、より効果的に頭皮や髪のケアを進められる可能性があります。

参考文献

NESTOR, Mark S., et al. Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics. Journal of cosmetic dermatology, 2021, 20.12: 3759-3781.

LOURITH, Nattaya; KANLAYAVATTANAKUL, Mayuree. Hair loss and herbs for treatment. Journal of cosmetic dermatology, 2013, 12.3: 210-222.

ROSSI, Alfredo, et al. Minoxidil use in dermatology, side effects and recent patents. Recent patents on inflammation & allergy drug discovery, 2012, 6.2: 130-136.

EICHHORN, Tolga; GRETEN, Henry Johannes; EFFERTH, Thomas. Self-medication with nutritional supplements and herbal over-thecounter products. Natural products and bioprospecting, 2011, 1: 62-70.

CASH. The psychosocial consequences of androgenetic alopecia: a review of the research literature. British Journal of Dermatology, 1999, 141.3: 398-405.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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